4回転アクセル

2022年11月26日

報われなかった今は今で幸せ




精神科医の海原純子医師は、雑誌等のコラムにも記事を書かれているので、ご存じの方が多いと思います。

今回、羽生選手の北京オリンピックでの4回転アクセルについて書かれていた記事を読んで、これまで心の隅に引っかかっていた羽生選手の言葉がとても納得できたので、シェアさせていただきたいと思います。
 

自己追求型努力は報われる
~羽生結弦選手に見る「適応型完全主義」という概念~



北京冬季五輪でフィギュアスケート男子シングルの3連覇を期待されていた羽生結弦選手が、4位に終わった。一部には、「メダルを取ってほしかった」「4回転アクセル(4回転半ジャンプ)を跳ばないで手堅くいけば銅メダルを取れたのに」という声もあったが、多くの人たちがその挑戦の姿勢に共感したと報道されている。

 試合直後、松岡修造さんのインタビューを受けて羽生選手が思わず漏らした、「努力は報われないんですね」という一言から、14日の記者会見で「満足した4回転半だった」という言葉に変化する4日間のプロセスに注目したい。

(文 海原純子)


◇羽生選手の「完全主義」

 私はスケート競技に詳しくはないが、羽生選手は完全主義者だと言われている。完璧に技術を習得できるまで練習を繰り返し、絶対に失敗しないという確信を得てから試合に臨み、イメージ通りの演技を行い、勝利を手にするという戦略に基づく競技生活。高い目標を目指し努力し、結果を手にしてきたこれまでの足跡を見ればそれが分かる。

 完全主義は、一般的にストレスフルだという見方がある。完璧を目指して頑張り努力して成功すればいいが、結果が出ない場合、気持ちが落ち込むというのがその理由で、中には「完全主義は良くない」という意見もある。これまで必ず結果を手にしてきた羽生選手にとり、今回の4位はどんな意味を持つのだろう。

22 北京 4A 放物線



◇プロセスを大事にする「適応的完全主義」

 完璧を目指して努力して結果が出なければ、「報われない」という気持ちになるものだ。では、完璧を目指すのは良くないのだろうか、というとそれは違う。なぜなら、完全主義には「適応的完全主義」と「不適応的完全主義」があるとされているからだ。

 一つのミスでも、「すべてが終わり」「意味がない」「努力は無駄だった」と考えれば気持ちが落ち込んでしまう。こうした完全主義は、失敗やミスによって周囲からの評価を失ったと感じて落ち込むことで、不適応的完全主義とされている。

これに対し、高い目標を目指し、自分の可能性を追求するが、結果としてミスをして完璧にはできなくても、その努力のプロセスを納得できる場合は、適応的完全主義とされている。こうした自己を追及する適応的完全主義は、他者からの評価ではなく、自分自身の成長のために、自分が納得できる高い水準を目指して全力で取り組み努力する、そのプロセスを大事にするというものだ。まさに今回の羽生選手の演技そのものと言える。


22 北京 毎日 貝塚 1



 ◇心を守る「自己追求型の努力」

 今回の羽生選手の4回転アクセルへの挑戦が多くの人の共感を得たのは、その挑戦する姿勢と、結果はともあれ自分の最高を目指してリスクを恐れない勇気に対するものであり、その背景に羽生選手の自己追求的な適応的完全主義があるのだと思う。

 「結局4位だったんじゃないか」という声があるだろう。金メダルが取れないことで心ない言葉を受けるリスクもあるかもしれない。そうしたリスクを知りながら、なお、あえて挑戦する姿を見せてくれた羽生選手に共通する思いを感じた人は多いのだと思う。


22 北京 EX LAST



今、努力して頑張っても結果が手に入れられず周りから評価されないことで、「報われない」と感じて落ち込む人は多い。「努力しても無駄だ」と思いがちで、それが心をうつに追い込んでしまう。しかし、他者からの評価とは別の視点で、人からの評価を求めるのではなく、「自分の成長に必要だから自分の目標を目指す」という自己追求型の努力をしていくと、自分自身の努力に納得ができて、これがストレスから自分の心を守ることになる。

 結果やメダルとは別に、自分の可能性を追求する形の適応的完全主義を見せてくれた羽生選手の競技だったと言える。(了)



ずっと気になっていた羽生選手のこの言葉。

「また今回、人生って報われることが全てじゃないんだなと。報われなかった今は報われなかった今で幸せだなと。不条理なことはたくさんあるけれども、少しでも前を向いて歩いていけるように頑張っていきたい」
東京新聞記事より)



4Aという目的のために、自分のできること全てをやり尽くして、しかし、その結果が100%報われなくても、そこに至るまでの自分の努力に対する後悔はないという、晴れ晴れした気持ちがあったのではないかなと想像しました。
誇りを持ってその結果を受け入れられたのだと思います。


私もこれからは、適応的完全主義でいこうと思います。


お読みいただきありがとうございました。

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2022年09月16日

マリニン選手の4A?




昨晩でしたか、マリニン選手がUS International Classicで4A初成功とニュースが上がっていたようですね。


早くも解説付きで動画を挙げてくださっていたので、早速観てみましょう。






通常速度では分かりにくいので、25%の速度に落として、離氷と着氷を見てみました。



離氷時です。

踏み込んでから、

マリニン 4A 1
 


マリニン 4A 2


45度回ったところで離氷しています。

マリニン 4A 3



マリニン 4A 4




そして着氷です。

映像で見ると、つま先が着氷したのは4回と45度ほど回ったポイントです。

4回転半とは4回転+180度回っていなければならないので、135度ほど足りていないように私には見えました。
つまりこれは4回転半ではなくて、4回転と8分の1に見えます。



マリニン 4A 着氷 1


マリニン 4A 着氷 2


マリニン 4A 着氷 4


マリニン 4A 着氷 5


マリニン 4A 着氷 6


着氷してから残りの8分の3、135度分氷上で回っているように見えました。


これで4Aが成功と認定されるのであれば、転倒したとはいえ、羽生選手の北京での4Aの方が完成度は高いと思います。

北京の羽生選手の4Aも同様に、25%のスピードに落として見てみました。


離氷します。

北京 離氷 1


北京 離氷 2


凄い高さ!

北京 離氷 高さ



着氷の瞬間です。
あと45度、8分の1回転ほど足りませんでした。

北京 着氷 2


北京 着氷 3


北京 着氷 4


体重がかかとの方に掛かってしまい、転倒してしまいましたが、

羽生選手自ら説明していたように、着氷ポイントは4回転と8分の3ほどのところでした。

あと8分の1ほど足りなかったのですが、4回転と135度ほどは回っていたということです。


4A 2


しかも断然美しく。

4A 1



マリニン選手は4回転と8分の1で4A成功とされ
、qマークもつかない。

羽生選手は4回転と8分の3でも、qマークですらなく、アンダーローテーションとされたのです。


あまりにも理不尽だとは思います。

しかし、もうISUのやることには私は一切興味を失ってしまったので、悔しさと言うような熱い感情は湧いてきませんでした。
冷めた気持ちで眺めていました。



私はマリニン選手は好きでも嫌いでもありません。
そもそも興味が無いので、全くニュートラルな気持ちで、もっと頑張って羽生選手のようなスケートができるように頑張ってください、という気持ちです。
将来有望な選手であることは分かります。


