早稲田大学
2021年08月03日
26歳理系男子
早稲田大学人間科学部のe-Stylebookに掲載された、羽生選手のインタビューを何回も読み返しました。
華麗な演技で大勢のファンを酔わせる世界一のフィギュアスケーターである一方で、
真面目で堅実な理系の学生という、素顔の羽生選手が垣間見られたようで、とても新鮮なインタビューでした。
むしろ、これが等身大の羽生結弦なんだろうなと感じました。
幾つかの印象に残った言葉です。
人間は、直感的に 逃げることを考える生物だと思うので、逆に逃げられない状況になると本能的に深い集中状態に入れるものと考えています。
この言葉、本当に図星ですね。
人間って、できるだけいやな事、面倒なことからは逃げ出そうとします。
でも、もう逃げられないという絶体絶命の場面になると、普段では考えられない力を発揮して切り抜けるということも時として起こりますね。
後で考えると、どうしてあの時あんなことができたのだろうと自分でも驚いたりして。
羽生選手は試合という真剣勝負の場で、何度もこういうことを経験してきたのだろうなと思います。
真っ先に思い出すのは、ヘルシンキワールドです。
SPが5位に終わって、1位のハビとの点差は10点以上ありました。
ところがFSの演技では、羽生選手自身が「ゾーン」に入っていたと認める完璧な演技で、世界最高得点を更新して大逆転優勝しましたね。
そして誰もが忘れられない2012年ニースワールドの「ロミオとジュリエット」。
SP前日の公式練習で右足を捻挫しながらもワールド初出場で銅メダルを獲得。
この時も同じ目をしています。
あの叫びも忘れられません。
自分で自分を鼓舞するように、心から自然に沸き上がった叫びのようでした。
ずっとカナダで生活していた羽生選手は勉強の仕方、集中の方法も独特です。
海外ではスケートか勉強しかやることがないので、日本にいる時よりも、集中して勉強できました。英語が苦手なので、英語で伝えられる情報は聞いても頭に入ってこないため集中力がより高まるのです。
逆に日本語だとちょっと耳にしただけで情報として入ってくるので、集中できなくなってしまうんですよね。
こういう感じ、私も外国で暮らしていた頃よく感じました。
聞こえてくる言葉が外国語だと、聴こうと努力しない限りはバックグラウンドミュージックのように、言葉が流れ過ぎていき、内容に気を取られて集中できないということは無いのです。
それが日本語だと、否応なく意味が伝わって来るので、却って気が散ってしまうのです。
でも、英語が苦手というのは、今では違うのでは、と思ってしまいますね。
今ではすっかり英語も堪能になり、周りから聴こえる英語も自然に頭に入ってきて、集中できなくなってしまったかもしれないですね。
そしてこの部分、理系男子の本領発揮です。
羽生選手はプラグミングもできるのですね。
元々プログラムを触るのが好きで、プログラム計算も得意にしていました。自分で組んだ経験はなかったのですが、最終的には自分や他の選手の演技の要素を入力すると、最高得点がどこまで出るかを自動計算するプログラムにチャレンジ。
点数と要素名をリンクさせるので、かなり長いプログラムになってしまったのですが、無事に完成させることができました。
自分の競技のためにもなるので楽しかったですね。
ルールが変わっても要素と点数のリンクする箇所や評価点を変えれば同じように使えます。
その点では今後も楽しみが広がります。
羽生選手自作のプログラム、西村教授も「秘密兵器になるんじゃないですか」とおっしゃっていました。
自分のプログラムも、ライバルのプログラムも、一瞬で可能な最高得点をはじき出してくれるなんて、便利なプログラムでしょうね!
自ら理系だと認めていた羽生選手ですが、26歳美形の理系男子というのが、「羽生結弦という仮面」の下の本当の貌なのかなと思ってしまいました。
このインタビューを読んで、羽生選手の未来にはたくさんの可能性が広がっていることを実感し、
仮に近い将来、羽生選手が「選手」ではなくなって、「羽生結弦」という個人になったとしても、
彼の前には、むしろ選手である今よりも、もっともっと大きな可能性が広がっているのだと思うと、
少しだけ、その時感じるはずの寂しさが緩和されるような気がします。
フィギュアスケート選手としての最後の夢だという4回転半ジャンプが、今シーズンに成功するよう、心から願っています。
でも、怪我の無いこと、健康であることを最優先に!
