2022年05月01日
4回転半の真実
遅ればせながらアイスジュエルズの感想書いておきたいと思います。
【羽生結弦が記す4回転半の真実】
この羽生選手の寄稿は、82枚の連続写真から選んだ写真を使って解説したことで、どんな解説よりも分かり易く、4回転半の真実を私たちに伝えてくれました。
写真というものが、どれだけ説得力を持っているかを改めて確認できたドキュメンタリーのような解説でした。
踏切は、ノービスBの時の自分の2Aの、全く軸のブレのない跳び方を取り入れて挑んだ4Aでした。
離氷の瞬間の写真からはプレローテーションが全くなく、これが「僕自身のこだわり」「僕のアクセル」という、羽生選手の言葉の意味を写真ではっきりと確認することができます。
空中姿勢の説明に選ばれた3枚の写真は、1回転半、2回転半、3回転半で、本当に軸が少しも崩れていなくて、あの4Aにトライしたジャンプが最高に綺麗な軸を保っていたことが実証されています。
この3枚の写真もその瞬間を見事に切り取っていて、写真の説得力って凄いなと思いました。
82枚の連続写真を撮影してくれた田中さんにもひたすら感謝します。
着氷時の2枚の写真からは、なぜ着氷で耐えられずに転倒してしまったのか、その理由が分かりました。
そして転倒後に立ち上がる姿勢や表情から、どんなことがあっても這い上がる、立ち上がる姿が、自分が表現したい世界観に合っているのだと述べています。
羽生選手はこれまでいつも順風の中を歩んできたのではなく、近年はむしろ逆風に抗いながら進んできたことが思い起こされ、どんなに苦しくても決して諦めない忍耐力、精神力、向上心といったものがあの立ち上がる姿に現れていることが感動を引き起こしたのだと思いました。
最後に4A認定について、これが「自分のアクセル」「自分の4A」なのだと誇りに思っていると。
一時は羽生選手の「報われない努力」だったという言葉に心がつぶれそうな思いだったので、本当にそう思っていてくれて良かったなと思いました。
北京での挑戦で4A挑戦は終わったのかもしれないなと思っていたし、それ以上羽生選手に負荷をかけるわけにはいかないと思っていたのですが、彼自身はまだ4Aの完全な完成形を諦めていないのです!
そのことに感動しました。
今は、いつの日か羽生選手は4回転アクセルを完成させるだろうと、私は確信しています。
ここまで読んできて、羽生選手が自分の演技を客観的実証的に分析して、誰にでも理解できるように説明してくれたことに感謝の気持ちが湧き上がってきました。
過度に感情に流されず、いつも自分の演技に対して客観的な視点を持っているところも、羽生選手の大好きなところです。
ところが【北京オリンピックの総括】を読み始めると、今度は涙なしでは読み進められなくなりました。
最高の練習をして、最高のコンディションで挑んだ北京オリンピック。
それなのにSPでのまさかのアクシデント、翌日のFS練習中の重度の足首の怪我。
跳べる状態ではないほどの痛みの中で、一時は自信も希望もすべて失った状態に陥ってしまったのです。
痛みで普通の歩行さえ困難で、「この痛みに耐えてしまっていいのか」をもう一度ドクターに問いかけたということは、その時点で羽生選手は、これほどの痛みに耐えてしまうことで、足首が破壊されてしまうのではないかという恐怖も感じていたのだと思います。
何度も大きな怪我を経験している羽生選手がそこまで考えるというのは、どれほどの痛みだったのかと、痛みに人1倍弱い私は尚更に辛くなってしまいました。
本番直前までは痛みとの闘いだったということですが、6分間練習と本番だけは注射で痛みを消してもらい、すると「痛みが軽減された足で跳ぶと何でもできるような気が」して、恐怖心はひとかけらもなかったというのです。
あらためて『天と地と』の演技が命がけで戦いに臨む武将の心に近かったのだろうなという思いがしました。
最後が「幸せになりました」という言葉で終わっているのを読んで、私も幸せな気持ちになりました。
結弦くん、本当にありがとう。心からのお礼を伝えたいです。
miruruさんのツイートをお借りしました。
北京五輪名場面
— miruru💗 (@miruru1207yuzu) April 28, 2022
羽生結弦
4回転アクセルへの挑戦は世界中のファンを魅了 pic.twitter.com/oJstmBcvtZ
アメリカの解説もロシアの解説も同じように羽生選手に最高の賛辞を贈っています。
芸術はイデオロギーを超えることの証明です。
そして羽生選手自身の解説動画です。
北京五輪
— miruru💗 (@miruru1207yuzu) February 26, 2022
FS 羽生結弦 本人解説
今一度、見て置きたくて
4A
凄く良かったと思います
転倒した後も着氷のポーズ
ISU公認大会 史上初4回転アクセル認定
そこは誇りに思う
①→ pic.twitter.com/Wp6sYyPY86
結弦くん、4回転アクセル世界初認定、本当におめでとう!!!
これからも練習していくという結弦くんをどこまでも応援していきます。
ここで止まるような羽生結弦ではないのですね。
お読みいただきありがとうございました。
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