ヴィクトール・ルイシキン
2020年01月18日
一気読み
都築先生の本を買い、その足でカフェに入り、
一気読みしてしまいました。
宇都宮直子著
「羽生結弦を生んだ男 都築章一郎の道程」
目次からも分かるように、都築章一郎先生のフィギュアスケートのルーツであるロシアのスケーター、コーチのインタビューを通して、日本のフィギュアスケートの黎明期からの歴史を生きてきた都築先生の歩んだ道を浮き彫りにして行くという構成の本です。
切り拓きながら歩んできた道の険しさと、都築先生のフィギュアスケートにかける情熱の深さを初めて知りました。
日本のスケ―ト界の、正にパイオニアと言える方だということが良く解りました。
そして、羽生選手に対するロシアフィギュアスケート界の重鎮たちの言葉が凄い!
アレクセイ・ミーシンは語る。
「羽生結弦。そうですね、彼はすごく良い子です。もうスーパーに、ウルトラ良い子です。
本当に、本当に良いです。
両手を上げるくらい、完璧です。天性のものを持っています。エッジワークも素晴らしい。優れている。
本にはどうぞそう書いて下さい」
ミーシンは技術面を大切に考える指導者である。ならば、羽生の表現力はどうか。優れていると思うか。
彼は笑った。楽しそうに言った。
「どうお答えしたら、いいんでしょう。あの、それって、まるで『ミーシン先生、太陽は温かいですか?』と訊くのと同じだと思いますよ」
ヴィクトール・ルイシキンは語る。
「羽生はもう、一つの『現象』です。フィギュアスケートには、数えきれないほどのチャンピオンがいますが、次第に忘れ去られていきます。
でも、中にはそうならない人もいる。『現象』となって残っていく。歴史にしっかり刻まれる。
羽生結弦は、そういうチャンピオンです。世界的な『現象』そのものだと思います」
タチアナ・タラソワは語る。
「彼が滑っている時は、呼吸をするのを忘れる」
「羽生を見た瞬間、偉大なチャンピオンになるとわかりました。
羽生には豊かな才能があります。神によってもたらされたものが、です」
「私は完全に、羽生に魅了されています。まるで麻酔をかけられたように、身動きが取れないのです。食い入るように見つめるしかない。
私にとって、彼はそんな存在です」
都築章一郎は語る。
「『挑戦をしなさい』とは、常に言っていました。
『未知の世界に向かいなさい』とも言いました。
羽生は賢い子でしたから、自分なりに解釈し、心に残してくれたのではないかと思っています。
それから『芸術家になりなさい』とも言い続けました。いつか日本のフィギュアスケートにも芸術の時代がやってくる。それに対応できるような、美しいスケートが必要だと思いました。
私は彼に一スケーターで終わってほしくなかったのです」
数多くの優れたスケーターを見てきた方たちに、ここまで称賛される羽生選手のファンでいることに幸せを感じました。
そして、これまで知らなかったロシアと日本のフィギュアスケート界のつながりを知って、羽生選手が「僕のスケートのルーツはロシア」と言っていたことの意味が少し理解できました。
たくさんの方に読んでいただきたい本です。
この本の中には阿部奈々美先生への言及はありませんでしたが、奈々美先生にも是非、本を書いていただきたいなと思いました。
いつかそれが可能な時がきたならば。
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