ただし、私はやはり、このジャンプが4A成功とは認めることはできませんでした。


羽生選手もマリニン選手の今回の演技を観たと思います。
羽生選手にマリニン選手の4Aジャンプを解説して欲しいと思いました。



それにしても、観客席に人っ子一人見当たらないので不思議に思いましたが、これは本当に試合会場なのでしょうか。

壁面にUS International と書かれていたので、試合なのかな。

もしそうだとしたら、アメリカではフィギュアスケートって本当に人気が無いのでしょうね。
むしろそちらが気になってしまいました。



もう一度、羽生選手の、北京でのチャレンジング、かつ美しいスケートを観たいと思いました。





本当に美しく、誇らしい演技です。


羽生選手が、これまでで最高の4Aというだけでなく、僕の人生の中で一番良かった4Aだと言った意味が分かるような気がします。


4A 5



羽生選手は今後、これ以上に完璧な4Aをいつか跳ぶと思います。

でも、彼自身にとっての意味としては、これは人生の中で一番良かった、最高の4Aであったということだと思います。



最後に、マリニン選手の4Aを解説している方が、羽生選手の演技の素晴らしさについて、クロスの少なさに注目して解説している動画も見てみましょう。
2021全日本の『天と地と』です。


羽生選手の演技は、ジャンプだけでなく、スケーティング、トランジションの美しさ、難しさも群を抜いています。






マリニン選手があれで4A成功と認められたならば、今後4Aにチャレンジする選手も増えてきそうですが、羽生選手ほどの完成度まで近づくのはなかなか高いハードルがあると思いました。



ところで、このチャンネル主さまは、元スケート選手で、現在はジャッジもなさっているそうですが、どなたなのでしょうね。

ちょっと知りたくなってしまいました。



お読みいただきありがとうございました。

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2022年09月03日

澄んだ瞳の中の蒼い炎




KISS&CRY 羽生結弦 ShareHearts号の表紙が公開されましたね。



KISS & CRY  9-14 限定版 表紙



KISS & CRY  9-14 通常版 表紙


限定表紙版はAmazonでも楽天でも既に在庫切れとなっていますが、通常版も素敵です。
ピンナップポスター10枚付きというのが魅力です。

大人気の北京五輪Premium号は5版まで増刷を重ねているので、こちらも是非増刷して、
欲しい方全員の手に行き渡るようにしていただきたいです。

私は昨晩ギリギリで楽天ブックスで購入できました。


写真も少しだけ公開されています。


KISS & CRY  9-14 1




KISS & CRY  9-14 2




KISS & CRY  9-14 3

《内容》
●表紙/羽生結弦
●羽生結弦 高純度Wワイドピンナップポスターグラビア10枚!
●巻頭特集/「SharePractice」撮りおろしインタビュー&密着リポート
●特集/「ファンタジー・オン・アイス2022」4都市公演完全プレーバック
●会見リポート/7.19 羽生結弦決意表明会見
●独占インタビュー/デヴィッド・ウィルソン、田中刑事
●TVオンエアスケジュール~地上波・BS・CS各局関連番組


…and more!!!

デイヴィッド・ウィルソンさんのインタビュー、特に楽しみです。



一つ不満があるとすれば、最近限定版と通常版という、表紙だけが違って内容は同じという雑誌が同時に2種類発売されるというのがよくありますが、これってどうなんでしょう?
結局ファンに2冊づつ買わせるという意向だったとしたら、あまり良い考えと思えないのは私の心が狭いからでしょうか。

結弦くんの人気に便乗して、1冊で2度おいしいみたいなことはしないで、内容を変えて2回発売するのがあるべき出版社の姿勢ではないでしょうか。(ブツブツ)


 

そして昨日は公開されたテレビ東京による独占インタビューが胸に響きました。

結弦くんが心の内を少しだけ見せてくれたようで、やはりそうだったのかと思うことばかりで、涙腺が反応してしまいます。

第1回と今回公開された第2回がYouTubeに上がっていますので是非お聴きください。






都築先生からの、「お前ほど報われたスケーターがどこにいるんだよ」
という言葉。

そして
「あの言葉があってこその今の幸せだと思います」
という結弦くんの言葉。

それだけで、結弦くんにとって都築先生がいかに優れたコーチであったのかということがはっきりと分かりました。

都築先生のあの言葉、本当に金言だと思いました。

追加して、「お前ほど愛されたスケータがどこにいるんだよ」と言ってあげたい。




独占インタビューの第2弾ではもっと辛いことが語られていました。

でもその先に見えた希望も。





テレビ東京 インタビュー 1


テレビ東京 インタビュー 2


テレビ東京 インタビュー 3


テレビ東京 インタビュー 5


テレビ東京 インタビュー 6




テレビ東京 インタビュー 7



テレビ東京 インタビュー 8


テレビ東京 インタビュー 9


テレビ東京 インタビュー 10


テレビ東京 インタビュー 11


テレビ東京 インタビュー 12


テレビ東京 インタビュー 13


テレビ東京 インタビュー 14


テレビ東京 インタビュー 15


テレビ東京 インタビュー 17


テレビ東京 インタビュー 18




テレビ東京 インタビュー 16


澄んだ瞳の中に、蒼い炎が静かに燃えているのが見えました。


ISUの「ボランティア」ジャッジよりも、世界中のファンや誠意あるスポーツジャーナリストや芸術家からの評価の方を受け取ってくれた結弦くんの決断は正しかったと思うし、むしろ遅すぎたくらいに結弦くんはこれまでよく耐えてきたなという思いがします。

これからは自由に結弦くんの追い求めるフィギュアスケートの姿を世界に伝えて行って欲しい。


私たちファンの応援もまた、少しでも結弦くんの力になれているのであれば、これ以上の幸せはありません。
これから結弦くんと一緒に新しい旅に出て、新しい風景を一緒に見たいと思っています。

ふと、Continues with Wingsのフィナーレに流れた曲を思い出しました。

「Con te partiro’」というアンドレア・ボチェッリの曲でした。
意味は「君と共に旅立とう」。

君と共に旅立とう
まだ見たことも訪れたこともない場所へ
今こそそこで君と共に生きよう



いつか、『Continues with Wings 第2回』があったらどんなにか嬉しいことでしょう。




テレビ東京のインタビューは3回に分かれているので、次回が最終回です。
いつになるのか分かりませんが、9月中には公開されるのかなと思います。


ここで結弦くんが心の内を打ち明けてくれたことで、心が少しでも軽くなって、次のステップに明るい気持ちで向かって行けたらいいなと思いました。


テレビ東京 インタビュー 19


テレビ東京さん、このような場を作っていただきありがとうございます。




お読みいただきありがとうございました。

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2022年07月26日

ここからが始まり Get Sports




19日の決意表明会見以来、テレビ各局の番組が怒涛のように押し寄せて、とても全部は追い切れないほどです。

普段テレビを見る習慣が無いので、知らないうちに放送されていて、後で気が付くということも度々です。

今回もフジテレビの「S-PARK」も、月曜日の深夜に放送されたテレ朝の「Get Sports」も見逃してしまいました。

女神さまたちのお陰で、TwitterやYouTubeで見られるのは本当にありがたいです。


昨日は「Get Sports」の動画を観ることができました。







まだ道半ばなので。
是非、皆さんと夢を追わせていただけたら嬉しいなぁって思っています。

GetSports 8



羽生結弦が追い続ける「夢」

GetSports 9



僕の心の中に9歳の自分がいて、あいつが「跳べ」ってずっと言ってたんですよ。


こだわり続けてきた4回転アクセル

自分の夢である4回転アクセルを何とか成功させたいなという気持ちでいます。

4回転半跳びたいのは自分が納得したいからだなぁって思って。
跳べることを信じている自分もいるし、跳ばしてあげたいって思っている自分もいるし。


たとえ無謀と言われようとも、その夢を、自分の可能性を信じ。いつしか一人だけの夢ではなくなった。
19 GPF 4A 3  長久保

みんなの夢だから、皆さんが僕にかけてくれている夢だから、皆さんのためにも叶えてあげたいなって思います。


迎えた3度目のオリンピック

GetSports 2



4回転アクセル!挑みました!!


