プルシェンコ
2022年08月03日
ロシアより*神から与えられたスケーター
ドーピング問題や戦争のために、フィギュアスケート大国といわれるロシアの選手は表舞台から姿を消してしまいました。
ロシアのスケーターやフィギュア関係者の皆さんは、結弦くんのプロアスリートへの方向転換をどのように受け止めているのでしょうか。
今日付けのNumberWEBの記事をご紹介したいと思います。
結弦の”決断”はフィギュア大国ロシアでどう受け止められたのか?
「神から与えられたスケ-ター」「ユヅルは気さくで親しみやすく…」
2022/08/03 栗田智
「羽生結弦“引退”」のニュースは、ロシアでもすぐさまトップニュースとして報じられた。
タス通信、RIAノーボスチなどの通信社、スポーツニュースサイトはもちろんのこと、国営テレビの第1チャンネル、RBKやコメルサントなどの経済紙系も速報として取り扱ったのは、外国人選手としてはなかなか異例のことだ。
興味深かったのは、会見での羽生の言葉に触れながら、競技から引退はするものの4回転半を含めて自分自身への挑戦はこれからも続けることなど、彼の意に寄り添うような丁寧な報じ方をしていたことだ。これは五輪連覇など数々の偉業を成し遂げた者、長い競技人生を終える決断をした者への敬意の表れだろう。
プルシェンコ「活躍を祈ります、わが友ユヅルさん」
ファンはもちろん、フィギュアスケート関係者からも続々と反応が寄せられた。
ロシアフィギュア界の重鎮タチアナ・タラソワは、「彼が競技生活を終えることをさびしく思います。優れた選手こそが大会を華やかに飾ることができるからです」と第一線を退くことを惜しみつつも、「彼がたどったすばらしい道のりを私たちが目にすることができたことにありがとうと言いたいです。彼には最高のプログラム、記録、ジャンプ、スケーティングのすべてがありました。羽生結弦は偉大な個性の持ち主です、間違いなく」と賛辞の言葉を贈った。
そして、プロのスケーターとしての新たな出発に際して、「私は彼のことが大好きです。これまでも、そしてこれからも。彼が手がけるショーをぜひ見たいと思います。彼自身がそうであるように、別の惑星から来たような信じられないほど素敵なショーになることでしょう」と祝福した。
羽生にとって少年時代から憧れの存在であった“皇帝”エフゲニー・プルシェンコは、自身のInstagramで、共演したアイスショーでの動画とともにコメントを残している。
「今日、良き友人であり、フィギュアスケート史上最大のスターである傑出したスケート選手、羽生結弦が引退を発表したことを知りました。彼がフィギュアスケートのためにしてきたすべてのことに感謝しています。プロとしてのキャリアが最高のものになること、そしてさまざまなショーで世界中の人々を喜ばせてくれることを心から願っています。今後の活躍を祈ります、わが友ユヅルさん」
”ユヅロス”から早くも競技復帰を望む声も
振付師でありアイスショーのプロデューサーでもあるイリヤ・アベルブフは、羽生を「神から与えられたスケーター」と称えた。
「羽生結弦は時代や民族の枠を超えて優れた選手です。彼の名はフィギュアスケートの黄金の殿堂に刻まれました。彼は限界を押し広げ、美を発展させ、フィギュアスケートを新たな高みへと昇華させることに多大な貢献をしました。ヤグディンとプルシェンコに続き、男子フィギュアをまったく別のレベルに引き上げる人物です」
今後については、「彼は日本だけでなく世界で絶対的なアイドルです。今後何年にもわたってあらゆるアイスショーで需要があるでしょう。しかし、彼は挑戦を諦めることをしませんから、もしかしたら30歳を超えてもなお、また五輪に戻りたいと思うかもしれません。ただ、今は競技から離れて、何か別のことに挑戦しようとしているのでしょう」との見方も示した。
アベルブフに限らず、“ユヅロス”から早くも復帰を望む声は、実はそこかしこで上がっている。アイスダンス選手でソチ五輪団体金メダルのドミトリー・ソロビヨフも、「羽生の決断はファンにとってある種の心の傷になるでしょう。彼の演技は多くの人の記憶に残ります。今後プロとして何年も私たちを喜ばせ、世界中を回ってくれることを願っています。しかし、きっと彼は競技の舞台が恋しくなると思いますよ」と話している。
羽生が「コオオオフたああああん!」と叫んでハグを…
世界選手権に5度の出場を果たし、2019年に引退したマキシム・コフトゥンは、大会でのエピソードを交えてこう回想している。
「ユヅルと世界の舞台で戦うことができたことは光栄なことです。かけがえのないすばらしい経験でした。大会で会うといつもうれしそうにしてくれて、気さくで親しみやすい人でした。いつだったか通路ですれちがうとき、彼は『コオオオフたああああん!』とおかしな叫び声を上げて走ってきてハグをしたのを覚えています。演技後はいつもファンが数えきれないくらいのぬいぐるみを投げ入れましたね。リンクが見えなくなるほどでした。そしてスタンディングオベーション」
そして、「ユヅルはフィギュアスケートを変えました。心の底からそう言えます。彼は真のレジェンドであり、他に言葉はいりません」と賞賛した。
ザギトワは慣れない日本語で「頑張れよ。伝説」
「легенда(レジェンド、伝説)」は、ロシアでも同様に、優れた功績を残した偉大な人物を表す言葉だ。ロシアの若手選手たちも羽生のことをこぞって「レジェンド」と呼んでいる。
2018年平昌五輪の女子シングル銀メダリストとして知られるエフゲニア・メドベデワは自身のInstagramで、2016年GPファイナル、エキシビションのフィナーレでの画像とともに、「引退おめでとう、レジェンド」とのコメントを残している。

