天と地と
2021年07月15日
献身と謙信
試合で飛べないなら
飛んだとは言えない
あなたに見ていただかなければ
飛ぶ意味がない
あなたに喜んでいただかなければ
そもそも、始まらない
チャレンジするなら
応援くださるお一人おひとり
全ての皆さんと
喜びも、悲しみも
感動も、感謝も
一緒に分かち合いたい
そんなふうに
僕には聴こえます
羽生結弦さんのフィギュアスケート道
道を切り拓かんとする
求道者
道を極めんとする
究道者
すなわち
羽生結弦さんの人生道
彼の悔し涙の先に
彼の歓喜の涙の先に
いつもどんな時も
見据えているのは
応援くださる全ての皆さんの
笑顔
なのかもしれないなぁ、、、
(龍玄Toshi オフィシャルブログより)
まだ小さな子供のころから、人々の期待を受けて、その力を自分のエネルギーに変えることができた結弦くん。
だからもし、私たちファンが結弦くんのためにできることがあるとすれば、期待し続けることかもしれないなと思いました。
全日本選手権での『天と地と』の演技について、このように話していました。
「練習してきたことが結果になって、自分がイメージしていた理想の形の演技を本番という舞台でできたこと、みなさんの前に残すことできたことはよかったなって思います」
(Quadruple Axel インタビューより)
卑近な例で申し訳ないですが、例えば料理する時、誰かに食べて欲しい、喜んで欲しいと思えばこそ力も入り、凝った料理もいとわず作ったりしませんか。
私は自分一人の時に、自分のためだけに料理することはまずありません。
人は、誰かのために、と思う時、本当に力を出すことができるのではないでしょうか。
そう思うと、ファンって無力だな、結弦くんのために何もできない、と悲しくなる時もあるけれど、
やはりファンとして応援し続けることの意味はあるのかなと思いました。
としさんも、たくさんのファンのために、喜んでもらえるためにと、ご自分も同じように考えているからこそ書けることなんだなと思いました。
お二人共、ファンに全力で献身するという共通点をお持ちの方なのです。
そこで初めて、そうか、「献身」は「謙信」とも書けるなと、気が付きました。
結弦くんは、まさかそこまで考えて謙信をテーマにしたわけじゃないよね、いや、ひょっとしたらそうかも、と考え込んでしまいました。
本当はどうなの? 結弦くんに聞いてみたい。
お読みいただきありがとうございました。
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2021年03月16日
花鳥風月
春の日差しの下を歩きたくて、小さい川沿いの裏道をお散歩しました。
もう早咲きの桜が満開でした。
春風が吹いていて、川面に花びらが散って、ちょっと哲学の道みたいでしょ。
ピピピッ、ピピピッ、という鳥の声で見上げると、2羽の鳥がお花見に来ていました。
なんという鳥なのでしょう。
鳥の種類に全く知識がないので定かではありませんが、
その高い鳴き声から、雲雀(ひばり)ではないかなと思いました。
もうこれしか思い浮かびませんでした。
結弦くん自身が、花に舞う鳥のよう。
「天と地と」について、羽生選手がQuadruple Axelの文書インタビューに書いています。
「小中学生ぐらいのころにはすでに上杉謙信公が好きで、尊敬していました。
そのころはざっくりと、共感しているわけではなくて、生き方や戦い方がかっこいいなと思っていました。
それからいろんなことを経験して、自分もある意味で競技という戦いをしていくなかで、
いろんな悩みや葛藤、でもそのなかにある闘志や緊張感、謙信公が持っていられるような、
美学の中で勝つという達成感を味わってきました。
想像のなかでしかないかもしれませんが、謙信公のなかにも同じようなものがあったのではないかなと思っていて、その半生を自分のスケートに重ねて滑っています」。
来週くらいには咲きそうです
◆追記:鳥に詳しい方に聞いたところ、私が「ヒバリ」だと思った鳥は「ヒヨドリ」で、
椿や桜の花の蜜を吸いに来るのだそうです。
分布はほぼ日本国内に限られています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2021年03月06日
『ウルトラマンガイア』と『ロシアより愛を込めて』
引き続き『Ice Jewels 』を読み返しています。
今日はスペシャルインタビューの『天と地と』のエピソードから。
