2019 トリノGPF

2020年12月08日

12月8日のNotte Stellata





昨日のお誕生日の記念写真です。

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レモンケーキとカシスとベリーのムースで紅白のケーキにして、お祝いしました。

とっても美味しかった


結弦くんはお誕生日をどんな風に過ごしたのかな。

誕生日くらいは練習お休みしたのかな。
いえいえ、そいいうタイプではなさそう。
お誕生日だからいつもより練習しよう、というタイプかな。

久しぶりの故郷での誕生日、きっと楽しく幸せな一日だったでしょうね。


プルシェンコさんからもお祝いのメッセージが届きました。



プルシェンコさんinstagram

大きな喜びをもって、僕のよき友であり、フィギュアスケートのヒーロー、羽生結弦の26回目の誕生日をお祝いしたい。
この困難で複雑な時期において、君の大いなる健康を願っている。
君の特別なパフォーマンスと勝利によって、僕たちすべてを幸せにしてくれることを僕は知っている。
我が友よ、お誕生日おめでとう。




そしてタラソワさんからも。


タラソワさんinstagram

お誕生日おめでとう。才能豊かで素晴らしい人!
私たちはあなたがいなくて寂しいです。会えるのを楽しみにしています。
健康でいて下さい!




今日はお誕生日後夜祭ですね。

去年の今日、12月8日はトリノGPFのエキシビションが行われた日です。

その時のことを思い出すために、去年の12月9日15日のブログから振り返ってみます。


<過去記事より>


エキシビションはNotte Stellataでしたね。


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予想して、こんな大きなバナーを作ってきたファンもいました。


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EX開始前の会場です。



練習と本番、どちらも素晴らしいので両方。







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このプログラムを選んだ理由として、羽生選手が語ったこと。

ーこのプログラム込めた思いとは。

まずはイタリア語のものということで、やっぱこの土地に合ったものだという風に最初に思ったのと、
そしてオリンピックの地だったということで、また、自分が平昌オリピックで金メダルをとって滑ったことを思い出しながら滑らせていただきたいなぁということも込めて、今回はこの選曲をしました。

ー今回のファイナルは羽生選手にとってどういう大会、経験になったでしょうか。

とても深いものがあります。
とても言葉では説明できないくらいの量の情報と感情が頭の中を巡っていて、
正直、何が正解か、自分の感情も何が正解なのか分かっていません。

ただ、今日、こうやって、この場所で、Notte Stellataを滑らせていただいた時に、
やっぱりとても幸せを感じながら滑らせていただき、また何かちょっとでも、何ですかね、
何かに触れる喜びだとか、何かと共にするー僕の場合はスケートなんですけどー
このスケートの感覚とか、または、皆さんと一緒にいる空間だとか、そういったものが、
こんなにも愛おしく思えた瞬間ってなかったと思うので、
そういったものをまた皆さんが感じていただけるようなプログラムだったらいいなと思っています。


本当に泣けてくるようなコメントです。

人生には大人になるほど思いもよらないアクシデントや事の成り行きが押し寄せてきて、
自分の力だけではどうにもならないことも多々起こります。

今回のファイナルからまた多くのことを学び、彼はより強く賢く美しくなっていくと信じています。


19 GPF  Swan  小海途
photo : 小海途良幹


エキシビションの日の会場は、天井まで超満員の入りで、その多くはイタリア現地の方でした。
この日、私のすぐ後ろの席に5歳くらいの女の子を連れたイタリア人家族がいたのですが、
その女の子が、「ユヅル・ハニュー、ユヅル・ハニュー」となんどもつぶやくのです。
他の選手の名は一人も出てこないのに。

外国に住むこんなに小さな女の子にも名前を知られているスケーターって他にはいないでしょうね。
小さな女の子の心にも響き、惹きつけるものを彼が持っているということでしょう。



ともかくどんな場面であれ、ちょっとでも彼の姿が見えれば大歓声が沸きます。
それは全てのカテゴリーの他の優勝選手に対するものよりもひときわ大きく会場に響いていました。



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大音響とともにフィナーレのリボンが飛びだした瞬間は驚きました。