羽生と同じく平昌で金メダルを獲得したアリーナ・ザギトワは、2人で撮った同五輪でのセルフィーとともに、日本語で「頑張れよ。伝説」(翻訳の問題か、やや上から目線なのはご愛嬌)、さらに2022年北京五輪の金メダリストであるアンナ・シェルバコワは「真のレジェンド」、アリョーナ・コストルナヤは「グッドラック、レジェンド」とのメッセージを贈り、新たな旅立ちに声援を送っている。
彼女たちの言葉通り、羽生結弦はまさにレジェンドであり、後世に永く語り継がれる選手だ。フィギュアスケート大国のロシアでも愛され、リスペクトされていることが、多くの関係者の反応から窺える。そして誰もが、伝説の第二幕を心待ちにしている。(完)
結弦くんが自分のスケートのルーツとまで言っていたロシアフィギュアスケート界は、戦争のためにスケーター達は外国での大会にもアイスショーにも参加できない状態にあります。
いくら練習に励んでも、その成果を世界に発表して観てもらえる場所が無いのはどんなにつらいことでしょう。
文化も芸術もスポーツも、平和あってこそのもの。
日本も77年前の8月15日まで戦火の中にありました。
そのことをイヤでも思い出さずにはいられない8月です。
人類最大の犯罪は戦争といいます。
どうか一日も早く、今も続く戦争が終結しますように。
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2020年09月14日
トゥルソワ選手のロミオとジュリエット
昨晩はTBS地上波のドリーム・オン・アイスを最後まで観ていたために、今日はまだ眠気が抜けません。
終了したのが午前3時近かったので無理もありませんが、TBSさんもう少し早い時間に放送して欲しかった。
ドリーム・オン・アイスの前にはロシアテストスケートのFSの演技が続き、これもなかなか見ごたえがありました。
やはりロシアはフィギュアスケートの層が厚いんだなぁと実感しました。
会場にはほぼ満員の観客が入っていて、マスクをしている人、していない人、が混在している状態で、少々心配になってしまいました。
しかし会場の雰囲気は試合そのもので、選手たちの真剣な演技に引き込まれました。
特に印象に残ったのは、男子では持病を克服して復帰したコリヤダ選手。
結婚もされて、心身ともに充実していることが感じられ、演技も素晴らしかったです。
https://youtu.be/sIcO0G6kPXk
しかし、これだけの演技をしてもニコリともしないミーシンコーチ。
エテリ女史が鉄の女なら、ミーシンコーチは鉄の男か。
オーサーコーチやブリアンコーチだったら、飛び上がって喜びそうなのに。
女子ではトゥルソワ選手が一番印象に残りました。
第1滑走者だったトゥルソワ選手の今シーズンFSプログラムは「ロミオとジュリエット」!
編曲は違っていても原曲は同じなので、いやでもニースの羽生選手を思い出してします。
曲が始まった途端に、頭の中はニースの 羽生選手に占領されてしまいました。
https://youtu.be/JtM4tVEtuhw
トゥルソワ選手は体も一回り大きくなり、演技も以前よりも伸び伸びと大きくなった感じを受けました。
最初の4Lzこそ転倒してしまいましたが、あとは素晴らしいジャンプを重ねて、
もう貫禄のようなものさえ出てきたように感じられました。
衣装はどんなものになるのでしょうか。
できたら白の衣装にしてほしいな。ジュリエットといえばやはり白いイメージ。
これも白、
これも白、
そして、これも白。
これからプログラムをさらに完成させ、衣装を着けての演技が楽しみです。
プルシェンコさんもホッとしたのではないかな。
これから北京オリンピックめざしてプルシェンココーチと共に進んで行くのですね。
「ロミオとジュリエット」で、2012年ニースの羽生選手は世界選手権初出場銅メダル、2019年トリノの佐藤駿選手はJGPF初出場金メダルと、「ロミオとジュリエット」は必勝プログラムに思えてきました。
プルシェンコさんの意識の中にも羽生選手のニースの印象が強く残っているのかもしれないな、なんて思いました。
他にもワリエワ選手、シェルバコワ選手も素晴らしい演技でしたが、勢いとエネルギーを感じるという意味で、私にはトゥソワ選手が魅力的に感じました。
コストルナヤ選手は怪我と準備不十分ということで、FSは欠場となったのは残念でした。
ても、振り付けはジェイリーン・ボーンさんで、オンラインで練習中ということです。
完成が楽しみです。
怪我が軽いものでありますように。
テストスケートFSプログラムは全体では4時間という長さです。
最初がペア、続いて男子シングル、アイスダンス、最後が女子シングルという順番になっています。
ロシアテストスケートが終わった後、深夜01:20~02:50という時間帯にドリーム・オン・アイスのダイジェスト版がTBSで放送されました。
CSで放送された生中継と違って、こちらは随所に羽生成分を交えてあり、結局最後まで眠気と闘いながら観てしまいました。
羽生選手の過去のプログラムからは、2009年の「ミッション・インポッシブル」と
2012年の「Hello, I love you」が流れました。
Chai Tさん、いつもありがとうございます。
「最後Tシャツを投げる時、まだまだちょっと恥ずかしさが残っていたので、あとはもっとカッコよくピッて投げれるようにもっと練習してきたいと思います」って。
その後、本当にカッコよく投げれるようになったのは私たちは良く知っていますよね。
またこんなカッコいいプログラムも観たいですね

