北京オリンピック
2021年06月21日
相対的価値と絶対的価値
もうすぐ終わりを迎える今シーズン、
試合は、全日本選手権、世界選手権、国別対抗戦と、たった3つでした。
ショート3回とフリー3回の6回だけの試合の、
最後のフリーの最後のジャンプはこの美しい3回転アクセル。
「ここ2試合、トリプルアクセルがあまりにもうまく決まらなくて、すごくショックを受けたというか、悔しかったというか。
なんかトリプルアクセルに対してすごく申し訳ないなっていう気持ちでいました」。
「絶対にきれいに決めてやるんだ、4回転に続く道をここで示すんだという気持ちで、トリプルアクセルに挑みました」。
このトリプルアクセルについて、
フィギュアスケートマガジンの山口さんは、こんな風に語っています。
「近い将来、羽生の4回転アクセルが私たちの目に触れることになる。
その成功ジャンプへの『履歴』を振り返った時に、ストックホルム世界選手権が、そしてこの国別でのトリプルアクセルが、強い存在感をもって歴史に刻まれるだろう」。
何度転んだって、
挑戦を楽しんで。
そうして、いつか掴み取る。
(スポニチ・小海途さん作成4A合成写真)
点数の記録はいつか破られるだろう。
オリンピック金メダルは4年ごとに誰かが手にするだろう。
しかし、史上初の4回転アクセルを跳んだという記録は誰も破ることができない。
それは初めて成功した人に1回だけ与えられる永遠の記録。
だから、羽生結弦は史上初ということにこだわる。
2016年フィギュア史上初の4回転ループ成功
そして今度はフィギュア史上初の4回転アクセル成功を目指している。
(設定ボタンから日本語字幕が選べます)
「僕にとって最終目標は、オリンピックで金メダルではなくて、
あくまでも4回転半を成功させること」
今の羽生選手にとっては、
オリンピック金メダルは相対的な価値で、
それに対して、
4回転アクセル成功は絶対的な価値。
それを目指す過程に北京があれば通過点とすることはあるのだろうが、
もうそれさえも4回転アクセル成功のための一つの機会でしかなくなっているような気がする。
ワクワクする新シーズンがもうすぐ始まります。
羽生選手の夢が叶うその瞬間が見られるシーズンとなりますように、
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2021年06月06日
東京五輪について思うこと
東京オリンピックまで1か月半となった今でも、果たして開催されるのかどうか、全く混沌とした状態が続いています。
ここに来て、かなり政府よりだと思われていた新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長までもが、「パンデミックの中での開催は普通でない」とまで言い出しました。
政府はこれに対して「自主的研究」とか言い出しています。
都合の良いところは「専門家の意見」を利用し、不都合な発言が出ると今度はそれを「個人的意見」とするという、ご都合主義には呆れてしまいます。
そんな中で、昨日目にした、元ラグビー選手で、現在は大学教授の平尾剛さんのインタビューが、私の感じていることを代弁して下さったように感じましたので、シェアさせていただきます。
ラグビー元代表・平尾氏が "東京五輪"の闇を斬る
2021年06月05日 06時15分 東スポWEB
このまま開催に突き進んでいいのか。東京五輪の開幕まで、残り50日を切った。国際オリンピック委員会(IOC)は緊急事態宣言下でも行う方針を示し、大会組織委員会の橋本聖子会長(56)も4日の定例会見で「100%の開催ができるように準備していく」と改めて明言した。新型コロナウイルス禍で多くの国民が不安を抱える中、かねて五輪のあり方に疑問を抱いてきた神戸親和女子大の教授で、ラグビー元日本代表の平尾剛氏(46)が緊急提言。強行開催によって生じる弊害とは――。
――以前から東京五輪に違和感を覚えていた
――現在は東京五輪の開催に否定的な声が多い
平尾 IOCはコロナ禍でも必ずやるという姿勢を崩さない。開催国への配慮もなく、国民の命も顧みない。ここまで露骨な態度にはあぜんとする。(日本側の説明も)筋が通っていないし、社会全体をきちんと見た上で物事を決めているとは思えない。大会組織委員会が看護師500人の確保を要請したことで一線を越えた。今、多くの医療従事者がコロナ対策の最前線で身を削っている。それが分かっていればこんな要請はできないはず。
――筋が通っていないと感じる点は
平尾 そもそも開催の目的が何なのかがはっきりしない。見込まれる経済効果も試算がずさんで、インバウンド需要が期待できなくなった今は絵に描いた餅となった。国民経済ではなく、関係者の利益を優先しているにすぎない。「夢や感動を与える」「国民同士の絆を」とも言っているが、もしそれが目的なら今は開催する必要はない。夢や感動、絆は安定した生活を送ることができる平時において感じられるものである。――スポーツの価値が下がってしまう