打ち上げられた色とりどりのリボンが落ちてきた時、

羽生選手は最初は黄色のリボンだけを集めて丸いボールのような形を作っていました。

次に思いついたように、ピンクとブルーのリボンを氷の上から拾い上げました。

19 GPF  finale  2_Fotor



それが、実は平昌オリンピックの金メダルの色だと私が気が付いたのは大分後になってからのことでした。

その色の組み合わせを見ると、羽生選手の中では、自動的に平昌オリンピックを思い出すようになっているのだと思いました。


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その後、今度はもっと濃いブルーのテープを手にしました。

それはもしや、ソチオリンピックのメダルのテープの色ではなかったでしょうか。



テープに絡まる羽生選手は綺麗でしたが、
でもこの時、私は悲しい気持ちになっていました。 

19 GPF  finale  8_Fotor



羽生選手がテープで金メダルを作っていた時、少し離れたリンクの上では、
このGPFで優勝した各カテゴリーの選手による集合写真の撮影が行われていたのです。


羽生選手はその光景を離れた場所からテープを手に持ったまま、ずっと見ていたのです。

本来なら自分がいたはずのその場所を。



それを見ているのが辛くて悲しくて、私はほとんど泣きそうでした。




羽生選手がその時何を思っていたのかは分かりません。


オリンピックマークの方を見上げて、「おわった」と呟き、

19 GPF  finale  おわった_Fotor



いつものように「ありがとうございましたーーー」と。


19 GPF  finale  9_Fotor



そして最後の瞬間まで、ファンに向かって手を振り、さらに飛び上がって、また手を振り、
バックヤードに下がっていきました。


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リンクの上ではまだ優勝者の記念撮影が続いていました。



SPで決定的なミスをしたこと、優勝を逃したこと、43.87点という異常すぎて笑ってしまうような点差があったこと。
それでも私は泣こうとは思いませんでした。

ミスをして優勝を逃したことには理由があるし、点差が異常であることはそこにいた皆が感じていたことだと思います。


ネイサン・チェン選手と羽生選手の演技の間にそれだけの点数差があるとは、実際の演技を見ていて納得のいかないものでした。

そのことは羽生選手とチェン選手のリスペクトしあう関係には全く関係のないことではありますが。


19 GPF  finale  7_Fotor



けれども、あのチェン選手の演技についた点数には違和感しかありません。
点数については、いずれ詳しい方が検証して下さることと思います。


羽生選手がこの点数について、「点差ほどの差はあるとは僕は思っていない」という内容の発言をしたことには全く同感です。




私はフィナーレの華やかなリンクの上の羽生選手を見て、初めて涙がこぼれました。
とても寂しそうに、戸惑っている風にすら見えました。

負けるとはこういう事なんだということを、はっきりと突き付けられた思いでした。


ファンである私は泣けばいい。
でも選手本人は泣いてもどうにもならない。


どうかこの悔しさを胸に抱き、乗り越えて行ってほしい。

怪我をすることなく4Aを跳んでほしい。

羽生選手が理想とする芸術的フィギュアスケートを完成させてほしい。


無論そんなことを願うだけなら簡単なことだけど、
それを実行するにはどれだけの努力と時間と鍛錬が必要なのか想像もつかない。


でも、彼が望むものを手にするのを見届けたいのです。

彼が、これでいい、と思うその時まで、応援は続きます。


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あの日のトリノのクリスマスツリー、結弦くんは見ることができたのかな。




最後までお読みいただきありがとうございました。

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2020年03月08日

彼が僕のモチベーション



3月16日の世界選手権の開幕まで1週間に迫りました。

今日もまたCOVID-19に関連するニュースが続々と上がってきています。

本当に開催されるのでしょうか。

カナダでも入国制限が増えてくれば、日本を含め参加選手の中でも入国できないケースも出てくるかもしれません。

ISUはそれでも、レッドカーペットなどと、本気で考えているのでしょうか。
もし実行しても、空しさだけが残りそう。

エキシビションをショー化して観客数を増やそうなどという考えは、スポーツの世界で他にありますか?聞いたことも見たこともありません。

フィギュアスケートのショービジネス化など、フィギュアスケートファンは望んでいないと思います。


羽生選手も、戦いの準備はしながらも、刻々と変わる状況はチェックしていることでしょう。


そんな中ですが、今回の世界選手権の最大の関心事は羽生選手とネイサン選手の戦いです。

今日は現在羽生選手の最大のライバルと目されているネイサン・チェン選手の、2019トリノGPF FS後記者会見を振り返ってみました。

先日J SPORT 4で放送されたものです。



スコアにとても満足しています。

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シーズン序幕の2戦ではミスが出ましたが、今回は2日ともクリーンな演技ができました。

技術面の出来には今回満足していますが、さらに完璧なプログラムを目指せると思います。

演技構成や表現力ばどをもっと向上させたいです。

ユヅには遠く及ばないので、これからも努力を続けます。


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僕はユヅのことを本当に尊敬しています。

僕がまだ跳べない頃から彼は4回転に取り組み、


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しかも数種類を盛り込み、4回転革命を起こしてきました。

今も彼に刺激を受けています。

全てにおいて僕より上で、向上心をかき立てられるのです。


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ネイサン選手はリップサービスでこういう発言をしているのではなくて、本心からそう考えてるのだと、私には思えました。

それは羽生選手がプルシェンコさんに感じているような気持に近いのではないのかな、とも感じます。

たとえ点数で勝てたとしても、超えることはできない存在だと。


彼が将来はISU入りして、幹部役員を目指したいということならば、是非ともISUを内部から改革して、ジャッジングへのAI導入、ジャッジの育成システムの確率、ルールの明確化等々、フィギュアスケートがスポーツとして継続して行くための対策に取り組んで欲しいとさえ思います。

統計学や数学が得意な彼ならば、このスポーツがもっと科学的であるべきと考えているはずだから。


そんな観点から見れば、実は理数系の羽生選手とネイサン選手は同種のものを持っているのではないのかな。

滑るのが大好きな羽生選手にはISUという、一種の官僚組織のようなところではなく、もっとフィギュアスケートの現場に近いところで活躍してほしいけれど、
将来は賢明で有能な二人のスケーターがフィギュアスケートのあるべき姿を追求して、発展させてくれたらいいだろうな。

そんな明るい未来を夢想してしまいました。


それにしてもネイサン選手の表情が初めから終わりまでほとんど変わらず、一瞬一瞬表情が変わる羽生選手のインタビューとの違いが対照的でした。

スケートも、話し方も、表情も、生活スタイルも、正反対の二人のスケーターです。



羽生選手の表情豊かな会見はこちらです。⇒羽生選手の夢を共有する


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羽生選手の夢がいつか叶いますように。


ですが、私は今年の世界選手権はいっそ中止してくれることを望んでいます。

今は選手も観客も誰も心から楽しめないと思うから。

ここで世界が終わるわけではない。

人類がこれまでも数多くのウィルスを克服してきたように、このCOVID-19も必ず克服できる日がやって来るはず。


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2019年12月18日

Yuzuru Hanyu Practice



明日から始まる全日本選手権、今日は公式練習がありますが非公開ということです。

日本は公式練習が非公開のことが多いですね。

外国での試合のように、原則、練習公開にしてほしいです。


今回初めて外国に足を延ばして分かったことは、多くの方が遠方にまで足を運ぶのは練習を見られるということも大きな理由かな、ということでした。そして小型カメラやスマホのような周囲に迷惑が掛からない機材での撮影は基本OKということも大きなメリットだと感じました。

日本でも他の国と同様の基準を適用してほしいと思います。何事につけ、日本は余分な規制が多すぎます。


その反面、セキュリティチェックは厳しく、荷物検査は勿論のこと、金属探知機なども使用されていました。

一番驚いたのは、ペットボトルのふたを取り上げられてしまう事。
会場内で買った場合でも、ふたは外して渡されます。

理由が分からず、警備員の方になぜなのか尋ねたところ、なんとペットボトルが火炎瓶として使われるのを防ぐためらしかったようです。
つまり、ふたが無ければ火炎瓶は作れない、ということがその理由。

警備員の方も火炎瓶と言う名前が出てこずに、火をつけて投げるジェスチャーで教えてくれました。
「そんなことってありますか?」と尋ねると、
彼も、「まあ、おかしな理由だと思うけど、そういうことなんだ」との答えでした。

ちょっと考えすぎかな、とは思ったけれど、確かにそういう可能性も0じゃありませんからね。


まあ、警備は厳しいに越したことはありません。
選手の安全第一で。




今日行われている非公開の全日本の公式練習の代りに、
トリノGPFの公式練習を振り返ってみたいと思います。

綺麗に撮って下さっている動画お借りしました。


まずは4回転ループ



美しく伸びやかな4回転ループ!