GetSports 3



オリンピックと言う舞台で、できたってことと、
僕のプライドを消さない、あのアクセルジャンプでそれができたということは、
すっごく、ものすっごく、誇りに思っています。




新たなステージへと進んでも


GetSports 8



4回転半ジャンプにもより一層取り組んで、
皆さんの前で成功させられることを強く考えながら、これからも頑張っていきます。


夢の続きをこれからも


GetSports 7

ここからがスタートで、
追い求めている理想のスケートをさらに追い求めていきたいなって思っています。





画面も編集も素敵な番組でした。

映像のバックに流れる『Notte Stellata』のメロディーもよい効果を出していました。
結弦くんを動物に例えるならば、私はやはり白鳥しか頭に浮かびません。


SC TVP 80-1




 
今日の動画は白鳥ではないですが、2007-2008シーズンのFS『火の鳥』を。
地元仙台で開催された2007年全日本ジュニアのFSで1位、総合では3位となりました。
振付は阿部奈々美先生。まだ12歳の結弦くんですが、凄いです!




「まだルッツもフリップも安定していない時期で、ノーミスに近い演技ができ、本当に嬉しかったことを憶えています」(2013-14 Memorial  Official Collection より)




スポーツ新聞も毎日結弦くんの写真特集を組んでいますが、今日の新聞はこんなだそうです。



東スポさん大胆予測!



お読みいただきありがとうございました。

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withgoldenwings at 06:53|Permalink

2022年07月25日

羽生結弦の4回転アクセル



羽生結弦~終わりなき挑戦~

結弦くんの熱意が一番感じられたのはやはり4回転アクセルの自己解説でした。


4A 1



4A 2

実際はここがランディングポイントで、


4A 3

つま先で降りればよかったのが、


4A 4

かかとで降りちゃってる。


4A 5


松崎さん:このジャンプは実際のジャンプの中でどうだったんですか?

多分一番良かったと思っています。

この時点の僕の考えとしては、
これが僕の、競技人生だけじゃなくて、
僕の人生の中で、一番良かったアクセルだなったって思ってます。



4A 6

足先がこれくらいで離れる。僕の場合は。


4A 7


だけど、回転をかけようとすると、ここから回ってきて、このくらいまで行けるんですよ。

(いえ、もっと180度くらい回っている選手もいますよね!)



もうISUにもJSFにも遠慮する必要のなくなった結弦くんは、はっきりとプレローテーションやスキッドについても見解を述べられるようになりました。


今まで、言いたいこも言わずに我慢に我慢を重ねてきた結弦くんはどれほどストレスを抱え込んでいたことでしょう。それを想像すると、また涙が出てきてしまいます。

自分の考えや気持ちを表明できるだけでもストレスは軽減しますから、これからの結弦くんは、これまでよりもずっと明るい気持ちで前進して行けるでしょう。


自分の思いを自由に語れるようになったことだけでも、プロアスリートになったことは価値があると思いました。
 






小海途さん、矢口さんに続いて、田中さんのSEASN PHOTOBOOKが発売されます。


season photobook  1


season photobook  2

この4Aのポスターを壁に飾りたい!




4Aにちなんで今日の動画はこちらです。
大好きな『Notte Stellata』のディレイドアクセルたっぷりご覧ください。




4回転アクセルも、全ては美しいシングルアクセルから始まった。




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withgoldenwings at 05:32|Permalink

2022年07月24日

唯一つの名前「Yuzuru Hanyu」のために




昨夜は結弦くんの番組が続き、楽しくもあり、辛くもあり、でもこれまでの結弦くんの歴史を振り返り、またこれからの結弦くんの行く先を見つめる良い機会になりました。


テレ朝の2時間たっぷりの番組はもちろん良い番組でしたが、
今はその後に放送されたテレビ東京の「みんなのスポーツ」の特集が印象に強く残っています。


余分な文章は書かなくても、
結弦くんの言葉と表情だけで伝わってくると思います。



ただ椅子に座っているだけでも美しい人です。


みんスポ 1-1




みんスポ 10

自分って必要とされていないのかな


みんスポ 11

もう羽生結弦早く引退しろって言われているのかな


みんスポ 3

レールの上をただひたすら走らされている人形なんじゃないか


みんスポ 12

つらいって思ったことも もちろんあった



でも、9歳の僕が「跳べ」って言った。


みんスポ 13



北京五輪の演技後・・・


みんスポ 14



みんスポ 16



みんスポ 17



その時、都築先生はこう声を掛けてくれました。


みんスポ 20



みんスポ 21

すごく報われて、こんなに報われたスケーターがどこにいるんだ。


みんスポ 23

ゆづの挑戦は無駄ではなかったよ。


みんスポ 24

本当によく成長してくれましたね。
感謝しています。



みんスポ 25

頑張れ 結弦!


みんスポ 7



みんスポ 8




そして今、



みんスポ 31



みんスポ 34

こんなに報われたスケーターいないよな。


みんスポ 35



みんスポ 36



みんスポ 37

あの言葉はすごく沁みましたね。


みんスポ 38

あの言葉があってこその、今の幸せなのかな。




私の気持ちもこの方と同じです。




ISUに彼らが忘れている事柄を思い出させたい。

長年にわたりスポンサーやマスコミの注目を集め、
唯一つの名前、Yuzuru Hanyu のためだけにチケットを買う観客のことを含め、

誰が、このスポーツを盛り上げてきたのかを。





今日の動画は2006年全日本ジュニアより
FS『サマ-ストーム』(『四季』夏より)



全日本ジュニア初出場で7位となりました。



お読みいただきありがとうございました。

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報道の自由とスケ連のH.P.


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withgoldenwings at 05:48|Permalink

2022年06月19日

本当の自分の存在理由




昨晩のS-PARKのインタビュー良かったですね。

Jennifer Chiaoさんのツイートより感謝してお借りしました。
 



羽生選手の言葉を中心に書き起こしました。


ーファンタジー・オン・アイス、3年ぶりですけど、どんな思いを込めて演技されていますか?

表現したいこととか、こだわり抜いていることとか、そういったものが言葉みたいな形で伝わらなくてもいいんで、演技の中の、ああこういうシーンあったなとか、ここ好きだったなって思ってもらえるような演技を創りたいなって常に思っていますね。
今まで120%だったのが、さらに150%くらいの力を振り絞りながら、やらせていただいているなって感じでいます。



ー2月に行われた北京オリンピックでは、3連覇への覚悟を4回転アクセルに宿すも、転倒となり4位。
あれから4か月の月日が流れ、今、思うこととは。


皆さんの見る目が変わって良かったなって、正直思っています、今は。

ソチオリンピックと平昌オリンピックと2連覇をしてて、なんかすごい完璧な人間みたいなイメージが強くあったのかなって。
平昌オリンピックの、あの『SEIMEI』のイメージとかが強いのであれば、北京オリンピックの羽生結弦は全然違う人物だったんだろうなって、気がしています。
羽生結弦でもこういうことあるんだーとか、夢に向かって無茶苦茶努力してきたその痕跡が見える中で、結局、夢叶えられなかったっていう、なんかそういう泥臭さみたいなものを感じていただいたからこそ、応援してくれるって人もいるんですよね、今。

なんか、それが僕は嬉しかったなぁって思っています。
その点において、僕はやっぱり北京オリンピック出てよかったなって思いますし、やっぱ幸せになれたなって思っています。

