今日の新聞より*メゾンコーセー銀座Conquest of Paradise

2023年03月24日

結弦という名の日本の青年




さいたまスーパーアリーナで世界選手権が開催中ですが、それはさておき、

今日は、大変お忙しい中で、Nympheaさんが翻訳してくださった
イタリアのポッドキャスト「SalottoBianco(白いサロン)」の中で語られたマッシミリアーノさんの現在のフィギュアスケート界に対する提言を皆さまとシェアさせていただきたいと思います。

私たちの多くが思っていることを忌憚なく語ってくださいました。

一部だけ引用させていただきますが、全文は是非、Nympheaさんのブログ「惑星ハニューにようこそ」でお読みくださいね。
 


一人の名前の挙げるのは難しい。
イリヤ・マリニンは怪我でボロボロにならない限り、いずれ試合で6種類全ての4回転ジャンプを成功させるだろう。どうやらこれが今後のシナリオのようだ。6種類の4回転を跳べる選手を負かすのはライバル達にとって困難だ。現在のルールでは。
2026年も今と同じルールかどうか僕には分からないし、僕が知り得ることではないけれど、間違いなく、フィギュアスケートは何か変えなければならない。
何故か?
羽生結弦が日本で公演を企画したら、チケットは完売する。4万人がチケットを購入して観客席を埋め、同じく4万人が映画館に押し寄せる。配信を見るために会員登録した人の数は計り知れない。
一方、グランプリは試合会場のアリーナをどんな手段を使っても埋めることが出来ない。
この事実は明らかに問題が存在することを示している。

おそらく問題の原因が何なのか理解すべきだろう。
羽生の偉大さは全く議論の余地がない。それを認めない者はその人の器の問題だろう。世の中には未だに地球平面説を信じている人もいるぐらいだから、羽生の偉大さを認められない人もいるのだろう。
しかし、彼はあるタイプのフィギュアスケート道を広めようとしたアスリートだ。選手時代も、今も。今も彼はアスリートだけれど、プロでパフォーマーだ。何故なら彼が主役の公演を作っているからだ。人々が試合より、彼の公演に関心があることはこれまでの傾向に反する異例の事態だ。これまでずっと競技を見てきた人が、羽生のショーの方に魅了されるというのは、非常に特異なことだが、省察すべきことだ。
ISUが推し進めているフィギュアスケートの概念では勝ち目がないということだ。羽生のフィギュアスケートの概念の方が、バランスが取れていて、人々を夢中にさせる。注意してもらいたいが、羽生は4回転ジャンプで記録を樹立したスケーターだ。それも一つではない。史上初めて4ループを成功させただけでなく、後半における4回転ジャンプについても最初に記録を作ったのは彼だ。後半の4回移転ジャンプの数やその他色々なことについて。彼がそのキャリアにおいて、4回転ジャンプをアドバンテージとして活用したのは明らかだ。しかし、常に物語や振付の中に組み込まれたジャンプだった。ジャンプが自動的にプログラムで唯一目を引くエレメントになる訳ではない。何故なら、ジャンプは物語全体の一部だからだ。これが今はもう見られないことなのだ。




観客や視聴者が、現在のフィギュアスケートではなく、羽生のフィギュアスケートに惹かれるのなら、関係者はこの状況について自問自答すべきだろう。
僕は羽生は様々な理由からもう競技に戻ってくることはないと思う。彼の判断は正しい。
彼ももうすぐ30になるし、獲るべき全てのタイトルを獲り、このスポーツの歴史を塗り替えた。そして今この瞬間、羽生はフィギュアスケート競技より強い。この点において疑う余地はない。羽生の追求するフィギュアスケートの概念は、フィギュアスケート競技のそれではない。
もし僕がISU会長なら、この状況を省察するだろう。長年居座っている幹部も一掃するだろう。
そして羽生のところへ行く。
そして彼にこう言う。
「我々は問題に直面しています。僕は新入りだけれど、問題があることに気が付きました。一緒に解決してくれませんか?
つまり、再び魅力的な競技に戻すために、このスポーツが進むべき道を見つけるために、我々を助けてくれませんか?どうか我々があなたに対してこれまでやったことは忘れて下さい!」
ISUはここ数年間、彼に対してありとあらゆることをしでかした。もしルールが尊重されていたなら、幾つかの大会の順位は変わっていた。羽生の順位も変わっていた。