そして4回転ルッツ




かかっている曲で分かるように、ネイサン・チェン選手の曲かけ練習中のことです。
とても綺麗な4回転ルッツを降りました。



次は4回転アクセルです。
1回目です。



羽生選手が3Aを普通の入り方で跳ぶ時にこんなに長い助走をすることはないので、
何かある、ということは見ていた全員が感じたと思います。
スポニチの長久保さんが、「来る!」、「行った!」と感じた通りです。

しかもこの時かかっていた音楽が、ドン・ドン・ドン・ドン という効果音のようになっている。


そして2回目です。



会場全体が、又来るぞ!という緊張感で覆われていたようでした。



最後の挑戦 3回目です。




この時は回った!と思いました。
でも着氷はできませんでした。


悔しそうな羽生選手。

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photo : 長久保さん、 素晴らしいショット!


でもやってのけたんです。
涙が止まりませんでした。




最後にこの試合全てに大きな影響を与えてしまったSPの4T+3Tの美しい練習を。





これがSPで決まっていれば、という悔しい思いはありますが、人生には思いがけないことが起こるもの。
いずれの日にか、この失敗から大きな何かが生まれることを待ちましょう。



今日も、(もし参加しているのならば)良い練習ができますように。
どうか怪我がありませんように。


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2019年12月17日

夜明けは近いと信じてる



スポニチの長久保さんがNumberWebの記事を執筆なさっていました。

最近ではメディアの垣根を超えて、記者さんやカメラマンさんの相互交流が起きているようです。

記事全文はこちらです。⇓ 

https://number.bunshun.jp/articles/-/841820


とっても素敵な記事でした。

記事の一部お借りしました。
下記のブルーの文字のところはトリノの会場で感じた私の思いを書いたところです。



連続写真で見る羽生結弦の4回転半。
最高の挑戦者は最高の被写体だ。


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羽生結弦がポーンと跳んだ。

 後ろに振り上げた右足を思い切り振り下ろして高く跳んだ。

 トリプルアクセル? いや、1回転しただけで体を弛緩させて着氷した。

 また同じようにポーンと跳んだ。

 ただのパンク? いや、彼に限ってトリプルアクセルを連続で失敗することなどありえない。

 同じシーンを見たことがある。2015年11月、長野のNHK杯でのことだ。あのときはフリーの日の午前練習でポーンと跳んだ。その直後におそろしく飛距離の長いアクセルを跳び、3回と半分回って降りた。

「4回転をやろうとしてたんじゃない?」

 ひとり興奮するボクに賛同してくれる人はあまりいなかった。

・・・・・

それから4年。12月6日のイタリア・トリノ。GPファイナルのフリーへ向けての練習日のことだった。

「来る!」

 パラベラのスタンドに陣取ったカメラマンたちが息を飲んで沈黙する。連射にそなえシャッターボタンに添えられた右手人差し指がぷるぷると震える。それほどの助走距離を取ったわけではない。だが鋭い視線、漂う気配がそれを教えてくれる。 

「行った!」

 同時に雷鳴のようなシャッター音が巻き起こる。ニコンD5、キヤノンEOS1DX―MarkII、ソニーα9II(電子シャッターのため無音)などの各自の愛機が連射速度を競い合うようにその瞬間を記録する。


<この時、私の目の前に小海途カメラマンがいらっしゃいました。
会場にいた全員は思いがけず凄いものを目撃することになりました。
悲鳴ともつかない叫び声が会場に響きました。>


「回った!」と思った。

「降りた!」と思った。

「歴史の目撃者になった!」と思った。

 だが彼の体は固い氷に叩きつけられた。4回転アクセル。高く跳べば、それだけ体を締め回転に入る動作が遅れる。距離を出せば回転速度が上がらず着氷は難易度を増す。

<連続写真をみても分かるように、4回転半は、ほぼ回転したように思いました。
あとはただ降りるだけと見えました。
転倒する時、手足を大きく広げるのは、重力を分散して怪我を防ぐ方策なのでしょうか。柔道の受け身のような転び方なのでしょうか。
あのようなスピードで高く跳び上がり、氷の上に叩きつけられるのはどんなに痛いのだろうかと想像するだけで辛くなります。あと何回跳べば成功するのでしょうか。>

 ケガを心配して「ここでやる意味」を問いかけたのはボクだけではないはずだ。だが彼の挑戦がSPの2位発進で少し落ち込んでいたファンたちに勇気を与えたのは間違いない。彼にとってはクワドアクセルは夢ではなく、夜明けが近いことを示すことができた。

<SPのコンビネーションジャンプの失敗から立ち上がるため、そして間違いなく私達ファンに見せてくれるため、この4Aへの挑戦を初めて公開の場で披露してくれたのだと思いました。
”友よ 夜明け前の闇の中で
友よ 戦いの炎を燃やせ
夜明けは近い 夜明けは近い
友よ この闇の向こうには
友よ 輝く明日がある”

長久保さん、この歌ご存じなのかな。>

 そしてボクたちカメラマンがうれしかったのは彼が失敗を悔しがってくれたこと。五輪2連覇、史上最高スケーターの呼称。すべてを手に入れたように見える彼に、まだ勝利への渇望、新技習得への執念があるということ。最高の挑戦者は最高の被写体なのだ。



彼の存在は新聞社系のカメラマンをおしゃべりにした。フリーだけで1000カット以上もシャッターを切って、実際に紙面に掲載されるのは写真部デスクやら、編集のえらい人やらのフィルターをくぐり抜けた1枚だけ