お読みいただきありがとうございました。
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2021年08月02日
学びたい理由がある
早稲田大学 人間科学部 eスクールの学内誌
e-Style book に羽生選手のロングインタビューが掲載されています。
インタビュアーは卒論指導教授の西村昭治教授です。
(PCの場合は記事はこちらから読むことができます。(PDF)スマホではPDFが開けないと思うので、字が細かいですが上の記事を拡大してお読みください。スマホでPDFを開くにはBOXというアプリが必要なようです。)
このインタビューの中で、一番印象的なところはこの部分でした。
ずっとフィギュアスケートという競技に携わってきましたが、自分という存在を数値化あるいはデータ化して客観的に検証してみたいと常に思っていました。
僕自身は、データは感覚の裏づけのようなものだと思っています。だから、いま僕たちが競技で行っている感覚的な部分を(現実の人物や物体の動きをデジタルで記録する)モーションキャプチャでデータ化して蓄積し、分析できれば、より技術を向上させていけるのではないか、と考えたのです。
感覚は個々で違うので、全ての選手にとって最適かどうかは難しいところですが、これまでのような感覚的なフィードバックだけでなく、データによるジャンプの分析を加味した評価が可能になります。
自分にしかできない分析方法によって、そうした研究が可能だという成果を残したかったのです。
また、実際に現役のスケーターとして、トップを維持するうえで何を考えているのかをしっかりと見せたいという思いもありました。
(中略)
同じオリンピック競技の体操も積極的にレーザーを使用した自動採点に取り組んでいますが、体操と比べてフィギュアスケートは、リンクが大き過ぎてレーザーが使えないので、それ以外のアプローチが必要になります。
今回の卒業論文である程度まで方向性を見いだすことができ、それを提唱できていると思うので、自分自身の今後の研究に期待したい思いはあります。
羽生選手は、これまでのような感覚的なフィードバックだけでなく、データによるジャンプの分析を加味した評価を求め、現役スケーターとして自分が何を考えているのかをしっかり見せたかったと言っています。
そして今後もこの研究を続けて行く意思を示しています。
これまで、自分で納得のいかない評価、採点もたくさんあったでしょう。
しかし、その不満を口にすることなく、研究という形できっちりとまとめてくるところに、羽生選手らしさが現れていると思います。
今後またその時が来たら、大学に戻って研究を続けるのかもしれません。
これから先、羽生選手がどのようにフィギュアスケートを改革していってくれるのかが、とても楽しみになるインタビューでした。
沢山の方に是非読んでいただきたいと思います。
今取り組んでいる4回転半ジャンプといい、フィギュアスケートの評価方法の改革といい、
羽生選手にとって、これから取り組みたい大きな目標に比べて、
五輪のメダルはもう、相対的に小さな目標になったのかな、と感じました。
それは取りも直さず、自分がそれだけ大きな存在になったということを意味しています。
だからこそ、北京五輪についても、「その道の中にあるのなら」という表現になったのかな、と思いつきました。
羽生選手がケガ無く健康で、来シーズンに向けて充実した練習の日々が送れますように。
お読みいただきありがとうございました。
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2021年05月16日
羽生選手が投じた一石の波紋
結弦くんの卒業論文の一部を抜粋し、早稲田大学の学術誌「人間科学研究」に特別寄稿された論文は世界中に拡散していきますね。
4月の数日間だけで44,730回の閲覧回数ですから、5月末にはどのくらいになっているのでしょうね。
今度はそれがYouTubeでも紹介されています。
15か国語の字幕付きですから、世界中のほとんどの人が理解できるようになっています。
こうして結弦くんの投げた一石の波紋が広がっていきます。
「したがって、各レフリーは、200以上の要因を考慮してショートプログラムで少なくとも300の決定を下す必要があります。
そして300以上の要因を考慮して、フリースケートで少なくとも500の決定を下す必要があります。
また、評価基準のルールは毎年改訂されています。
レフリーは最新の基準を覚えて、1~2秒以内にすべての要素を評価する必要があります。
審判は本当に落ち着いた決断をする時間がありますか?
この作業がどれほど難しいか想像できますか?」
実際このようなことは人間の能力を遥かに越えていると思いませんか。
それを人間にさせたら、不正確で不完全な結果が出てくることは必然的なことです。
ジャッジだって人間ですから、人間の能力を超える作業は不可能なわけです。
そんなことは誰でもわかっているはずです。
しかし敢えてそれを続けていることにどんな意味があるのでしょうか。
多くの人達が不思議に思っていたことだと思います。
そこで、羽生選手は現役のスケーターとして、卒業論文という機会に、問題を解決する方法を研究し、ひとつの可能性として、今後のフィギュアスケートの審判方法を提示したのです。
そこには正しい批判精神もあり、審判の不公正や、一部の選手の不正に対する憤りもあったと思います。当然のことだと思います。
ただ観て、応援している私たちが怒りや悲しみを感じていたのに、本人が何も感じないわけがありません。
ただ、羽生選手の素晴らしいところは、それを不平不満に終わらせずに、自分の経験を未来に向けて役立つ普遍的なものに変換して提示したところだと思います。
そこにはフィギュアスケートに対する深い愛があるのを感じます。
論文はWEB上に公開されていますから、今では誰もがグーグル翻訳などで簡単にその概要を理解することができます。
果たしてISUはこの提案に何か答えることができるのでしょうか。
無視し続けるのならば、やがてフィギュアスケートはスポーツとしては認められなくなるような気がします。
ルールは曖昧で不公正で不公平、審判方法も目視とカメラ1台のみ、前近代的、改善する気なし。
これでは競技スポーツとしては成り立ちません。
一日も早く、真剣に審判方法の改善に取り掛かって欲しいのです。
動画の中にはマッシミリアーノさんとアンジェロさんの解説も引用されていましたね。
マッシミリアーノさんも早速Twitterで取り上げてくれています。
Interest in Yuzuru Hanyu's thesis grows day by day.