SPARK インタビュー 2



ー北京で痛めた右足の状態はまだ万全ではない中、羽生選手は先月末に行われた幕張公演で譲れぬ夢への想いを演技に込めました。

4回転半、ていうジャンプに向けて、絶対に、その夢を手に入れるんだっていう、なんか、自分の決意表明じゃないですけど。


ーもう一度夢を掴みに行く。そんな想いを込め、羽生選手は幕張公演でアクセルジャンプだけを組み込んだ演技を披露しました。

揺れ動いているように見えてるんですけど、芯の中にはちゃんと4Aに向けての強い信念があって、その軸は絶対にぶれないみたいなものを表現しようと思っていたんですけど。

記者会見を開いていただいた時に、「僕の4回転半はこれで満足です」みたいなことをちょっと言っていたんですけど、ダンスを独学で学んだりとか、いろんなことをして視点が変わっていく中で、まだ4回転半色々工夫できるなっていうのはちょっと思っているんですよね。

北京オリンピックで注射打ちながらだったからこそ、その火事場のばか力みたいなものが、、恐怖感のないアクセルが跳べたって状況の中で学べた事がかなりあるんですね。
その学べた事をやっぱりもっと使っていきたいなと思いますし、やっぱり4回転半に向けては日々挑戦していきたいなって気持ちは強くあります。

「絶対降りたいな」って思ってますね。もちろん皆さんが見ている前で、降りたいなって気持ちが強くあります。


SPARK インタビュー 3-1


SPARK インタビュー 4


ー再び前を向く羽生選手に、最後にこんな質問をぶつけました。

羽生選手が追い求める究極のスケートとは何ですか?


なんか、やっぱり芸術性は大事だと思うんですよ。
僕は音楽にのせて滑ることがとても好きですし、僕は僕だけにしかできないステップだったりスピンだったりをやっぱり追い求めていきますし、ジャンプと言う点に関しても、もっともっと練習して、今の羽生結弦が一番上手いなって、技術的にも今が一番上手いなって、思ってもらえるように、常に努力し続けたいなって思います。
僕はアスリートなんで。

SPARK インタビュー 1



やっぱりフィギュアスケートは芸術性も大事かもしれないですけど、間違いなくスポーツではあるので。そのスポーツである緊張感とかも、なんかアイスショーでも、羽生結弦のフィギュアスケートから常に感じていただきたいなって思います。



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インタビューを見て、ファンタジー・オン・アイスで演じた2つのプログラムは2つ合わせて、
「本当の自分の存在理由」を求めるプログラムだったんだなと思いました。

「Real Face」の
「Raison d'etre」


常にプログラムの中に意味を込める羽生選手らしい選択だったんだなと。

そして「絶対降りたいなって思ってますね。もちろん皆さんが見ている前で」という言葉からは、実はもう降りられたのではないのかなと感じました。

「皆さんが見ている前でも降りたいな」と聞こえてしまったのは私の空耳だったのかもしれませんが。





S-PARKで予習して、
今日はようやくライブビューイングでその全貌を見てきます。

ほんと、ドキドキしながら、行ってきます。



お読みいただきありがとうございました。

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2022年05月15日

コロンブスの卵




このところ、イリヤ・マリニン選手の4A動画が大きな反響を呼んでいるようですねね。

これは5月3日の記事にあげたYouTube動画ですが、これとはまた別の時の動画でしょうか。









場所は全て同じところのようですね。

うーん、私には4回転半は回ってはいないように見えます。
プレローテーションで半回転しているように見えますから、実際に回っているのは4回転くらい?



これに比べたら羽生選手の北京の4Aの方がはるかに完成度は高いと思います。




マリニン選手は羽生選手とそっくりな衣装を着るほど、羽生選手をリスペクトもし、かなり意識していると思います。
この衣装も『Let Me Entertain You』を思わせますね。

イリヤ マリニン 1


羽生選手の挑戦が、10歳年下のマリニン選手の刺激になったとしたら、フィギュアスケート界全体の発展を願う羽生選手も喜んでくれるかもしれません。




こちらは本当に『SEIMEI』そっくりさんですね。
2018年の映像ですから13歳くらいでしょうか。才能ある選手であることは確かなようです。



しかし、最初にチャレンジするのと、その後を追って真似るのとは全く意味が違います。

よく「コロンブスの卵」と例えられますが、知ってしまえば当たり前で簡単なことのように思えることでも、最初に発見したり、最初にチャレンジするのはとても困難で、時として危険も伴う大変なことなのです。


余談ですが、ではなぜ最初に成し遂げることの困難さを『コロンブスの卵』と言うようになったのでしょうか。

◆『コロンブスの卵』の逸話

『コロンブスの卵』は、イタリアの探検家であるコロンブスが新大陸を発見した後に、スペインで貴族のパーティーに出席した際の出来事が由来だといわれています。

パーティーでコロンブスは「自国には優れた人材が豊富なので、あなたじゃなくても新大陸の発見は誰にでもできる」と中傷されました。そこでコロンブスは、置いてあった卵をテーブルに立てるように指示しましたが、中傷してきた誰にもできませんでした。


しかしコロンブスは、卵の尻をテーブルで潰して立てて、全員の前で卵を立てることに成功しました。新大陸の発見も卵と同じで、誰かが成功した後であればやり方は理解できるものの、最初に思い付いて実行することが重要で難しいことを説いたのです。


これには異説もあり、実はルネッサンス時代のイタリア・フィレンツェの建築家のフィリッポ・ブルネレスキの逸話だという説もあります。
この説は同時代の画家で建築家のジョルジョ・ヴァザーリが書き残したものです。ヴァザーリは同時代の芸術家たちのエピソードを集めて、『芸術家列伝』という著作を残しているので、こちらの方が信憑性は高いのではないかと思います。
ブルネレスキは、現在もフィレンツェのシンボルであるドゥオーモ、サンタ・マリア・デル・フィオーレ(フィレンツェ大聖堂・花の聖母寺)の設計者です。


ブルネレスキはフィレンツェ大聖堂を建設するコンペの際に、巨大な二重構造のクーポラを築造する計画を、図面すら見せずに「私に建設を任せてください」と提案しました。他の建築家が猛反発したので、ブルネレスキは『卵を大理石の上に立てられた建築家に任せましょう』と提案しましたが、その場の誰も卵を立てられませんでした。

しかしブルネレスキは、卵の底を潰して大理石に立ててみせて、他の建築家は『そんな方法なんて知っていればできた』と批判しましたが、ブルネレスキは『その通り、最初にやるのが最も難しく、もし計画や図面を見せていれば、皆さんは真似をしていたでしょう』と発言し、コンペを勝ち取ったという説があります。

もしブルネレスキ説が本当であるならば、『コロンブスの卵』ではなく、『ブルネレスキの卵』と呼ばれていたかもしれないですね。

私はフィレンツェに住んでいたことがあるので、フィレンツェ大聖堂はとても身近に感じますが、この説は今回調べて初めて知りました。

そういえば、フィレンツェ大聖堂のクーポラは卵の下半分を伏せたような形をしていますね(笑)。
クーポラの頂上まで行くには、二重になった狭~い壁の間の階段をらせん状に登っていきます、


Firenze Duomo



というわけで、羽生選手の4回転アクセルの初認定は、後から誰が跳んだとしても、その偉業は永久に記録されることなのです。

マリニン選手も頑張っていると思いますが、単にプレローテーションで4Aを1本単独で跳ぶことは、羽生選手のようにプログラムの中で音楽に溶け込ませて4Aを跳ぶことからは程遠いことです。
それは本人もよく分かっているのではないでしょうか。