 そうした不満の解消に「オレの撮った羽生結弦」発表の場を自社のHPに求め、リンク先を明記した上でSNSで発信するカメラマンが増えた。

<おかげで最近多くのカメラマンの方のお名前を覚えました。「オレの撮った羽生結弦」を自慢したくなるお気持ち、本当に良く解ります!>


・・・・・

 12月8日、一夜明け会見の場。国籍、職種、音程(これが一番の問題)もさまざまな混声合唱団が小さな白いテーブルに置かれたケーキの前に集まった。

「いいですか皆さん、大きな声で歌って下さいよ」

 その間にも会見場の外にいる物見の衆から続々と報告が入る。

「いま部屋を出ました」「いまこちらへ向かっています」

 そして「入ります」の声に合わせて「せ~の!ハッピー・バースデー・トゥ~」まで歌ったところで急に声が小さくなる。

 だってそれに続くのは「ユ~」なのか「ユヅ~」なのか? 最後は「ハニュウユヅルさん」と早口で歌うのか? 決めていなかったのだ。

 1日遅れの誕生日サプライズ。われわれの痛恨のミスにも、サプライズの気配が廊下までダダ漏れしていたのにも、気がつかないふりをして「あっ、誕生日ケーキがある!」と笑顔で喜んでくれた最高の被写体。

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 フリー演技後のインタビューで「今に見とけ、って思っています」と羽生は答えた。

「これからもずっと見ている」。ボクたちはそう答えることにしよう。

<羽生選手のお誕生日12月7日はFSの競技が行われた日でした。
会場のファンもどこかでハッピーバースデーを歌いたかったのです。
この日の公式練習は朝7時から7時35分までという早い時間帯でしたが、大勢のファンが会場を埋めていました。
私はこの日の朝、4時起きして、5時29分のバスに乗り、会場についたのは6時過ぎでした。まだ暗闇の中、既に入り口には長蛇の列ができていました。

練習が終わった後に沸き起こった、ハッピーバースデーの歌声は羽生選手の耳にも届いていたことと思います。

お誕生日をGPF優勝で祝えなかったことは残念ですが、25歳の節目の日は、新しい課題とその達成に向けての出発の日となりました。
どうか一日も早く、絶対に怪我無く、羽生選手の今の最大の目標である4回転半ジャンプが成功しますように!!!




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2019年12月15日

フィナーレはやはり悲しくて




GPFのフィナーレで、色とりどりのリボンが打ち上げられた時、

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羽生選手は最初は黄色のリボンだけを集めて丸いボールのような形を作っていました。

次に思いついたように、ピンクとブルーのリボンを氷の上から拾い上げました。

19 GPF  finale  2_Fotor



それが、実は平昌オリンピックの金メダルの色だと私が気が付いたのは大分後になってからのことでした。

その色の組み合わせを見ると、羽生選手の中では、自動的に平昌オリンピックを思い出すようになっているのだと思いました。


19 GPF  finale  11_Fotor


自分のお部屋にいつも飾ってあるのかもしれません。
あくまでも想像ですが。


その後、今度はもっと濃いブルーのテープを手にしました。

それは。もしやソチオリンピックのメダルのテープの色ではなかったでしょうか。


テープに絡まる羽生選手は綺麗でしたが、
でもこの時、私は悲しい気持ちになっていました。 

19 GPF  finale  8_Fotor



羽生選手がテープで金メダルを作っていた時、少し離れたリンクの上では、
このGPFで優勝した各カテゴリーの選手による集合写真の撮影が行われていたのです。


羽生選手はその光景を離れた場所からテープを手に持ったまま、ずっと見ていたのです。

本来なら自分がいたはずのその場所を。



それを見ているのが辛くて悲しくて、私はほとんど泣きそうでした。




羽生選手がその時何を思っていたのかは分かりません。


オリンピックマークの方を見上げて、「おわった」と呟き、

19 GPF  finale  おわった_Fotor



いつものように「ありがとうございましたーーー」と。


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そして最後の瞬間まで、ファンに向かって手を振り、さらに飛び上がって、また手を振り、
バックヤードに下がっていきました。


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リンクの上ではまだ優勝者の記念撮影が続いていました。



SPで決定的なミスをしたこと、優勝を逃したこと、43.87点という異常すぎて笑ってしまうような点差があったこと。
それでも私は泣こうとは思いませんでした。

ミスをして優勝を逃したことには理由があるし、点差が異常であることはそこにいた皆が感じていたことだと思います。


ネイサン・チェン選手と羽生選手の演技の間にそれだけの点数差があるとは、実際の演技を見ていて納得のいかないものでした。

そのことは羽生選手とチェン選手のリスペクトしあう関係には全く関係のないことではあります。


19 GPF  finale  7_Fotor



けれども、あのチェン選手の演技についた点数には違和感しかありません。
点数については、いずれ詳しい方が検証して下さることと思います。


羽生選手がこの点数について、「点差ほどの差はあるとは僕は思っていない」という内容の発言をしたことには全く同感です。




私はフィナーレの華やかなリンクの上の羽生選手を見て、初めて涙がこぼれました。
とても寂しそうに、戸惑っている風にすら見えました。

負けるとはこういう事なんだということを、はっきりと突き付けられた思いでした。


ファンである私は泣けばいい。
でも選手本人は泣いてもどうにもならない。


どうかこの悔しさを胸に抱き、乗り越えて行ってほしい。

怪我をすることなく4Aを跳んでほしい。

羽生選手が理想とする芸術的フィギュアスケートを完成させてほしい。


無論そんなことを願うだけなら簡単なことだけど、
それを実行するにはどれだけの努力と時間と鍛錬が必要なのか想像もつかない。


でも、彼が望むものを手にするのを見届けたいのです。

彼が、これでいい、と思うその時まで、応援は続きます。



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2019年12月14日

スケートが楽しかったです




トリノから帰って、最初にYouTubeで見たのがテレ朝の修造さんインタビュー。

皆様もうとっくに見ていると思いますが、録画は試合以外は全くしてないので、YouTubeだけが頼りです。


羽生選手が自分のジャンプの解説を楽しそうにしているのを見てとても嬉しくなりました。
とても晴れやかな顔で。


動画上げて下さりありがとうございます。





SPの後で、急遽4回転5本を跳ぶことを決め、それまでほとんど練習でもやっていなかった構成で、見事に5本を跳びました。
しかも美しい4Loと4Lzを入れて。


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2年ぶりの4回転ルッツ成功「ヤッター!」


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自分の跳んだ4回転ルッツを見て、こんなに嬉しそうな顔で「いいですねー」って言ってる。