羽生選手は、もうかなり前、SEIMEIの曲を見つけたシーズンから、大河ドラマのテーマ曲は色々聞いていたようです。
しかし、その時は選択肢とはならず、むしろ仙台の伊達政宗公を演じてみたいとは思っていたそうです。
今回この曲を見つけたのはむしろ偶然という要素が強く、
「自分が羽生結弦のままでいられるプログラムにしたい」と思う中でたどり着いたそうです。
「戦に身を投じることの葛藤や苦悩」という意味で、上杉謙信公と今の自分の気持ちに相通ずるものがあるのではないかと思ったのですね。
以前、お城が好きだと言っていたこともあるように、羽生選手は、意外と時代劇が好きなのかもしれませんね。
スタートポーズとフィニッシュポーズについてのエピソードでは、読んでいて思わず笑みが浮かんでしまいました。
シェリーン・ボーンさんの振り付けによる最初のスタート位置のポーズが、羽生選手の最初のプログラムである「ウルトラマン ガイア」と同じで、最後のポーズは元々は違うものになる予定だったのに、羽生選手の大切なプログラムで、都築先生振付の「ロシアより愛を込めて」の最後のポーズをアレンジしたものにしたのだということです。
この最後ポーズが「ロシアより愛を込めて」と同じだなというのは、割と直ぐに気が付いていましたが、本当にそうだったんだ~~と、納得しました。
しかもスタートポーズが「ウルトラマン ガイア」だったとは、驚きです!
「ウルトラマン ガイア」のスタートポーズの画像が見つからなかったのですが、
こんなポーズだったのでしょうか。
戦国武将の物語の中に、5歳の『ウルトラマンガイア』と9歳の『ロシアより愛を込めて』をそっと忍ばせてしまう、
そんな羽生選手のこだわりというか、遊び心が感じられて、とても楽しい気持ちなりました
シェイリーン・ボーンさんとオンラインで対話しながら、自分でもそこかしこにこだわりの振付を加えて創り上げたプログラムなのでしょうね。
こんな秘密(?)を明かしてくれるのも、スペシャルインタビューの楽しいところです。
明日から『震災と未来展』が始まりますね。
オンライン予約はこちらです。
羽生選手の『花は咲く』と『SEIMEI』の衣装も展示されます。
紫の背景に白い衣装が美しい。
これは必見ですね!
なるべく混雑しない日時を選んで、是非行ってみようと思います。
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2021年03月02日
やはり最強だった上杉謙信
昨夜のBS-TBSの番組
「にっぽん!歴史鑑定『越後の龍・上杉謙信』~最強伝説は本当か?』をご覧になった方も多いと思いますが、
その中で、戦に勝った比率を解析すると、やはり上杉謙信公が戦国最強だったことが実証されていました。
意外なことに、5位が織田信長、4位が徳川家康、3位は武田信玄、2位に豊臣秀吉、
そして、1位は上杉謙信という順番でした。
新しい戦法や布陣を駆使した、非常に戦略に長けた知将というイメージが湧いてきました。
しかも、戦いには義を重んじ、義のない戦いはしなかったとも言われています。
「戦いに勝つ」ということにかけては、羽生選手にも強いこだわりがあり、そんな部分も謙信公に惹かれたことの一つなのでしょうね。
謙信公のことを知れば知るほど、演技を観る時も、より一層想像力が膨らむ気がします。
今日は朝から久しぶりの雨模様で、私は目が覚めるなり頭痛がして、午前中はベッドから起き上がれませんでした。
最近では「気象病」と呼ばれているようですが、低気圧が引き起こす頭痛や体調不良はよくあることです。
目覚める前から、今日はお天気悪いんじゃないかなと、分かってしまうこともしばしばです。
そんなわけで、頭痛薬を飲んだり、暖かいものを飲んだりしつつ、ベッドの中でYouTubeを見ていて、偶然こんな動画を見つけました。
「番組史上最大の大物 !? 羽生結弦さま」
というタイトルでは見ないわけにはいきません。
霊能者のナターシャさんが、有名人を霊視するという”有名人リーディング”の羽生結弦編といったところでしょうか。
普段、占いとか、霊感とか、全く信じないし、興味も無いのですが、意外にナターシャさんと進行役の方のお話が面白く、最後まで見てしまいました。
そういう方面は苦手という方はスルーして下さいね。
ナターシャさん、かなりの結弦ファンのようですね。
明日3月3日は、NHK総合(地上波)で
23:40~23:45に『花は咲く~羽生結弦Ver.~』が放送されます。
5分間だけですが楽しみにしています。
そして『Ice Jewels』の発売日ですね!