昨日のロシアテストスケートとドリーム・オン・アイス、羽生選手も観たのかな?
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2020年08月05日
プルシェンコさんにエールを
「プログラムを観たが、ひどいものだ」プルシェンコがコストルナヤ移籍に関して、旧陣営へ辛辣なコメント
THE DIGEST編集部
2020.08.04
https://thedigestweb.com/topics_detail13/id=20664
記事のタイトルには「辛辣なコメント」と書かれていますが、私は少しも辛辣とは思いませんでした。
プルシェンコさんが言っていることは極めて真っ当なことだと思いました。
2022年北京オリンピックまでは1年半しかありません。
北京まと明言しているコストルナヤ選手が、限られた時間の中で自分の可能性を追求したいと考えるのは当然のことです。
自分が正しいと判断した道に進もうという彼女の選択を否定する権利は誰にもありません。
もちろんエテリコーチはじめこれまでの指導者に礼を尽くさなければなりませんが。
プルシェンコさんにとっても、コーチとしての力量を示さなければならない正念場です。
プルシェンコさんにエールを送りたいと思います。
よろしければこちらも合わせてお読みください。
過去記事より(2020年5月8日)
プルシェンコさんの挑戦
コストルナヤ選手、シェルバコワ選手と共にロシア3人娘といわれるトゥルソワ選手が、トゥトべリーゼ女史率いるサンボ70から、プルシェンコさんの元に移籍するというニュースは驚きでした。
(2020欧州選手権)
色々な憶測が行きかっているようですが、これはトゥルソワ選手の挑戦でもあり、同時にプルシェンコさんの大きな挑戦でもあります。
トゥルソワ選手と同時にサンボ70のジャンプコーチのセルゲイ・ロザノフ氏もプルシェンコさんの元に移籍するというのも驚きです。
これまで、トゥトべリーゼ女史の他には、コーチとして表立っていたのはグレイヘンガウス氏、ドゥダコフ氏くらいで、ロザノフ氏の存在はほとんど見えていなかったと思います。
私も初めて聞く名前でした。
野心的な目をしたイケメンコーチであることは間違いないようですね。
ロシアフィギュアスケート界に衝撃が走ったことは間違いありません。
この記事が手際よくまとめてくれています。
THE ANSWER の記事より
トルソワ電撃移籍 母国識者がプルシェンコにエールのワケ「大きな重圧が控えている」
5/8(金) 16:33配信
アリョーナ・コストルナヤ、アンナ・シェルバコワとともに“天才3人娘”として2019-20年のフィギュア界を席巻したトルソワ。トゥトベリーゼコーチのもとを離れたことは衝撃をもって受け止められた。ロシアスポーツ紙「スポルトエクスプレス」では、コーチのセルゲイ・ロザノフ氏もともに移籍することを伝えつつ、識者の反応を紹介している。
まず数多くの名スケーターを育ててきた重鎮タチアナ・タラソワ氏は「トゥトベリーゼ氏のところには、トルソワの代わりになる教え子がまだたくさんいます。教え子がそのコーチから別のコーチのところへ移籍することはあり得ることです」とエテリ氏のもとには数多くの才能溢れる選手が残ることに触れつつ、こう続けている。
「コーチの変更――それはいつも宝くじのようなものです。エフゲニー(プルシェンコ氏)は自分が指導するもとに、とてもいい少女を、世界記録保持者を得た。これは彼にとってとても大きな責任です。私は、彼がすべてうまくいくように願っています。これは彼にとって有能なコーチとして認められるチャンスです」
プルシェンコ氏にとってはチャンスだとも指摘している。
またアイスダンスの世界王者でソルトレイクシティ五輪の銀メダリスト、イリヤ・アベルブフ氏はまずトルソワの素質を絶賛している。
「サーシャ・トルソワ――とても優れた才能に恵まれた天才的な女子スケーターであり、4回転ジャンプに関する記録を持っていて、昨シーズン、見事な演技を見せました。彼女は我々の誇りで、彼女の幸運を祈るだけです」
さらに同氏は、過去の移籍劇も引き合いに出してこう続けている。
「そういったことはいつの時代でもあったことで、時々、移籍はその選択が正しかったことを証明してきました。例えば、アレクセイ・ヤグディンは彼にすべての技術を教えたアレクセイ・ミーシン氏のもとを去りました、だが、彼にはプルシェンコとのとても激しい競争があった。タチアナ・タラソワ氏はヤグディンが芸術的才能と闘う資質を身につけ、2002年のソルトレイクシティ五輪で金メダルを獲得するのを助けました」
また、移籍が成績の低下を招く可能性があるのではないかという問いかけに対しては「今、比較をするのは難しいです」と前置きしたうえで、トルソワ、トゥトベリーゼ氏、プルシェンコ氏にも思いを巡らせている。
「トゥトベリーゼ氏にとっても、何しろお気に入りの教え子がいなくなるのはいつの時もとても精神的に痛みを伴う複雑な話だからです。みんな、トゥトベリーゼ氏に、トルソワをここまでに育ててくれてありがとうと言わなければなりません。サーシャ(トルソワの愛称)も去る決断をするのに困難な思いをした。
ジェーニャ(プルシェンコ氏)の幸運を願う必要があります。彼は長い間、選手たちを教えていますが、彼にはとても大きな仕事と大きな重圧が目前にひかえています。これは大きな挑戦です、なぜならすべての人が、サーシャは良い教育を受けた才能あるスケーターであることを分かっているからです。彼女は成長期にあります、彼女の本領を発揮していたコンディションを維持するために、大きな仕事を行う必要があります」
トルソワのみならず、プルシェンコ氏にとっても大きなプレッシャーとなるだろうと心境を思いやっている。フィギュアスケーターに移籍問題はつきもの。トルソワが新たなシーズンでどんな姿を見せてくれるのか楽しみに待ちたい。
(end)
今シーズンはGpシリーズも開催できるかどうかもわからず、実質的な来シーズン開始となるのはいつになるのか予想もつかない状態ですが、その時まで、水面下でまだまだ色々な動きがあるでしょう。
かつては共にミーシンコーチに師事していたプルシェンコさんとヤグディンさんは、結局ヤグディンさんがタラソワコーチの元に移籍して、その結果ソルトレイクシティオリンピックで金メダルを獲得しました。
この間の確執はヤグディンさんの自伝に詳しく書かれています。
しかし今ではミーシンコーチとタラソワさんも共にロシアフィギュアスケート界の重鎮として、良い関係を取り戻しているいるようです。
プルシェンコさんとヤグディンさんの二人はライバル関係にあり、色々あったけれど、ヤグディンさんはプルシェンコさんに個人的に人間として不信感を持ったことは一度もないと本の中で語っています。
この本とても面白く、自信を持ってお薦めできます。
頭脳明晰でかつ感受性が高く、少年のような心を持つヤグディンさんがどこか羽生選手と重なります。
羽生選手は尊敬するプルシェンコさんがコーチとしてどのような挑戦をして行くのか注目しているでしょうね。
選手としてスーパースターだった方がトップコーチとなっているのはむしろ珍しいくらいで、
現在活躍しているコーチとしては、オリンピック2度の銀メダリストのブライアン・オーサーコーチ、オリンピック銅メダリストのステファン・ランビエールコーチが目立つところです。
オリンピック金メダリストのプルシェンコさんがコーチとしても大きな成功を手にすることができるかどうか、期待して見守りたいと思います。
このプルシェンコさんの挑戦は、羽生選手が将来の方向性としてコーチを考えている、いない、にかかわらず、彼にとってもきっと興味深いことでしょう。