19 12 09 修造インタ 3  ルッツは敵じゃないので

「ルッツは敵じゃないので、、、」

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「友達、友達、ウフフフ」
嬉しそう。


19 12 09 修造インタ 4  闘いでしたね

「闘いでしたね、ずっと」



突然の4回転半の練習は、勝てる可能性がほぼ無いと思ったから。


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コーチがいないんだなぁってこともありましたし、リミッターがいない状態で、
今、自分しか決められる人がいない状態で、

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それって、もしかしたら、4回転半やれってことなのかなぁって、ちょっと思って。


19 12 09 修造インタ 4回転アクセル 4  試合の方が大事なんで

コーチがいたら絶対止めてますし、試合の方が大事なんで。


19 12 09 修造インタ 4回転アクセル 3  何も残せなかったら

折角トリノオリンピックの会場なのに、何も残せなかったら嫌だなと思った。
じゃあ、できることって何だろう。


19 12 09 修造インタ 4回転アクセル 5  色んなものを賭けて

ここまで差が開いて絶望を感じながら、
でもここで残したい、って思ったものが、
やっぱり4回転半だったんで。

19 12 09 修造インタ いろんなものを賭けて

なんか、そういういろんなものを賭けて、あの時はやっていました。


19 12 09 修造インタ こんなにできるようになったんだよ

ただ、オレ、こんなにできるようになったよって、
こんなにできたよっていうところを見せたいなぁって無邪気な心が、、、


19 12 09 修造インタ 4回転アクセル 6  スケートが楽しかったです

だけど、スケートが楽しかったです。


  



インタビューの後半で、4回転半の練習について語ってくれたことが、ミラノで書いた記事と同じことを言ってくれていて、やっぱりそうだったんだねと思いました。


怪我のリスク、翌日のFSへの影響よりも、この場所に何かを残したい気持ちの方が勝っていたんですね。

本当に色々なものを賭けて臨んだ4Aの練習だったのですね。


でも、インタビューの最後に「スケートが楽しかったです」という言葉が聞けて本当によかった。


これからもスケートが大好きで、スケートをして楽しいと思える結弦くんであってほしい。
そうである限り、いつまでだって応援し続けます。



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2019年12月13日

Come prima, Piu di prima



昨日遅くにトリノから帰ってきました。


今回初めて、スケート観戦のためだけの海外旅行というものを体験したのですが。
いやー、思ったより疲れました。


まず朝が早い事、練習は朝7時から始まり、会場入り口でのセキュリティチェックが厳しく、長い列の待ち時間を考慮すると、かなり早起き、というか、4時起き5時起きしなければならないこと。

競技は午後からなのですが、GPFの場合はジュニアとシニアの競技が混在して行われ、全てを最後まで観戦していると、終わるのが毎晩10時過ぎになること。

全部を観戦していたら本当に疲れてしまうので、私は適時休憩していましたが、それでも試合を観戦するのは神経が疲れます。


合間に観光でも、なんて思いましたが、考えが甘かったなと思いました。

たとえ観光スポットを訪れたとしても、何かそこに集中できないというか、楽しめないというか、
たまたまトリノは今回で3度目でしたが、見逃していた郊外のいくつかの場所に行くのも見送りました。

特に男子SPの後は、頭の中が羽生選手の演技のことでいっぱいになってしまい、観光に出かける気分にもならず、ひたすら毎日決まったルートで、借りたレジデンスとパラヴェーラの往復のみに終わりました。

今後、もしもまた海外に観戦旅行に出かけることがあるとしたら、今度は観光などは一切計画せずに、試合に集中するのが正解かなと思いました。



今回のGPFで羽生選手は優勝こそできませんでしたが、FSプログラムに2年ぶりとなる4Lzを含め、4回転ジャンプを4種類5本入れることに初めて成功し、

19 12 09 修造インタ 4回転ルッツ



さらに公開の練習中に観客や関係者の前で4回転半にも挑戦するという、非常に画期的なことをやってのけました。

19 12 09 修造インタ 4回転アクセル 1



単なる敗北に終わらせず、
次のステージへの予告編のようなGPFとなりました。




ミラノからの帰りの飛行機の中で、私の頭の中で響いていたのは、
” Come prima "

古いけれど有名なカンツォーネですから、ほとんどの方は聴けばご存知だと思います。





Come prima
Piu' di prima
T'amero'

Per la vita
La mia vita ti daro'



初めて出会った頃のように
いや 初めて出会った頃よりも もっと
君を愛すよ

生涯僕の人生を君に捧げるよ

僕が君以上に愛する人は他にいない
毎日 どんな時も 君に告げよう

初めて出会った頃のように
いや 初めて出会った頃よりも もっと
君を愛すよ



羽生選手への愛を一層深めたトリノGPFでした。



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2019年12月10日

突如実験室と化したトリノ・パラヴェーラ



思い返してみれば、トリノGPFは想定外のことばかり。


SPでは初めてのコーチ不在。

あまり失敗するのを見たことのないような4T+3Tの失敗による12点以上の差。


どうせここでは勝てないのなら、
前からやりたかったことを実験しようという判断はありだ。
こうなるとコーチの不在も神の配慮か。
与えられた条件から最大限のものを引き出すのは、彼は得意だ。



凄く前向きな判断だと私は思った。


勝利が掴めないなら、トリノの地に今、自分が残せるものは4回転アクセルしかない。

そう考えて彼は練習で跳んだ。 

そして、転倒しても周りきってみせた。


自分のために。
おそらく私たちファンのために。
そして、トリノ・パラヴェーラを
「羽生結弦がフィギュア史上初めて4回転アクセルに挑戦した場所」とするために。


そしてOriginでは、やはり史上初めて4回転ジャンプ4種5回を成功させた。
それらを全て怪我なくやってのけた。


たとえ点数はネイサン・チェン選手の方が上回っていたとしても、
羽生結弦は私の中では負けてなんかいない。


君がトリノで成し遂げたことには大きな意味があったから。
それは違和感さえ感じる点数差を凌駕するほど貴重なことだったと思うから。


今はフル回転させた頭と体と心をクールダウンして。

また来週にはリフレッシュした新しい羽生結弦に会えるよね。

  
 