— Massimiliano Ambesi (@max_ambesi) May 14, 2021
In the attached video, you can find lots of interesting information while waiting to read everything written by the Japanese champion.
This is the future and we hope that the present will soon be too. https://t.co/UHJXpZRMwE
羽生選手の望みはマッシミリアーノさんの望みでもあり、そして私たちの望みでもあります。
最後までまでお読みいただきありがとうございました。
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2021年05月01日
論文の閲覧件数が凄い数に
昨日スターズ・オン・アイス八戸公演を無事終わって、おそらく夜には仙台に帰って行ったと思われる結弦くんは、今朝の地震で目が覚めたのかもしれないと想像すると、いたたまれない気持ちになります。
幸い津波の発生はなく、大きな被害も発生していないようですが、最近また東北地方で地震が続くのが心配です。どうかくれぐれもお気をつけてお過ごしください。
私は今日、もう一度羽生選手の寄稿論文を読もうと思って早稲田大学リポジトリにアクセスしてみると、
該当論文の4月の利用統計が出ていました。
閲覧回数:44,730
ダウンロード回数:35,753
となっていました。
ドメイン別ではおよそ3分の2が日本ですが、3分の1は外国からでした。
国別で、特に目立つのがイタリアからです。
リポジトリに掲載されたのが4月28日だったと思うので、わずか3日間でこの回数とは驚きました。
(4月28日記事:羽生選手の論文読みました!)
イタリアからの閲覧が特に目立つのは、マッシミリアーノさんの影響力もあるように思います。
そのマッシミリアーノさんは掲載の翌日にはもうこのようにツイートをしていました。
It is a matter of pride to know that the greatest ever shares some of our criticisms of the current Isu judging system and proposes solutions to solve troubles starting from the use of technology.
— Massimiliano Ambesi (@max_ambesi) April 29, 2021
We have not been listened to, but we hope that things will be different for Hanyu pic.twitter.com/CA2tg5CwWt
史上最高のスケーターが、現在のISUの採点システムに対する私たちの批判の一部を共有し、
問題点を解決するためにテクノロジーを使用することを提案をしたことを知り、
それを誇らしく思います。
私たちの批判が聞き入れられたことはありませんが、羽生氏に対してはそうではないことを願っています。
論文は既に複数言語に翻訳されて世界中を巡り始めているでしょう。
やがてISUの元にも届くでしょう。
今度こそ、真剣にジャッジングの近代化に取り組んで欲しいものです。
羽生選手の6つのジャンプの技術的な解説動画です。
言語は英語のみですが、図解付きなので十分理解できます。
カッコよくて、可愛くて、スケートが誰よりも上手なだけでも十分なのに、
彼は、
言うべき時に
言うべき事を
適切な方法で
キッチリと言える
勇気と知性と気概を持った人です。
そんなところも、私が羽生選手を愛するたくさんの理由の中の一つです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2021年04月29日
スケートに対する愛ゆえに
前記事に続いて、羽生選手の論文について。
羽生選手の論文を読んで思うのは、彼がこの論文を書いた動機はフィギュアスケートに対する愛なんだなということ。
羽生選手は技術的にも、表現者としても、これまでにない革命的な仕事を成し遂げてきたと思います。
そして今、ジャッジングシステムの抜本的な改革に対しても研究と提言を始めました。
それは誰かに対する批判や不満ではなく、愛するフィギュアスケートが正しく評価されていないということに対する苦しさゆえではないでしょうか。
それは愛していればいるだけ、重く心にのしかかってくるのだと思います。
怒りが無いというのとは違うと感じます。怒りはあると思います。当然です。
しかし、羽生選手の素晴らしいのは、怒りを現実を変える努力に昇華できるところです。
いい加減なジャッジングをこれ幸いと利用して、良い点を稼ごうなどということは全く無縁の羽生選手なればこそ書ける論文です。
バカらしいと思うかもしれないが、
真の革命家は偉大なる愛によって導かれる。人間への愛、正義への愛、真実への愛。
