新次元へ☆「ひねり」と「回転」織田さん新著は結弦くんへのエールだった

2022年01月19日

待望!「ハニュウジャンプ」






白井健三さんからのメッセージ(1)「ひねり」からみた成功への新発想に続いて、
(2)これは新技「ハニュウ・ジャンプ」と題した記事を読みました。


体操の「ひねり」の技が、フィギュアスケートの「回転」にどのように役立つかを、詳しく説明してくれています。
新しい技を作ることの難しさや、それを乗り越える試行錯誤の道筋が伝わってきます。
白井さんは誰にでも理解できるよう簡潔に説明してくださっているので、とても分かりやすくて、本当に目からうろこが取れる感がしましました。

長い記事なので、ポイントだけ要約してみましたが、是非記事全文もお読みくださいね。
 

【羽生結弦 4回転アクセルの扉】白井健三さんからのメッセージ
(2)これは新技「ハニュウ・ジャンプ」


羽生結弦が挑む、史上初の4回転半。“回転の真実”に肉薄していく羽生選手の姿を、おなじ回転(ひねり)の第一人者である体操の白井健三さんが注目している。
「新技」を作るという視点から、白井さんが4回転アクセルについて語る、第2回。

「新技のためには、手段を選ばずセオリーを捨てる」

4回転アクセルも、既存の技の延長ではない


――第1回では、白井さんが「ひねり=横回転」の視点から、4回転アクセルを考えてみました。第2回は「新技を作る」という視点で語っていただきたいと思います。

新技を作るというのは、体操では大きな課題となる部分です。技の難度が上がっていくと、「ここから先は普通の人じゃ無理」となる。「普通の人ってなに?」ということ。それを超えていけるかが大事なんです。「普通」の延長では成功しません。羽生選手にとっても、4回転アクセルという大きな壁がある。4回転ルッツまでは幼少期から積んできたことの上にあったとしても、4回転アクセルは違う土台を作るという作業になってくるのではないかな、と思って見ています。


羽生選手の4回転アクセルもやはり、新技です。間違い無く「ハニュウ・ジャンプ」と言えます。新しい技を作ってきた身からすると、この4回転アクセルというのは、いままでできていた技に少し足す、という考えだと、回転が間に合わない気がします。なので、体操と同じ考えが使えるかは分かりませんが、左肩を使って、踏み切りと同時に回転のモーションをかけはじめるやり方もあるかな、と。顔の位置も、4回転まではかなり右を意識していますが、4回転半だけは回転方向に先行させるほうが、回転が早くかかると思います。もちろんこれは体操の視点での意見ですが。



「美しく総合力がある内村さん、ルールからはみ出たのが僕。

僕は羽生選手とは正反対で、美しい技はできなかった」

体操では、ルールという枠からはみ出ずに美しい技と総合力で勝っていったのが内村航平さん。はみ出て勝っていったのが僕なんです。僕は、羽生選手とは正反対で、人と同じ技をやっても美しくできなくて、技の難しさで離していくしかなかった。

羽生選手にとって今、「4回転アクセルを成功させた姿をみなさんに見せたい」というのがプログラムの中心にあるなら、4回転アクセルに関しては、今までと全く違う考えのジャンプ理論を確立していいと思います。
ルールに沿って跳ぼうというのではなく、自分が初めて跳んで、そこからルールができるという考えです。教科書からの引用は1つもいりません。そこは羽生選手本人が一番分かっていると思います。

「回転」か「高さ」か、選手よって違うバランス

白井氏の「4回半ひねり」やロシア女子は「回転」をとる

体操のひねり(回転)も同じです。「軸を作って跳ぼう」と思っている時点で、自分のパワーの7割しか出ません。たぶん羽生選手も「思いきり跳びたいけど、軸を作るためにはこのくらいの跳び方で調整しておかないと」という気持ちですよね。
僕の場合は、4回半ひねりのときは、「軸を作る」という意識をいったん捨てて、空中に出てからのことを考えずに10割の力で回していく、という意識に変えました。