帰国途中のミラノより。

結弦くんの誕生日12月7日はミラノの守護聖人アンブロージョの記念日。
毎年この日からミラノ・スカラ座のシーズンがはじまります。
今年は『トスカ』で開幕。入り口付近には今夜も着飾った人々がたくさん。

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ガレリアはいつも華やかで、

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ドゥオモの前には巨大なイルミネーションツリー。

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色とりどりに変ります。

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通りごとに飾られた綺麗なクリスマスイルミネーション

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明日は日本に向かいます。

雑誌や録画やたくさんの情報をチェックしている間に全日本です。

近くなのにチケット1枚もないんです


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2019年12月09日

トリノの白鳥*さよならパラヴェーラ




エキシビションはNotte Stellataでしたね。

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EX開始前の会場です。



練習と本番、どちらも素晴らしいので両方。







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このプログラムを選んだ理由として、羽生選手が語ったこと。

ーこのプログラム込めた思いとは。

まずはイタリア語のものということで、やっぱこの土地に合ったものだという風に最初に思ったのと、
そしてオリンピックの地だったということで、また、自分が平昌オリピックで金メダルをとって滑ったことを思い出しながら滑らせていただきたいなぁということも込めて、今回はこの選曲をしました。

ー今回のファイナルは羽生選手にとってどういう大会、経験になったでしょうか。

とても深いものがあります。
とても言葉では説明できないくらいの量の情報と感情が頭の中を巡っていて、
正直、何が正解か、自分の感情も何が正解なのか分かっていません。

ただ、今日、こうやって、この場所で、Notte Stellataを滑らせていただいた時に、
やっぱりとても幸せを感じながら滑らせていただき、また何かちょっとでも、何ですかね、
何かに触れる喜びだとか、何かと共にするー僕の場合はスケートなんですけどー
このスケートの感覚とか、または、皆さんと一緒にいる空間だとか、そういったものが、
こんなにも愛おしく思えた瞬間ってなかったと思うので、
そういったものをまた皆さんが感じていただけるようなプログラムだったらいいなと思っています。


本当に泣けてくるようなコメントです。

人生には大人になるほど思いもよらないアクシデントや事の成り行きが押し寄せてきて、
自分の力だけではどうにもならないことも多々起こります。

今回のファイナルからまた多くのことを学び、彼はより強く賢く美しくなっていくと信じています。


19 GPF  Swan  小海途
photo : 小海途さん、本当に神!   演技中にこの美って、結弦くんも神!


エキシビションの日の会場は、天井まで超満員の入りで、その多くはイタリア現地の方でした。
この日、私のすぐ後ろの席に5歳くらいの女の子を連れたイタリア人家族がいたのですが、
その女の子が、「ユヅル・ハニュー、ユヅル・ハニュー」となんどもつぶやくのです。
他の選手の名は一人も出てこないのに。

外国に住むこんなに小さな女の子にも名前を知られているスケーターって他にはいないでしょうね。
小さな女の子の心にも響き、惹きつけるものを彼が持っているということでしょう。



ともかくどんな場面であれ、ちょっとでも彼の姿が見えれば大歓声が沸きます。
それは全てのカテゴリーの他の優勝選手に対するものよりもひときわ大きく会場に響いていました。


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大音響とともにフィナーレのリボンが飛びだした瞬間。びっくりしました。


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全てのプログラムが終わった夕暮れのパラヴェーラ。

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さよならパラヴェーラ。
感動と思い出をありがとう。


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2019年12月08日

トリノGPFは復活の祝祭だった



トリノGPFの競技を終わってみれば、
このGPFは羽生結弦の復活を祝う祝祭だったと感じています。


会場に集まったほとんどの方は3年ぶりにGPFに復帰した羽生結弦を見たくて、羽生結弦の演技を自分の目で確かめたくて、世界中からここにやってきたのだなと、実感しました。


前を見ても後ろを見ても、右を見ても左を見ても、いたる所にプーさんが溢れていました。
これって、ある意味、異常現象と言っていいかもしれません。
私自身もその異常現象の一部を占めているわけですけれど。



演技が始まり、4Loが決まると悲鳴が沸き起こり、4Lzが決まるとさらに大きな悲鳴が湧き、
3Lz、4S、4T+1Eu+3F、4T+2Tと、進んで行くにつれ拍手と悲鳴の渦に巻き込まれていきました。

最後の3A+3Aが1Aになっても、もうそんなことには動揺しない会場でした。



全てを出し尽くした羽生選手が最後のポーズを取った瞬間、撮影していた私のiphonに飛び込むように写ったのは前の人のコートでした。
つまりその瞬間、全員が立ったということです。

19 GPF  Finish 長久保豊_Fotor
photo : 長久保豊 / スポニチ



この瞬間を待ち構えていたプーシャワーは凄いことになっていました。

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およそ40点差というのは私には納得いかない差ですが、それはさておき、ネイサン選手が勝ったのは事実です。

しかし実際に祝福されたのは間違いなく羽生結弦だったのです。

何があっても彼を讃えたい、そういう想いが溢れていたパラヴェーラでした。


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とっても素敵なドレス!


ひとつのプログラムの中に4Loと4Lzを綺麗な形で組み込み、4S、4Tと合わせて4種5本の4回転ジャンプを跳ぶことができたのは大きな成果でした。

しかも、そこに4回転アクセルが入ってくる可能性も現実味を増したのです!






