知的財産保護

2018年10月14日

著作権・出版権・肖像権


今日ようやく『YUZURU Ⅱ』が届きました!


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開くとまだインクの匂いがする出来立ての初々しい写真集です。

表紙カバーを外すと、こんなに爽やかな羽生選手が顔を出します。


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内容は期待通りの素晴らしさで、4年の間をおいて出版された2冊の写真集は羽生結弦というスケーターの公式写真集という位置づけに近いのでしょうか。


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能登さんの写真は独特のふわっとした感じがあり癒されるし、何度でも見たくなる魅力がありますね。

著者は最初の写真集と同じく、羽生結弦・能登直と連名になっています。



ただし、羽生選手が文章を書いているわけではないので、おそらく写真の選定や構成等、能登さんと共にこの写真集制作のプロデューサー的な役割を果たしていることで共著ということになっているのだと私は理解しています。


昨日届いた『魂のプログラム』の方も著者は羽生結弦となっていますが、文章はワールド・フィギュアスケート編集部が書いているようなので、全体的な構成、写真選定など、こちらも総合的なプロデュースを羽生選手が担当したことにより、著者:羽生結弦という位置づけになっているのだと理解しました。

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どちらも雑誌やムック本とは一線を画すような、流石に羽生結弦本人が関わっているだけのことはあるな、と思わせる素晴らしい写真集でした。




しかしこれとは別に、やはりこのところのフィギュアスケート雑誌やムック本の相次ぐ販売停止、出版停止には腑に落ちないことばかりです。

肖像権については、公的立場の方々、例えば政治家、芸能人、有名アスリートなどが、撮影されることを前提に公的な場にある時は、肖像権は適用されないのが一般的なことなので、世界的な超有名アスリートである羽生選手を、試合という公の場で、撮影許可証を得た写真家が撮影しても問題にはならないはずです。


またその写真を通信社や写真配信会社から正式に版権購入して、クレジットを付けた上で出版に使用しても非合法にはならないはずです。現にこれまでそのような雑誌類が山ほど出版されてきたにもかかわらず、法的に告訴されたり、販売停止処分を受けたことはないはずです。

しかしこのところの不透明な出来事の数々は当事者が事実を明らかにしないため、益々憶測を生んでなんともいやーな感じを受けています。


色々なご意見や見解はあるのでしょうが、私個人はこれらの件に関しては、羽生選手サイドは関知していないのではないかという印象を持っています。

例えば出版中止を免れた感のある、KISS & CRY の出版の順番差し替えを見てみましょう。

① KISS & CRY 表紙:宇野昌磨選手 10月22日発売(ジャパンオープン10月6日)




② KISS & CRY 表紙:高橋大輔選手 10月26日発売(近畿日本大会10月7・8日)




③ KISS & CRY 表紙:羽生結弦選手 10月31日発売(オータムクラシック9月22・23日 /9月末発売予定からから大幅延期)




特集されている試合の順番からいえば、本来③-①-②の順番に出版されるべきところが、9月の試合を特集している羽生選手の号を10月末まで大幅延期したうえで、急遽宇野選手と高橋選手の特集号を先に差し込み、①-②-③の順番とし、羽生選手の特集は最後にするという不思議な事態になっています。

これは著作権、肖像権に関わる問題ではなく、何か別の方面からの圧力であろうと考えるほうが整合性が取れる気がするのです。あくまでも私の個人的な感触ですが。




さらにそれよりも肖像権の問題として、私が一番驚いたのは、フィギュアスケート関連の本ではなく、この夏、某女性週刊誌が、練習を終えた羽生選手がクリケットクラブから出てくるところを隠し撮りして、それを写真付きの記事にしていたことです。

この場合、羽生選手は公の場にいるわけではなくプライベート写真の無断公表ですから、肖像権が侵害されているケースになるでしょう。

これを本屋の店頭で見かけた時は、羽生選手が気の毒でたまりませんでした。
ハードな練習の後、疲れて練習場から出てきたら、物陰から(おそらく)望遠レンズで隠し撮りするなんて卑劣すぎます。
絶対に許せないと思いました。


この場合、羽生選手は肖像権の侵害で損害賠償を求めることもできると思います。

羽生選手にしてみれば、トロントでさえ安全な場所ではなくなったこと、やがてこのままエスカレートすれば、自宅で待ち伏せされたり、ご家族が興味本位の標的にされたりすることも想像でき、恐ろしくなったであろうことは十分考えられます。


肖像権は法律で明文化された権利ではないので、確かに権利侵害の基準や判断には曖昧さもありますし、撮影する側の表現の自由や知る権利との兼ね合いの問題もあり、難しい問題だと思います。


しかしこの女性週刊誌のような行為こそ、今後二度とないように、羽生選手サイドが知的財産保護(写真、映像)に携わる、あるエージェントをアドバイザリーとしたのは、とてもよいことだなと思っています。
むしろ遅すぎたくらいだと思います。


これからはもう、自分自身を守るため万全の策を立てて、二度と羽生選手が苦しむこと、悲しむことの無いようにと祈るばかりです。



18 公開練習 読売 2

今の気温は4℃と、日本より一足先に冬になったようなトロントで、元気に練習できていますように。




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