足を痛めた羽生選手がこれからさらに4回転アクセルへの挑戦を続けるのかどうかは分かりません。
しかし、4Aの先陣を切った功績は永遠に残ります。

4A認定を知った瞬間、羽生選手の顔がパッと輝きました。

この場面を見ると、今でもウルウルしてしまいます。

羽生選手が少しでも報われたと感じられたこと、本当に嬉しく思いました。



羽生選手もマリニン選手の動画を見たと思いますが、
今頃、「負けないっすよ、後輩くん!」なんてつぶやいているかもしれないですね。



お読みいただきありがとうございました。

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2022年05月13日

マッシミリアーノ・アンベージ特別寄稿




1シーズンに1回だけ出版されている『氷上の創造者』、その創刊号からの注目のコンテンツは、なんといってもイタリアのスポーツジャーナリストであり、羽生結弦選手を初めて見た時から現在に至るまで、ずっと高く評価しているマッシミリアーノ・アンベージさんの特別寄稿でしょう。

今回は2つの特別寄稿が寄せられています。

特別寄稿 その1
「新たな清流をもたらすために羽生結弦は必要とされている」

特別寄稿 その2
「フィギュアスケートの変化、懸念される未来」





今回は特別寄稿1を読んで感じたことを書いてみました。


 
『新たな清流をもたらすために羽生結弦は必要とされている』



SP『序奏とロンド・カプリチオーソ』の最初のジャンプ4回転サルコウで起こってしまったアクシデントはマッシミリアーノさんにとってもまた、痛恨の出来事でした。
しかし、それは大会中最も洗練されたショートプログラムであり、あらゆるディテールまで完璧に研究し尽くして作り上げられた唯一のプログラムだったと指摘しています。

もしもあのアクシデントがなく、プログラムが完璧に実施されていれば、北京五輪の結果はどうなっていただろうかという思いは、マッシミリアーノさんも抱いているのでしょう。

現実は変えられない以上、首位から19点差となり、実質的にオリンピック3連覇の可能性が消えた時、羽生選手を北京オリンピックに駆り立てた本当の目標、4回転アクセルをオリンピックという舞台で成功させたいという願望が彼の中で唯一の目標となりました。


しかし運命は過酷にもFSの前日の練習で羽生選手の右足首に酷い怪我を負わせてしまいました。
普通の試合であったなら棄権するレベルの怪我であったにもかかわらず、羽生選手は痛み止めを服用してでも果敢に4回転アクセルに挑み、そしてこれまでで最高に綺麗な軌跡を描いて右足で着氷しました。
転倒し、アンダーローテーションとはなりましたが、ISUにより史上初の4Aとして正式に認定されたのです。


22 北京 4A 放物線



マッシミリアーノさんは、このことについて「4回転アクセルの挑戦は転倒に終わるが、回転はほぼ完成に近く、回転不足の判定は、特に他のスケーター達のジャンプに対する判定を考慮すると、厳格すぎるように思われた」と述べています。


実際、動画で何度も4Aの部分をスローで見返しても、回転はほぼ回り切っているように見え、アンダーローテーションよりもqマークが正当な評価なのではないかと思いました。


「もし(SPで)埼玉の全日本選手権と同じレベルの演技ができたなら、彼は果たしてどこまで到達できただろうかという疑問は残されたままだ。もしそうなっていたら、おそらく我々は別のストーリーを語ることになっていただろう」とも述べています。


これまで、羽生選手ほど運命に翻弄され続けてきたアスリートはいないと思います。
大震災も、事故も、病気も、そして怪我は数えきれないくらい。
しかし起こってしまったことは変えられないのならば、運命を甘受して、それにどう対処すればよいのか、最良の方策を考えてその運命を乗り越えてきたのが羽生選手です。

北京では4位となり、表彰式に現れることもなかったわけですが、北京オリンピックで最も注目され、愛された選手だったと思います。


「羽生が北京に来なければ、冬は浪漫を信じない」。 
(蒼蒼さんのツイートより)



「羽生結弦がフィギュアスケート界にもたらした貢献は、この競技にとって必要不可欠なものであり、彼の功績はこの先数世紀に渡って残っていくだろう」


このマッシミリアーノさんの言葉のように、羽生選手は今、勝敗や点数といったISUが決める順列ではなく、歴史に名を刻むという、より本質的な価値を求めてスケートに身を捧げようとしているように思えます。

22 北京 毎日 貝塚 22



寄稿の最後に、マッシミリアーノさんは、ISUのルールのゆがみと、その疑わしい適用のせいで、徐々に信頼性を失いつつあるフィギュアスケートというスポーツに新たな清流をもたらすために、羽生結弦が寄与することができるだろう。
そのためには羽生選手が卒業論文で示したテクノロジーを活用するところからすべてが始まるだろうと、採点へのAI導入を求めています。

「いずれにしても、まだ氷上であろうと、運営人のトップの立場であろうと、我々は彼を見ていたい。
フィギュアスケートは羽生結弦を必要としているのだ。この事実を理解しないことは、この競技の真価と未来に対する犯罪であり損害である」


おそらくマッシミリアーノさんは、未来において羽生結弦がISUのトップの立場になるべきだと考えているのではないでしょうか。

もしその望みが叶えられれば最高だと思います。

しかし残念ながら、現状を見る限り、羽生選手が濁流渦巻くISUの中心部に入ることなど私には考えられないことですが…


いつの日にか、ISUが清流となり、マッシミリアーノさんの願いが叶うよう祈っています。




お読みいただきありがとうございました。

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2022年05月04日

最高の羽生結弦の完成形とは




昨日の記事に書いたマリニン選手の4A映像にはおどろきましたが、

ゆづマミさんがタイムリーに羽生選手のインタビュー思い起こさせてくださいました。



羽生結弦の完成形 0


羽生結弦の完成形 1


羽生結弦の完成形 7

「最高の羽生結弦の完成形、その中の一部が4回転アクセル」


羽生結弦の完成形 6


羽生結弦の完成形 4


羽生結弦の完成形 5

「最終目標は4回転アクセルを含めた完璧な形のプログラム。
そこを表現しないと自分自身が多分納得できない」。

 


文字通り命がけで会得した4Aを跳ぶための秘訣でも、惜しげもなく公開するのは、羽生選手の心の広さとフィギュアスケートスケートへの愛の証だと思います。

羽生選手の最終目標がどうか達成されるよう、祈らずにはいられません。
心からの願いです。





五月晴れだった5月3日、3年ぶりに表参道の根津美術館に行ってきました。

隈研吾さんの素敵な建築に素晴らしい広大なお庭、今は燕子花が満開です。

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展示物はこの季節恒例の、尾形光琳の「燕子花図屏風(国宝)」。

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それに加えて今年は、丸山応挙の「藤花屏風図(重要文化財)」と

華やかな桜の「吉野図屏風」が揃っています。


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桜、藤、燕子花の華麗な屏風図の競演です。

3点の屏風が揃って同時に展示されることは稀なことです。

5月15日(日)までで、羽生結弦展と同様に要ウェブ予約。
予約はこちらから

お時間あれば、是非是非お薦めです。


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お庭は新緑の木々に囲まれた都心のオアシスです。

緑影と燕子花と美術品、最高です。



お読みいただきありがとうございました。

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2022年05月03日

マリニン選手の4回転アクセル挑戦




昨日目にしたイリヤ・マリニン選手の衝撃的な映像です。

確かに4回転半回っているように見えます。



羽生選手が命がけで打ち砕いた4Aの壁は、次に続く選手に挑戦する勇気を与えるのだと思います。

来シーズンは羽生選手と、羽生選手に憧れて後を追うマリニン選手の4A挑戦が見られるスリリングなシーズンになる可能性を感じます。


22 北京 4A 放物線



羽生選手はまだクリケットクラブで練習している頃に、既にハーネスで4Aに成功していたことを、ディオニシオコーチがインスタグラムに映像で公開してくれていましたね。




マリニン選手の4A挑戦は、限界を突破する勇気を持つ選手が、後に続く選手の導きとなるということの証です。

羽生選手も、正しい跳び方で4回転アクセルに挑戦してくれる選手が、彼の後に続くことは喜んでくれると思います。 




羽生選手はマリニン選手の動画を見たでしょうか?