結弦くんは血圧高い方なのか、低い方なのか、どちらでしょうね。
高血圧というイメージはないので、何となく低い方のような気がしますけれど。
今日の宮城の感染者数21人。
なかなか減りません。
どうか健やかに過ごせていますように。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2021年02月22日
竹に二羽飛び雀
先日の記事に書いたように、
伊藤聡美さんデザインの今シーズンの羽生選手の衣装について書かれた『氷上の創造者』に掲載されたコラムを読んでいた流れで、
たまたま見つけたカート・ブラウニングさんの動画を観ていて、
史上初めて4回転ジャンプを跳んだ時のプログラムの冒頭のポーズが、羽生選手の『LMEY』のスタートポーズと同じだったのは本当に驚きでした。
たくさんの方があの記事を読んで下さったようで嬉しいです。
今日はその続きで、『天と地と』 の衣装製作のお話です。
ショートプログラムと同じく、フリーの『天と地と』についても、羽生選手ははっきりとしたイメージを持っていて、衣装の依頼を受けた時に使用曲と共に『天と地と』というタイトルも伝えられ、色彩とデザインについても、「ブルーグリーンを基調に、着物のイメージでお願いします」というリクエストがあったそうです。
着物の地の色がブルーのようにも、少しグリーンを帯びているようにも見えるのは、ブルーグリーン(緑選りの青)という微妙な色彩を羽生選手が求めていたからなのですね。
伊藤さんはリクエストを受けた後、上杉謙信について調べるために資料に当たっていく中で、上杉家の家紋である「竹に二羽飛び雀」に行きついたそうです。
そして、それをモチーフにしてアイデアを膨らませて行ったそうです。
ですから背中に向き合うように配置された二羽の鳥は雀なのですね。
花は何なのかについては明言されていませんでした。
桜のようでもあり、沙羅双樹という説もあり。
どちらにしても、人の世の儚さを思わせるような花なのです。
伊藤さんは、雀の周囲は「羽生さんのこだわりでもあり私のこだわりでもあるゴールドの刺繍にしました」とのことです。
金色の刺繍とビーズが華やかです。
華やかだけれど儚さも感じられて、どこか極楽浄土を感じさせるような美しさ。
衣装を観た時、直ぐに目に付くのが黒い帯ですが、これは男子の正装の時の袴の帯の結び方です。
羽生選手からは「袴のイメージ」という要望もあったようですが、流石に袴ではスケートは難しいですよね。
それで、少しでも袴のイメージを出すために、正装の結び方を模した帯にしたそうです。
伊藤さんは最後にこのように語っています。
「羽生さんはやっぱりイメージが膨らむ選手ですよね。羽生さんだからこそ、羽生さんじゃないと着ることができない衣装があると思いますし、何を着てもさまになるスケーターです」
これまでたくさんの羽生選手の衣装を手掛けてきた伊藤さんの中には、「こういう衣装を着てほしい」というイメージがたくさん湧いてきているのだと思います。
これからも是非、素敵な衣装をデザインして、羽生選手の多彩な魅力を引き出してほしいなと思います。
ポストカードブックも楽しみにしています。
今日は私のところにもスポニチの特大ポスターが届きました。
新聞紙を全面広げた大きなサイズです。
半艶仕上げのとても美しいポスターです。
早く額縁を用意しないと飾れない。
その前に飾る場所を確保するのが先決問題!
