タチアナ・タラソワ
2020年04月06日
タラソワさんの眼力と投げキッス
スプートニク・日本の記事より
https://jp.sputniknews.com/figure-skating/202003247292662/
フィギュアの大御所タラソワ氏が斬る!
ずばり、今季最高の選手は誰?
最高の価値の選手は…
では、最高に価値の高い選手はというと、タラソワ氏は迷うことなく羽生結弦の名を挙げた。
「チェンはものすごく好きなのですが、最高に価値の高い選手を選べと言われたら、やっぱり日本人(羽生結弦)を選びます。彼は単なるフィギュア選手ではない。あの人は非凡です。彼のショートプログラム『バラード第1番』だけをとってもそれがわかる。このプログラムが終わる時、立ち上がるのではない。ひざまづいて、神に感謝しなければならない。これを見る幸運を私たちにお与えくださり、有難うございますと。」
タラソワ氏は、羽生選手の演技がいかに人知を超えたものであるかを言葉を選んで説明している。
「これは音楽に100%合っているということを超え、音楽の世界に入り込み、それを生きる行為です。音のひとつひとつに最難関の要素がのっかっているだけではない。音楽と人間の魂が見事に完全に合わさっているのです。」
羽生選手の演技が終わった瞬間、立ち上がってスタンディングオベーションするのではなく、ひざまずいて、それを見られたことを神に感謝したくなるとは、本当に最高の賛辞ですね。
実際、羽生選手が最高の演技をした時は、しばしば感動して身動きできなくなる感じがします。
タラソワさんが、羽生選手の不朽のエキシビジョンプログラムとなったNotte Stellata の曲を贈ったという有名なエピソードからも、羽生選手に特別な思いを寄せていてくれることが分かります。
私が忘れらないのは、2018年のロステレコムで羽生選手が怪我をした時、
タラソワさんが指を自分の唇に当て、その手で羽生選手の足首にそっと触れた一瞬です。
ママが怪我をした子供を労るような投げキッスでしたが、タラソワさんの羽生選手に対する優しい気持ちが伝わってきて、キューンとしました。
その一瞬をキャプチャーしてないことが悔やまれます。
この時です。
愛があり、威厳もあり、そして時には若者に投げキッスする、
そんなマダムに私もなりたい。(笑)
そして昨日夕方のニュースでは、
ソ連・ロシアのフィギュアスケート功労コーチ、タチアナ・タラソワ女史 がインスタグラムで羽生結弦選手との心温まる動画を公開し、同選手にメッセージを送った。
「結弦のことを思い出したくなった。モスクワからこんにちは!」という言葉を添えた。
タラソワさんも私たちと同じく、羽生選手のことを思い出しているのですね!
でも、こんな熱烈なハグ、もう当分は不可能なのです。
悲しいです。
タラソワさんは自宅退避中のフィギュアスケートファンに時間の過ごし方もアドバイスしています、
ソ連のフィギュアスケート功労コーチ、タチアナ・タラソワ氏は、新型コロナウイルスのパンデミック で自主隔離中だが、過去のスケーターたちの様々なプログラムを見て過ごしているという。
また、同氏はフィギュアスケートファンにもぜひ見てみるようにとアドバイスした。タラソワ氏はロシアのスポーツ専門ニュース「Sport24」のインタビューで語った。
「隔離生活中に見直すべきプログラムはなんでしょうか? それは過去30年で勝利を掴んだ素晴らしいプログラムです。ここ30年間のフィギュアスケートの進化を確認できるし、活躍した選手とそのプログラムを楽しむことができます。良いプログラムはたくさんあります。探してみればたくさん見つかりますよ。」
https://jp.sputniknews.com/sport/202004027323051/
非常事態宣言も近いと言われる今、しばらくの間はタラソワさんのおすすめのように、過去のプログラムやアイスショーやインタビューの動画を見て、少しでも前向きな気持ちをキープするようにするしかなさそうです。
羽生選手はどこかにこもって猛勉強中だと思う。
スケートも学業も。
何よりも健康第一でね。
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2020年01月18日
一気読み
都築先生の本を買い、その足でカフェに入り、
一気読みしてしまいました。
宇都宮直子著
「羽生結弦を生んだ男 都築章一郎の道程」
目次からも分かるように、都築章一郎先生のフィギュアスケートのルーツであるロシアのスケーター、コーチのインタビューを通して、日本のフィギュアスケートの黎明期からの歴史を生きてきた都築先生の歩んだ道を浮き彫りにして行くという構成の本です。
切り拓きながら歩んできた道の険しさと、都築先生のフィギュアスケートにかける情熱の深さを初めて知りました。
日本のスケ―ト界の、正にパイオニアと言える方だということが良く解りました。
そして、羽生選手に対するロシアフィギュアスケート界の重鎮たちの言葉が凄い!
アレクセイ・ミーシンは語る。
「羽生結弦。そうですね、彼はすごく良い子です。もうスーパーに、ウルトラ良い子です。
本当に、本当に良いです。
両手を上げるくらい、完璧です。天性のものを持っています。エッジワークも素晴らしい。優れている。
本にはどうぞそう書いて下さい」
ミーシンは技術面を大切に考える指導者である。ならば、羽生の表現力はどうか。優れていると思うか。
彼は笑った。楽しそうに言った。
「どうお答えしたら、いいんでしょう。あの、それって、まるで『ミーシン先生、太陽は温かいですか?』と訊くのと同じだと思いますよ」
ヴィクトール・ルイシキンは語る。
「羽生はもう、一つの『現象』です。フィギュアスケートには、数えきれないほどのチャンピオンがいますが、次第に忘れ去られていきます。
でも、中にはそうならない人もいる。『現象』となって残っていく。歴史にしっかり刻まれる。
羽生結弦は、そういうチャンピオンです。世界的な『現象』そのものだと思います」
タチアナ・タラソワは語る。
「彼が滑っている時は、呼吸をするのを忘れる」
「羽生を見た瞬間、偉大なチャンピオンになるとわかりました。
羽生には豊かな才能があります。神によってもたらされたものが、です」
「私は完全に、羽生に魅了されています。まるで麻酔をかけられたように、身動きが取れないのです。食い入るように見つめるしかない。
私にとって、彼はそんな存在です」
都築章一郎は語る。
「『挑戦をしなさい』とは、常に言っていました。
『未知の世界に向かいなさい』とも言いました。
羽生は賢い子でしたから、自分なりに解釈し、心に残してくれたのではないかと思っています。
それから『芸術家になりなさい』とも言い続けました。いつか日本のフィギュアスケートにも芸術の時代がやってくる。それに対応できるような、美しいスケートが必要だと思いました。
私は彼に一スケーターで終わってほしくなかったのです」
数多くの優れたスケーターを見てきた方たちに、ここまで称賛される羽生選手のファンでいることに幸せを感じました。
そして、これまで知らなかったロシアと日本のフィギュアスケート界のつながりを知って、羽生選手が「僕のスケートのルーツはロシア」と言っていたことの意味が少し理解できました。
たくさんの方に読んでいただきたい本です。
この本の中には阿部奈々美先生への言及はありませんでしたが、奈々美先生にも是非、本を書いていただきたいなと思いました。
いつかそれが可能な時がきたならば。
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