北京記者会見
2022年03月18日
北京記者会見の波紋+羽生結弦展2022開催!
北京で急遽行われた、羽生選手の記者会見について、色々とおかしな記事が出ているようですが、
元ラグビー選手であり、現在は大学で教育学教授を務めていらっしゃる平尾剛さんの記事には本当にがっかりしてしまいました。
(同じく神戸製鋼所属の元ラグビー選手で「ミスター・ラグビー」と呼ばれた平尾誠二さんではありません。私は最初勘違いしてしまいました。)
まず前提からして間違っているので、議論の出発点から方向が違ってしまったようです。
平尾さんはこのニュースはご存じなかったのでしょう。
JOCは当初、羽生選手の会見について、日時と場所のみを発表していました。そのため、ネット上を中心に『何の発表だ?』『心臓が止まりそう』などといった書き込みがあふれ、なんらかの重大発表がなされるのでは、という観測が広がりました。
その後、JOCから「本会見はメディア各社からの個別取材申請が多く、個別に対応することが困難なため記者会見形式で実施するものとなり、羽生選手からの発表会見ではございません」と補足の説明がなされました。
平尾 剛氏 (神戸親和女子大教授)
— ⛸ 💙💛🙏ベストオブユヅシェンコがみたい! (@donotbeordinary) March 16, 2022
前提となる会見の認識から間違っている。
まず前代未聞などではなく、メダリスト以外の選手の取材会見もたくさんある。
取材が殺到してあのカタチになっただけ。
↓ https://t.co/B2ouZfv54f
それにしても、27歳の羽生選手に対して「背伸びしている」というのはどういう意味なのか全く理解できませんでした。
どこに向かって、何のために、羽生選手は背伸びしなければならないのでしょうか。
羽生選手ほど自分の等身大の姿を正直に見せてくれる人はなかなかいないと思います。
むしろ正直すぎて、誤解されることも多いのだと思います。
「背伸びをしている」のはむしろ、今回めでたく五輪メダリストになった後輩くんたちではないでしょうか。背伸びすることが必ずしも悪いことではないとは思いますが。
羽生選手は優等生を演じているわけでも、背伸びしているわけでもなく、裏表なく誠実に自分の現状や気持ちを語ってくれるからこそ、国籍、政治体制、宗教、文化を超えて、老若男女問わず、人々は羽生選手に感情移入して世界で加速的にファンが増えていくのです。
「おぼこさを残す甘い顔立ちと、顔が小さく手足が長いバランスの取れた体型は、まるでアイドルを彷彿とさせる。優勝のよろこびや惜敗への悔しさなど、喜怒哀楽や心の葛藤を包み隠さず素直に表現するあの態度は、トップアスリートに特徴的な近寄り難さとはほど遠い親しみやすさを醸し出している。「くまのプーさん」を愛でる様からみて取れる庶民感覚と、「少女漫画の主人公」のようだとも形容される卓越性とのギャップは、老若男女の目を惹きつけてやまない。 試合後のインタビューでは、質問をはぐらかすことなく誰ひとり不快にさせないであろうほぼ完璧なコメントを残す。言い訳を口にせず、いまの自分がいるのは周囲からサポートを受けたお陰だと感謝の気持ちを忘れない。メディアやファンが期待する言葉を的確に紡ぐその言語能力もまた優れており、その言動を好意的に解釈し、分析する書き手も後を絶たない。 世界屈指の実力がありながら、その容姿やリンク外での振る舞いまでも卓越している羽生選手は、まさに非の打ちどころがない」
記事の中でここまで書いてくださっている平尾さんに悪意があったとは思いたくないですが、なにか大きな誤解をしていらっしゃるのだと思いました。
元はアスリートだった平尾さんですから、いつの日か羽生選手と直接話す機会があれば、きっとわかってくださるだろうと思っています。
一方、こちらは広報コンサルタントの山口明雄さんが書かれた記事ですが、平尾さんの記事とは対照的に、羽生選手の会見を高く評価して、その意味について詳しく分析してくださっています。
一部抜粋させていただきますが、長い記事なので、お時間があるときにでも是非全文お読みいただきたいと思います。
『羽生選手、異例の会見』『メダリストでもないのになぜ?』『引退発表でもなかったのに…』というような趣旨の見出しを付けた新聞記事を読みました。つじつまが合いません。取材を申し込んだのは自分たち100以上ものメディアです。自己矛盾も甚だしい…https://t.co/fo9xZvvpBg
— akari (@akari11914583) March 15, 2022
Q.羽生結弦選手の記者会見が設定されたことについて、どう評価しますか。メダリストでもなく、引退の会見でもありませんでした。
山口さん「広報のアドバイザーを生業としている私は、羽生選手の記者会見は実施すべきだったと思っていました。また、実施してよかったと思います。
羽生選手は、北京の五輪委員会にファンレターが2万超も届いた世界のスーパースターです。もし五輪3連覇を達成していたら、世界中で祝福の嵐が巻き起こり、時代を代表する存在となっていたでしょう。だからこそ、4位という結果を受けて、取材意欲をさらに高めた記者も少なくなかったはずです。
『羽生選手はこの結果をどう受け止めているか』『メダルを逃したのはなぜか』『今後の競技人生をどう考えているのか』など、聞きたいことが山のようにあったと思います。実際、記者会見には200人もの記者が集まったそうです。
『羽生選手、異例の会見』『メダリストでもないのになぜ?』『引退発表でもなかったのに…』というような趣旨の見出しを付けた新聞記事を読みました。つじつまが合いません。取材を申し込んだのは自分たち100以上ものメディアです。自己矛盾も甚だしいと思います。もし、『メダルを逃した選手が、競技直後に記者会見を行う場合は、引退表明が前提』と考えているとしたら、羽生ファンだけでなく国民の知りたい気持ちに鈍感な、硬直化したメディアだと思います」
