反田恭平

2023年01月07日

ピアニストと羽生結弦選手




クラシックTVの余韻が残っている中で、過去記事の中に、『バラード第1番』、『序奏とロンド・カプリチオーソ』について書いているものがありましたので、一部編集して再掲させていただきました。



<2022年1月17日の記事より>
 
2021年末の全日本フィギュアのSP『序奏とロンド・カプリチオーソ』で、音楽表現のPCSで10点満点を得たことは記憶に新しいですね。

音楽の表現については、羽生選手を超えるスケーターはいないと言っても過言ではないと思います。


1月7日に発売されたNumber1043号に掲載された、昨年ショパンコンクールで2位に入賞した反田恭平さんが羽生選手の『バラード第1番』について語っている言葉がとても印象的でした。


「たとえば、ピアノでは左手で弾くバス音(低音)がボンと鳴るときに、彼は氷上を回りながら足で蹴っている。そういった動作からは、ショパンの作品の意図を表現し、観客へと伝えるようなものがあると感じました」


17 ロステレ sp  25




「演技冒頭に4回転ジャンプを跳んだ後、音が下降するときに音の高低差をうまく利用して踊ってますよね。さらに、その後一瞬動きが止まり、次の振り付けに移っています。こうした”間”の取り方も非常に秀逸です」


17 ロステレ sp 19_Fotor



また全体的に、足の動きはピアニストにとっての左手のバス音を表し、上半身や手の繊細な動きは右手、メロディーや雰囲気を表現しているように見えます。
このプログラムは『バラード第1番』という曲を氷上に具現化したものといってもいいかもしれません」




足がピアニストの左手、上半身や腕や手の動きがピアニストの右手にあたるという考えは、
ピアニストならではの見方として、とても新鮮でした。

それからは、羽生選手の演技を観るとき、いつもピアニストの右手と左手の音を意識して感じるようにしています。

17 ロステレ sp 27_Fotor


丁度1年前の1月7日発売のNumber の記事からです。




そしてもう一つ、ずっと印象に残っている記事があります。

それは昨年12月24日付の朝日新聞デジタルの記事なのですが、
この中で語られた羽生選手の言葉です。


 「(僕の中の)イメージだと音符があって、その上を振り付けをしながら滑っていく」

楽譜 イラスト
(この上を結弦くんが滑っていくイメージ。) 

2014―15シーズンの世界選手権から2季連続で使用したショパンのピアノ曲「バラード第1番」について、15年夏に語ったことだ。繊細な旋律のこの曲を平昌五輪でも使用し、見事に五輪連覇を成し遂げた。


そして今シーズンは、


「ジャンプありきのプログラムじゃなくて、その曲とか自分の感覚ありきのジャンプみたいな。そういうプログラムにできたら」

「自分の曲に編集されているから、曲が中心にあってプログラムとか振りがあるんじゃなくて、僕があってのその場があって、空気があって、プログラムがあるっていう感じをだしていければ」


ロンド 5 スポニチ



「自分の中で羽生結弦っぽい表現、羽生結弦でしかできない表現のあるSPがどんなものがあるのかなと思ってずっと探していた」

 その末にたどり着いたのが、「序奏とロンド・カプリチオーソ」だ。


ロンド 2 スポニチ


 「先シーズン、すごく心が折れてつらかった時期に滑って、活力をもらった清塚さんのピアノにしたら、もっと気持ちを込めて滑ることができるんじゃないか」


ロンド 4 スポニチ


 111・31点で首位に。思いをピアノの旋律に乗せ、羽生にしかできないプログラムをつくりあげた。


(過去記事からの引用ここまで)


羽生選手の演技についてピアニストが語ることばには本当に説得力がありますね。


24時間TV後に公開されたノーカット版の『序奏とロンド・カプリチオーソ』です。

別角度からの2バージョンを続けて。


 



本当に、試合でもここまで集中したパフォーマンスは難しいだろうと思います。


誰かジャッジの資格を持った方に解説と採点をお願いしたいくらいです。

この演技を正確に採点したら、果たしてどれくらいの点数が出るのでしょうか。

世界最高得点を更新するのは間違いないと思います。

小海途 5




今日はnotte stellata Teaser2 が公開されています。



次は1月9日(月)???