平尾 スポーツへの見方がどんどん厳しくなっている。あれだけ「お酒を提供するな」って言いながら、選手村ではお酒がOK。飲食店経営者は憤って当然だ。「結局スポーツだけ特別扱いなのか」という雰囲気が広がっている。このままスポーツの価値が下落すれば、将来スポーツをする人が減るだろう。子供たちは、親など周りにいる大人の声掛けや考え方に影響を受けて、スポーツや習い事を始めることがほとんど。スポーツに否定的な人が増えれば、おのずと子供のスポーツ離れは加速する。
――アスリートの発信も少ない
平尾 この期に及んでもスポーツ選手は自分の意見を発信していない。「なんでスポーツ選手は何も言わないのか」「これでいいと思っているのか」など、懐疑的なまなざしも増えている。社会全体が苦しんでいる状況なのに何も発言をしないというのは、スポーツ選手は「パフォーマンスしかできない」「社会に対して関心も持っていない」存在だということを、自ら認めることになる。このままだと、社会とスポーツが切り離されてしまう。
――アスリートが発信できない原因は
平尾 端的にいって知識と教養の不足だと思う。ただこれは選手個人の問題だけでなく「パフォーマンスさえ発揮すればいい」という指導をしてきたスポーツ界全体の構造的な問題でもある。「結果を出せばそれでいい」という勝利至上主義と、それを果たすための「シンプル思考主義」の帰結だろう。こうしたスポーツ教育を根本から見直す必要がある。
――五輪の姿を見直すべきか
平尾 いったん、やめてはどうか。マイナーチェンジだけでは抜本的な解決はできないと思う。IOCを解散し「参加することに意義がある」という理念に立ち返って、これまでとは違うまったく新しい大会を創設してはどうだろうか。
――東京五輪を中止するべきだと考えるか
平尾 もちろん中止にするべきだ。開催すればかなりの確率で感染者が増えることが予測される。再び緊急事態宣言を発出する事態にもなりかねない。宣言発出による経済的な損失は莫大だ。それと中止による損失をてんびんにかければ、今からでも中止にしたほうが損失は少なくなる。社会にかかる負担が軽減されれば、国民一人ひとりの生活も回復傾向に転じるはずだ。もう一線は越えてしまった。対話すらできない現実をしっかり捉えた上で、再びスポーツの価値を一からつくっていかなければならない。
☆ひらお・つよし 1975年5月3日生まれ。大阪府出身。中学時代にラグビーを始め、同志社香里高、同志社大を経て、神戸製鋼に加入。1999年ラグビーW杯では、日本代表に選出された。しかし2005年ごろから脳震とうの後遺症に悩まされ、2年後に現役を退いた。自身のケガを機に、06年から神戸親和女子大学大学院の文学研究科修士課程教育学専攻で研究をスタート。現在は同大の発達教育学部ジュニアスポーツ教育学科で教授を務めている。182センチ。私自身は2013年に日本がオリンピック開催国に立候補した時から強い違和感を感じていました。
それは東日本大震災のわずか2年にも満たない2013年1月7日のことでした。
オリンピックを開催するよりも被災地救援が先だろう!と強く感じていました。
オリンピックに掛ける莫大な予算を被災地救援にかけていれば、もっと早く、もっと良い支援ができたはずです。
当時の安倍政権は、こともあろうに、「復興五輪」というスローガンをあげ、被災地を宣伝文句代りにしたのです。
現在ではそんな言葉は一切出てこなくなりました。
「アンダーコントロール」と明言したはずの汚染水は、遂に海洋放出する方向が決まっています。
そもそも開催動機が不純で、不祥事続出の東京五輪について、良い話は一度も聞いたことはありません。
今回の東京五輪で浮き彫りにされた、IOCの人命よりも何よりも、自分たちの利益を優先し、開催都市東京や開催国日本の意向を無視する姿勢を見たら、不信感しかありません。
平尾さんの提言のように、現在の腐りきったIOCは一旦解散して、もし続けるならば、もっと質素で本当にスポーツを愛する人々のための新しいオリンピックに生まれ変わってほしいです。
私は以前から、オリンピックはもうギリシャに返すべき時が来たと思っていました。
オリンピック発祥の地ギリシャで聖火を灯し、その地でアスリートたちが技を競うという、本来の姿に戻ってほしいと思います。
夏季オリンピックの華であるマラソンだって、紀元前450年ころのギリシャとペルシャの戦いの歴史に基づいて、実際にマラトンからアテネまでを走ることで、一層盛り上がることでしょう。
開催費用についても、スポンサーに頼らずに、参加各国が選手団の規模に応じて拠出する形で非商業化を図るべきだと思います。
本来スポーツには、個人の技を競うという神聖な側面があると思います。
現在のような、国威発揚の場としてではなく、個人の鍛錬の結果としての技を競う神聖な場としてのオリンピックに立ち返ってほしいというのが私の願いです。
しかし、夏季オリンピックはギリシャに返すとしても、冬季オリンピックはどうするのかということがありますね。