Q.羽生選手の会見の感想は。
山口さん「羽生選手の会見は、『引退発表か』などと期待していたメディアにとっては、落胆の会見だったであろうと思います。しかし、五輪3連覇という偉業を実現できなかった選手の心の声をじっくりと聞ける、めったにない、貴重で興味深い会見であったと、私は思いました。
例えば、『それは9歳の自分が跳べと言ったから』のコメントは特に興味深く、北京五輪での、4回転半のアクセルジャンプ挑戦へのこだわりを強く感じました。
『軸が細くて、ジャンプが高くて、きれいだねと思われる4回転半のアクセルのイメージは、9歳の時に出来上がっていた』と羽生選手は話しているのだと、私は理解しました。
『それから、今日まで、ありとあらゆる技術的な探求を続けてきたが、最終的にたどり着いたのが9歳の時のイメージだった。それは自分にしかできない、自分だけのためのアクセルだった』と。
けがなどの悪条件の中で、難度を落として勝敗を優先する選択肢もあったと思います。
羽生選手は9歳の自分の『跳べ』という言葉に運命を託したのです。そして、『自分としては、これまでで最高の演技ができた』と話し、今後のさらなる挑戦を強く印象づけました」
Q.メディア側の伝え方については。
山口さん「私が知る限り、日本のテレビは、羽生選手の気持ちを正確に、温かい視点で伝えていたと思います。一方、一部の新聞は、『メダルを取った選手には座って話を聞く会見が設定されるが、4位の羽生選手の会見は、本来開かれないはずだった』などと、まるで、勝利至上主義の専制主義国家のメディアのような論調です。
一部のネットで、羽生選手は『出たがり屋』だとの批判がありました。全く当たらないと思います。『出たがり屋』とは、企業や団体で言えば、業績が好調であるとか、画期的な新商品を市場に投入するなど、明るい話題であれば、他の役員を差し置いてメディアに登場したがるのに、不祥事など好ましくない案件になると、誰よりも先に雲隠れしてしまう人たちのことです。
羽生選手にとって、4位に終わった後の会見は、気が進む会見ではなかったと思います。断ることもできたでしょう。それでも会見を引き受けたのは、4回転半に力いっぱい挑戦したとの思い、逃げ隠れしない責任感の強さ、そして世界中のファンに感謝を伝えたい思いからだったと思います」
記事の中で、私の心に特に強く響いたのは、
「羽生選手は9歳の自分の『跳べ』という言葉に運命を託したのです」という文章です。
誰でも自分の「内なる声」が自分に命じている、と感じる瞬間があると思います。
私にもこれまでの人生に何度かそんなことがありました。
結果として成功しようが、失敗しようが、それを実行しないと、後々取り返しがつかないほどの後悔に襲われるのです。
羽生選手は、自分の心が命じた使命を全うするために、どんなことがあっても北京で4回転アクセルを跳びたかったのだと思います。
それに挑んで、これまでで最高のジャンプを跳べた羽生選手の心は、今、満たされているのではないかな、と思っています。
さて、21日から世界選手権が始まりますが、ネイサン・チェン選手は怪我に配慮して欠場。
ネイサン・チェン、けがで世界選手権欠場https://t.co/gK78LqfjJK
— AFPBB News (@afpbbcom) March 17, 2022
それに続いて三浦佳生選手も怪我のため欠場となってしまいました。
三浦佳生選手は怪我のため、ISU世界フィギュアスケート選手権大会2022を欠場いたします。
— 公益財団法人日本スケート連盟 Japan Skating Federation (@skatingjapan) March 17, 2022
補欠の友野一希選手が出場いたします。https://t.co/0b0wP0Mu1X #FigureSkating #フィギュアスケート pic.twitter.com/WBw2RIlXRh
三浦佳生選手はせっかくの世界デビューを逃して残念だと思います。
しかし、羽生選手もネイサン選手も欠場では、実質的には世界選手権とは名ばかりのものとなってしまいましたね。
この連休は、溜まってしまったフィギュアスケート雑誌をゆっくり読みたいと思っています。
そして連休明けの23日には、また楽しみが待っていますね!
羽生結弦 北京オリンピック2022 フォトブック
TVガイド特別編集 KISS&CRY Vol.43 北京五輪Premium号 (TOKYO NEWS MOOK)
次に結弦くんに会えるのはいつになるのかな。
そのころはコロナからも戦争からも解放された世界になっていますように。
《追記》
羽生結弦展2022開催が今日発表されました!
「羽生結弦展2022」 4月20日、日本橋高島屋S.C.で開幕 https://t.co/Xiyw8Ekinj @art_ex_japanより
— iceangelo (@iceangelino) March 18, 2022
これはとても嬉しいお知らせですね!
1 日本橋高島屋S.C. 2022年4月20日(水)~5月9日(月)
2 富山大和 5月13日(金)~5月26日(木)
3 新潟伊勢丹 7月6日(水)~7月18日(月・祝)
4 ジェイアール名古屋タカシマヤ 7月27日(水)~8月8日(月)
5 大阪高島屋 8月10日(水)~8月22日(月)
6 藤崎(仙台) 9月15日(木)~9月28日(水)
詳しくはまた次の記事にかきたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。
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