そして本日発売のSPUR4月号の織田さんの記事は、FODの雑誌読み放題で読むことができました。
Amazonでは売り切れになっていました。
織田信成の”ネコアシ解説” の第1回目は、昨年の全日本の羽生選手の演技について語っています。
FODに加入している方は是非お読みくださいね。204ページです。
今月からの新連載となっていますから、これから毎月織田さんの解説が読めるのが楽しみです。
今日も元気で練習できていますように。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2021年01月25日
冨田勲さんの音楽と矢野桂一さんの編曲と
羽生選手のフリーの新プログラム「天と地と」は、1969年のNHK大河ドラマ「天と地と」、
そして1972年のNHK大河ドラマ「新・平家物語」の音楽を編集したものになっています。
この2つのテーマ曲を作曲したのが冨田勲さんです。
これが冨田さんの曲だと知った時、私はちょっと意外な感じがしました。
冨田勲さんと言えば、私の中ではシンセサイザー音楽の作曲家というイメージがあったからです。
調べて驚いたのですが、冨田さんは大河ドラマの音楽を多数担当されていたのです。
NHK大河ドラマ
- 大河ドラマ第1作:花の生涯(1963年)
- 大河ドラマ第7作:天と地と(1969年)※ 初のカラー大河ドラマ
- 大河ドラマ第10作:新・平家物語(1972年)
- 大河ドラマ第12作:勝海舟(1974年)
- 大河ドラマ第21作:徳川家康(1983年)
その他にも、映画、ドラマ、アニメ、校歌、CMと、ありとあらゆるジャンルの、数えきれないほどの音楽を手掛けた多作の作曲家でした。
以下、ウィキペディアから経歴のほんの一部をご紹介します。
やがて古典的な「アコースティック楽器のオーケストラ」の音には飽きたらなくなり、当時新たに登場してきた電子機器と古典的楽器の音を融合させるなど、様々な音楽の可能性を追求するようになった。さらにその後1969年に電子楽器モーグ・シンセサイザーに出会ったことが転機となり、これ以降は古典的名曲を現代的な解釈を加えて編曲し、自宅スタジオでシンセサイザーを演奏・多重録音して作品を制作し世に発表することが活動の中心となった。その音楽や音響効果は「TOMITA SOUND トミタ・サウンド」と呼ばれ、「Isao TOMITA イサオ・トミタ」の名は広く世界に知られている。
1971年秋頃、モジュラー式のモーグ・シンセサイザー(モーグIII-P画像)を日本で初めて個人輸入した。非常に高額な楽器であり、金銭面で苦労したという。
1975年3月開催の第17回グラミー賞において日本人として初めてノミネートされた[11]。この快挙はNHKなど国内のマスコミによっても報じられ、米国RCAレーベルのレコードが国内に(『月の光 - ドビッシーによるメルヘンの世界』として)逆輸入されたことなどにより、その作品が知られるようになった。またNARM(National Association Of Record Merchandiserers 全米レコード販売者協会)の1974年最優秀クラシカル・レコードにも選ばれた。
1975年2月発表の『展覧会の絵』[12]は、1975年8月16日付けのビルボード・キャッシュボックスの全米クラシックチャートの第1位を獲得し、1975年NARM同部門最優秀レコード2年連続受賞、1975年度日本レコード大賞・企画賞を受賞した。
同年9月発表の『火の鳥』[13]は1976年3月20日付けのビルボード全米クラシックチャート第5位を記録した。
1976年12月20日発表の『惑星』[14]も1978年2月19日付けのビルボード全米クラシック部門で第1位にランキングされた[15]。『バミューダ・トライアングル』では発売翌年のグラミー賞で "Best Engineered Recording"に2回目のノミネートを受けた。1983年のアルバム『大峡谷』では3回目のグラミー賞のノミネートを受けた。以降『バッハ・ファンタジー』(1996年)まで、冨田勲のアルバムはいずれも世界的なヒットを記録している。
1979年に米コンテンポラリー・キーボード誌の読者投票により“ベスト・スタジオ・シンセシスト”に選ばれた。冨田のシンセサイザー作品群は、全ての音色作りはもちろん、全パートの演奏、録音、編集までを含めて冨田自身の一人の手による制作であり、現在のパーソナルスタジオによる音楽制作の先駆けであったといえる。
