2022年07月04日
純真な心と孤独
GQに連載中の【田口有史が語るスポーツ名場面 Vol.21】は、
羽生選手の『レゾン』について。
【フィギュア・羽生結弦】
— GQ JAPAN (@GQJAPAN) July 1, 2022
フォトグラファー 田口有史が切り取った名場面を✓ https://t.co/nL7P5wTahC#羽生結弦 #yuzuruhanyu pic.twitter.com/A6v4ROqWKd
観る者、撮るものを惑わす、求道者なのか?ーーー
4週に渡ってオフィシャルカメラマンとして撮影した「ファンタジー・オン・アイス 2022」が終わった。折り返しとなる神戸公演からは宮川大聖の「レゾン」によるプログラムを披露した羽生結弦選手。初見の神戸公演ではどのように解釈して撮影すべきか戸惑ったのが正直なところだった。
神戸公演、そしてそれにつづく静岡公演を終えたいま、その答えが出たのか問われると、残念ながらまだよくわからないのが本音だ。指先まで意識して両手両腕を使った振り付け、左手を抱えるようにして最後は右腕を捲り上げるフィニッシュ。

この振り付けのあたりが、「レゾンデートル」、つまり存在意義、存在理由を求める内面の葛藤を表現しているのか。想像の域を出ない。
そしてひとつの結論にたどり着いた。
このプログラムは、誰かの解釈に依るものではない。それぞれの感性に従って素直に羽生選手の舞いを見て、その意味をそれぞれが受け止めたらいい、と思うに至ったのだ。
公演期間中に正解を導き出すことを諦めたぼくは、観る人にとって解釈のきっかけになりそうなシーン、そして、自分が純粋にカッコ良いと思った瞬間を狙って撮影することになった。
羽生結弦選手をはじめ、多くの魅力的なスケーター、アーティストによって繰り広げられた、魔法のような時間「ファンタジー・オン・アイス 2022」は無事にエンディングを迎えた。運営会社の「CIC」、そしてオフィシャルカメラマンの田中宣明さん、能登直さんの協力を仰ぎながら、全行程をフルで撮影できたことに改めて感謝したい。スケーターたちの素晴らしいパフォーマンスを撮影することができて、本当に光栄だった。そして、ぼくが撮影した写真を見た方々それぞれに、再び魔法の時が訪れたら幸いだ。(完)
衣装の右側の純白はピュアな『純真な心』を、左側の濃い紫は『孤独』を表現したものだと、羽生選手はインタビューの中で語っていました。
プログラムの最後に右袖を肩まで捲り上げて、その白い素肌を見せつけるように去って行った姿が何を意味していたのだろうかと、今でも定かではありません。
純白な衣装の中に包まれている本当の自分、それが僕の『レゾン・デートル』なんだよという暗喩だったのか。
ところが、それに続いて演じられた『ダムパリ』を滑り終えてリンクを去る間際には、今度は紫色の左袖を捲り上げて、左腕を肩までさらけ出していたのです。
両方合わせて考えると、「本当の自分の存在理由を露わにすることで、孤独からも脱出できるのだ」というふうに読めるのではないだろうかと思いました。
考え過ぎなのかもしれませんが、この衣装が「その『孤独』とピュアな『純真な心』の葛藤とかせめぎあい」を表現していたのだとしたら、そうとも考えられるのかなと思います。
カンテレドーガの映像の中のインタビューで、羽生選手のプログラムに込めた想いが語られています。32:28くらいから。
見逃し無料配信は今日7月4日23:59までですが、
BSフジでも放送されます。
7月10日19:00~20:00
羽生結弦選手独占インタビュー!織田信成&谷元星奈(関西テレビアナウンサー)と関西らしさ全開の爆笑見どころぶっちゃけトーク!世界を代表する一流スケーターとアーティストが3年ぶりの“コラボ”アイスショー!アーティストの生歌・生演奏とスケーターのスケーティングが生み出す「伝説のアイスショー」ファンタジー・オン・アイス2022神戸公演の模様をダイジェストでお届け!
※この番組は、関西テレビで2022年6月25日に放送したものと同一の内容となります。
FaOI2022を経て、今シーズンは北京オリンピックまでのは羽生選手とは一線を画した、『新しい羽生結弦』に出会えるのかもしれないと、期待が風船のように膨らんでいきます。
お読みいただきありがとうございました。
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