きっと見たことでしょうね。

そしてまた、心の中に蒼い炎が点火されたのではないでしょうか。

羽生選手の来シーズンの現役続行宣言はまだですが、十分に足を治して、また思う存分自分の夢に挑戦できますように。



お読みいただきありがとうございました。

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2022年05月01日

4回転半の真実




遅ればせながらアイスジュエルズの感想書いておきたいと思います。


【羽生結弦が記す4回転半の真実】

4回転半の真実


この羽生選手の寄稿は、82枚の連続写真から選んだ写真を使って解説したことで、どんな解説よりも分かり易く、4回転半の真実を私たちに伝えてくれました。

写真というものが、どれだけ説得力を持っているかを改めて確認できたドキュメンタリーのような解説でした。


踏切は、ノービスBの時の自分の2Aの、全く軸のブレのない跳び方を取り入れて挑んだ4Aでした。
離氷の瞬間の写真からはプレローテーションが全くなく、これが「僕自身のこだわり」「僕のアクセル」という、羽生選手の言葉の意味を写真ではっきりと確認することができます。


空中姿勢の説明に選ばれた3枚の写真は、1回転半、2回転半、3回転半で、本当に軸が少しも崩れていなくて、あの4Aにトライしたジャンプが最高に綺麗な軸を保っていたことが実証されています。
この3枚の写真もその瞬間を見事に切り取っていて、写真の説得力って凄いなと思いました。
82枚の連続写真を撮影してくれた田中さんにもひたすら感謝します。


着氷時の2枚の写真からは、なぜ着氷で耐えられずに転倒してしまったのか、その理由が分かりました。
そして転倒後に立ち上がる姿勢や表情から、どんなことがあっても這い上がる、立ち上がる姿が、自分が表現したい世界観に合っているのだと述べています。

羽生選手はこれまでいつも順風の中を歩んできたのではなく、近年はむしろ逆風に抗いながら進んできたことが思い起こされ、どんなに苦しくても決して諦めない忍耐力、精神力、向上心といったものがあの立ち上がる姿に現れていることが感動を引き起こしたのだと思いました。



最後に4A認定について、これが「自分のアクセル」「自分の4A」なのだと誇りに思っていると。
一時は羽生選手の「報われない努力」だったという言葉に心がつぶれそうな思いだったので、本当にそう思っていてくれて良かったなと思いました。
北京での挑戦で4A挑戦は終わったのかもしれないなと思っていたし、それ以上羽生選手に負荷をかけるわけにはいかないと思っていたのですが、彼自身はまだ4Aの完全な完成形を諦めていないのです!
そのことに感動しました。

今は、いつの日か羽生選手は4回転アクセルを完成させるだろうと、私は確信しています。


ここまで読んできて、羽生選手が自分の演技を客観的実証的に分析して、誰にでも理解できるように説明してくれたことに感謝の気持ちが湧き上がってきました。
過度に感情に流されず、いつも自分の演技に対して客観的な視点を持っているところも、羽生選手の大好きなところです。



ところが【北京オリンピックの総括】を読み始めると、今度は涙なしでは読み進められなくなりました。

最高の練習をして、最高のコンディションで挑んだ北京オリンピック。
それなのにSPでのまさかのアクシデント、翌日のFS練習中の重度の足首の怪我。
跳べる状態ではないほどの痛みの中で、一時は自信も希望もすべて失った状態に陥ってしまったのです。
痛みで普通の歩行さえ困難で、「この痛みに耐えてしまっていいのか」をもう一度ドクターに問いかけたということは、その時点で羽生選手は、これほどの痛みに耐えてしまうことで、足首が破壊されてしまうのではないかという恐怖も感じていたのだと思います。
何度も大きな怪我を経験している羽生選手がそこまで考えるというのは、どれほどの痛みだったのかと、痛みに人1倍弱い私は尚更に辛くなってしまいました。

本番直前までは痛みとの闘いだったということですが、6分間練習と本番だけは注射で痛みを消してもらい、すると「痛みが軽減された足で跳ぶと何でもできるような気が」して、恐怖心はひとかけらもなかったというのです。
あらためて『天と地と』の演技が命がけで戦いに臨む武将の心に近かったのだろうなという思いがしました。

最後が「幸せになりました」という言葉で終わっているのを読んで、私も幸せな気持ちになりました。

結弦くん、本当にありがとう。心からのお礼を伝えたいです。



miruruさんのツイートをお借りしました。      

アメリカの解説もロシアの解説も同じように羽生選手に最高の賛辞を贈っています。

芸術はイデオロギーを超えることの証明です。




そして羽生選手自身の解説動画です。


結弦くん、4回転アクセル世界初認定、本当におめでとう!!!

これからも練習していくという結弦くんをどこまでも応援していきます。

ここで止まるような羽生結弦ではないのですね。


お読みいただきありがとうございました。

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2022年03月12日

君が僕の一番のプラオリティ




今日の東京は暖かいというのを通り越して、コートを着ていると少し汗ばむほどの晴天でした。


数駅先の神社の河津桜を見に行ってきました。

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お願い事は、結弦くんの足の快癒とウクライナ紛争の終結。


満開の桜を見ていると、同じ空の下で戦争が起こっているなんて、
悪夢であってくれ、と願わずにはいられませんでした。

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今日は、先日のジスランコーチのインタビューの記事の続きをようやく書けそうです。
『フィギュアスケートLife Extra』からの一部抜粋です。


ジスラン インタ 4


ジスランコーチの羽生選手に対する愛情に感動しました。
そして二人の強い絆を知り、涙なしでは読み進められませんでした。



羽生選手との練習について


最初の頃、僕はまだ彼の試合に帯同していなかったんですが、彼は練習の後すぐに動画を送ってきていました。
30本の動画が送られてくることもあったんです。すぐにコメントして返信していましたが、彼は僕がいつでもすぐに対応することを知っていたんです。
「君のためなら24 / 7、一日24時間、週7日間時間を割くよ。いつでも連絡してくれていい」と言ってあったので、午前3時に動画が送られてきたりもしました。3時半までに僕もフィードバックを送っていました。彼の勤勉さには感心しますよ。
(中略)



過去2年間での羽生選手の変化について

当然だけど、練習方法に関してすごく成熟しました。

彼を見ていると、「周りにクワッドを跳んでいる人がいるところでしか練習できない」って言う人に、「いや、そんなことないよ、ユヅを見てごらん」って言いたくなります。
自分でモチベーションを掻き立てて、自分でどこをターゲットにするのか、を設定して。
ユヅが他の選手に比べて現役を長く続けられているのはそこなんですよね。
頭の中でどこに到達したいのか、を描くことができるんです。

ここ2年間一緒に練習できていないわけですが、ユヅには言ってあります。
昔と同じで24 / 7 だよ、と。
僕のテクスト番号は分かってるね?いつ動画を送ってくれてもいい。
君が僕の一番のプライオリティだから。大変だけど、これからも頑張っていこう、と。


ジスラン 2018平昌



4A挑戦について

僕が一番尊敬するのは、ユヅルの有言実行の姿勢ですね。

僕だって彼と会えなくてすごく寂しかったです。いつも彼とよく交わしていたハグだとか、そういうものもなくなって、すべてがリモートで行われる。これまでとは勝手が違いました。
でもそんな中で彼は一貫して、自分がやる、と言ったことに関しては決して揺るがなかった。尊敬しますよ。