「でも結弦、全てを水に流して我々を助けてください」
これがISU会長のやるべきことだ。しかし、決してそうはしないだろう。何故なら、彼を取り巻く人物達が別のことを吹き込むからだ。




トリノのグランプリファイナルに立ち会った人は・・・昨年のファイナルじゃない、その前の(2019年の)トリノファイナルだ。パラヴェーラに入るために並ぶ人々の数キロに及ぶ行列を覚えているはずだ。町中の至る所に羽生を応援するためにやって来たファンがいた。今はもうそうではなくなった。


B22F9A92-DD30-4478-A198-F320AAF46DA0



僕は誰かを批判している訳ではないし、批判するのが目的ではない。僕はもはや別の次元にいる。闘いの時代は終わり、もうその価値もない。しかし、責任ある立場の者が視界を広げ、何らかの措置と講じるべきだという結論に至る時が来ている。
このフィギュアスケートを救い、信頼性を取り戻すためにやるべきことはただ一つ。
結弦という名の日本の青年の元に赴き、玩具の鍵を彼に渡すべきだ(フィギュアスケートの未来を彼に委ねるべきだ)。
「我々には無理だった。貴方がやって下さい。我々はあなたの指示に従います」と
「もしフィギュアスケートが左に進むべきなら、我々は貴方と共に左に進みます。しかし、貴方が決めて下さい」
これが現在、実現可能な唯一の道だと思う。
これは選手に対する批判ではない。選手達は朝5時に起床し、血の滲むような努力をしている。
これは無数の問題から生まれた客観的な考察に発する議論だ。
ルール、その適用方法、そして多くのジャッジの能力、このスポーツにおけるテクノロジーの欠乏



ジャンプの回転やレベルの獲得に必要不可欠なスピンの回転数は特別に開発されたソフトウェアによって計算されるべきだ。
全てのスポーツでこのシステムが採用されているのに、フィギュアスケートでは2023年現在、回転数やエッジの傾斜を判断出来るソフトウェアが何故存在しないのか理解出来ない。
完全に回り切ったら基礎点が入る、1/4足りなければマイナスX、半回転足りなければDG、つまり4回転は3回転にダウングレードされる。
このように判定すべきだ。
人間の目で判断すべきではない。
人間の目はエレメントのクオリティや演技構成点を判断しなければならない。




僕が求めているのは公正さと正確さだ。
羽生はこのテーマについて卒業論文を書いた。彼の論文を活用しようじゃないか。
だから彼を呼び、彼に参加してもらって解決策を模索すべきだ。




マッシミリアーノさんでなければできない真っ当な提案です。

本当はこのように考えている人は私たちファンも含めて、世界中に沢山いるのだと思います。

しかしそれを許さない、大きな権力や利権が存在しているのでしょう。


ただ、歴史は人間の思考をはるかに超えて動くこともあります。
だから、いつの日か、結弦という名の日本の青年の夢や理想が叶う時代が絶対に訪れないとは言い切れないと思うのです。

それが何年後か、何十年後か、何百年後かだとしても。
願わくば生きているうちに見たいものです。

マッシミリアーノさんと共に、そして結弦くんと共に、希望と夢は持ち続けたいと思います。




エレナさんが作成してくださった日英字幕付きの動画も既に上がっています。



貴重な翻訳動画を上げていただき、心より感謝いたします。




お読みいただきありがとうございました。

人気ブログランキング
ブログランキングに参加しています。

【最近の記事】
今日の新聞より*メゾンコーセー銀座
清塚さん#テレビで見るよりカッコイイ
World-SOI-FaOI
拝啓 羽生結弦様
星の王子様と氷の王子様
久々のKISS &CRYと宇都宮直子さんの記事



スポンサーリンク


withgoldenwings at 14:58│羽生結弦 
今日の新聞より*メゾンコーセー銀座Conquest of Paradise