もともと、選手ごとの跳び方の違いには、注目しているんです。「高さ」への比重と「回転」への比重が、人によって違います。ロシアの女子選手は、右足を振り上げませんし、両手も手を前に振り出してない。腕の使い方を見ていると、高さよりも回転のほうに比重を置いた跳び方です。彼女達を見ると、「両手を、下から前に出さなければならない」という概念はなくなります。
そうならば、
踏み切った瞬間に、開いていた左肩に右肩を追い付かせる、という腕の使い方もアリになってくるのかなと思います。


「脚はきっかけ、腕で回転をコントロール」

「自分の感覚を一番大切に、遊びの気分でやるのも」

回転においては、上半身は一番重要ですよ。体操のひねり(横回転)は、ほぼ上半身でコントロールしています。ひねり(回転)を生み出し、軸をコントロールし、回転速度を決めるのは、腕です。脚では変えられません。脚は高さを出すために使っている道具です。理屈はスケートも同じ。脚はきっかけを作るけど、回転をコントロールするのは上半身です。

体操で新しい技を作ってきた身としては、他の人の意見を聞きすぎると分からなくなっていくので、自分の感覚を一番大事にしつつ、ちょっとでも良いなというものは取り入れていけば良いと思います。捨てるもの、取り入れるものを、羽生選手ならはっきり決めていけますから。羽生選手はいま北京五輪を控えて、プログラムの完成度や細かい部分を詰めていく、思い詰めやすい時期。だから遊び半分で、手の使い方を変えてみたり、今までと全く違う感覚のジャンプをやってみる、という程度の気持ちもアリだと思います。
新技をやるには、決断する勇気が必要です。それを背負えるのは羽生選手にしかない力です。

「4回転半は無理だろう」なんて言う資格は、誰にもありません。

僕は絶対に、羽生選手ならできると思って見ています。

******

4回転アクセルが成功したら、それは「ハニュウ・ジャンプ」と言ってくださいました。
是非新技として、羽生選手の名前を付けてほしいと切望しています。

そして私は、羽生選手だけが実行できるバックカウンターからの美しいトリプルアクセルも、普通のトリプルアクセルと区別して
「ハニュウ・アクセル」と呼んでほしいとずっと思っています。

白井選手からのメッセージを、羽生選手は彼のやり方で可能な限り試してみるのではないでしょうか。

できれば、羽生選手が白井健三さん、内村航平さんと、直接連絡が取りあえるよう、関係者の方々が手配してくださるようお願いしたいです。

2016 ビッグスポーツ 白井健三
白井さんのinstagramより


北京オリンピック開幕まであと16日、どうか練習が進展していますように。



昨日は織田さんの新しい本を買ってきました。

6869DAA9-8ECB-4B20-A965-2BCEC9343D0C


もちろんまず第1番に、
第4章 歴代最高のスケーター、羽生結弦選手のこと  
を読みました。

B5A72393-AF94-4247-BAB9-5EECB5C1B138


織田さんの羽生選手に対する想いや意外なエピソードに、泣きそうになったり、思わず笑ってしまったり。

織田さんのスケートに対する情熱と、羽生選手に対する片思いにも似た感情に心が揺すぶられました。

これについては、できたら次回のブログ記事に書けたらいいなと思っています。


内村さん、白井さん、織田さんと、そのメッセージの中に結弦くんに対する「愛」が感じられて、「皆に愛される結弦くん」が嬉しくて、意味もなく私も幸せな気分になっています。


お読みいただきありがとうございました。

人気ブログランキング
ブログランキングに参加しています。

【最近の記事】
新次元へ☆「ひねり」と「回転」
楽譜の上を振り付けしながら滑っていく
IOCは問題のツイートを削除

 
スポンサーリンク





withgoldenwings at 10:22│羽生結弦 | 4回転アクセル
新次元へ☆「ひねり」と「回転」織田さん新著は結弦くんへのエールだった