一体何が来るのでしょう。

本当に「思わせぶりな」告知ですね。


notte stellata Teaser 2

あの日の「星降る夜」をずっと忘れないでいる結弦くんの被災地への思いが、
何か新しい企画を生み出そうとしているのでしょうか。



お読みいただきありがとうございました。

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withgoldenwings at 17:25|Permalink

2022年08月30日

ノーカット版『序奏とロンド・カプリチオーソ』と反田恭平さんインタビュー




24時間TVが終わって、ノーカット版の『序奏とロンド・カプリチオーソ』が公開されました。

しかも別角度からの2バージョンを続けて。


テレビ番組中とは違って、プログラムに集中して観ることができ、またまたこの素晴らしい演技に心を奪われました。

動画のコメント欄は日本語よりも世界各国の言葉であふれています。

世界中の人々が完全な『序奏とロンド・カプリチオーソ』を待っていたのです。



 



本当に、試合でもここまで集中したパフォーマンスは難しいだろうと思います。


誰かジャッジの資格を持った方に解説と採点をお願いしたいくらいです。

この演技を正確に採点したら、果たしてどれくらいの点数が出るのでしょうか。

世界最高得点を更新するのは間違いないと思います。



毎日新聞の倉沢記者が反田恭平さんのインタビューを再掲してくださっています。

昨年のショパン国際ピアノコンクールで2位となった反田さんは、羽生選手と同じ1994年生まれです。



有料記事になっていますが、記事が発表されたのは半年以上前の今年2月の北京オリンピックSPの直前のことなので、反田さんの言葉を少しだけ引用させていただきました。



ーロシアでの羽生選手の知名度の高さ。
(2014年ソチオリンピックのころ、反田さんはロシアに留学中だった)

 ◆ロシアでは「またか」というくらい羽生選手の名前を聞きました。「彼の調子はどうなんだ」とか。「僕、全然知り合いじゃないのに……」と思っていました(笑い)。ロシアでは、多くの人がバレエやフィギュアスケートに関心があります。フィギュアスケートの映像を見て、話すロシア語の授業もありました。「結弦」と言っただけで街の人たちは全員が分かるようなレベル。もう、アイコンみたいな感じでした。


ー羽生選手との共通点と感じるところ。

◆僕の場合は(五輪のように)3度目を経験していないので、羽生選手の気持ちを100%理解することはできませんが、ファンがいるという点では一緒だと感じます。羽生選手はプレッシャーがすごいと思います。例えば、表現者として生きる場合、自分のパフォーマンスが審査員にどれだけ理解してもらえるのかという不安、怖さが常にあります。そういったものは同じなのかなと思います。


ー羽生選手の演技についての印象。

◆当たり前かもしれないですが、振り付けがすごく好きです。踊り方、指先までのコントロールも素晴らしいと思います。最初の部分は、「ミ」「ラ」と5度落ちてくる音型に合わせて、手を流れるようにしています。曲にあった流れで、水のようです。そういうところまで繊細に考えているというのは、見ているお客さんともシンクロしているなという印象を受けます。

 羽生選手の序奏はしなやかな部分を見せつつ、ロンド・カプリチオーソになってからは、曲としての背景が変わるのを足元のステップや刻むリズムを増やして表現している印象です。

 編曲で違うところはあると思いますが、羽生選手の演技を見ていると、ラスト20秒のクライマックスに持っていくところまでが非常にうまく描かれています。本当に映画を見ているようです。ストーリー性をすごく感じます。(前回五輪のSP)「バラード第1番」でも思いましたけど、初動からきれいに入って、構成上ジャンプをしないといけないところにうまく持っていって、音楽の邪魔をしないようにしている。今回は終盤のリズムに入ってから、爆発的に最後まで駆け抜けるという印象を持ちましたね。

ロンカプ 反田インタビュー 1


ー羽生選手へのエール

 ◆94年ぶりの五輪3連覇が懸かるというのは、すごすぎて笑ってしまうレベルです。我々の感覚からすると、羽生選手ならできるだろうと思うところもあります。その期待が羽生選手にとって良いのか、雑音なのかは分かりません。

それでも、応援してくれる人が全てだと思います。一体誰のために滑るのか、何のために滑るのかなど、羽生選手は考えていることがたくさんあると思います。どんな結果だろうが、みんな応援しているし、戻る場所があります。気兼ねなく、好きなように演技してほしいです。本番は、風のように身を任せて滑ってほしいと思っています。