それにつけても、2012年のニースワールド後の、羽生選手のクリケットクラブへの移籍がうまくいった陰には、多くの人の協力と配慮、それに、何よりも気持ちよく送り出してくれた阿部奈々美コーチの存在が大きいように思います。
奈々美先生はそのいきさつについては一切語らず、その後も表には立たなくても、ずっと羽生選手を陰ながら支え続けてくれたのだと思います。
羽生選手は本当に理想的な移籍をして、結果として連続2度のオリンピック金メダリストになったのです。
それを本当に嬉しく思います。
(過去記事ここまで)
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2020年05月08日
プルシェンコさんの挑戦
コストルナヤ選手、シェルバコワ選手と共にロシア3人娘といわれるトゥルソワ選手が、トゥトべリーゼ女史率いるサンボ70から、プルシェンコさんの元に移籍するというニュースは驚きでした。
(2020欧州選手権)
色々な憶測が行きかっているようですが、これはトゥルソワ選手の挑戦でもあり、同時にプルシェンコさんの大きな挑戦でもあります。
トゥルソワ選手と同時にサンボ70のジャンプコーチのセルゲイ・ロザノフ氏もプルシェンコさんの元に移籍するというのも驚きです。
これまで、トゥトべリーゼ女史の他には、コーチとして表立っていたのはグレイヘンガウス氏、ドゥダコフ氏くらいで、ロザノフ氏の存在はほとんど見えていなかったと思います。
私も初めて聞く名前でした。
野心的な目をしたイケメンコーチであることは間違いないようですね。
ロシアフィギュアスケート界に衝撃が走ったことは間違いありません。
この記事が手際よくまとめてくれています。
THE ANSWER の記事より
トルソワ電撃移籍 母国識者がプルシェンコにエールのワケ「大きな重圧が控えている」
5/8(金) 16:33配信
アリョーナ・コストルナヤ、アンナ・シェルバコワとともに“天才3人娘”として2019-20年のフィギュア界を席巻したトルソワ。トゥトベリーゼコーチのもとを離れたことは衝撃をもって受け止められた。ロシアスポーツ紙「スポルトエクスプレス」では、コーチのセルゲイ・ロザノフ氏もともに移籍することを伝えつつ、識者の反応を紹介している。
まず数多くの名スケーターを育ててきた重鎮タチアナ・タラソワ氏は「トゥトベリーゼ氏のところには、トルソワの代わりになる教え子がまだたくさんいます。教え子がそのコーチから別のコーチのところへ移籍することはあり得ることです」とエテリ氏のもとには数多くの才能溢れる選手が残ることに触れつつ、こう続けている。
「コーチの変更――それはいつも宝くじのようなものです。エフゲニー(プルシェンコ氏)は自分が指導するもとに、とてもいい少女を、世界記録保持者を得た。これは彼にとってとても大きな責任です。私は、彼がすべてうまくいくように願っています。これは彼にとって有能なコーチとして認められるチャンスです」
プルシェンコ氏にとってはチャンスだとも指摘している。
またアイスダンスの世界王者でソルトレイクシティ五輪の銀メダリスト、イリヤ・アベルブフ氏はまずトルソワの素質を絶賛している。
「サーシャ・トルソワ――とても優れた才能に恵まれた天才的な女子スケーターであり、4回転ジャンプに関する記録を持っていて、昨シーズン、見事な演技を見せました。彼女は我々の誇りで、彼女の幸運を祈るだけです」
さらに同氏は、過去の移籍劇も引き合いに出してこう続けている。
「そういったことはいつの時代でもあったことで、時々、移籍はその選択が正しかったことを証明してきました。例えば、アレクセイ・ヤグディンは彼にすべての技術を教えたアレクセイ・ミーシン氏のもとを去りました、だが、彼にはプルシェンコとのとても激しい競争があった。タチアナ・タラソワ氏はヤグディンが芸術的才能と闘う資質を身につけ、2002年のソルトレイクシティ五輪で金メダルを獲得するのを助けました」
また、移籍が成績の低下を招く可能性があるのではないかという問いかけに対しては「今、比較をするのは難しいです」と前置きしたうえで、トルソワ、トゥトベリーゼ氏、プルシェンコ氏にも思いを巡らせている。
「トゥトベリーゼ氏にとっても、何しろお気に入りの教え子がいなくなるのはいつの時もとても精神的に痛みを伴う複雑な話だからです。みんな、トゥトベリーゼ氏に、トルソワをここまでに育ててくれてありがとうと言わなければなりません。サーシャ(トルソワの愛称)も去る決断をするのに困難な思いをした。
ジェーニャ(プルシェンコ氏)の幸運を願う必要があります。彼は長い間、選手たちを教えていますが、彼にはとても大きな仕事と大きな重圧が目前にひかえています。これは大きな挑戦です、なぜならすべての人が、サーシャは良い教育を受けた才能あるスケーターであることを分かっているからです。彼女は成長期にあります、彼女の本領を発揮していたコンディションを維持するために、大きな仕事を行う必要があります」
トルソワのみならず、プルシェンコ氏にとっても大きなプレッシャーとなるだろうと心境を思いやっている。フィギュアスケーターに移籍問題はつきもの。トルソワが新たなシーズンでどんな姿を見せてくれるのか楽しみに待ちたい。
(end)
今シーズンはGpシリーズも開催できるかどうかもわからず、実質的な来シーズン開始となるのはいつになるのか予想もつかない状態ですが、その時まで、水面下でまだまだ色々な動きがあるでしょう。
かつては共にミーシンコーチに師事していたプルシェンコさんとヤグディンさんは、結局ヤグディンさんがタラソワコーチの元に移籍して、その結果ソルトレイクシティオリンピックで金メダルを獲得しました。
この間の確執はヤグディンさんの自伝に詳しく書かれています。
しかし今ではミーシンコーチとタラソワさんも共にロシアフィギュアスケート界の重鎮として、良い関係を取り戻しているいるようです。
プルシェンコさんとヤグディンさんの二人はライバル関係にあり、色々あったけれど、ヤグディンさんはプルシェンコさんに個人的に人間として不信感を持ったことは一度もないと本の中で語っています。
この本とても面白く、自信を持ってお薦めできます。
頭脳明晰でかつ感受性が高く、少年のような心を持つヤグディンさんがどこか羽生選手と重なります。
羽生選手は尊敬するプルシェンコさんがコーチとしてどのような挑戦をして行くのか注目しているでしょうね。
選手としてスーパースターだった方がトップコーチとなっているのはむしろ珍しいくらいで、
現在活躍しているコーチとしては、オリンピック2度の銀メダリストのブライアン・オーサーコーチ、オリンピック銅メダリストのステファン・ランビエールコーチが目立つところです。
オリンピック金メダリストのプルシェンコさんがコーチとしても大きな成功を手にすることができるかどうか、期待して見守りたいと思います。
このプルシェンコさんの挑戦は、羽生選手が将来の方向性としてコーチを考えている、いない、にかかわらず、彼にとってもきっと興味深いことでしょう。

