GPF中止か?GPファイナル中止決定

2021年11月30日

世界中から愛される存在



GPシリーズが終わって、ようやく落ち着いてマッシミリアーノさんがナポリ国立考古学博物館で行った講演の書き起こしを通して読ませていただきました。

動画に日本語字幕を入れ、さらに全文書き起こしをしてくださったNympheaさんの情熱と献身には本当に感謝しかありません。


L’ALTRO GIAPPONE「トータルパッケージ~羽生結弦に捧ぐ」翻訳書き起こし


製作
L’ALTRO GIAPPONE

協力
ナポリ国立考古学博物館

講演
マッシミリアーノ・アンべージ(M)
(冬季競技アナリスト/ジャーナリスト、ユーロスポーツ解説者)

イントロダクション
バルバラ・ワシンプス(B)
(L’Atro Giappone芸術監督)

寄稿ビデオ
キアーラ・ギディーニ(C)
(ナポリ東洋大学「東アジアの宗教及び哲学」学科教授)

寄稿
カーティア・チェントンツェ(K)
(ヴェネツィア・カ・フォスカリ大学アジア研究学部教授、早稲田大学講師、舞台芸術研究者)


マッシミリアーノさんの講演を読む前に、L'Altro Giappone 芸術監督のバルバラ・ワシンプスさんのイントロダクションを読み始めたところで、もう鼻の奥がツーンとして、涙がしたたり落ちてきてしまいました。

一部だけ引用させていただきますが、あくまでも断片的な引用ですので、
全文は是非とも「惑星はニューへようこそ」で読んでいただきたいです。



外国特派員クラブのピーター・ランガンは、2018年平昌五輪後に行われた羽生結弦の会見の冒頭で、彼に注目している私達全員にとって非常に印象的なことを言いました。
彼はフィギュアスケート専門のジャーナリストではありません。
普通のジャーナリストなら誰でもそうですが、次から次への飛び込んでくるフェイクニュース、事実の捏造、真実の改ざんにまみれて1年を過ごした後、彼はオリンピックでの羽生の演技を見て衝撃を受けました。
そして自分自身に向かってこう言ったのです。「これが真実だ」と
彼は続けます。「多くの真実、美、芸術があった。これはAntidote (解毒剤)だ。このレベルの卓越への到達を求め続ける彼の渇望はAntidote、すなわち真実である」

こうなると、自然に解毒剤や治療としての「美」について語りたくなります。
10年前に起きた大惨事や現在のパンデミックのような状況において、芸術は文化資産であり、美は人間の資産なのです。


天性の才能を磨き上げるための彼の包括的な軌跡は、常に努力、断固たる意志、完璧の追求を伴ってきました。この意味において、羽生結弦の『フィギュアスケート道』と定義出来たら素敵ですが、フィギュアスケートは西洋のスポーツですから、東洋の修行のように~道(どう)を付けることは出来ません。しかし、数人かの日本の友人と話して『羽生道』、つまり「羽生のフィギュアスケート道」と定義出来るのではないかという結論に達しました。



つまりアーティスト結弦はあらゆる次元で話すのです。複数の身体表現を同時に使用しながら、絶対的熟練によって全てを支配しているのです。
この意味で究極に達した例を時系列に挙げると、
私達がこれ以上はないだろう思う度に、このアーティストは更にその上を行くのです。

最近も2020年年末に「天と地と」というプログラムでこのようなことが起こりました。
日本のテレビドラマ、大河ドラマの主題曲を使ったプログラムでした。



羽生に注目している私達にとって、彼はフェノメノ(超常現象)です。フェノメノという言葉だけで既に鳥肌を覚えますが、彼は実在するフェノメノであり、彼の影響と効果は無視することは出来ません。



ポジティブな意味での「羽生現象」は心の内にある親日家の新世代を生み出しました。他のジャンルのアジアンスターによって起こる現象に少し似ていますが、若者達またはそれほど若くない人々が日本語や日本文化の勉強を始め、同時に大衆向けのステレオタイプに捉われないようにします。何故なら、すぐに理解出来る、分かりやすいキャラクターは、通常アニメのキャラクターや芸能人を偶像化する人達によって作り上げられた大衆向けのステレオタイプに過ぎないからです。このようなステレオタイプは羽生とは何の関係もありません。
しかも、彼の巨大な影響力は日本国内に留まらず、何度も言いますが、地球レベルなのです。
ソーシャルを一切やっていないにも拘わらず。

羽生結弦は一切発信せず、公式の発言以外、一切発言しないのです。
自国の大衆と全く交流することなく、これほどその一挙一動が注目されている日本人は他に誰も思い浮かびません。

何故なら、羽生はある種の修行僧に近い人物で、有害な過度の露出を避けているからです。実際、露出オーバーになる度に、羽生結弦が損害を被ることがしばしば起こるからです。



イントロダクションに続いて、マッシミリアーノ・アンべージさんの講演が始まるのですが、
それはひとつの羽生結弦の物語になっていて、一部を切り取って引用することは不可能なくらい途切れなく続いていきます。