ロンカプ 反田インタビュー 2



静謐でありながら激しいプログラム。

ピアニスト反田さんの指摘がすべて納得できて、清塚さんも以前指摘されていたように、羽生結弦の音楽と向かい合う力の凄さを感じました。

結弦くんにピアノ習ってほしい。本当にそう思いました。

運動神経が発達している人は上達も早いと思うので、今から習ってもかなりイケるのではないでしょうか。


反田さんのインタビュー記事全文はこちらから是非お読みください。




お読みいただきありがとうございました。

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withgoldenwings at 10:32|Permalink

2021年10月21日

ショパンコンクール





ショパンコンクール、一級のエンタメに 世界が見守った群像劇

21 ショパンコンクール 1
ショパン国際ピアノコンクールの上位入賞者。2位の反田恭平さん(左)、1位のブルース・リウさん(カナダ、左から2人目)、2位のアレクサンダー・ガジェブさん(イタリア・スロベニア、右から2人目)、3位のマルティン・ガルシア・ガルシアさん(スペイン)=2021年10月21日午前2時32分、ワルシャワ、野島淳撮影


コロナ禍の第18回ショパン国際ピアノコンクールは、健康的な美しさにあふれたブルース・リウさん(カナダ)の演奏に栄冠を与えた。抜群の安定感を印象づけつつ、時に賭けのような思い切ったダイナミクスの解釈を入れ、予選を勝ち上がってきた。一転、本選の協奏曲は浮遊感と諧謔(かいぎゃく)たっぷり。くるくると表情を変えつつ楽しげに疾走する演奏は、音楽がこの世界にある幸福を存分に実感させてくれるものだった。

今年は日本人の健闘も、とりわけ際だった。2位入賞の反田(そりた)恭平さんと4位入賞の小林愛実(あいみ)さんは、幼なじみ同士の仲良し。ファイナル直前の3次予選まで進んだ人気ユーチューバー、角野隼斗(すみのはやと)さんの出場も、大いに関心を集めた。反田さんとともに2位入賞を果たしたアレクサンダー・ガジェブさん(イタリア/スロベニア)と、ファイナルに残ったイ・ヒョクさん(韓国)は浜松国際音楽コンクールの覇者と3位入賞者として、日本でもすでになじみ深い存在となっている。(朝日新聞デジタルより一部抜粋)



私は一時期『ピアノの森』ハマっていて、アニメはもちろん見たし、
一色まこと原作の全26巻も夢中になって読みました。

森に捨てられていたピアノに出会い、やがてショパンコンクールを目指し、家族やピアノ教師、ライバルや友人との物語が展開され、最後は、ショパンコンクール優勝で終わるのです。

当時、主人公の一ノ瀬海くんのピアノ演奏部分を弾いているのが反田恭平さんではないかということが言われていて、そこで初めて反田さんの演奏に出会ったのです。

その反田さんが、アニメを地で行くような、ショパンコンクール2位入賞、本当に嬉しいです。
心からお祝い申し上げたいと思います。



どうやら反田さん自身も『ピアノの森』のを読まれていて、カイくんに憧れていらしたようですね。


ピアノの森 


これを機にもう一度本棚に並んでいる『ピアノの森』全巻を読み直そうと思いました


反田恭平さんのショパンコンクールでの全演奏はこちらで視聴することができます。

反田さんも結弦くんと同じ1994年生まれなんですよ。

1994年って、やっぱり特別な年なんですね!


ショパンコンクールの話は尽きないですが、今気になっているピアノ曲と言えば、
結弦くんの新SPです。

前々からピアノ曲を探していて、昨シーズンはこれだという曲が見つけらなかったということですが、遂にNHK杯でその曲が披露されますね!

『バラード第1番』があれほど結弦くんにぴったり合う曲だったことで、同じショパンの曲のような気がします。


20 4CC  SP  読売 2


本当にワクワクした気持ちでその日を待っています。




一方、どうやらネイサン・チェン選手はモーツアルトを選んだようです。



モーツアルトvsショパンの戦いになるのでしょうか?

音楽の力はフィギュアスケートにとって大きな要素になりますから、本当に興味津々です。

そういう意味で、10月22日から始まるスケートアメリカでのネイサン・チェン選手の演技にも注目しています。

いよいよ今シーズンの戦いが始まりますね。

結弦くんが心身共に最高の状態で戦いに臨めますように!!



お読みいただきありがとうございました。

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withgoldenwings at 23:59|Permalink