それにつけても、2012年のニースワールド後の、羽生選手のクリケットクラブへの移籍がうまくいった陰には、多くの人の協力と配慮、それに、何よりも気持ちよく送り出してくれた阿部奈々美コーチの存在が大きいように思います。
奈々美先生はそのいきさつについては一切語らず、その後も表には立たなくても、ずっと羽生選手を陰ながら支え続けてくれたのだと思います。
羽生選手は本当に理想的な移籍をして、結果として連続2度のオリンピック金メダリストになったのです。
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2019年01月31日
プルシェンコの視点から*アナザーストーリー
アナザーストーリー続きです。
視点2: プルシェンコ
フィギュア界の皇帝が明かすアナザーストーリー
自分が無しえなかったオリンピック連覇
その難しさを一番よく知る彼、プルシェンコ。
プルシェンコ杯ってあるんですね。知りませんでした。
才能ある若いスケーターを発掘して育てるために。
プルシェンコさん、サーシャ君をユヅルの跡継ぎに育てるつもりなのかもしれません。
今の僕の目標は、打倒 羽生結弦
史上最強の彼を超える選手を育てることだから
初めて結弦に会ったのは彼が10歳くらいの時、日本でショーをしていた時のことだね。
あなたにすごく憧れている子供がいるよって言われて会ったんだ。
プルシェンコが表紙のフィギュア雑誌を見る結弦くん
一目見て驚いたよ
センスが違う (納得!すごく重要なこと!)
スピンも上手で、ただあまりに痩せてたんで、しっかり鍛えればいい結果が得られるよって言ったんだ。
まさかオリンピックで二つも金メダルを取るとはね。
初めて戦えるチャンスとなったのがソチオリンピック
ソチオリンピックに向けて最高の対戦相手ができた。
腕が鳴ったねぇ。
どれだけ昔から知っていようが、リンクに立ったら敵。
彼なら、倒しがいがある。
プルさん、ファイターですねぇ。
ずっとあこがれ続けてきたプルシェンコさんに好敵手と思われること自体が羽生選手にとっては誇りでしょうね。
対等な相手と認めてくれたってことですものね。
2010年のバンクーバーオリンピックで、
わずか1.31点の差でオリンピック連覇を逃したプルシェンコさん。
あの頃は戦い続ける選手が少なくて、みんな直ぐに引退していく。
まだまだ滑れるのに。
僕は連覇を逃した悔しさより、戦う相手がどんどんいなくなることが悔しくて仕方がなかった。
プルシェンコが銀を取ったのは2回。
金を取ったヤグディンとライサチェックは連覇に挑むことなく戦いの場を去って行った。
お前も辞めるのか、お前もかって。
それが悔しくて。
だからこそ、羽生と言う強敵が現れたことにプルシェンコは奮い立ったのだ。
氷の上でどうやって彼を倒すか
ショックを受けさせるか、たたきのめすか、
そればかりを考えた。
それが僕の流儀さ

こんな時も、そんなこと考えながら羽生選手を観察していたのですね。きっと。
羽生選手の望みは、
プルシェンコさんにとっての
『燃える存在』に少しでも近づけるようになりたい。
でもそんな二人のそれぞれの願いは
プルシェンコさんの怪我による個人戦棄権で叶いませんでした。
ユヅルがソチで金を取った後、引退しない、次も出ると言ってくれて
飛び上がるほど嬉しかった。
私が去っても、彼が参加し続けることで
オリンピックという最高の戦いのレベルが保たれる。
ユヅルは分かっているんだ
最高の演技は試合でしかできないことを
そしてフィギュアスケートの世界に、オリンピックチャンピオンになる以上の喜びは絶対に無いってことをね。
プルシェンコから受け取ったバトン
そして平昌オリンピックへと邁進した羽生
その間の4年間、若手選手の台頭はあったが、
優勝候補は羽生と答え続けた。
大事なのは技でなく、経験と自信
それを合わせ持っているのはユヅルしかいなかった
連覇がどれだけ難しいか私は身をもって知っているけど、
誰かがやるとしたら世界にユヅルしかいない
だから僕はあのオリンピックでも、ユヅルがその場に立てさえすれば、連覇は間違いないと断言していたんだよ。

プルシェンコさんらしい率直なインタビューでした。
強烈な闘争心の持ち主であるがゆえに、一旦自分が認めた相手には絶大な信頼を寄せてくれるのですね。
天才は天才を知る、というか。
羽生選手もそれに応えて今も止まることなく進化し続けています。
プルシェンコさんはおそらく、
羽生選手は次の北京オリンピックは当然のこととして、
その次のオリンピックにも出れるし、勝てるはずということを言いたいのですね。
羽生選手の3年後は27歳、7年後は31歳
35歳まで現役を続けたプルシェンコさんにしてみれば、
彼はまだまだ若くて、大きな可能性を秘めているんだと。

そうであって欲しいし、そうだと信じています。
動画はこちらで見られます。
感動的なハビのインタビューは次回に。
ブログ訪問ありがとうございます。
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☆全ての画像、文の転載、引用はご遠慮下さい。
2018年11月19日
羽生結弦とヤグディンの接点
今回のロステレコムでは、初めてアレクセイ・ヤグディンさんと、彼のかつてのコーチであるタラソワさんが一緒に解説を担当していました。
ヤグディンさんは今はもうあまりスケート界のお仕事はしていないのかと思っていたので、解説する姿を見られたのは嬉しい驚きでした。
羽生選手のFS演技後の二人の解説の一部をSallyさんが翻訳して下さっています。
Sally@⛸໒꒱@fgursktt
ヤグさんとタラソワママの言葉が泣けるので抄訳を。
2018/11/18 07:53:19
「たまにはミスも大切だ、彼も人間なのだから疲弊する事もある。人生に完璧などありえない、どんな天才にも上手くいかない日はある。でも今日ユヅルは何を失敗した?冒頭の4Sもその後の4Tも… https://t.co/2bhaBaR1lA