愛の無い真の革命家など想像できない。
(チェ・ゲバラ:1964年国連総会出席のためにニューヨーク滞在中、インタビューでの質問“革命家にとって重要なことは?”に応えて)
フィギュアスケートの革命家としての羽生選手の論文執筆は、
「フィギュアスケートに対する愛」なのだと思いました。
論文の最後の参考文献の欄に、富士通の「AI自動採点システム」が記載されています。
2年以上前の過去記事になりますが、このことについて書いていましたので、再掲させていただきました。
◆2018年11月23日
【そろそろAI採点*国際体操連盟の英断】
Number 996のタイトル、「美しく、強く」
「強く、美しく」ではなくて。
ここに編集部の意図が表明されていると感じました。
フィギュアも体操も、技の難度を競いながら美しさも求められる競技です。
しかし美しさと言うのは判定する側の美意識によるもので、100人いれば100の美意識があると思うので、それを正しく点数化するのは至難の業。
では、せめて技に関しては正しい判定を求めたい。
そんな時、11月20日のNHK NEWSWEBで、国際体操連盟がAI採点を採用というニュースを読みました。
国際体操連盟 日本企業が開発の”AI採点”を採用
AIで採点するしくみは
富士通が開発した採点の支援システムでは、赤外線のレーザーを発する機器を使い、選手の体とその周辺の200万か所にレーザーをあてて、選手の動きを読み取ります。
これをリアルタイムで三次元の画像に変換して、その画像から選手の骨格の動きを読み取ります。
そして、AIがデータベースに記録されている過去の演技の正しい動きと突き合わせて、脚や姿勢が曲がっていないかなどを判定します。
この仕組みは富士通が独自に開発した技術で、去年から国際体操連盟とともに世界大会などでシステムの実証実験を行い、その精度を高めてきました。
当面は審判員の採点を支援するために用いられますが、富士通では東京オリンピックが開催される2020年をめどにこのシステムで自動的に採点する技術を確立したいとしています。
富士通の阪井洋之執行役員常務は「体操は、ほかのスポーツにくらべ動きが速く、それを正しく認識するのは大きなチャレンジだったが、やる意義が高いと感じている。今回の技術を使って今後はシンクロやフィギュアスケートなど採点が必要なほかの競技でも活用できる可能性があると考えている」と話していました。
また、デモで演技を行った日本体育大学の選手は「これまでは審判から見えているところを重点的に練習していました。このシステムではごまかしがきかないので怖い面もありますが、より公平に採点が行われるのはいいことだと思います」と話していました。
いよいよAI判定が採点競技の場に登場です。
国際体操連盟の英断です。
もうこの流れは止まらないはず。
人間でなければ判断できない部分はあるとしても、少なくとも技術に関してはAI採点を導入することで、これまでのような、ジャッジの恣意的な判断は排除されることになります。
実際問題として、いくら動体視力が優れていたとしても、1秒にも満たない時間で終わる技を正確に見分けて、全ての選手に平等なジャッジングをするのは人間の能力として無理だと思います。
しかも、フィギュアスケートの場合、現在ジャッジはリンクの一面にだけ並んで、全員が一方向からだけ見ているわけで、死角になる部分もあります。
つまり非常に不完全な判定態勢だと思ってきました。
しかしAI判定導入により、少なくともスケート技術に対するジャッジングは平等になるわけですから、勝者も敗者もわだかまりなく結果を受け入れることができるのではないでしょうか。
ファンとしても、不正なジャッジによる過小評価や過大評価への心配もなく、結果を素直に受け入れることができると思うのです。
しばしば腑に落ちないジャッジングによってイライラしてきた私は、羽生選手が現役の内に、一日も早く国際スケート連盟ISUも国際体操連盟に倣い、AI採点導入に踏み切ってほしいと願っています。
そこで、初めて、「芸術は絶対的な技術力に基づいたものである」という言葉が証明されるでしょう。
gifです。
羽生選手のこんな技術がAI採点でどんな評価が出るのか見てみたいのです。
(過去記事ここまで)
一日も早く、羽生選手の研究が実際のフィギュアスケートの正しい発展と公正なジャッジングに活かされて行きますように。
もう一度、早稲田リポジトリにリンクを貼っておきます。
羽生選手の論文はこちらから読むことがでます。(PDFファイルをクリックして下さい。)
できればプリントアウトしてじっくり読むことをお勧めします。
現在の国際体操連盟(FIG)と富士通のコラボレーションの進捗については、こちらのWEB記事もご参照ください。体操界はスケート界より遥かに進んでいます。
国際体操連盟の現会長は日本の渡辺守成氏です。
いつの日にか、ISUの会長が羽生結弦氏であることを妄想したりして。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2021年04月28日
羽生選手の論文読みました!