点数については、演技後の一問一答の中で、チェン選手との点数差について問われた羽生選手自身が、(二人の間の差は)「点数ほど大きくないなと僕の中では思っているんですよ」と語っているように、私もその通りだと思います。



25歳の誕生日に勝利を祝うことはできなかったけれど、
また一歩前進するための鍵を手に入れたのです。

ですから、まだまだ羽生結弦の冒険の旅は続くということで、
私達は、その物語の新たな章のページを開けたところなのでしょう。


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羽生選手がアップになるたびに沸き起こる歓声



朝の練習の終わった時にもハッピーバースデーが歌われていました。
そして表彰式の後にも観客席からハッピーバースデーの歌声が沸き起こっていました。


スケートの神様からの25歳の誕生日プレゼントは、さらに大きな羽生結弦になるための『鍵』だったということです。

ほら、このメダル鍵みたいでしょ。

19 GPF  表彰式 小海途
photo : 小海途良幹(私の席の目の前にいらっしゃいました!)


今日はこの祝祭を締めくくるエキシビションです。

やはり、『春よ、来い』なのかな。



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2019年12月06日

天も泣く*最高に美しい「秋によせて」




昨晩、SPの後、夜のパラヴェーラを出ると、月はくっきり輝いているのに、落ち葉がぐっしょり濡れていました。

男子の試合直前にここに戻ってきた時にはカサカサと舞っていた落ち葉なのに。

試合中に大雨が降ったとしか思えないほどの水の量でした。
雨の名残りがパラパラと頬にあたりました。

天も泣くとはこのことでしょうか。




コンビネーションが付けられなかった故の点数は点数として、その美しさ、完成度の高さでは、最高の「秋によせて」だったと思います。


19 GPF  SP cap  30_Fotor
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19 GPF  SP cap  9_Fotor


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19 GPF  SP cap  12_Fotor


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19 GPF  SP cap  20_Fotor



ただただ、溜息を吐きつつキャプチャーする喜び。

    


そして一夜明けた今朝の練習は、

一転して4回転アクセル!!!

初めて見た4Aは肉眼で見て尋常ではない回転の速さ。
あとは立つだけ?




「金曜日の練習の最後、Yuzuruは何度も4回転アクセルに挑戦した。
僕の見解では、最後の挑戦で4回転アクセルを回った」by Massimiliano Ambesi


一晩でスイッチを切り替え、リミッターを外してきたよう。

明日は一体どんなことが起こるのでしょう。
震撼する。


たとえどんなことが起こっても、
世界は君を愛してる。

君は愛だけでは満足しないだろうけど。


どうかグランプリファイナルを楽しんで!!


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今日のトリノは快晴



今日のトリノは昨日までの曇り空から一転して、快晴です。


今朝の公式練習を見てきました。

19 GPF  公開練習 小海途
photo : 小海途良幹


19 GPF  公式練習 長久保

photo : 長久保豊(凄い写真ですね)


皆様もうよくご存じのとおり、今日の練習も快調で、羽生選手が生き生きとして、元気で、自信をもって練習に望んでいるのが感じられました。

自分でも同様の動画は撮影したのですが、なにしろその動画をブログやYouTubeにアップする方法さえ知らないものですから、お借りしたもので済みません。







一番驚いたのは、自分のランスルーの直前、ネイサン・チェン選手のFSの曲かけ練習中に、すぐそばで4回転ルッツを綺麗に降りて見せたこと。

ネイサン選手の得意技を、彼のFSの曲であるシャルル・アズナブールの甘い歌声の中で跳んでみせるとは、なんという大胆な人なのでしょう。

もし失敗したら恥をかくという心配で、並の度胸ではできないことです。

それくらい自信を持っているんだぞ、という宣言なのか、挑戦状なのか。


ともかく綺麗な4回転ジャンプでした。
今日も会場で練習を凝視していたと思われるマッシミリアーノさんから動画お借りします。

ネイサン選手の真後ろで跳んでいるのが分かると思います。




「この4回転ルッツはバックアウトサイドエッジからの完璧なエントランスで非常に高さがある。
これが正しいトウアシスタンスと最小限のプレローテーションによる本当のルッツだ」と。


羽生選手の予定演技構成には含まれていませんが、いつ入ってきてもおかしくない状態なのは確かです。

もしも、今日のSPがノーミスで十分リードできたら、明日FSで跳んでも驚きはしないでしょう。


今日は午後一度帰ってきて疲れをとって、また今からもう一度パラヴェーラに行ってきます。

今日のトリノの空のような淡いブルーの衣装で舞うOtonalを観に。


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トリノのランドマークになっているモーレ・アントネッリアーナ(国立映画博物館)



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2019年12月05日

幸せな公式練習



昨日初めてGPFの会場となるパラヴェーラに行ってきました。

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まだ準備のための車両がたくさんありました。


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反対側の入り口。羽生選手もここから会場入りしたようです。


リンク内には2006年のオリンピックマークが大きく残されていて、これがGPFなのかオリンピックなのか分からなくなりそう。

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これは確実に結弦くんの胸に火をつけることでしょう。


公式練習はとても安定し落ち着いていて、そして美しかった!

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ルッツも綺麗に降り、ループもサルコウも3連続ジャンプも、もちろん3Aも。


しかしまだ到着していないのか、ブライアンもジスランもいませんでした。
ただプーさんはだけはいつも羽生選手の存在を知らせてくれます。

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最初の公式練習はフリーのOriginでした。

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その後で、ネイサン選手の曲かけの最中にOtonalを通しで滑っていました。


やはりマッシミリアーノさんも会場にいらしていたようです。







「最初の練習セッションでYuzuru Hanyuは4つの難しい4回転を降りた。
いつものトーループ、サルコウ、リットベルガー(ループ)に加え、ルッツも」。

マッシさんが「全体的にいい感じ」と言っているので、間違いないと思います。


最後に半袖UAの上にジャージを羽織ってのクールダウンはいつものように惚れ惚れするほど美しく、とても幸せな気分になりました。

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もう何があっても彼は大丈夫。
何があっても崩れないところまで来たのではないか、という印象を受けました。

    




なにか幸せで胸が一杯な気分になってパラヴェーラを後にしました。


そして前から行きたかった、王宮の中にあるカフェ・レアーレに向かいました。


カフェは王宮内の中庭の奥の目立たない所にあり、人影もまばら。

壁面は天井までガラスケースになっていて、17世紀からに王宮で使われていた食器やトレイ、調味料入れなどが飾られています。

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名前に惹かれて注文したのはメレンダ・レアーレ(王様のおやつ)。
とても食べきれないお菓子の量。
テイクアウトさせていただきました。3日分は間に合いそう。