この解説を読んで、特に「今日のユヅルの演技は私達が皆同じ人間であること、だからこそもちろん、時に疲弊する事もあるという事を示してくれた。私はたまにはミスのある演技も必要だと思う、人生に完璧などないのだから。どんな天才でさえ自身の望むものを手に入れられない日もある」という言葉には、ヤグディンさんも現役時代には怪我に悩んだ経験も多々あり、羽生選手の置かれた状況もよく理解してあたたかい言葉を送ってくれたんだなぁと感動しました。
ヤグディンさんは 別の解説の中で、「結弦をこの目で見ることができることをとても嬉しく感じています。羽生結弦と同じ空間で会うのは、人生で初めてです。勇気をもって言うけど、私はどうしてこの瞬間までこの2度のオリンピック王者の演技をこの目で見てこなかったのだろうか。」とも語っています。
ということは、羽生選手もこれまでにヤグディンさんに実際に会ったことがないということになります。
おそらく何百回、いえ何千回もその演技動画見てきたはずなのに。
それを今回繋げてくれたのはタラソワさんでした。
実際に羽生選手とヤグディンさんが対面できたのかどうかはわかりませんが、少なくとも同じ場所を共有し、互いの存在を身近で感じたことは確かです。
羽生選手が幼い頃からプルシェンコさんに憧れ、その強さ、逞しさ、安定感、カリスマ性を尊敬してきたのもよく分かります。
しかし私は正直なところ、羽生結弦選手とヤグディンさんの中に共通点を感じてきました。
例えば、頭脳明晰、自由闊達、天真爛漫、そしてスケートのスタイルも。
今回、タラソワさんを接点に二人がもしも遭遇していたら、ヤグディン・プルシェンコ・羽生結弦の三人の天才が作る三角形が完成します。
そこからまた何かが生まれる可能性がありそうです。
いつか三人の天才が同じ場所に立ってくれる日が訪れるといいなぁと、内心 願っています。
夢かもしれないけれど。
ヤグディンさんの『オーバーカム(打ち勝つ)』というタイトルの自伝、とてもよかったです。
内容も興味深く、写真もたっぷりでお薦めです。
自伝と同じタイトルのEXプログラム『オーバーカム』も大好き!
こちらもお勧めです。
以前、この三人について書いた過去記事があります。
『三人の天才☆ミドルネームはアマデウス』
現役時代のヤグディンさんやプルシェンコさんの動画もたくさん含んだやや長めの記事ですが、お読みいただけたら嬉しいです。


羽生選手、松葉杖で表彰式出席してくれたのですね。
またひとつ伝説が生まれましたね!
表彰式、明日また書きたいと思います。
He will overcome.
羽生選手の復活を信じています。
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2018年11月17日
ロシアからの祝福
GPファイナル進出決定おめでとうーー
怪我に見事に対応して、構成を全く変えて危機を乗り越えた対応力に脱帽!
また後で記事上げます。

まず最初に今日の公式練習で羽生選手が4回転ループで転倒したことについて。
動画を見ましたがしばらく立ち上がれなくて、足を痛めたのかと心配です。
途中で練習を引き上げましたが、適切な処置のためと思っています。
試合までわずかな時間しかありませんが、どうか無事試合に臨めますようにと祈っています。