それで、なぜマッシミリアーノさんがこの講演に『トータルパッケージ』というタイトルを選んだのかという理由だけ引用させていただきました。


皆さんはタイトルを見ましたか?
「トータルパッケージ」とは?
私の解説を聴いてくれている人は知っていると思いますが、私は英語を使うのをあまり好みません。
フィギュアスケート用語の原語は全て英語ですが、イタリアの視聴者の皆さんに向かって話す時は、常にイタリア語の用語を使った方がいいでしょう。
本来なら「Pacchetto Completo」(トータルパッケージのイタリア語)と命名すべきでしたが、それではまるでツアーオペレーターのメッセージのようです。
ですから、我々の国内だけに留まらない選択をしました。
それにフィギュアスケートは世界レベルの競技です。
それで我々はこの「トータルパッケージ」というタイトルが気に入りました。
何故なら、根本的に羽生がトータルパッケージだからです。
しかし、彼はただのアスリート、またはスケーターがそうあるべきであるトータルパッケージではありません。人間としても。
このテーマについても掘り下げる時間があることを願っています。


イタリア語で「Completo」という言葉には、「完全な、完璧な」という意味が強いですから、個人的には英語で「Total」と表記すよりも、「Pacchetto Completo」の方が、一層、羽生結弦の人間としての存在も含めた完全性を表しているように感じました。



ここから延々とマッシさんの羽生語りが始まります。

長いですが、一気に読んでしまいました。
動画もよいですが、文字で読むと、読み返したり、じっくり文章を味わったりできて良かったです。

Nympheaさん、本当にありがとうございます。



動画はYoutubeでご覧ください。




1時間半余りの長さがあります。
お忙しい方は何回かに分けて視聴するのもよいと思います。
是非ご覧くださいね。




さて、GPシリーズが終わて一段落して、一番記憶に残っているのはロステレコムで現地のファンの方々が見せてくれた羽生選手応援活動でした。素晴らしい団結力と実行力に敬服しました。


「ハニュウのファンは群を抜いていた」本人不在でも際立つ存在感!ロシアGPでのサポートに露メディアが賛辞

THE DIGEST編集部

2021.11.30 

21 DIGEST 記事


フィギアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第6戦、ロシア杯は現地11月28日にエキシビションが行なわれ、全日程を終えた。男子では日本勢の友野一季が自己ベストの合計264.19点で3位に入るなど、来年2月の北京五輪代表入りへアピールした。

 今大会では当初、五輪2連覇中の羽生結弦もエントリーされていたが、右足首の負傷で欠場となった。今季、ここまでその姿をリンクで観ることが出来ず、本人はもちろん、世界中のファンにとってももどかしい状況が続いている。

 だが、ロシア杯が行なわれたソチの会場では、多くのファンからの羽生への様々なアクションがあったようだ。

 ロシアメディア『sportsdaily.ru』では、ソチの会場内に羽生を応援するための横断幕が掲げられていたことや、お馴染みの「くまのプーさん」が画かれた、200本にも及ぶ旗があったことを伝えている。

「ハニュウのファンは、ソチGPの舞台で最も明るい応援を用意した」と銘打たれた記事の中では、地元の羽生ファンが発起人となり、SNSなどで呼びかけ希望者より寄付を募るなどして、羽生の表情が画かれた断幕や、「くまのプーさん」の子旗を作成したと綴られている。
もちろん、大会前に欠場のニュースはすでに流れていたものの、「(不在でも)どうしても彼を応援したい」という意思から始まったことであると述べており、他にも「ユズをサポートすることで、フィギュアを愛しているという事実を団結という形で示したかった」とのコメントも紹介されている。


 同メディアは「くまのプーさんの登場により、ソチグランプリの舞台は赤と黄色で輝き、フィギュアスケートファンにとって真の祭典となった」として、地元ファンの活動を讃えており、その上で「競技を繰り広げたスケーターへの多くの応援もあった中で、ハニュウのファンはその中でも群を抜いていただろう」と本人不在の大会でも、羽生への応援の熱量が高かったと強調した。

 羽生は12月22日からの全日本選手権にエントリーしており、出場すると今季の初戦となる。回復状況にもよるものの、待ち焦がれているファンの前で、その滑りを披露してくれることを期待して待ちたい。

構成●THE DIGEST編集部


研究者であれ、ファンであれ、世界中から愛されている羽生結弦ですが、それには訳がある。

それがよく分かったマッシミリアーノさんの講演であり、ロステレコムでの現地のファンたちが示してくれた応援でした。


今日から12月、結弦くんの27歳の誕生日は1週間後ですね。

今年はご家族そろっての静かなお誕生日を過ごせますように。

世界各地で、ファンたちが一緒に祝うでしょう。



今日は結弦くんをこよなく敬愛している佐藤駿選手の『KENJIの部屋・エピソード3』の初放送があります。
最終回は2019年GPFに一緒に出場した時の思い出を語ってくれるそうです。

どんなエピソードが聴けるのか、楽しみです。




お読みいただきありがとうございました。

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