ここで教えを受けながら助手として働いた松武秀樹は、後にイエロー・マジック・オーケストラの第4のメンバーとしてシンセサイザー・マニピュレーターの役割に就いた。海外では、スティービー・ワンダーが、来日した際に最も尊敬している音楽家として冨田の名前を挙げている(後に長良川でのサウンドクラウドに登場している)。マイケル・ジャクソンも、来日(1987年9月24日)の際に冨田のスタジオを訪問した[16]。また『惑星』の立体音響に深く感銘したフランシス・フォード・コッポラ監督は、映画『地獄の黙示録』の音楽を冨田に要請したが、レコード会社との専属契約の関係で実現には至らなかったとされる。
1998年、日本の伝統楽器と西洋オーケストラとシンセサイザーによる『源氏物語幻想交響絵巻』を作曲。東京、ロサンゼルス、ロンドンで初演、自ら指揮棒を振った。1999年、メディア・アーティスト協会創設に参加。
2001年、東映50周年記念作品映画『千年の恋 ひかる源氏物語』の音楽を作曲し、日本アカデミー優秀音楽賞を受賞。また、東京ディズニーシー・アクアスフィアのための3面立体音響シンフォニーを手掛ける。
このように、日本の伝統楽器とオーケストラとシンセサイザーの組み合わせによる作曲を多く手掛け、世界的にも非常に高く評価された作曲家でした。
羽生選手が新プログラムに冨田勲さんの曲を使うことについては、和楽器を使った曲でありながら、世界にアピールできる現代性を備えた素晴らしい選択だなぁと敬服しました。
また1969年と言う、羽生選手が生まれる25年も前のNHK大河ドラマの曲をよく見つけてきたものだなぁというのも驚きでした。
これも上杉謙信公との縁が引き寄せためぐり合わせなのかもしれませんね。
Number1019号には、新プログラムの曲の編集を担当された矢野桂一 さんの記事が掲載されています。
琵琶の音色を付け加えたり、箏の音色にハープの音色を重ねたり、シンバルやチューブラーベルという楽器を使ったり、最後の部分は琵琶の音にエコーをかけて余韻を持たせるなど、音響デザイナーとして素晴らしい曲を作って下さいました。
私事になりますが、私の母は子供のころから筝を習っていて、父は趣味で尺八を吹いたりしていたのですが、ある時、なぜか突然、琵琶を買ってきたことがありました。
どこかで琵琶法師の音楽を聴いて、えらく気に入ったらしいのです。
そんなわけで、私も子供のころから筝、琵琶、尺八という和楽器は身近にあったので、今回の音楽は非常に気に入っています。
琵琶はリュートと、箏はハープと似ています。
楽器を通しても、世界の中の日本、日本の中の世界を感じたりします。
和楽器って、西洋の楽器とは音階が違うので、扱い方によっては現代音楽のようにも聞こえたり、ジャズ風な趣も感じられたりして。
羽生選手の『天と地と』をきっかけにして、世界にもっと和楽器の素晴らしさが広がって行ったらいいなと思っています。
結局、この曲を選んだ羽生選手の音楽的センスが素晴らしいということ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2021年01月06日
上杉家と伊達家の家紋
「天と地と」の衣装の花は沙羅双樹の花のようだと前記事に書きましたが、
衣装の背には、花と共に2羽の雀が飛んでいますね。
このプログラムのテーマが上杉謙信だとすれば、
上杉家の家紋にある雀をデザインしたものなのかなと連想しますね。
これは「竹に二羽飛び雀」と呼ばれる家紋で、
「上杉笹」と呼ばれるほど、上杉家と深く結びついています。
ところが、上杉家は伊達政宗の祖先に、この「竹に雀」の紋を贈っていて、
形は違うものの、伊達家の紋も「竹に雀」の紋になります。
伊達政宗の祖先に当たる伊達実元と上杉家の娘の婚姻の証として、上杉家から伊達家に贈られたものだということです。
実際にはこの婚姻は成就しなかったのですが、家紋はそのまま伊達家に残り、今では「仙台笹」「伊達笹」とも呼ばれています。
伊達政宗は他にも複数の家紋を使っていますが、その中で最もよく知られているものです。
ヨーロッパの貴族のエンブレムのようで、可愛いデザインですね。
上杉謙信のことを色々調べているうちに、こんなところに上杉家と伊達家のつながりがあったことを発見し、驚きました。
羽生選手はそんなことも承知の上で、二羽の雀を衣装に配するよう依頼したのでしょうか。
Originの衣装にあった蝶のように、雀のモチーフもかなり凝ったオリジナルなものなのでしょうね。
いつか伊藤聡美さんがデザイン秘話として語って下さるといいなと思いました。
羽生選手が「天と地と」に込めた想いや、秘められた物語はまだまだたくさんありそうな気がしています。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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2021年01月05日