昨日の試合にはロシアスケート界の多くの重鎮の方々が会場にいらして、前記事のロシアより愛を込めてに書いていた方々も全員羽生選手の演技を観ていたようです。
【Sponichi Annex】
羽生結弦「ありがたいこと」立ち上がったタラソワ氏へ感謝のステップ
男子SPで羽生結弦(ANA)が110・53点をマークし、首位発進を決めた。今月上旬のフィンランド大会でマークした106・69点を3・84点更新する世界最高得点。「実質、ほぼMAXじゃないかな、この構成では」。キス&クライでスコアを知ると、充実の汗を光らせながら笑顔で手を叩いた。
SPは憧れのジョニー・ウィアー氏がかつて使用した「秋によせて」。ウィアー氏の同プログラムを振り付けたタチアナ・タラソワ氏が、会場で羽生のステップを立って見つめていた。「タラソワさんが立って下さっているのが見えて。とてもありがたいこと」。フィンランド大会ではレベル3にとどまったが、この日はレベル4を獲得。「すごく感情のこもったものになった」と振り返った。
17日のフリーには自身初のGPシリーズ連勝、日本男子最多となるGP通算10勝、新ルールで初の合計300点超えなど様々な記録が懸かる。「まだフリーがきれいにできていないので。まずは自分の中でSP、フリーを揃えてなんぼ。しっかり揃えられるように」。ノーミスで「Origin」を滑り終えた時、また伝説が生まれる。[ 2018年11月16日 22:58 ]
【日刊スポーツ】
羽生結弦「ルーツ」のロシアで首位発進 恩師に一礼
<フィギュアスケート:GP第5戦ロシア杯>◇16日◇モスクワ◇男子ショートプログラム(SP)
男子SPで羽生結弦(23=ANA)がGP第3戦ヘルシンキ大会で出した106・69点の世界最高点を更新する110・53点をマークして首位発進した。
ロシアへの感謝を込めた。3つのジャンプ要素をすべて決めて、ステップに入るところで、リンクサイドに立つロシアの名将タチアナ・タラソワ氏の姿を見つけた。今季のSP「秋によせて」は、憧れの元全米王者ジョニー・ウィアー氏のプログラムをカバーしたもの。その元の振り付けをしたのがタラソワ氏。前日の練習でも「がんばってね。いつも見てるから」と声をかけてもらっていた。「立って見てくださるのは、ありがたい」と、ステップ中の見せ場であるジャンプを目の前で披露した。
正面上段の席には11-12年シーズンのフリー「ロミオとジュリエット」を手直ししてくれたボブリン、ベステミアノワ夫妻がいた。演技後、スタンディングオベーションしてくれた2人を見つけ、「ありがとうございました」と深々と礼した。
記者会見では「自分のスケートをたどっていくとロシアがルーツ」とロシアとの縁を口にした。17日のフリーで滑るのは、ロシアの“皇帝”ことエフゲニー・プルシェンコ氏の代表作「ニジンスキーに捧ぐ」をカバーした「Origin」。「明日はプルシェンコさんに向けて頑張りたい」と、再び思いを込める。
写真:小海途良幹
そして個人的に非常に嬉しかったのはこのタラソワさんとヤグディンさんの解説でした。
GPSロシア羽生結弦SP:タラソワ・ヤグディン解説
(ロシアン・フィギュアスケート・フォレヴァより)
ヤグディン:
結弦をこの目で見られることができることをとても嬉しく感じています。羽生結弦と同じ空間で会うのは、人生で初めてです。
(演技中無言)
ヤグディン:
勇気を持って言うけれど、私はどうしてこの瞬間までこの2度のオリンピック王者の演技をこの目で見てこなかったのだろうか。タチヤナ・アナトリエヴナ(タラソワ)、しかしこれは現実世界のフィギュアスケートの神ですね。
タラソワ:
そう、現実のものです。まったくの現実です。ただ、彼とブライアンに感謝です。彼の国に、こんな天才が生まれ、全世界に贈ってくれたことに。私たちを驚かせ、私たちを感動させる人を。ジャッジがどんな評価をするのか想像もできません。私がジャッジだったら、プラスを出すのを惜しいとは思わないでしょう。なぜなら、人生で+5を付けることはもうないということになりそうだからです。絶対に。そしてこれ以上の喜びを得ることもないかもしれません。でも、ジャッジは彼に+4を付けるでしょう。おそらく、彼らは人生は永遠のものと考えており、まだ別の天才を見ることができると考えているからです。こんな大きな喜びを与えてくれて、本当にありがとう。
ヤグディン:
スケーターが実際に、こんなに冷静に、こんなに落ち着いて、最も難しいジャンプをを遂行するとは…、しかも、こんなに音楽を、一つ一つの動きを感じながら…。
タラソワ:
一つ一つの細胞を彼は感じているのです。彼の一つ一つの細胞が音楽を感じているのです。
ヤグディン:
もちろん、羽生は本当に練習中毒で、完璧主義者なのでしょう。しかし、こういった才能というのは、何よりもまず生まれながらのものだと思います。
タラソワ:
もちろんです。観客も泣いています。昨日オーサーと話したのですが、羽生は今年からまったくの別人になったと彼は言っていました。オープンで、楽しそうで。彼は昨年まで、(オリンピック)優勝に非常に集中していたと。彼にとっては、オリンピックで2回金メダルを取る必要があったのでしょう。オリンピック王者となって、自分自身となるために。楽しんで練習ができるよう、そして新発明のための練習ができるように。新技術のための練習をして、多くの新しいことを学ぶために。
やったー!世界記録!幸せですね。
ヤグディン:
そうですね、このホディンの地(注:メガスポルトのある地名)に信じられないような出来事が起こりましたね。このような天才的な演技で男子のショートプログラムが締められました。私とタチヤナ・アナトリエヴナ(タラソワ)はただスタンディング・オベーションです。これを見たあとでは座っていることは不可能です。
タラソワ:
ステップシークエンスのときにはもう立っていました。座ってるなんて無理です。
いやー素晴らしい解説ですね。
ロシアスケート界のレジェンドとその元コーチによる名解説です。
ヤグディンさんはもうあまりスケート界にはタッチしていないのかと思っていたので、ここでタラソワさんと一緒に羽生選手の解説をして下さるとは、意外な、しかし大きな喜びです。
プルシェンコさんと共にロシア男子フィギュアの黄金期を担った偉大なスケーターヤグディンさんの姿を見られて良かったです。
羽生選手も、昔の映像で見ているのは、プルシェンコさんやジョニーさん、アレクセイ・ヤグディンさんと本田武史さんと言っていましたから、ヤグディンさんからの最高の評価は嬉しかったことでしょう。
初めてロステレコム杯に出場したのは2010年のこと、この時は7位に終わりました。
しかしファンによる人気投票ではかなり上位だった(1位?だったか)と記憶しています。
翌年の2011年にも出場し、シニアGPシリーズ初優勝。
そしてこの時、既にオーサーコーチの元にいたハビエル選手と試合で初めて出会ったのでした。
色々な由縁のあるロステレコム杯。
今年は世界一のフィギュアスケーターとなった羽生選手から、ロシアの先達たちに恩返しの演技となりますね。
最後にまだ16歳の結弦君と2011年のクリスマスシーズンのモスクワを散歩しましょう。
yuzu_kanamiさんのインスタグラムより
羽生選手が無事にOriginを滑れますように。
仮にジャンプが跳べなくても、CwWの時のようにステップとスピンだけでも彼は勝てると信じています。
3位以内でGPファイナル出場のためには欠場という選択肢はないはず。
決して無理はしてほしくないけれど、羽生選手とチームブライアンを信じています。
ライスト始まっています。
こちらが機能しています。
ISUリザルトー自動更新します。
羽生選手の登場を信じて待つのみ!
会場入りしました!
ウォーミングアップしています!
ひとまずよかった!!
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2018年11月07日
スパシーバ、ジェーニャさん!!
Originを滑った後のキス&クライの最後の方で、羽生選手が「スパシーバ、スパシーバ」と言っているのはすぐに分かりました。
フィンランドなのに、なぜロシア語の「スパシーバ」なんだろうと思いました。
フィンランドの観客にありがとうを言うなら「キートス」のはずですよね。
耳を澄ませてよく聞いてみると、「スパシーバ、スパシーバ、ジェーニャさん、スパシーバ」と言っていたようです。
スパシーバと3回も言っています。
この会場にはいないプルシェンコさんに、画面を通してありがとうと伝えたかったんですね。
だからロシア語だったんだね!

新ルールでの世界最高得点を記録したOriginの演技、この前日がお誕生日だったプルシェンコさんへのプレゼントになりましたね。
気迫あふれるOriginでした。
真剣な表情でエッジにお祈りするのも試合前のルーティーンです。
コーチとの握手も欠かせない。
プーさんをそっと押さえるオーサーコーチの気遣い。
腕の内側に羽を隠しているんだね。
ラストポーズカッコいいですねー。
オータムクラシックから少し変わった?
氷をげんこつでコツコツしていましたね。
無事に滑れたお礼を言っていたのかな。
想いのこもったバナーの数々、凄かった!
次はいよいよロシアでの試合です。
更にブラッシュアップした演技を見せようと、あと10日間は猛烈に練習に打ち込みそうな羽生選手です。
ゆっくり体を休めることも忘れないでほしい。
4回転アクセルは全日本の後で挑戦ということを聞いて、正直言ってホッとしました。
これで少なくとも今年中は少しは安心して試合が観らるから。
(画像はELLEオンラインからとキャプチャーしたものです。)
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2018年09月04日
三人の天才☆ミドルネームはアマデウス
この記事にはYOUTUBE動画が9本含まれています。
お時間のある時に見ていただけたら嬉しいです。

私が羽生選手のファンとして、フィギュアスケートをそれなりに熱心に見始める前は、テレビ放映されるオリンピックと世界選手権くらいは見るという程度の、ごく軽いフィギュアスケートファンでした。
特に誰を応援しているということもなく、その時々の素晴らしい演技を見て楽しんでいただけでした。
そんなフィギュアスケートライトファンの私でしたが、素直に『天才』という二文字が受け入れられたのは三人だけです。
アレクセイ・ヤグディン、エフゲニー・プルシェンコ、そして羽生結弦です。
羽生選手も事あるごとに言及している2002年ソルトレイクシティオリンピック。
この頃は、ヤグディンとプルシェンコという二人の天才が競い合っていた時代ですが、
やはり2002年のヤグディンは圧巻でした。
SPの『ウインター』、FSの『仮面の男』、共にパーフェクトな演技で金メダルを獲得。