早稲田大学リポジトリに、「人間科学研究」に特別寄稿された羽生選手の論文の一部 が公開されています。
早速読ませていただきました。
卒業論文の一部に加筆・修正を行ったものということで、A4用紙で7枚の長さにまとめられています。
卒論は3万字ということでしたから、その5分の1くらいの長さに要約されたものかと思われます。
論文では、現在のジャッジングシステムにおける弱点を指摘し、わずか1秒にも満たないジャンプを目視し、ジャンプのプラス項目6個、マイナス項目20個を瞬時に判断して採点する現在のシステムが、ジャッジに与える負担は計り知れないと指摘し、それを改善するための極めて具体的な提案を行っています。
これを読ませていただいて、常日頃私たちファンがジャッジングに対して疑問を感じ、嘆いていることを、羽生選手も共有していたのだということがはっきり分かり、とても嬉しくなりました。
何年先になるかは分かりませんが、きっと近未来には、羽生選手が指摘したような方法でフィギュアスケートのジャッジングシステムは変わらざるを得ない、また、そうでなければフィギュアスケートのスポーツとしての未来はないと思いました。
おそらく公開された論文はあっという間に各国語に翻訳され、世界中に拡散すると思うので、ISU、日本スケート連盟はじめ関係各所の方々、ジャッジの皆さま、選手の皆さまの間で議論が盛り上がることを期待しています。
是非是非、羽生選手のファンの皆さまはじめ、フィギュアスケートファンの皆さまに読んでいただきたいと思います。
羽生選手が投げた一石が波紋を広げ、やがてフィギュアスケート界の改革に繋がりますように。
早稲田大学リポジトリは一般公開されていて、誰でも読めるようになっています。
羽生選手の論文はこちらから読むことができます。(PDF)
サイトがちょっと重くて開きにくいかもしれないので、プリントアウトしてゆっくり読むのがお薦めです。
論文が読めて、嬉しくて、とりあえずシェアさせていただきました。
本屋さんが閉まってしまい買えなかったAERAもAmazonから届き、いまから記事を読むところです。
論文の執筆者は本当にこの方ですよね
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2021年04月21日
ある意味、挑戦状
引き続き昨日から取り上げている、女性週刊誌の記事について。
これまであまり評判の良くない女性週刊誌が取り上げたことで、センセーショナルな扱いになっているきらいはあるにせよ、
この論文の存在が世の中に明らかにされたのは良かったのではないかなと思っています。
論文は誰かを非難したり、ましてや自分を正当化したりするものでなく、
純粋にフィギュアスケートという競技の近代化とサスティナビリティを図るために書かれたものだということは明らかです。
しかし、ある意味、現在のフィギュアスケートのジャッジングの在り方に対する痛烈な一撃でもあり、
ISUにしてみれば、一種の挑戦状を羽生結弦というトップ選手から投げつけられたと受け取るかもしれません。
羽生選手はもう既に北京オリンピックで3連覇ということにはこだわらず、自分の4回転アクセル完成に集中するつもりなのでしょう。
全て獲るべきものは獲っています。
もう怖いものなど何もないのです。
現役引退を待つことなく、現役のトップ選手から、この論文が発表されたということにインパクトがあります。
引退して過去の人となってからよりも、世界中が認めるバリバリの現役トップスケーターからの挑戦状のほうがインパクトは圧倒的に強いですよね。
しかし、マッシミリアーノさんも言っているように、
これはもうずっと前から明らかな事実だったわけで、
今回、羽生選手が勇気と正義感をもって、卒業論文という機会に明文化したということです。
It has long been clear that the human eye is not enough to evaluate the rotations of the jumps and much more because the margin of error is too high.
— Massimiliano Ambesi (@max_ambesi) April 20, 2021
The future is inevitably called high technology applied to figure skating.
"Someone" explained this and more in a degree thesis pic.twitter.com/FyAdUCGn7v
人間の目では多種のジャンプの回転数を評価するのに十分ではない事は長い間明らかなことでした。
さらにそれにも増して人間の誤審の可能性が高すぎます。
将来は、必然的にフィギュアスケートに適用されるハイテクノロジーが必要とされます。
「ある人」が、このこと及びそれ以上のことを明白に学位論文で説明しました。
論文のタイトルは
「無線・慣性センサー式モーションキャプチャシステムのフィギュアスケートでの利活用に関するフィージビリティスタディ」
(フィージビリティ=実行可能性)
英文の要旨も付いているし、一度公表された論文が読めるのも、また早速英訳されて、世界中に拡散するのも、時間の問題でしょう。
早く全文を読みたいですね!
来シーズンはどんなことが起こるのか、スリリングな展開になってきました。
どんなことが起こったとしても、羽生選手に絶対の信頼を置いて応援します。
明日は『NumberPLUS』を読むのが楽しみです。
そして明後日23日にはスターズ・オン・アイスのライブ放送もありますね!
全てTBS・チャンネル2(CS)です。
◆横浜公演
今月4/23(金)午後1:55〜午後5:00[2日目公演]
4/24(土)午後0:55〜午後4:00[3日目公演]
来月5/8(土)午後9:00〜深夜0:00[2日目公演][録画]
5/8(土)深夜0:00〜深夜3:00[3日目公演][録画]
◆八戸公演
今月4/30(金)午後1:10〜午後4:15
来月5/29(土)深夜0:00〜深夜3:00[録画]
1日だけの横浜公演のリセールチケットを手に入れたので、結弦くんに会えるのがとっても楽しみ
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2021年01月30日
「苦労」について
今日ポストに届いた「西北の風」
ニュースアーカイブ2020に羽生選手のスーパースラム達成が掲載されていました。
「本学卒業生」の羽生結弦選手となっています。
もし大学院に進学したら、「本学大学院生」の羽生結弦選手となりますね。
研究を続けてくれたら嬉しいな。
裏表紙の「大隈のことば」
「苦労」について
苦労することを恐れて安逸をむさぼりたいと
思うからこそ、少しのことに泣き言が
いいたくなるのである。
苦労を楽しいものと思ってみると、
苦痛さえ増せば却って働き甲斐があって
嬉しいいわけではないか。
ー大隈重信演説談話集よりー
難しければ難しいほど、苦しければくるしいほど、
それを乗り越えることは嬉しいことになる。
羽生選手も練習をこんな風に捉えているんじゃないのかな。
世界選手権開催されるようですが本当に大丈夫なのでしょうか。
国際スケート連盟(ISU)は29日、22年北京五輪シーズンのフィギュアスケート・グランプリ(GP)シリーズ日程を発表しました。#Figure365 #フィギュア365 #日刊スポーツhttps://t.co/hZsfSrB1yb
— 𝓕𝓲𝓰𝓾𝓻𝓮𝟹𝟼𝟻 (@figure365) January 29, 2021
GPシリーズの日程、場所は以下の通り。
◆第1戦スケートアメリカ(21年10月22~24日、開催都市未定)
◆第2戦スケートカナダ(10月29~31日、バンクーバー)
◆第3戦中国杯(11月5~7日、重慶)
◆第4戦NHK杯(11月12~14日、東京・国立代々木競技場)
◆第5戦フランス杯(11月19~21日、グルノーブル)
◆第6戦ロシア杯(11月26~28日、モスクワ)
◆GPファイナル(12月9~12日、大阪・東和薬品ラクタブドーム)
さらに、中止された北京冬季五輪のテスト大会は、アジアンオープントロフィーとして10月13~17日に北京で実施されます。
パンデミックはまだまだ収まらず、来シーズンのことは五里霧中といったところだけれど、
羽生選手はいつ大会があっても万全の状態で対応できるように準備しているんだろうな。
今日の宮城県の新規感染者23人、東京769人。
緊急事態宣言は3月7日まで延長されるようです。
どうか健康で過ごせていますように。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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2020年11月10日
それは終わりではなく始まり
西山真瑚くんのインスタグラムより:
早稲田大学広報誌に載っていました。
自分も勉強頑張らないとっ!