沙羅双樹の花の色
最初に「天と地と」の衣装を目にした時、真っ先に思い浮かんだのは「花になれ」の衣装でした。
ブルーと白の地に、桜と思われる花を散らしたデザインという共通性があるからだと思います。
この衣装もよく似合っていますね。「花になれ」も大好きなプログラムです。
写真は2013年全日本選手権のメダリスト・オン・アイス。
7年前になりますね。
今回の衣装も最初は桜かと思いましたが、音楽が冨田勲さん作曲の新平家物語のテーマからアレンジされた部分もあるということで、これは沙羅双樹なのではないかという説が説得力があるかなと思い直しました。
よく知られた、平家物語の冒頭の句。
祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす
奢れる人も久しからず
ただ春の夜の夢のごとし
猛きものも遂にはほろびぬ
偏に風の前の塵におなじ
羽生さんの「天と地と」の衣装
— gokuri@LotRink🪶 (@gurikonoomake1) December 31, 2020
やはり桜ではなく沙羅双樹🍃
平家物語からのインスピレーションでしょうか。沙羅木は仏教三聖木の1つで釈迦は二本の沙羅の下で入滅したとか。日本ではインドのシャラの木に擬して夏椿を沙羅として尊んでいます。白く可憐な花です
#羽生結弦 https://t.co/G9tfdDCNbO pic.twitter.com/NWGZYvqxwa
,
>RT
— h o (@adnoh6) December 31, 2020
天と地との衣装、花が平家物語ゆかりの沙羅双樹では、というのは面白い🌸
今回の衣装、色々なお花モチーフがありそうだよね。
背中や胸の辺りは、牡丹や八重桜のような花びらが重なってる大輪の花のイメージ。鳥もいるからまさに花鳥図のような美しさ✨→ https://t.co/g13X7C7wEg pic.twitter.com/KjnM40BCJw
プログラムのテーマとなっている上杉謙信公が、仏教に深く帰依していたことを考えると、
やはりこの花は桜ではなく、白い沙羅双樹の花だと思えてきます。
「冨田勲の音楽」とプログラムを聴き比べたけど、羽生くんの音源まさにこれだ。
— h o (@adnoh6) December 27, 2020
11曲目の「天と地と」、12曲目の「新平家物語」。
既出の通り、「天と地と」の冒頭から始まって、4S後の琴(箏)の音から「新平家物語」の冒頭に移動。
この後4T1Eu3S後の笛(フルート?)が終わるまでずっと新平家物語。→ pic.twitter.com/0hMDeL8nW6
音楽には箏と琵琶が効果的に使われていて、冨田勲さんらしいスケールの大きさの中に、和楽器が見事に現代音楽の趣さえ感じるアレンジとして生かされていて、大好きです。
謙信公も琵琶の名手だったとか。
昨年のGPF、全日本で優勝を逃したことで、羽生選手が、
「自分自身去年のシーズンで、(いずれも2位に終わった)全日本やグランプリファイナルのこともあって『自分が成長していないんじゃないかな』『だんだん戦えなくなっているんじゃないかな』という思いがあったりして、『戦うの疲れたな』って思ったんですよ、一瞬。
やめることはいつでもできるし、多分それを望んでいない、応援してくださる方々はたくさんいらっしゃると思うんですけれども。
ただそういった戦いの中で、試合の中で得られる達成感とか、試合があるからこそ乗り越えることができる苦しみだとか、そういったものがやっぱり好きなんだな、とあらためて思っていた」
(REALSPORTS)
と考えていた時に、「盛者必衰の理」という言葉に行きついたとしても不思議ではないと思います。
しかし、その道理を受け入れた上で、それをテーマにして最高のプログラムを創り出してしまうところが、羽生結弦の羽生結弦たる由縁です。
このプログラムは羽生結弦という稀代のフィギュアスケーターが行きついた、究極の集大成となる可能性すらあると感じています。
この次にこのプログラムが観られるのはいつになるのでしょうか。
今シーズン中、もし3月にストックホルムで世界選手権が開催されれば2回目を観られるるはずですが、今の世界の状況ではそれも定かではありません。
そして来シーズンはもうオリンピックシーズンとなります。
2022年の北京で「天と地と」が観られることを期待してもいいのでしょうか。
結弦くん、どうでしょうか?
期待してもいいですか?
最後までお読みいただきありがとうございます。
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