このときプルシェンコはSP冒頭で転倒し銀メダルとなりました。
当時はヤグディンが『王者』と呼ばれていたのでした。
2002ソルトレイクシティ五輪 SP 『ウインター』
このプログラム大好きなのですが、今年のFaOIで滑った『春よ、来い』で、羽生選手が氷のかけらを空中にまき散らすのを見て、即座にこの時のヤグディンを思い出しました。
羽生選手も研究し尽くしているはずのこのプログラムから取り入れてくれたのかなと思って嬉しくなりました。それもContinueだなと思ったのでした。
2002ソルトレイクシティ五輪 FS『仮面の男』
アレクサンドル・デュマ原作の鉄仮面伝説をテーマにしたプログラム。
私は当時この衣装にちょっとショックを受けましたね。
2002ソルトレイクシティ五輪 EX『オーバーカム』
羽生選手の練習着と同じく黒の半そでに黒手袋で演じるこのEXも大好きです。
いつか羽生選手にもこんな衣装でエキシプロを滑ってほしい。
ヤグディンはこのシーズン、GPF、オリンピック、世界選手権(長野)と史上初のフィギュアスケート三冠を制覇しました。
二人目の三冠達成は、言わずと知れた羽生選手ですね。
ヤグディンはまた、17歳で世界選手権初出場で銅メダルを取ったことでも羽生選手と重なります。
元々ヤグディンとプルシェンコは同じミーシンコーチの元にいて、2歳年上のヤグディンは兄弟子でした。
ちょうどオーサーコーチ門下のハビエル・フェルナンデス選手と羽生選手のような関係です。

しかしヤグディンとミーシンコーチの関係がうまくいかなくなり、1998年にはヤグディンはタラソワコーチの元に移ってしまいます。
両雄並び立たずと言われますが、このようにトップ選手が同じコーチの元ではなかなかうまくいかないのが普通ですね。
それを考えると改めてユヅーハビの関係が奇跡的なものに思えます。
残念なことにその後ヤグディンは股関節を痛めて2003年に現役を引退してしまいました。
ヤグディン引退後、プルシェンコは2003年、2004年の世界選手権も制し、次のオリンピック2006年トリノではSP、FP共に1位となり金メダルを獲得します。
そして次第に『ロシアの皇帝プルシェンコ』と呼ばれるようになります。
2006トリノ五輪 SP 『トスカ』
2006 トリノ五輪 FS『ゴッドファーザー』
2006トリノ五輪 EX『トスカ』生演奏+『カルーゾ』
このEXではエドウィン・マートンさんのバイオリンの氷上生演奏が素晴らしかったです。
開催地トリノに合わせて、プルシェンコの全てのプログラムがイタリア関連でしたね。
選手時代は色々な軋轢のあったヤグディンとプルシェンコでしたが、2014年のソチオリンピックの前には、「プルシェンコはソチでの唯一の希望」とコメントしています。
今では同じイベントに出席するくらい関係は修復されているようです。
自伝の中でエフゲニーのことを人間的に嫌だと思ったことは一度もないと書いていて、
現役中はコーチや周りの環境の中で遠ざかってしまったのではないでしょうか。
アレクセイ・ヤグディン自伝『オーバーカム』

三人目の天才、羽生結弦がプルシェンコと初めて会ったのは2009年のアイスショーで、その際「俺を倒したらお前の時代だよ」と言われたそうです。
そして2014年ソチオリンピックで金メダルを取ることになります。
続いて2018年平昌オリンピックでディック・バトン以来66年目となるオリンピック2連覇を成し遂げたのはつい半年ほど前のことですね。
最早、目に焼き付いているくらい繰り返し見た映像ですが、比較のために置いておきます。
2018 平昌五輪 SP『バラード第1番』
何度見てもため息の出る美しさ。
この繊細さ、エレガンスはヤグディンにもプルシェンコにも無いもの。
2018 平昌五輪 FS『SEIMEI』
世界的に知られているわけではない日本の歴史上の人物をテーマとし、日本の楽曲を使い、日本的な衣装で演じられたプログラムが世界中で絶賛されるという快挙でした。
間違いなく羽生選手の代表的作としてフィギュア史に残るプログラムだと思います。
2018 平昌五輪 EX『ノッテ・ステッラータ』
タラソワコーチが羽生選手にと、ご指名で贈ってくれたこの曲は、至上のEXプログラムとなりました。私にとっても過去最高に好きと言ってもよいくらいのプログラムです。
かつて最盛期のヤグディンのコーチをしていたタラソワさんは、羽生選手の中にも同様の天才を見ていたのかもしれません。
かつて羽生選手のヒーローだったプルシェンコは、今や羽生選手を「僕のヒーロー」とまで言い、ヤグディンからもまた平昌オリンピック後に羽生選手を称えるコメントがありました。
そしてタラソワコーチ、ミーシンコーチからも高く評価されています。
こうして三人の天才の9つのプログラムを観ると、いずれも宝石のような珠玉のプログラム。
この時代に現れた天才スケーターと共に時を刻んでいけることに心から感謝し、嬉しく思っています。
羽生選手は先日の公開練習の会見での一問一答で、次のように語っています。
―何回くらい映像を見ている?
「いやあ…ぼくほんっとうに、ええと、中学生くらいまでですかね、本当に他の人の演技ってあんまり見ないタイプで。自分のスケートもそんなに見てないんですけど(笑い)。ただ、プルシェンコさんとジョニー・ウィアーさんの演技は本当に何回でも見れていましたし、なんていうんだろう、むしろ、彼らの演技とアレクセイ・ヤグディンさんと本田さん以外はほぼ見ていないんじゃないかなっていうくらい(笑い)。ですね。はい」
天才は天才を知るってことですね。
今シーズンは、SPでジョニー・ウィアーに捧げる『秋によせて』、FPでプルシェンコに捧げる『Origin』、そしてEXでは秘かにヤグディンに捧げる『春よ、来い』を見られそうです。
我らが天才、羽生選手には「神に愛されし者」として、謹んで "Yuzuru Amadeus Hanyu” という名を献呈したいと思います。
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