氷上のそう創造者
2021年02月22日
竹に二羽飛び雀
先日の記事に書いたように、
伊藤聡美さんデザインの今シーズンの羽生選手の衣装について書かれた『氷上の創造者』に掲載されたコラムを読んでいた流れで、
たまたま見つけたカート・ブラウニングさんの動画を観ていて、
史上初めて4回転ジャンプを跳んだ時のプログラムの冒頭のポーズが、羽生選手の『LMEY』のスタートポーズと同じだったのは本当に驚きでした。
たくさんの方があの記事を読んで下さったようで嬉しいです。
今日はその続きで、『天と地と』 の衣装製作のお話です。
ショートプログラムと同じく、フリーの『天と地と』についても、羽生選手ははっきりとしたイメージを持っていて、衣装の依頼を受けた時に使用曲と共に『天と地と』というタイトルも伝えられ、色彩とデザインについても、「ブルーグリーンを基調に、着物のイメージでお願いします」というリクエストがあったそうです。
着物の地の色がブルーのようにも、少しグリーンを帯びているようにも見えるのは、ブルーグリーン(緑選りの青)という微妙な色彩を羽生選手が求めていたからなのですね。
伊藤さんはリクエストを受けた後、上杉謙信について調べるために資料に当たっていく中で、上杉家の家紋である「竹に二羽飛び雀」に行きついたそうです。
そして、それをモチーフにしてアイデアを膨らませて行ったそうです。
ですから背中に向き合うように配置された二羽の鳥は雀なのですね。
花は何なのかについては明言されていませんでした。
桜のようでもあり、沙羅双樹という説もあり。
どちらにしても、人の世の儚さを思わせるような花なのです。
伊藤さんは、雀の周囲は「羽生さんのこだわりでもあり私のこだわりでもあるゴールドの刺繍にしました」とのことです。
金色の刺繍とビーズが華やかです。
華やかだけれど儚さも感じられて、どこか極楽浄土を感じさせるような美しさ。
衣装を観た時、直ぐに目に付くのが黒い帯ですが、これは男子の正装の時の袴の帯の結び方です。
羽生選手からは「袴のイメージ」という要望もあったようですが、流石に袴ではスケートは難しいですよね。
それで、少しでも袴のイメージを出すために、正装の結び方を模した帯にしたそうです。
伊藤さんは最後にこのように語っています。
「羽生さんはやっぱりイメージが膨らむ選手ですよね。羽生さんだからこそ、羽生さんじゃないと着ることができない衣装があると思いますし、何を着てもさまになるスケーターです」
これまでたくさんの羽生選手の衣装を手掛けてきた伊藤さんの中には、「こういう衣装を着てほしい」というイメージがたくさん湧いてきているのだと思います。
これからも是非、素敵な衣装をデザインして、羽生選手の多彩な魅力を引き出してほしいなと思います。
ポストカードブックも楽しみにしています。
今日は私のところにもスポニチの特大ポスターが届きました。
新聞紙を全面広げた大きなサイズです。
半艶仕上げのとても美しいポスターです。
早く額縁を用意しないと飾れない。
その前に飾る場所を確保するのが先決問題!
そして本日発売のSPUR4月号の織田さんの記事は、FODの雑誌読み放題で読むことができました。
Amazonでは売り切れになっていました。
織田信成の”ネコアシ解説” の第1回目は、昨年の全日本の羽生選手の演技について語っています。
FODに加入している方は是非お読みくださいね。204ページです。
今月からの新連載となっていますから、これから毎月織田さんの解説が読めるのが楽しみです。
今日も元気で練習できていますように。
最後までお読みいただきありがとうございました。
人気ブログランキング
ブログランキングに参加しています。
スポンサーリンク
withgoldenwings at 22:33|Permalink