ホットチョコレートとセットになっていて10ユーロです。

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マリア・カラスと思われる歌声のアリアが微かに流れる静かな空間にしばし身を浸せば、サヴォィア家の令婦人になった気分に。

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いすのカバーに施された金色の刺繍はサヴォィア家の紋章です。
金メダルを連想してしまいます。



外の広場ではクリスマスマーケットが開かれていました。


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さて明日は(もう今日ですが)朝10時20分からSP直前公式練習、SP本番は夜9時10分からです。

最終滑走です。
19 GPF  SP 滑走順


途中では一旦帰って、英気を養ってから夜に再度パラヴェーラに向かおうと思っています。

きっと素晴らしいOtonalになると信じています。


男子シングル全選手の予定演技構成はこちら。

全ての結果はISUリザルトページから。


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2019年11月30日

運命の交差する場所



5日から始まるGPFを控え、イタリアの様子を知りたくて『惑星ハニューへようこそ』を読ませていただきました。

まだ来週のことなのに、もうこんなに大きく取り上げられているのですね。

もちろん一番の注目の的はYuzuru Hanyuです。


トリノのスター達

パラヴェーラの氷の上で
グランプリファイナルは12月5日から8日まで

トリノにおよそ3万人の観客が訪れる


tutto sport  惑星ハニュー
惑星ハニューの記事よりお借りしました)

記事の右の方にはジュニアGPFに出場するダニエル・グラッスル君の記事もありますね。




別記事ではマッシミリアーノさんのNHK杯評も翻訳して下さっています。

一部引用させていただきました。
記事の全文はこちらです。


「超一流選手は裏切らない」

フランチェスコ・パオーネ(2019年11月27日)

(NHK杯について)具体的な議論に入ろう。
羽生結弦が披露した内容について君の詳しい分析を聞かせて欲しい。

予想通りあっさり300点を超えた。
2大会連続でこの大台を超え、これまでのキャリアでは合計9回300点超えを果たしている。
これは圧倒的な記録で、国際大会で300点越えを5回以上果たした選手は他に誰もいない。
4度目のNHK杯優勝によってグランプリ大会20回目の表彰台(男子シングルでこの記録を上回るのはプルシェンコのみ)、国際大会24回連続表彰台を記録した。
またグランプリ2戦における4つのプログラムの合計得点(627.64)はグランプリ史上最高の圧倒的高得点である。

しかしながら、札幌で羽生は二つの顔を見せた。
ショートプログラムでは日本の規格外の選手は良い意味で和やかでリラックスしているように見え、本番の演技にもかなり余裕があった。

一方、フリープログラムではより緊張していた。
まるでトリノのファイナルに意識を集中させるために、この大会を怪我なく一刻も早く優勝で終わらせることを目標にしているように見えた。

この人物の器の大きさを考慮すると、「怪我を避ける」の意味はあくまでも婉曲的である。
というのも、フリープログラムの最後の1分では何もないところから即興で4トゥループ/3トゥループのコンビネーションを引き出し、続いて3アクセル/オイラー/3サルコウを成功させた。
(これほど鬼リカバリーを)絶対的自信を持って決断し、簡単にやってのけたという事実は、彼の現在のコンディションの良さ、そして彼のリスクに対する考えを物語っている(彼にとってのリスクとは一般的なリスクの観念とはかけ離れている)。

2日間の試合での唯一のミスはトゥループが思いがけず抜けてしまったために入らなかったコンビネーションジャンプ、4トゥループ/オイラー/3フリップだけだが、今回のケースではミスよりも得点の損失を最小限に抑えるために咄嗟に「Bプラン」を実行できる彼の冴えわたったメンタルに衝撃を受けた。

(引用以上)


この中の下線を引いた部分 、私も同じ感がありました。

ともかくNHK杯を無事に通過してGPFに行くことが至上命題であるという感じが伝わってきていました。
羽生選手は2013年から4連覇しているだけあって、GPFへの思い入れは殊の外強いのだと感じます。


あの2014年の中国杯の時、満身創痍の状態で、なぜそこまでしてフリーを滑ったのかを問われて、
「GPFに行きたかったから」と答えていたのを覚えています。



今年のGPFは、プルシェンコさんがオリンピック金メダルを取り、ジョニーさんが『秋によせてを』滑ったトリノという特別な場所での開催です。


ジョニー・ウィアー 1

この時のコーチと振り付けはタラソワさんでした。


しかも、2006年のオリンピックの表彰台には、優勝したプルシェンコさんの他に、2位に子供のころから羽生選手をよく知るステファン・ランビエールさん、3位には今年のSP『Otonal』を振り付けたジェフリー・バトルさんというメンバーが揃っていたのです。

2006 Torino olimpic 表彰式 3


女子シングルの金メダリストは言うまでもなく、アイスリンク仙台、東北高校、早稲田大学の先輩である荒川静香さんです。

更に、プルシェンコさんのトリノオリンピックのエキシビションでは、『Origin』の原曲”Art on Ice”の作曲者エドウィン・マートンさんもリンクの上でバイオリンの生演奏をしていました。




ドラマチックな素晴らしいエキシビションでした。


これを見ると、もし、今回優勝した時は、清塚さんのピアノ生演奏で『春よ来い』があっても良いのでは、と想像してしまいます。


ともかく、こんなにたくさんの羽生選手に縁ある人々の栄光の記録と記憶が集結している場所が、トリノのPALAVELAなのです。

しかもGPFの結果が判明するFSの日は羽生選手の25歳の誕生日。


今年のPALAVELAでは何かが起こりそう。
そんな予感に身震いします。




「自分が4連覇して、もっと強くずっとあそこに君臨したいと思っていたのが、どんどん遠ざかっていて…。最終的に連覇されてしまっている。そこをもう一回奪還したいっていう思いが凄く強くある」
スポニチ記事より



19 NHK  毎日 1


奇跡よ起これ!

奇跡として現れる必然として!



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