二宮清純
2022年11月23日
遠くまで行くんだ
昨日は思いがけない悲しい出来事があり、 かなり落ち込んでいます。
天気も最悪で、こんな日はブログを書くエネルギーもないなぁと考えていました。
そんな気持ちの中で、二宮清純さんのコラムを読ませていただきました。
羽生結弦、“フィギュアの限界超え”へ。アイスショーで見せた、その先の物語 - 二宮清純フィギュアスケートコラム - J:COMテレビ番組ガイド https://t.co/aIMxlJhjmI #フィギュアスケート #jcom
— 𝑪𝒊𝒆𝒍໒꒱· ゚ (@bluciel_lumiere) November 23, 2022
<不思議なのは、プロ転向と同時に羽生選手の呼称、表記が「選手」から「さん」に変更されたことです。現役を引退したアスリートが「選手」から「さん」に変わるのは当然ですが、羽生選手は現役を引退したわけではありません。プロに転向しただけのことです。にもかかわらず、メディアが「羽生さん」と呼んだり書いたりすることに少々、違和感を覚えるのは私だけでしょうか>
<羽生選手の現在の立場は、客観的に見れば「プロのアスリート」です。ならば呼称や表記は「選手」でいいのではないでしょうか>
私はブログの中で、結弦くんを一度も「羽生さん」「羽生結弦さん」と呼んだことはありません。
アマチュアアスリートからプロアスリートに転向しようとも、アスリートであることには何の変更もないわけで、何故、メディアからブロガーさんまで「羽生さん」になってしまうのか、とても違和感がありました。
結弦くん自身から、「羽生選手」「羽生結弦選手」でいいという言葉が聞けて、本当に良かったなと思います。
これを機に、テレビ、新聞、雑誌などのメディアも「さん」呼びは止めてほしいものです。
二宮さんが最後にこう書かれています。
ジレンマや葛藤もまた、プロフィギュアスケーター羽生結弦選手にとっては、氷上で表現するテーマのひとつなのでしょう。
「フィギュアスケートの限界を超えていけるようにしたい」と羽生選手。安住の地にとどまらず、茨の道と知っていても、常にその先へ、その先へと向かおうとする彼は、“永遠の旅人”のようです。
昔愛読していた詩のフレーズの断片が思い浮かんできました。
きょうから 僕らは泣かない
きのうまでのように もう世界は美しくなくなったから
遠くまで行くんだ ぼくらの好きな人々よ
結弦くんと共に遠くまで行けたら嬉しい。
お読みいただきありがとうございました。
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2022年09月22日
羽生選手か、羽生さんか。
結弦くんがプロ転向宣言してから、テレビ、新聞、雑誌など、全てのメディア、そしてツイートやブログの中でも、「羽生選手」から「羽生さん」、「羽生結弦さん」、という呼び方に換えている方が増えています。
私はこれにどうしても違和感があり、「羽生選手」、または親しみを込めて、「結弦くん」という呼びのままで通したいなと思っています。
結弦くん自身も決意表明の会見で言っていたように、プロになったらアスリートではなくなるという認識はフィギュアスケートに独特なもののようです。
アマチュアスケーター=アスリート
プロスケーター ≠ アスリート
というのは納得できません。
さらなる進化を目指すアスリートであれば、「選手」でよいのではないでしょうか。
今回、スポーツジャーナリストの二宮清純さんのコラムを読んで、その思いが一層強くなりました。
今回の #二宮清純コラム ずっと気になっていた内容で共感しながら読んでしまいました。皆さんにもぜひご覧いただきたいなと思います。
— J:COMインフォメーション (@jcom_info) September 20, 2022
『羽生結弦は「選手」か「さん」か』
>皆さんはどちらだと思われますか??😊https://t.co/3iHICeOy4a#羽生結弦 #JCOM
かつて長嶋茂雄さんは、ホテルにチェックインする際、宿泊カードの職業欄に「長嶋茂雄」と書いたという逸話があります。いずれ羽生選手にも、そうした時代がくるのかもしれません。国内はもとより、世界的にも羽生選手のことを知らない人はいないでしょうから。しかし、羽生選手は、「アスリート」という肩書きにこだわりがあるようです。
「登録無資格者」
「不思議ですよね、フィギュアスケートって。現役がアマチュアしかない。甲子園に出た(高校球児の)選手が野球を頑張ってきて、優勝しました。そして、プロになりました。それって(野球選手として)引退なのかなと言われたら、そんなことないじゃないですか。むしろ、そこからがスタートでしょう。僕は(フィギュアスケートも)それと同じだと思っています」
これは羽生選手が7月19日のプロ転向記者会見で口にした言葉です。サラッとした物言いでしたが、重要なことが包含されています。ある意味、羽生選手からの問題提起といっていいでしょう。
(羽生選手は自分の考えを述べるときは、さらりと本質をついてきます。)