スケートはリンクがあれば大丈夫ですが、問題はスキーやジャンプ競技が可能かということですね。
ギリシャにもペロポネソス半島の北部には立派なスキー場もありますが、この点だけは一考の余地がありそうです。
北京冬季オリンピックまで、あと8か月後しかありません。
こちらも政治がらみで、実際どうなるのかまだ定かではありません。
賢明な羽生選手ですから、全てのケースを考慮して準備は進めているのだと思いますが、
今はオリンピックは考慮に入れずに、4回転アクセルの完成を目指すというのが「正解」だということは正に正しい答えのように感じています。
今日も怪我のないように、そして健康でいてくれたら、それだけで十分です。
<追記>
作家の赤川次郎さんも一市民として「声」を上げてくださっていました。
今朝の朝日新聞、読者の「声」の欄、いつもように五輪中止を訴える投書が掲載されており「そうそう、そのとおり!」と思いながら読んでたんですが、投稿者の名前をふと見たら…
— 姫川みかげ (@mikage_H) June 6, 2021
作家 赤川次郎 (東京都 73)
おお、赤川次郎さんが普通に読者欄に投稿してはる!(゜o゜; pic.twitter.com/RLdK4IvxNz
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2021年04月04日
オーサーインタビューと北京のリンク
世界選手権後のオーサーコーチのインタビュー。
エイミーさん翻訳してくださりありがとうございます。
No2です。 pic.twitter.com/cW1I2Rxo3C
— AMY(エイミー) (@emisakuau) April 4, 2021
ユヅルとはかなり長い道程を歩んできました。
彼は自分を持っていて、
彼はかなりのプレッシャーを抱えていて、
彼は日本では神様のようなものなのです。
彼は…違うレベルなんだよね。
多くの人は彼はロックスターと言うけれど、そうじゃない。
スピリチュアルなレベルなんだ。
彼は人々の人生に影響を与えるんだよ。
例えば彼がいるだけで泣き出すし、
彼は何かを持っているんだよね。
生まれ持ったものを。
なぜなのか私にも解らないし、正確にどう言えばいいのか分からないけど、
彼の傍にいることはとても凄いことだよ。
練習の時や、ホテルのロビーを通り過ぎて、
ドアに手を掛け、バスに乗りリンクに向かう時でさえね。
ファンは文字通り開演するまでリンクの外で眠るんだよ。
そうすれば試合の練習が良い席で見れるからね。
何百人もの人がだよ。
これは彼がスケートとファンに与えた影響なんだよ。
かなりの長い道程だったけど、
彼は我が道を行くというところがあるので、
だから、私は彼から多くの指示も受けています。
先週は彼はかなりいい状態で滑っていた。
彼にネイサンのようなライバルがいるのはいいことだよ。
私にとってのブライアン・ボイタノのようにね。
より良いアスリートになる、より良いスケーター、より良い競技者になるには必要なことだと思う。
私は来季に何の不安さえ感じませんね。
彼は努力をし続けるでしょう。
現在、ネイサンは3度の世界チャンピオンで、
ユヅルは2度のオリンピックチャンピオンだ。
オリンピックは世界選手権と比べると全然違うからね。
私は丸一年彼とは会いませんでした。
なので私は彼が送ってきたジャンプや、プログラムのランスルーの動画で彼とやってきました。
私はそれに返信する形でね。
彼に会えなかったので一年そうしたんだ。
アメリカのスケーター達は毎日コーチと滑ることができてたし、
ロシアでは何事もないかのようだったよね。
だから毎日スケートして毎日練習してたし、
2週間に一度は試合をしていたよね。
ユヅルは全日本選手権に出たけど、それだけだ。
私は彼のことをとても誇りに思ったし、
我々のことも誇りに思ったよ。
この普通ではない状況下で多少ともいいスケートを披露できたことをね。
来季に何の心配も無いというオーサーコーチの言葉が頼もしいです。
来季には当然ながら北京オリンピックが含まれています。
その会場となるリンクが公開されています。
平昌オリンピックの会場が『SEIMEI』カラーの紫だったように、
北京オリンピックは『天と地と』カラーに合わせてきたようです。
オリンピック会場、素敵💫https://t.co/7UHYtyplvy pic.twitter.com/CLVG1Y3KPQ
— 🌸ɢᴏᴏᴍ (@GeumNa) April 4, 2021
「北京は羽生結弦を待っている」
というメッセージが込められているのでしょうか。
オーサーコーチのインタビュー掲載という、明日発売のAERAも楽しみです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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