2021年04月05日
歴史に「羽生結弦」の名を刻む
国別対抗戦の開催が発表され、3月の世界選手権はもう遠い事のようにも感じられますが、
インタビュー動画を時系列でみると、色々と感じることもあります。
自分ではなかなか集めることに手間がかかる動画をまとめて下さったゆづマミさん、本当にありがとうございます。
◆公式練習後リモート会見
ストックホルムに到着した翌日の公式練習後のインタビューの時はとても落ち着いた感じで、何も心配はいらないように見えました。
久しぶりに会えたコーチたちとのやり取りを話す時はとても嬉しそうな表情を見て安心しました。
「」
しかし本当は、仙台から出発する直前に地震があり、やはり行かない方がいいということなのかと、迷いながらのスウェーデン到着だったのです。
「今回そんなに結果結果という感じがあまりなくてなくて、しっかり健康な状態でこの試合を終えられたらいいなって思ってます」
今回の世界選手権は、羽生選手にとっては自分の成績よりも、日本チャンピオンとしてオリンピックの枠取りを果たし、無事健康で帰国することが1番の目標だったのでしょう。
◆ショート演技後インタビュー
しかしこの時、笑顔が全くなくて、肩が上下に動くほど呼吸が荒く、苦しそうでした。
羽生選手がSPの後にここまで呼吸が乱れるということはありません。
どうしたのだろうと、心配になりました。
なかなか終わらないインタビューに、早く切り上げて休ませてあげて!
と思って見ていました。
「また1日休んで良い体調にしてから、万全の体調にしてから」という言葉が無意識のうちに出てしまうというのは、やはりこの時、既に体調に異変を感じていたのかなと想像してしまいます。
SPで2位のネイサン・チェン選手を8点以上引き離して1位だったのにもかかわらず、
羽生選手の体調が良くなかったことは、笑顔が一つもない、この時の表情が物語っていると思います。
こんなに苦しそうに呼吸する羽生選手は見たことがありませんでした。
◆ISU公式インタビュー
宙に浮きあがるような高ーいジャンプ。
「良かったことは、こういう状況の中でも、このショートプログラムで表現したい、楽しんで欲しいという気持ちが出せる機会があったことです」
みんなに楽しい気持ちになってほしいという、羽生選手の気持ちが伝わってきました。
◆フリー演技後インタビュー
「ただ全体として上手くいってないんですけれども、大きな転倒だったりとか、自分の中では一番点数を取りたい出来栄えの方ではまったく点数を取れてないんですけれども、ただ全体通して細かいミスですべて抑えられているところは、地力が上がったんじゃないかなと思っています。」
「本当は今すぐ滑りたいくらいですけれども。
でも、あの…また次の機会があるのであれば、しっかりまたそこに向けて、いい演技したいなあっていう風に今思っています」
「今までの自分の中で一番、やっと4回転半っていうジャンプらしくなってきたものが結構ったので、来シーズンに向けてしっかり練習したい」
「しっかりケアしながら、ケガもしないように、自分が進化していけたら良いなというふうに思っています」
本当にケガだけはしないようにお願いします。
◆一夜明け会見(フジテレビ)
フリーから一夜明けの会見では、羽生選手の本音の部分が出ているなと感じました。
「この世界選手権で、完璧にノーミスできて、もし優勝することができたとしたら、かなり自分の中で満足できてたとは思うんですよね。やり切ったなと多分思えてたと思うんですよ。
ただ、それをさせてもらえなかったっていうか…」
「確実に順調な階段を昇って行って、完全にいい形で練習から6分間練習まで行っていたとは思うんですけど、ちょっとしたズレで本番がポロポロと崩れてしまって」
「でもそれでよかったんじゃないかなって、思うんですよね。
『天と地と』は、全日本で(4回転半)アクセル抜きの構成で完成できてると思うので。
やっぱりアクセル込みのプログラムの完成形をちゃんと見せないとダメだっていうふうに言われた気がしていて。まだそんなにやっているプログラムでもないですし、まだまだできる事たくさんあると思うので、凄く自分にとって大切なプログラムですし。
多分このまま続けて行くと思います」
「まだそんなにやってない」どころか、たった1回全日本で初披露しただけのプログラムです。
来シーズンも継続して観られるのが嬉しいです。
「ただ世界選手権というリミットがあったからこそ、死ぬ気で本当に全力で、何もかも全てかけて4回転半の練習をできたと思っているので、その点に関しては今回の結果よりも大きなものを得ているんじゃないかなというふうに思っています」
「もし、プログラムに入ったとしても、他のジャンプが崩れなかったり、プログラムとして完成させられるような練習を常にしていかなきゃいけないなっていうことも考えています」
「こんにちは~羽生でーす」 (思いっきり可愛い感じで)
「アクセル跳べないと多分満足できないので、一生!」
「まだまだ自分成長できるなって感じてはいますし」
「だから、限界だなという感じはないです」
「4Aを目指して行く状況の中にオリンピックというものがあれば、それは考えます」
「ただ、僕にとってやっぱり最終目標はオリンピックで金メダルではなくて、あくまでも4回転半を成功させることが僕にとっての一番の目標なので、その道の上にあれば」
「確実に上手くなっているんで、羽生結弦。ウフフ」
「8分の1回れば立てます。間違いなく」
一夜明けたら、羽生選手はまたいつもの強気な羽生結弦に戻っていました。
出場を決めるまでの葛藤や迷い、出発直前の地震、気候や時差、コロナ対策、様々な環境の変化からくるストレス、それらを原因にして起こる体調の変化、そうした一つ一つが積み重なりが、フリーの日に出てしまったのだと思います。
羽生選手は喘息は「フリーの終わった後で少しあった」とすごく控え目に言っていましたが、質問されなかったら、それさえも言わなかったのではないかと思います。
おそらくこれまでも、私たちが知らないだけで、試合中でも何回も喘息の発作に苦しめられたことはあったのかもしれません。
今回2012年ニース以来の銅メダルとなっても、あまりそのことにこだわりがないように見えるのも、
もう既に羽生選手の中では4回転半を綺麗に降りることが第1目標になっているからなのでしょう。
もうオリンピック金メダルは2つも持っている羽生選手には、再び史上何人もいるオリンピック金メダリストになることよりも、4回転半ジャンプを初成功させた人として、フィギュアスケートの歴史に唯一の人として名を刻むことの方が価値が高いものであることはよく理解できます。
それが今シーズンなのか、来シーズンなのか、来来シーズンなのか。
インタビューを通して聴いて、
でも必ずいつかその日がやって来ると信じられるようになりました。
羽生選手の夢を一緒に追いかけたい!!
あらためてそんな気持ちになりました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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withgoldenwings at 18:33│羽生結弦 | 2021 世界選手権