公益財団法人日本スケート連盟の「競技者資格規程」は、<スケートを愛好し、本連盟に競技者(役員・選手)として登録された者>を<競技者資格を有するもの>と定めています。すなわち「登録資格者」です。
では、「登録無資格者」は? 2つほど項目をあげます。(1)スケートで得た名声を本連盟の承認を得ることなしに、商業宣伝のために自らの肖像権を利用し、あるいはその利用を認めたもの。(4)スケートを行うことによって、ISU及び本連盟が認めていない金品を受け取った者。
(ここで特徴的なのは、本連盟(JSF)及びISUの承認を得ること無しに、商業的に肖像権を使用し利益を得たものは選手として「無資格者」であるということです。
JSFに登録した選手は、CMやアイスショーなど、商業的活動をする場合はJSFに許可を取り、その報酬の一部を上納しなければならないのでしたね。(詳しくないのですが1割とかですか?)つまり、JFSやISUに利益を還元しない者は「登録資格者」として認めないということです。)
以上に該当する者は、いわゆる「プロ」と見なされ、国際オリンピック委員会主催(IOC)の冬季オリンピック、国際スケート連盟(ISU)主催の世界選手権、日本スケート連盟主催の全日本選手権などの競技会には出場できないのです。1974年にIOCはオリンピック憲章から「アマチュア」という言葉を削除しましたが、スケートの世界は、いまだにアマチュアリズムを至上の価値として奉っているのです。
ここでは、その是非については論じません。不思議なのは、プロ転向と同時に羽生選手の呼称、表記が「選手」から「さん」に変更されたことです。現役を引退したアスリートが「選手」から「さん」に変わるのは当然ですが、羽生選手は現役を引退したわけではありません。プロに転向しただけのことです。にもかかわらず、メディアが「羽生さん」と呼んだり書いたりすることに少々、違和感を覚えるのは私だけでしょうか。
(私も二宮さんに全く同感です。)
「アスリートらしくいたい」
その具体例をいくつか紹介します。
<日中国交正常化イベント29日羽生さん出演>(2022年9月13日付 日刊スポーツ)
<7月にプロ転向した羽生結弦さん(27)を、29日に都内で行われる日中国交正常化50周年記念式典に特別ゲストとして招待すると、主催の「日中国交正常化50周年記念慶典組織委員会」が12日発表した>(同年9月13日付 スポーツ報知)
<「手作り」羽生さんの発信力>(同年9月8日付 毎日新聞)
<羽生結弦さん(27)が27日、日本テレビ系「24時間テレビ45」でプロ転向後テレビ初となる演技を披露した>(同年8月28日付 デイリースポーツ)
<7月にプロ転向を表明した羽生結弦さんが、プロとして新たな一歩を踏み出した>(同年8月19日付 産経新聞)
さすがに「元選手」という記述はありませんが、プロ転向と同時に大手メディアは「さん」に変わりました。
8月28日、フジテレビTWOで放送された「羽生結弦が関西で舞う!ファンタジー・オン・アイス」内のインタビューでも羽生選手は「僕はアスリート」とはっきり語っていました。「アスリート」なら「選手」でしょう。
「僕はアスリートなので。フィギュアスケートは芸術性も大事かもしれないですけど、間違いなくスポーツではあるんです。スポーツである緊張感をアイスショーでも、羽生結弦のフィギュアスケートから常に感じてもらいたいなと思います」
羽生選手の現在の立場は、客観的に見れば「プロのアスリート」です。ならば呼称や表記は「選手」でいいのではないでしょうか。
そういえば羽生選手、プロ転向会見ではこんなことも言っていました。
「アイスショーって、華やかな舞台でエンターテインメントってイメージがあるんですけど、僕はもっともっとアスリートらしくいたい。もっと難しいことにチャレンジして、挑戦し続ける姿をみなさんに見ていただきたい。4回転半の練習は常にやっています。いろんな知見が得られたからこそ、“もっとこうやればいいんだ”という手応えがあるんです」
一般の人々が、どう呼ぶかは勝手ですが、表記には統一性が求められます。望ましいのは「羽生選手」か「羽生さん」か、機会があれば本人に聞いてみたいものです。
【二宮清純】
羽生選手は技術を磨き続け、これからも難しい技を成功させていくでしょう。
それはJSFやISUに採点はされなくても、点数に換算すれば現役の選手を凌駕するほど高度なものになるに違いないと思っています。
アマチュアアスリートを超えるプロアスリート、それは選手と呼ぶのがふさわしいのではないでしょうか。
最近のテレビ放送では、羽生結弦さんへの質問というコーナーがよくあるので、是非一度羽生選手本人にも、どう呼ばれたいと思っているのか、どう呼んだらよいのか、聞いてみたいなと思います。
色々な考え方があると思いますが、皆さまはどうお考えでしょうか?
(photo : 毎日新聞/貝塚太一)
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