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2022年12月03日

羽生結弦のスピーチ力



昨日のプロローグ八戸公演初日は素晴らしかったという、行かれた皆さまのレポ、たくさん読ませていただきました。
八戸はかなり寒かったようですが、羽生選手とファンの熱い気持ちで会場は満たされていたと想像します。

昨日はまた、第70回菊池寛賞贈呈式もありました。

都内で行われた贈呈式には羽生選手はもちろん出席できなかったのですが、ビデオで受賞スピーチが流されました。






マイナビニュースが書き起こしをしてくれています。
以下、羽生選手のスピーチ全文です。


「私の人生は28年弱になりますが、そのほとんどが夢への道でした。希望と絶望の連続でした。4回転半ジャンプを習得しようとする前は、オリンピックの連覇が夢でした。スケートを始めたのは4歳の頃でしたが、始めてまもなく、オリンピックのメンバーを夢見て、過ごすようになりました。

 オリンピックで勝つためには、4回転ジャンプを成功させなくてはなりませんでした。4回転ジャンプの前は、トリプルアクセルや3回転ジャンプ、その前には2回転ジャンプや1回転ジャンプがありました。それら一つ一つが目標であり、夢でした。今だと1回転ジャンプなんてとても簡単そうと思われるかもしれませんが、毎日の練習の中で、成功する日も失敗しかない日もありました。むしろ失敗の日の方が多かったように思います。やっとできるようになったと思ったら、その10秒後にはもうできなくなっていて、それから10日以上も成功しない日もありました。

 4回転ジャンプでは1カ月に1回成功するかしないかという時期もありました。成功すれば、また失敗する。失敗を繰り返して、その果てに成功が待っているのかと言われたら、それだけではありませんでした。実際は失敗しかないことのほうが、多いように思います。失敗してもまた失敗しに行く。それを繰り返して、それでも諦めずに何度も挑みました。

 私はオリンピックの連覇という夢をかなえました。そして私は、オリンピックで4回目半ジャンプという夢を、つかみ取ることができませんでした。そのとき私は、報われない努力もあるということを感じました。そして、今までの努力の日々は無駄な日々だったと思いました。夢はかなうわけではありません。努力は実るわけではありません。頑張ったところで、夢がかなう人は、本当に限られた人だけです。社会の理不尽によって、諦めることもあると思います。自分自身を守るために、諦めることもあると思います。期待される夢も、期待されない夢も、誰にも伝わらない気持ちも、誰にも届かない日々も、ただ同じように過ぎ去っていく日々も、ただ苦しみを味わい続ける日々もあると思います。夢がかなったと思われている人も、きっとその夢のために、諦めて捨ててきたことばかりだと思います。

私の人生は、たくさん選択の連続でした。その選択が全て正解だったかどうか、分かりません。どんなに悩んで考えたとしても、選択肢には、するか、しないかしかありません。その2択の積み重ねで選ばれてきた今が正解なのか、不正解なのか、分かりません。ただ私は、その全ての選択に意味を持たせたいと思っています。たとえその選択によって失敗したとしても、ケガをしたとしても、何かを得ては失うばかりの日々に、意味を持たせようと思ってきました。そのときには意味がないように思えたとしても、いつか振り返ったときに、意味があったんだと思えるように生きていきたいと思っています。

 挑戦はまだ続きます。まだまだ続けます。これから先の選択もたくさん迷い、悩むと思います。この選択があったから、未来もあるんだと思えるように、今を選び続けます。このたびは、本当にありがとうございました。これからもより一層頑張り続けます」


人は誰でも、その時その時、ベストだと思う選択を重ねて生きています。
でも、そのベストだと思った選択が、正解ではないことの方が多かったりします。
たとえ思ったような結果が得られなくても、未来から振り返った時に、その自分の選択には確かに意味があったんだと思えるように今を生きていくという、素晴らしいメッセージだったと思います。


まだ羽生選手が19歳だったころの上月スポーツ賞受賞記念スピーチを思い出しました。




スピーチをする羽生選手はその内容も素晴らしいけれど、その佇まいもとても美しくて、
スケートをしている時と同じくらい素敵だなと、いつも思います。


アスリートの中で、羽生選手ほどのスピーチ力、言葉の力を持っている人はいないでしょう。




12月5日(月)発売の羽生選手が表紙のAERAの特集は、たまたまだと思いますが「言葉の力」となっています。

羽生選手が記事の中に登場するわけではないようですが、”「言葉の力」が人生を動かす”って、羽生選手のことかと思ってしまいました。

実際、羽生選手の「言葉の力」は抜群で、
そしてそれが羽生選手のもう一つの大きな魅力の源泉だと思います。

 

蜷川実花さん撮影の今回の表紙も素敵です。

AERA 12月5日



私はあまり作り込んだ写真よりも、こういう自然体の羽生選手の写真がむしろ好きなので、丁度ライブヴューイングの日に、手に取るのが楽しみです。


八戸公演初日、全てのプログラムでノーミスだったそうですね。

2日間連続で、ワンマンショーをこなすのは大変なことだと思いますが、どうか今日も万全の状態で臨めますように。



お読みいただきありがとうございました。

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withgoldenwings at 03:39│羽生結弦 
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