ジスラン 2019GPF


彼がなにをやろうとしているのかを理解できない人はいます。
「どうして彼はそこにこだわるの?それ(4A成功)って本当に必要なこと?」と疑問に思うんでしょうが、そういう問題じゃないですよね。
「自分を熱くさせてくれるものは何か?」ということなんです。
それがなければ突き進むことはできない。パッションですよ。
(中略)

すごいなと思うのは、彼がたった一人でそれをやっているところです。
オリンピックが目標ではなく、4Aを降りることだけを目指して。

僕もよく聞かれたり言われたりしました。
「彼は本当にオリンピックで(4Aを)跳ぶと思う? いや跳ばないだろうね。勝ちに行くのであればそれなりの方法を取るだろうからね」。

でも僕はそれに対して何も言わず、頭の中で、「君らはユヅを知らないからそう言うんだよね」と思っていました。
誰が何と言おうと、彼はやる。
オリンピックで勝つことよりも4Aを跳びたいんだから跳ぶぞ、と。

最初に言ったことに、ただただ忠実だった。
気変わりをせず、「どうして(オリンピックに)出るのか」を明言して、その通りのことをやり遂げました。
素晴らしいです。



今、羽生選手に送りたいメッセージ

僕の個人的な意見ですが、ユヅルはあと4年は行けると思っています。
(中略)

だって彼ほどのスケーターが他にいますか?
あれだけのクオリティの滑り、スピン、ストローキング、エッジワーク、ターン.......ジャンプだけの話じゃないのです。

もちろん彼のジャンプは好きですよ、一緒に練習して僕の期待通りのジャンプを跳んでくれているんですから。
とにかく彼は完全なスケーターなのです。
地球上を見渡しても他にいません。彼だけです。


いや、ネイサンは確かに素晴らしいアスリートですが、それでもユヅルほどの、スーッと滑るような滑らかさはない気がします。

ユヅルは氷に立つと、すぐに人々の目を引きます。
「あ、こいつは何か特別なものを持ってるな」と思わせる、カリスマですね。

だから彼が心の中に情熱を持ち続けている限り、これからもやっていけるでしょう。
年齢などは関係なく、35歳とかになっても大丈夫だと思います。彼の演技にはそれだけの説得力があるのですから。

(中略)

平昌五輪で優勝した次のシーズン、モスクワでの試合だったと思います。
練習でのユヅルを見ていて、横にいたブライアンに言ったんですよ。
「去年より、上手くなってない?ジャンプも滑り全体も」って。
そうしたらブライアンも「確かに、そうかもしれないね」って言って、僕たち二人で顔を見合わせました。

ジスラン インタ 2


彼自身、内なる炎、情熱を保つことさえできたら、まだ続けられる。

(中略)

僕はもう今後、キャリアが終わるまでに彼のようなスケーターには出会わないと思っています。とにかく彼は「驚異的(phenomenal) 」です。
一生に一度の存在、とでも言いましょうか。

だから彼にはただただ、情熱を持っていてほしい、と思います。

(完)


ジスランコーチは羽生選手は4年後もいや、8年後でも続けることができると言っています。

つまり、2026年のミラノオリンピックも、その次の2030年のどこかのオリンピックも出場できる可能性があると言っているのです。

羽生選手が、もし札幌オリンピックがあれば、「僕も、出たい」といったのも、あながち夢ではないっていうことになりますね。
.

また、そうであれば、グラッスル選手もミラノで再び羽生選手に会える、ってわけです。
今度は後悔しないように。



私も是非是非ミラノで羽生選手を応援したいです。

それが目下の私の夢です。


おそらくマッシミリアーノさんもミラノでユヅルを解説したいのではないかな。
MILANOはユヅルを待っている。

今は勝手に、そう思っています。



お読みいただきありがとうございました。

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2022年03月10日

北京の4Aは最高のジャンプ




『フィギュアスケートLife』のブリアン・ジスランコーチのインタビューには、羽生選手の4A挑戦についての数々のエピソードが明かされていて、羽生選手の4A成功に掛ける強い思いと、ジスランコーチの羽生選手に対する愛情に満ちた気持ちに感動しました。

ジャンプコーチという立場から、ジャンプを正しい技術で跳ぶことの重要さについても詳しく語ってくださっています。

インタビューの一部分を抜粋させていただきました。


ジスラン インタ 1



SPでの4回転サルコウの失敗について


僕の親しい知り合いで、中国の主催者側のビデオ係をやっている人から動画が2つ送られてきました。
ちなみに僕は3年ほど前から中国代表選手の練習を見ているので、その人とはずっとお互い連絡を取り合っている仲です。

一つはユヅの北京オリンピックのSPの時の4回転サルコウの動画。もう一つは別の試合の4回転サルコウの動画で、まったく同じカメラアングルでした。
それを比べてみると、前者の4回転サルコウのテイクオフ時に、ユヅの足の動きが少し、ほんの少しだけ上体の動きよりも減速するのが見えるのです。
結弦は非常に綿密に調整されたF1のレースカーに似ています。自分の身体を知り尽くしていて、すべての部分に敏感に反応します。
だからほんのちょっとでもズレがおこると、大きな影響を及ぼしてしまうのです。

僕はユヅから送られてきた送られてきた写真をもう一度見直して、テイクオフで引っかかったと彼が言った穴がどこにあるかを確認しました。
すると動画で見ていて、足が減速する個所と完璧に一致したのです。


北京 SP 穴



SPの冒頭の4Sで穴にはまってしまい、ジャンプが失敗したことに関しては、ハビの見解とかもあり、釈然としないこともありましたが、ジスランコーチはそれとなく、やはりあれは穴にハマったのだということを実証してくれたのだと思いました。
羽生選手には試合で2回そういうことが起こり、一つは日本での試合、もう一つが今回の北京での出来事だったということです。



4回転アクセルへのアドバイスについて
 
率直に言うと、今年のユヅルは4Aを着氷させたいという気持ちの方が、オリンピックで優勝したいという気持ちよりも強かった感じでした。
「僕はすでに2度、オリンピックで優勝している。だから勝っても初めて、というわけじゃない。
でも4Aを成功させれば僕が史上初、でしょ? だからそっちに焦点を当てたい」
って言うんですよ。

パンデミックが始まってからバーチャルな方法でコーチングをやるようになって、それはそれでよい点もありますけれど、やっぱり実際に対面式でやるのとはまったくわけが違います。

こう言うと変に思われるかもしれませんが、僕は「触るのが好き」なんです(笑)。
スケーターを「手取り足取り」教えるのが僕のやり方です


なのに、ユヅがよりにもよってジャンプの中で一番難しい4Aを身に付けようとしている時に、僕たちはすべてをバーチャルでやるしかなかったんです。



「触るのが好き」なのに、バーチャル練習しかできなかったというのは、ジスランコーチにとっても、羽生選手にとってもストレスが溜まることもあったと思います。
でも、いつでもジスランコーチに相談できていたのだということが分かり、安心しました。

ジスラン



具体的な練習方法について

ユヅの場合は彼から動画が送られてきて、僕がそれを分析して、気が付いた点、直すべきだと思う点を記述式でテクストの返信を送るんです。
そして彼がそれを見て、次の練習で活かす。何かわからない点があればユヅからメッセージが来て、やり取りをすることもあります。

そこで僕が彼に説明したことは、他の4回転はルッツでさえも、たいてい滞空時間が0.57だ、と。
でもそれでは4Aは絶対に跳べない。少なくとも0.80秒は欲しい。0.23秒の差、です。
0.23秒は(滞空時間で言えば)一生分の長さみたいなものですよ。


