羽生選手の論文読みました!八戸の思い出

2021年04月29日

スケートに対する愛ゆえに




前記事に続いて、羽生選手の論文について。


羽生選手の論文を読んで思うのは、彼がこの論文を書いた動機はフィギュアスケートに対する愛なんだなということ。


羽生選手は技術的にも、表現者としても、これまでにない革命的な仕事を成し遂げてきたと思います。
そして今、ジャッジングシステムの抜本的な改革に対しても研究と提言を始めました。

それは誰かに対する批判や不満ではなく、愛するフィギュアスケートが正しく評価されていないということに対する苦しさゆえではないでしょうか。
それは愛していればいるだけ、重く心にのしかかってくるのだと思います。

怒りが無いというのとは違うと感じます。怒りはあると思います。当然です。
しかし、羽生選手の素晴らしいのは、怒りを現実を変える努力に昇華できるところです。

いい加減なジャッジングをこれ幸いと利用して、良い点を稼ごうなどということは全く無縁の羽生選手なればこそ書ける論文です。


バカらしいと思うかもしれないが、
真の
革命家は偉大なる
によって導かれる。人間への愛、正義への愛、真実への愛。
愛の無い真の革命家など想像できない。


(チェ・ゲバラ:1964年国連総会出席のためにニューヨーク滞在中、インタビューでの質問“革命家にとって重要なことは?”に応えて)


フィギュアスケートの革命家としての羽生選手の論文執筆は、
「フィギュアスケートに対する愛」なのだと思いました。


論文の最後の参考文献の欄に、富士通の「AI自動採点システム」が記載されています。

2年以上前の過去記事になりますが、このことについて書いていましたので、再掲させていただきました。



◆2018年11月23日

【そろそろAI採点*国際体操連盟の英断】

Number 996のタイトル、「美しく、強く

「強く、美しく」ではなくて。


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ここに編集部の意図が表明されていると感じました。


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フィギュアも体操も、技の難度を競いながら美しさも求められる競技です。


しかし美しさと言うのは判定する側の美意識によるもので、100人いれば100の美意識があると思うので、それを正しく点数化するのは至難の業。


では、せめて技に関しては正しい判定を求めたい。



そんな時、11月20日のNHK NEWSWEBで、国際体操連盟がAI採点を採用というニュースを読みました。



国際体操連盟 日本企業が開発の”AI採点”を採用


体操競技は年々、技が高度になり、審判の採点も難しくなっています。こうした中、国際体操連盟は日本企業が開発した、AI=人工知能の技術を採点に取り入れることを決めました。

国際体操連盟が導入するのは、富士通が開発したAIを使って採点を支援するシステムで、来年10月の世界選手権以降、国際体操連盟が主催する大会の採点に取り入れられます。

このシステムでは、選手の体とその周辺の200万か所に赤外線のレーザーをあてて選手の動きをとらえ、リアルタイムで3次元の画像に変換します。

その画像をもとにAIが体の回転やひねりなどを分析して過去の演技のデータとつき合わせたうえで、採点基準に基づいて技の完成度を判定します。

20日はあん馬の演技を実際にAIが判定するデモが公開されました。

AI判定


会場のモニターには3次元の画像が瞬時に表示され、倒立の角度や姿勢がまっすぐかどうかなどを数値化していました。

実際の国際大会ではこのAIの判定と審判の人の目による判定を組み合わせて最終的には審判員が総合的に判断して採点を行うということです。

国際体操連盟の渡辺守成会長は「技が高度になっていくと人間の目で正確に判定するのには限界がある。誤審などが起こると、選手生命にも関わる大きな問題になるのでテクノロジーの力で公平な審判ができることを期待したい。東京オリンピックでも活用したい」と話しています。


AIで採点するしくみは


富士通が開発した採点の支援システムでは、赤外線のレーザーを発する機器を使い、選手の体とその周辺の200万か所にレーザーをあてて、選手の動きを読み取ります。

これをリアルタイムで三次元の画像に変換して、その画像から選手の骨格の動きを読み取ります。
そして、AIがデータベースに記録されている過去の演技の正しい動きと突き合わせて、脚や姿勢が曲がっていないかなどを判定します。

この仕組みは富士通が独自に開発した技術で、去年から国際体操連盟とともに世界大会などでシステムの実証実験を行い、その精度を高めてきました。

当面は審判員の採点を支援するために用いられますが、富士通では東京オリンピックが開催される2020年をめどにこのシステムで自動的に採点する技術を確立したいとしています。

富士通の阪井洋之執行役員常務は「体操は、ほかのスポーツにくらべ動きが速く、それを正しく認識するのは大きなチャレンジだったが、やる意義が高いと感じている。今回の技術を使って今後はシンクロやフィギュアスケートなど採点が必要なほかの競技でも活用できる可能性があると考えている」と話していました。

また、デモで演技を行った日本体育大学の選手は「これまでは審判から見えているところを重点的に練習していました。このシステムではごまかしがきかないので怖い面もありますが、より公平に採点が行われるのはいいことだと思います」と話していました。



いよいよAI判定が採点競技の場に登場です。

国際体操連盟の英断です。

もうこの流れは止まらないはず。



人間でなければ判断できない部分はあるとしても、少なくとも技術に関してはAI採点を導入することで、これまでのような、ジャッジの恣意的な判断は排除されることになります。

実際問題として、いくら動体視力が優れていたとしても、1秒にも満たない時間で終わる技を正確に見分けて、全ての選手に平等なジャッジングをするのは人間の能力として無理だと思います。

しかも、フィギュアスケートの場合、現在ジャッジはリンクの一面にだけ並んで、全員が一方向からだけ見ているわけで、死角になる部分もあります。
つまり非常に不完全な判定態勢だと思ってきました。


しかしAI判定導入により、少なくともスケート技術に対するジャッジングは平等になるわけですから、勝者も敗者もわだかまりなく結果を受け入れることができるのではないでしょうか。


ファンとしても、不正なジャッジによる過小評価や過大評価への心配もなく、結果を素直に受け入れることができると思うのです。



しばしば腑に落ちないジャッジングによってイライラしてきた私は、羽生選手が現役の内に、一日も早く
国際スケート連盟ISUも国際体操連盟に倣い、AI採点導入に踏み切ってほしいと願っています。



そこで、初めて、「芸術は絶対的な技術力に基づいたものである」という言葉が証明されるでしょう。




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gifです。


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羽生選手のこんな技術がAI採点でどんな評価が出るのか見てみたいのです。

(過去記事ここまで)



一日も早く、羽生選手の研究が実際のフィギュアスケートの正しい発展と公正なジャッジングに活かされて行きますように。


もう一度、早稲田リポジトリにリンクを貼っておきます。
羽生選手の論文はこちらから読むことがでます。(PDFファイルをクリックして下さい。)

できればプリントアウトしてじっくり読むことをお勧めします。


現在の国際体操連盟(FIG)と富士通のコラボレーションの進捗については、こちらのWEB記事もご参照ください。体操界はスケート界より遥かに進んでいます。

国際体操連盟の現会長は日本の渡辺守成氏です。

いつの日にか、ISUの会長が羽生結弦氏であることを妄想したりして。



最後までお読みいただきありがとうございました。

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withgoldenwings at 00:17│羽生結弦 | 早稲田大学
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