「羽生先輩」という呼び方がなにか新鮮な感じ。
真瑚くんは羽生選手とクリケットクラブでも一緒、大学も一緒。
これからもスケートも勉強も頑張って!
羽生先輩は卒業までに時間をかけた分、とりあえず単位を取って卒業すればいいというのではなく、
自分にとって本当に役立つ勉強をしてきたのだと思います。
羽生選手の中では、これから先の人生の中で、大学での勉強や研究を有意義に役立てて行くプランも、既にしっかりでき上っているのでしょうね。
念願の4回転アクセルを実現した後は、フィギュアスケートに関する研究をしながら、
同時に新しいタイプの指導者としての道を切り開いていくのではないのかな。
そんな予感がします。
卒業を機に、羽生選手の未来が限りなく広がっていくようで嬉しいです。
羽生選手のインタビューを読んで、仮に羽生選手が現役を引退する時が来ても、
それは終わりではなく、始まりなんだと確信が持てました。
つまり、これからもずっと応援することができるということです。
でも、年に何回かはアイスショーにも出演して、私たちを喜ばせるのも忘れないでね。
羽生選手のインタビューについては、昨日の記事「未来に向かって」に書きました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2020年10月21日
紫と緑と10月21日
松原孝臣さんによる伊藤聡美さんの記事を読みました。
一部だけ抜粋引用させていただきました。
羽生結弦の難題にも応えるデザイナーの底力
フィギュアスケートを彩る人々(第3回)
文=松原孝臣 写真=積紫乃
華やかだけではない男子フィギュアの衣装
フィギュアスケートは音楽を用いた作品としての芸術的な領域と、順位を競うスポーツの両面を備える。フィギュアスケートがアートスポーツであるゆえんである。
選手それぞれに、濃淡はあっても意識はしているだろう。その中でも、伊藤がこう語る選手がいる。
「フィギュアスケートがアートスポーツであることを理解されていて、自身の美学があるなと感じます」
羽生結弦である。
「単純に華やかなのではなく、世界観が表れる衣装にしてほしい、とは言われています。羽生さん自身、自分に似合う衣装のイメージを持っていると思います。フィッティングのときにも、『もっとここをキラキラさせてもいいと思います』と意見を言ってくださる」
同時に、競技の流れにも対応していかなければならない。近年、フィギュアスケートにおいて目立った動きの1つが、男子における4回転ジャンプの増加だ。衣装にもその波は押し寄せた。
「『できるだけ軽くしてほしい』という要望は年々、強くなっていますね」
選手はすぐ「前の衣装よりも軽いです」と気づくという。
急な依頼に応えた『SEIMEI』の衣装
羽生と言えば2019-2020シーズン、今年2月に開催された四大陸選手権を前に、プログラムを変更した。フリーは平昌五輪での演技で一般の人にも広く知られる『SEIMEI』を再び用いたのだ。
伊藤にとって4着目※の『SEIMEI』の衣装だった。
※2015-
「『SEIMEI』の衣装は、今まで作った衣装の中でもパーツ数がとても多い。あの難しい衣装を、ひと月もないくらいで作らないといけない。とにかく、必死でした」
「襟の部分を黄緑にすることと、ボルドーとゴールドの石を」というリクエストを受けつつ、伊藤は見事、急な依頼に応え完成。無事、大会に間に合わせた。
製作においては、羽生はカナダにいるので、仮縫いなしで進んだ。
「体型は変わっていないでしょうから、その点も大丈夫だろう、と」
自己管理の徹底した羽生だからこそのエピソードだ。何年も、羽生の衣装を担当してきて、今、こう語る。
「羽生さんの求めているものの120%くらいになるようにと思って、納得するものを作るという気合で作っています」
フィギュアスケートはアートスポーツである。伊藤はかねがね、そう語る。そして羽生もそれを深く理解する。そこにはきっと、お互いに相通ずるもの、共感もある。
(引用ここまで。)
記事全文はこちらから是非お読みください。
羽生選手が音に対して大変繊細な神経とセンスを備えていることは勿論ですが、色彩に関しても大変に敏感で、自分のセンスにこだわりが強いなという印象があります。
私の中では、羽生選手の衣装の色はブルー、ホワイトがベースで、+紫・緑・ゴールド というイメージなのです。
特に大切なオリンピックシーズンの衣装は、ソチのSP「パリの散歩道」がブルー、
FS「ロミオとジュリエット」がホワイトに赤紫と緑のストーン。
そして平昌ではSP「バラード第1番」のブルーのグラデーション、
FS「SEIMEI」のホワイトに紫と緑の襟元と袖口の色使い。
この記事で初めて知ったのですが、四大陸の「SEIMEI」の衣装の装飾もボルドーとゴールドの石でという、羽生選手からの注文だったのですね。