4Aは他のジャンプよりも回転が増えるわけだから、跳び上がって瞬時に回転し始めないといけない。
でも難しいのは、たいていの場合そうやって早く回転に入ろうとすると、ジャンプの高さが犠牲になる、という点です。高さが足りなくなってしまう。そして回転を増やそうとすると今度は軸がぶれる。
軸が外れたまま降りると氷に叩きつけられて、まるでスクールバスに激突されたみたいな目に遭う。

でも、ユヅと練習するのはとても楽しいです。彼はj分の身体を完全に知り尽くしているんですよ。彼と練習するようになってかれこれ8年目になりますが、僕の言うことをすぐわかってくれる。


0.23秒の差まで計算して出してくれるジスランコーチ。その瞬きする一瞬の時間が4Aの成功に必要なのですね。それは正に「限界への挑戦」という言葉がふさわしいと思いました。

羽生選手が何度も氷に叩きつけられながら、ようやく「立てる」ところまで到達できたことに、心からの賛辞と敬意と愛を捧げたいと思いました。



北京五輪の4A認定について

全日本の1か月半前ですかね。彼から動画がいくつか送られてきました。「Check this out(これ、見てよ)」というメッセージが添えられて。(中略)それで動画を見たら、(4A着氷後)立っていたんです、それまで立ったことがなかったのに。降りたとしても転倒、また転倒、転倒のt連続でした。

もう僕はそこでパ二クりましたよ。冗談抜きで、あの動画を見た時、僕は家の中でぴょんぴょん飛び跳ねました。「Oh my God!立ってるじゃないか!」って。その時からすべてが変わりました。

両足で着氷していました。クリーンではなかったけれど、着氷して、立っていました。
大きな前進ですよ、それでも。
(中略)
というわけで、全日本の最初の練習で最初に跳んだ4A、着氷して立っていましたよね?あれは本当に良いジャンプでした。試合本番で跳んだジャンプよりも良かったと思います。
でも、北京で跳んだジャンプはそれよりさらに良かった。

もちろん、転倒はしましたが、ジャンプに高さがあったし、着氷もいっそう明らかに片足で降りていました。
僕に言わせれば、試合でこれまで誰が跳んだ4Aよりも、あれがぶっちぎりで最高のジャンプでしたね。


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4Aとしてコールされたのも良かったです。
回転は明らかに3Aよりも回っていたし、不足分は2分の1というよりも、4分の1に近かった。議論をしようと思えばいくらでもできるけど、とりもなおさず「クワッド・アクセル」なんですからね。

ということで、北京での4Aはこれまでで一番の出来だった、と思います。
(中略)
ジャンプ指導に関して僕が譲れない線は、選手たちに絶対にジャンプをチートしない、という点です。
テイクオフ、空中、ランディングのいずれにおいても妥協しない。


4回転ルッツに関しては、世界でちゃんとできていると僕が思うのは3人だけ。
ボーヤン、ネイサン、そしてユヅル。




ジスランコーチのジャンプ指導がいかに原則に基づいた厳しいものであるか知ることができました。
ボーヤン選手も3年前からジスランコーチにジャンプ指導を受けていたことは初めて知りました。

北京では仲の良い二人の姿が見られましたが、きっと同じコーチに指導を受けているという親近感もあるのかな。


北京 ボーヤン




ここまでで、インタビュー全体の約半分です。

続きはできれば明日にでも書きたいと思います。

ジスラン インタ 4


ジスランコーチ、スマートになって精悍な感じでカッコよいですね。

またいつか羽生選手がクリケットクラブで練習できる日々がありますように。



お読みいただきありがとうございました。

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みやびやかな一刻とFaOI2022
ブリアンコーチは見ていた☆4A着氷
羽生選手の来シーズンは

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withgoldenwings at 23:57|Permalink

2022年03月07日

ブリアンコーチは見ていた☆4A着氷




 3月9日発売の『フィギュアスケートLife Extra』にクリケットクラブのジスラン・ブリアンコーチの独占インタビューが掲載されています。(Oriconニュース



羽生結弦、練習で4回転アクセル成功「立っていた」

ジャンプコーチが北京五輪”史上初の挑戦”の裏側を証言

フィギュアスケートの羽生結弦
選手が、9日発売のムック書籍『フィギュアスケートLife Extra 北京オリンピック2022』(扶桑社)の表紙を飾り、ジャンプ・コーチの独占インタビューが掲載される。


フィギュアスケートLife extra 表紙


誌面では、北京五輪での日本代表選手たちの活躍を総力特集。

3連覇の期待を背負って出場した羽生選手は、ショートプログラムで氷の穴にはまるアクシデントに遭うも、フリーでは前人未踏の4回転アクセルに挑み、回転不足ながらも初めてジャッジスコアに「4A」の文字を刻んだ。

その羽生選手を2014年から見守り、コロナ禍中でもリモートで4回転アクセルを指導し続けたジスラン・ブリアン氏のインタビューを掲載。

昨年の全日本選手権の1ヶ月半前には羽生選手から動画が送られてきたことを明かし、「『Check this out』というメッセージが添えられていて。動画を見たら(4A着氷後)立っていたんです。

それまで降りたとしても転倒、また転倒、転倒の連続でした。それがこの日は5つほどの動画が送られてきて、彼が立っているんです。
もう僕はそこでパニクりましたよ。冗談抜きで、あの動画を見た時、僕は家の中でぴょんぴょん飛び跳ねました。『Oh my god! 立ってるじゃないか!』って。

その時からすべてが変わりました」と振り返る。


さらに、ブリアン氏は「北京で跳んだジャンプはそれよりもさらに良かった」と言い、「転倒はしましたが、ジャンプに高さがあったし、飛距離も伸びていたし、着氷もいっそう明らかに片足で降りていました。
僕に言わせれば、試合でこれまで誰が跳んだ4Aよりも、あれがぶっちぎりで最高のジャンプでしたね」と絶賛。

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インタビューは、理想のジャンプや羽生選手へ送りたいメッセージなど、多岐にわたる。

    


最近、試合の場でも見かけることがなくなっていたジスランコーチが、今も変わらず羽生選手のジャンプコーチをしていてくれたことに安心しました。

ジスラン


そして、全日本のはるか前に4回転アクセルを着氷していたことも、今となっては羽生選手が4回転アクセルを「楽しみにしていてください」と言っていたことも理由があったのだなと、納得できました。

『フィギュアスケートLife』は羽生本ではないため、普段は買うことも控えてしまいますが、今回は以下の2つの記事を読むために購入するつもりです。

羽生結弦「五輪史に刻んだ4A」
●独占Interview
・都築章一郎「羽生の4回転アクセル挑戦には感謝しかありません」

・ジスラン・ブリアン「北京五輪でユヅが跳んだ4Aはぶっちぎりで最高のジャンプでした」





そして、またまた新しい『フィギュアスケートマガジン』が9日に発売されます。

フィギュアスケートマガジン EX特集


前号が2月28日発売でしたから、

フィギュアスケートマガジン 2月28日


わずか9日での出版です。
山口さんはじめ、編集部の方々の熱意が凄いですね。


フリーが終わった後のエキシビションをテーマにして、もう1冊作ってしまったんですね。

前号では掲載されなかった「記者座談会」を楽しみにしています。



同じく9日にはananも発売です。




今日は『フィギュアスケーターズ』が届きました。

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溜まる一方の雑誌、ムックですが、北京オリンピック関連の雑誌類は全て買ってもいいと思っています。

今後2度とない、4回転アクセル初認定の記録として保存しておきたいのです。



お読みいただきありがとうございました。

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