2022年07月20日
独立記念日ーさらばISU
昨日の会見を聴いて、結弦くんの晴れ晴れした顔を見て、これは引退ではなく新しい出発なのだということはとてもよく理解できました。
「引退会見」ではなく、「決意表明」として行われたことでも、それは始まる前から暗示されていました。
競技スケーターを辞めることについて「寂しさは全然ないです」。
その疑問はやはり私の中に残っています。
今年のISU総会で、演技構成点から「トランジション」と「音楽の解釈」が削除されたのは6月初旬のことでした。
その後フィギュアスケートの新シーズンが始まり、日本スケート連盟(JSF)のホームページに各選手の新シーズンの抱負が掲載されたのは7月初旬です。この時点ではまだ結弦くんからは何の反応もなく、ファンのほとんどは今シーズンも競技続行だと信じていたのだと思います。
もしも結弦くんがずっと前から先シーズンを最後に競技スケーターを辞めようと決めていたのならば、おそらく新シーズンが始まる前にそれを宣言していたのではないでしょうか。
やはり今回の決定は、ISUの新ルールの決定を見て、結弦くんはISUに最終的な見切りをつけたのではないかと思うのです。
新ルールには結弦くんが初めて試合に取り入れて成功させた4T‐3Aのようなジャンプシークエンスの点数が100%与えられるようになったというポジティブな面もあり、もしも結弦くんが競技を続行すれば試合では相当有利になることも想像されていました。
そしてFaOIの期間中の発言でも、新シーズンへの意気込みともとれる発言もありました。
しかしFaOI最終日に、舞台からリンクへ上がるという今までにない演技の後、涙ぐみながらこれまで「自分に封じてきた行為」と語った結弦くんを観て、何か結弦くんの心の中で起こっていることを察した方も多かったと思います。
そして今回の「決意表明」で競技生活の打ち切りという決定に至った道筋には、ISUのフィギュアスケートから芸術的な側面を切り捨てていく姿勢に最早耐えきれない、許せないという思いがあったのではないのでしょうか。
私にはそう思えてなりません。
「これからの競技フィギュアスケート界っていうのがまたルールが変わったりして、毎年ルールがちょっとずつ変更あるんですけど、これからルールが変わったり、またいろんなことがあるかもしれないですけど、僕は僕の、僕が大好きだった時代の僕が追い求めている理想の形のフィギュアスケートをさらに追い求めたいなって思ってます」
結弦くんはISUの支配するフィギュアスケートを脱出して、ファンと共に新しい王国を創ろうとしているんだなと思いました。
結弦くんのファン層は世界中でとてつもなく厚くて、フィギュアスケートはもちろんのこと、音楽、バレエ、ダンス、演劇など、各ジャンルの専門家が多数いて、ある意味ISUのジャッジよりもずっと厳しいジャッジです。でも、結弦くんにとっては、不正、忖度、曖昧、説明不能が常態となっているISUジャッジの判定よりも、そんな新しいジャッジの前で滑ることが新しい大きな希望になっているのかなと思うのです。
「なんか人一倍、みなさんに応援していただけるからこそ力があったりとか、応援の力があるから僕はうまくなってるだけなんだなってすごく思ってます」
「正直、僕の心の底からの今の気持ちは『どうかこれからも期待してやってください』っていうのと、『どうかこれからも見てやってください』っていう気持ちが自分の本音です。 ここでありがとうございましたじゃないっていうのは正直自分が一番思っていて、全然終わらないので。引退でも何でもないので、こっからさらにうまくなるし、さらに見る価値があるなって思ってもらえるような演技をするために努力するので、これからもどうか応援してやってください」
そう思うと、私たちファンの責任も今までよりも、もっともっと重大になりますね。
7月19日は、結弦くんの新しい王国の独立記念日となりました。
結弦くんがこれまでで一番心からの幸せを感じながら滑ったであろう、
平昌のGALAプログラムを。
金色の翼で羽ばたく永遠のスワンに祝福を。
お読みいただきありがとうございました。
フィギュアスケートランキング
ブログランキングに参加しています。
【最近の記事】
・会見動画と一問一答書き起こし
・より高い新たなステージへ
・羽生選手明日17時記者会見
・Pattinaggio Artistico 芸術的スケート
・再びの『みやびやかな一刻』
スポンサーリンク
withgoldenwings at 10:54│羽生結弦 | ISU(国際スケート連盟)