確か最初は黒とゴールドの石だったように記憶しています。
襟の色の重ねも、かなり細かい注文が出ていたようです。
色相環で見れば、紫と緑は正反対の色同士の補色関係となり、一番インパクトの強い組み合わせになります。
スーパースラムを達成した四大陸選手権のSEIMEI衣装は、この図の7番と17番の組み合わせですね。
ソチのロミオとジュリエットは10番と20番くらいでしょうか。
確か、緑とピンクがラッキーカラーだと、どこかで言っていたように思います。
その延長線上で、紫系統と緑系統の組み合わせを選ぶというのもあるのかもしれませんね。
オリンピック以外でも、
2016-17シーズンのSP「レッツ・ゴー・クレイジー」のパープルと、
FS「ホープ&レガシー」のエメラルドグリーンとか、
2019-20シーズンのSP「Otonal」のブルーと「Origin」の紫とか、
衣装のカラーへのこだわりはフィギュアスケート界一だと思います。
そのこだわりを120%実現させようという気合で創って下さる伊藤聡美さん、本当に、文字通りの「有難い」存在だと思いました。
伊藤さんの記事、第1回、第2回も面白かったので、よろしければ是非お読みください。
さて、最近では毎日が〇〇の日みたいですが、
今日は結弦くんの母校、早稲田大学の創立記念日です。
1882年(明治15年)10月21日、校歌にも謳われている「学の独立」の精神を宣言し、東京専門学校として開校ました。
例年なら色々なイベントもありますが、今年はこの状況で、寂しい創立記念日になってしまいますね。
しかし今は、特に「学問の独立」が危うい風潮もありますので、早稲田大学頑張って欲しいです、
10月21日は他にも歴史に残っている日でもあります。
奇しくも第2次世界大戦中の1943年10月21日は、東京の明治神宮外苑競技場で出陣学徒壮行会が行われた日でもあります。
学業を中断させられた20歳以上の文科系の学生7万人が大雨の中でびしょぬれになって行進するというなんともやりきれない映像は、多くの方が見たことがあるのではないでしょうか。
そして1967年10月21日は、米国のワシントンD.C.で10万人以上の人々がベトナム戦争反対デモ(ペンタゴン大行進)を行った日でもあります。
同時にヨーロッパ各国や日本でも大規模な反戦デモが行われました。
それに因んで、日本では10月21日は国際反戦デーとも呼ばれています。
そのベトナム戦争での米兵の死者はおよそ6万人でした。
今。米国のCOVID-19による死者は22万人を超えています。ベトナム戦争時の4倍近くなっています。
そしてまだまだこの数は増えて行くでしょう。
ヨーロッパでも、南米でも第2波、第3波が押し寄せてきています。
そう考えると、私たちは国を越えて、このウィルスとの戦いに立ち向かうしかありません。
私にできることは、自分が感染しないようにすることだけなのですが、
一日も早く、有効な治療薬とワクチンが開発されるよう毎日祈っています。
そして、やがて何の心配もなく、結弦くんの夢のように美しいスケートに再び浸れる日が来ますように。
その日まで、結弦くんが4回転アクセルの完成を目指して、健やかに幸せに過ごせますように。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2020年04月24日
学業はいつでもできるけれど
このところ新学期シーズンのせいなのか、スケート選手の学校や学業に関するニュースをよく見かけます。
イェール大学に通うネイサン・チェン選手がコーチの資格を取ったこともニュースになっていました。
20歳のチェン、コーチに? 練習自粛中に資格取得―フィギュアスケート
JIJI.COM 2020年04月22日16時34分
フィギュアスケートの世界王者、弱冠20歳のネーサン・チェン(米国)が新しい試みに挑んでいる。新型コロナウイルスの感染拡大で氷上練習ができない中、コーチ資格の認定を受けた。米国協会公式サイトのインタビューで明かした。
3月の世界選手権が中止になって、すぐに思い立ったという。米国協会が全コーチに義務づけているプロスケーター協会の試験を「100%(満点)」でパス。これまでも米コネティカット州のリンクで子供たちと接していたが「資格を認められたからコーチとして教えられる」と意気込む。
新型ウイルスの影響を受けても「このパンデミックで後退させられているが、別の方法で物事を研究できる」と前向きに捉え、コーチングへの興味を「より知的に関与させてくれる」と話す。
スケーターとして次のシーズン、さらに2年後の北京五輪を見据えている。エール大学の春学期がオンライン授業になったため、シーズン終了後は自宅に戻った。体幹や臀部(でんぶ)の鍛錬に力を注いでいる。
