メドベージェワ選手
2020年09月29日
メドべージェワ選手のスピーチ
このところ、ロシアフィギュアスケート界は毎日のように話題を提供してくれていますね。
最近では、ザギトワ選手の移籍の噂を巡って、プルシェンコご夫妻も巻き込んでザワザワしているようです。
一方、メドベージェワ選手は、一旦離れたエテリコーチの元に復帰。
決して穏やかに分かれたわけではないのに、いとも簡単に戻って行きました。
その陰にはロシアスケート連盟の思惑もあったのではないか等々。
果たして何が真実か、外からはうかがい知れない色々な事情や力関係があるのでしょうね。
二人の話題が出てくる時、私がいつも思い出すのは、平昌オリンピック前のこの一件です。
国家的なドーピング疑惑で、ロシアが平昌オリンピックへの参加を禁じられる寸前だった時、当時世界選手権を2連覇していたメドベージェワ選手が、右足に怪我をした状態でも、一人スイスのIOC理事会に出向いてスピーチをした件です。
THE ANSERより(https://the-ans.jp/news/13868)
世界女王メドベージェワ、“魂のスピーチ”全文「私にも同じチャンスをください!」
ロシアに五輪参加禁止処分が下る直前、アスリート代表としてIOC理事会に出席
国際オリンピック委員会(IOC)は、国を挙げたドーピング問題の可能性が取り沙汰されているロシアに、来年2月に開催される平昌五輪の参加禁止処分を課した。ロシア人選手に関しては厳格な条件下での出場を認めると発表しているが、この決定直前に、フィギュアスケート世界女王のエフゲニア・メドベージェワがロシア代表の五輪参加を求めて“母国愛”を訴えていた。米スケート専門メディア「icenetwork」が報じている。
右足中足骨にヒビを負い、グランプリファイナル出場を辞退したメドベージェワは5日、スイスで行われたIOC理事会にロシアオリンピック委員会で唯一の現役選手として出席。クリーンなアスリートの代表として、ロシア選手団の五輪参加を求める“魂のスピーチ”を披露した。
コメント全文は以下の通り。
「親愛なる会長、親愛なる理事会のメンバーへ。
私はここにいることを栄誉に感じています。ロシアのアスリートの代わりに挨拶できる機会をいただき、ありがとうございます。
私はロシアスポーツ界のネガティブなニュースにギリギリまで注意を払わないように努めてきました。我々、クリーンなロシア人のアスリートには心配するものはありません。もしも、誰かがアンチドーピング・ルールを犯していたとしても、それは我々と全く関係ないものです。
(ソチ五輪が行われた)2014年、私は14歳でした。代表チーム入りできる年齢に達していませんでした。
個人的には平昌はオリンピックという独特の雰囲気に飛び込む最初の機会になるはずです。私とロシアのチームメイトがなぜこのチャンスを失うことになるのか、理解できません。
私は数多くの大会に参加していました。2つの世界タイトルにこの上ない誇りを抱いています。
しかし、オリンピックは夢なのです。
あなたたちは自分自身の夢を達成するチャンスをすでに手にしたかもしれません。
私にも同じチャンスをください!
平昌後の私のスポーツ人生で他の大会に参加できるのか、分からないのですから」
「私はオリンピックで戦うチャンスは氷上での戦いで決まるべきだと常々信じていました。不運なことに、自分ではどうにもならない状況から、私はこの機会を失うかもしれないことは理解しています。
私はロシア国旗ではなく、中立国のアスリートとして五輪の試合に出場するという選択肢を受け入れることはできません。私の国を誇りに思っています。オリンピックで国を代表することは偉大な栄誉なのです。パフォーマンスでも強さと刺激をもたらしてくれます。
加えて、自分にとっては個人競技と団体競技もオリンピックでは等しく重要です。国旗なしに演じるということになれば、チームとして戦うことはできません。同時に私のライバルたちはこのチャンスを手にすることになるのです。
オリンピック憲章では、全てのアスリートは等しく機会を手にすべきとあります。そして、この問題において、平等性は存在しないかもしれません。
親愛なる理事会のメンバーへ。もしも、平昌での五輪で私が出場することになれば、みなさんを落胆させないように最善を尽くすことを約束します。
自分の国とオリンピックの活動全体を十分に代表的するつもりです。
傾聴、ありがとうございました」
記事全文⇒https://the-ans.jp/news/13868/3/
当時右足の怪我を抱えながら、IOC委員会本部のあるスイス・ローザンヌまで出向き、このスピーチを敢行したメドベージェワ選手の姿を覚えています。
メドベージェワ選手のスピーチによって、平昌オリンピックに参加への道が開かれたという認識があれば、ロシアIOC委員会及びロシアスケート連盟はメドベージェワ選手に大きな「借り」があるのではないのかなと、時々思うことがあります。
本当は、平昌オリンピックでメドベージェワ選手が優勝出来ていたら、美しい物語はそれで完結していたのでしょう。
しかし、勝負の世界は予定通りには行かないものです。
オリンピック金メダルは、そのシーズンにジュニアから上がってきたザギトワ選手の元に。
二人の点数の差は1.31点。
FSはなんと同点の156.65、SPでの差がそのまま二人の金メダルと銀メダルの差になりました。
二人の所属はRUSではなくて、OAR(Olympic Athlete from Russia)となっています。
(ISU resultsより)
それは当時、おそらくロシアスケート連盟にとっても、メドベージェワ選手にとっても、ザギトワ選手自身にとっても、エテリコーチにとってさえ、想定外の出来事ではなかったでしょうか
ここかが原点となって、今に至るまで、ロシアスケ連を巻き込んだザギトワ vs メドベージェワの様々な出来事が重なって来ているように感じます。
私は個人的には二人共、それぞれの個性があって、素晴らしいスケーターだと思っています。
おそらく彼女たち自身も個性の差はあれ、スケーターとして、互いへのリスペクトはあるのだと思っています。
というか、そう思いたいです。
いつの日か全てが過去のことになった時、二人が揃って出場するアイスショーがあったらいいなと思っています。
まだ若い二人の人生、これからが楽しみです。
今は二人共過渡期の困難な時代を過ごしていても、
いづれは個性を生かして、長くスケート界で活躍して行かれることを願っています。
2016年マルセイユGPF
羽生選手がGPF4連覇を決めた大会です。
私はこの時初めてザギトワ選手(右端)を知りました。
SPのプレカン、豪華メンバーだったなぁ!!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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