今はリンクから遠ざかっているが、不安はないという。股関節を負傷した4年前を振り返って「5カ月も離脱したが、復帰して新たなジャンプも加えられた。あの時も五輪まで2年あった。他の方法で実りが多ければ、氷に乗れないことはそれほど心配していない」。
アクセルを除く5種類を決めた4回転ジャンプのうち、ループは練習でも苦しみ、試合でしばらく決めていない。「できる限り、再び取り組みたい」と課題克服に意欲をみせた。(時事)
現在フィギュアスケート男子シングルをリードする羽生選手とチェン選手。
二人は共に学生でもあります。
羽生選手は早稲田大学人間科学部eスクールに所属し、
チェン選手はアイビーリーガーの一角であるイェール大学に通学しています。
カナダと日本を行き来する羽生選手がeスクールを選んだのは賢明な選択だったと思います。
羽生選手は2013年に入学したので、8年以内の卒業を目指すならば来年3月がリミットとなりますね。
練習、試合、アイスショー、様々な仕事、それらと並行して学業もこなしていくのは大変なことでしょう。
今、それらが全て止まることで手にした時間を有効活用して猛勉強中かもしれないですね。
しかし、勉強はいつでもできることです。
本当に自分にとって必要と思えば、30歳であれ、40歳であれ、50歳であれ、いつでも学ぶことができます。
一方、フィギュアスケート選手であることは、30歳、40歳、50歳になってからでは不可能です。
ですから羽生選手が今、学業よりもトップスケーターとしての立場を優先させているのは全く正しいのです。
実際、フィギュアスケートに関しては、既に早稲田大学から名誉博士号を授与されてもいいくらいの研究を積んでいると思います。
チェン選手はかつて医学部に進んで医者になりたいと言っていました。
その後は統計学に興味を持ったり、ISUに入りたいとか、そして今回はコーチ資格と、色々なことに興味をお持ちのようです。
その反面、羽生選手はブレることなく徹頭徹尾フィギュアスケーターとして全うしようとしている人です。
自分は「フィギュアスケートのために生まれてきた」と言うくらいです。
結局言えることは、
羽生選手にとって、スケートは人生の全てを捧げても悔いのない唯一のもの。
チェン選手にとって、スケートは人生の他の多くの選択肢の中の一つ。
その差が私たちが感じる熱量と磁力の差になって表れているいるのではないでしょうか。
私たちは、スケートに向かう気持ちの純度の差みたいなものを感じるのではないのかな。
どちらが良いと言える問題ではないけれど、
引力と言う意味では、羽生結弦に勝る選手は現在見当たらないと断言できます。
早稲田大学人間科学部人間情報科学科には、先輩である羽生選手を追うように、
次々とスケーターが入学しているようです。
早稲田大学スケート部フィギュア部門公式Imstagramより
西山真瑚選手も
島田高志郎選手も
いずれ佐藤駿選手も入学してきそうな予感!
最後に、3.11の後「東北ユースオーケストラ」を編成し代表・監督を務める坂本龍一さんの記事です。
坂本龍一に清志郎が警告していた コロナ危機「その後」
https://digital.asahi.com/articles/ASN3W5STRN3VUCVL002.html?pn=7
こういう視点も大切かなということで、お読みいただければ幸いです。
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2018年09月27日
西北の風に吹かれて
時として、23歳とは思えないような王者の風格を見せつけたりする羽生選手ですが、確かに23歳の大学生でもあるわけです。
在学中の早稲田大学の校友広報誌『西北の風』最新版のニュースアーカイブ2018ではスポーツ部門のトップニュースとして取り上げられています。
鎌田薫総長の祝辞
羽生結弦選手の国民栄誉賞を心よりお祝い申し上げます。
早稲田大学初の在学中での国民栄誉賞受賞の快挙を心から嬉しく思います。
羽生選手の活躍は、全国の早稲田大学関係者、早稲田ファンをおおいに沸かせてくれただけでなく、スポーツの枠を超えて日本国民に大きな希望を与えてくれました。
今後も、限界に挑み続ける早稲田魂を発揮し、より一層の活躍を期待したいと思います。
また来年3月には『早稲田アリーナ』も完成予定で、この中にはスポーツミュージアムも併設されるので、羽生選手に関する展示もされることでしょうね。
彼ならきっといつの日か母校で学生達に自分の経験を伝える立場にもなれるでしょう。
いつか世界を回って自分の経験を伝え、アスリートを助ける講師になりたいと語っていた羽生選手の未来像が実現するといいなと思っています。
そんな未来像を心に描きながらも、今は世界一のスケーターとして、私達をもうしばらくワーワーキャーキャー言わせて下さい。
それもなるべく長い間ね!
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