スポニチの小海途カメラマンから現地ルポが届いています。不安と闘う人々へ――無観客でも見えた羽生の祈り
小海途カメラマン現地ルポ
2021年3月30日
Sponichi Annexスウェーデン・ストックホルムで行われたフィギュアスケート世界選手権は28日のエキシビションで終幕した。男子で銅メダルを獲得した14年ソチ、18年平昌五輪連覇の羽生結弦(26=ANA)は、10年の節目を迎えた東日本大震災の復興支援ソング「花は咲く」を舞い、コロナ禍の世界へメッセージを発信した。外部との接触を遮断する「バブル」方式の無観客で行われた今大会。現地で取材したスポニチ東京本社編集局写真映像部の小海途良幹記者が感じたものとは――。
新型コロナウイルスの猛威が収まらない中、ストックホルムで開催されたフィギュアスケートの世界選手権。選手と同様に私たち報道陣も不安と闘った日々だった。
この時期の海外渡航、まして集団免疫獲得を目指す世界的にも特異な政策でコロナ対策に臨んでいるスウェーデンへの入国だった。街ではほとんどの人がマスクをしておらず、レストランやバーは大変にぎわっていた。目の前の光景と、6000人を超えると伝えられる一日の新規感染者数とのギャップに困惑した。スーパーで大量の食材を買い込み、期間中外食は一度もなし。部屋の清掃も断り、できるだけ外部との接触を避けた。
大会会場では数日おきに抗原検査を受けることとなり、悪い結果で取材ができなくなる恐怖心を最後まで拭い去ることはできなかった。PCR検査も含め計5度受検したが、全て鼻の奥に綿棒を入れて行う方式。左右好きな鼻の穴を選ぶことができたが、どちらでもつらさは変わらなかった。
そんな日々を支えてくれたのは、選手と大会ボランティアの姿だった。演技中、スタンドには出番のない選手、手の空いたボランティアが座り、大きな拍手で盛り上げた。みんなでいい大会にしようとする一体感が感じられ、不思議と無観客の寂しさはなかった。氷上には気持ちのこもった演技をするスケーターがいて、撮影する興奮はこれまで通りのものだった。
最後に行われたエキシビションで大会は幕を閉じた。そこで羽生結弦選手が演じたのは東日本大震災の復興支援ソング「花は咲く」。さまざまな不安の中で闘う人々の心に、確かに届いた演技だった。(小海途 良幹)
小海途さん、大変な状況の中でも、現地から頻繁にたくさんの写真を送って下さりありがとうございました。
田中さんの久しぶりのツイートです。
しかし、田中さんは大会中どこにいたのでしょうか。
全然姿を現しませんでしたね。もしかして??
(記事より一部抜粋)
早めにストックホルム入りしたものの━━
こうしてたどり着いたストックホルムは、パンデミック下のアメリカでメジャーリーグを、そしてエジプトでハンドボールの世界選手権を撮影してきた私でも、想像以上に危険を感じる状態であった。
まず、空港に到着するなり、警備員が誰もマスクをしていない。入国審査官もマスクをしていなければ、ホテルへ向かうタクシーの運転手もしかり。街を歩く人々も、ほぼ誰一人マスクをせずに話しながら歩いている状況に、果たして無事に撮影をすることができるのかと強い不安を感じることになった。
1週間の自宅待機勧告に従って早めにストックホルム入りしたものの、街はそんな状況。取材証を受け取るためのPCR検査、そして大会中は3日に一度の抗原検査が我々プレスには義務付けられている。
競技関係者以外はバブル方式ではなかった。飲食店ではキッチンにいる人も誰もマスクもしていない状態で、外食もできないままの生活。検査をクリアしなければならない重圧が続く中、女子ショートを迎えられた初日はカメラマンみんなでほっとした。
選手たちは20日、21日に現地入り。ただでさえ激しいプレッシャーがかかる大舞台であるうえに、いつもとは全く勝手が違う大会運営、緊張感の中での戦いとなった。そのためのコンディショニング、特に精神面のコントロールの難しさは大変なものだった、と強く言える。
実際、SPが終了した頃には筆者も、ストックホルム到着後あるいは日本出発前から続くこの緊張感により、自身の感覚がなかなか定まらず、仕事もままならないほどのこれまで感じたことがない激しい疲労感に襲われた。
そんな中、渾身の力のこもった演技を見せてくれた選手たちには心から敬意を表したい。
結果
ISU世界フィギュアスケート選手権2021 結果
【男子】
1位:Nathan CHEN/USA(SP3位)
2位:鍵山優真/星槎国際高横浜(SP2位)
3位:羽生結弦/ANA(SP1位)
4位:宇野昌磨/トヨタ自動車(SP6位)
【女子】
1位:Anna SHCHERBAKOVA/FSR(SP1位)
2位:Elizaveta TUKTAMYSHEVA/FSR(SP3位)
3位:Alexandra TRUSOVA/FSR(SP12位)
6位:坂本花織/シスメックス(SP6位)
7位:紀平梨花/トヨタ自動車(SP2位)
19位:宮原知子/関西大学・木下グループ(SP16位)
【ペア】
1位:Anastasia MISHINA、Aleksandr GALLIAMOV/FSR(SP3位)
2位:Wenjing SUI、Cong HAN/CHN(SP2位)
3位:Aleksandra BOIKOVA、Dmitrii KOZLOVSKII/FSR(SP1位)
10位:三浦璃来、木原龍一組/木下グループ(SP8位)
【アイスダンス】
1位:Victoria SINITSINA、Nikita KATSALAPOV/FSR(RD1位)
2位:Madison HUBBELL、Zachary DONOHUE/USA(RD2位)
3位:Piper GILLES、Paul POIRIER/CAN(RD4位)
19位:小松原美里、小松原尊組/倉敷FSC(RD18位)
※ FSR:ロシア・フィギュアスケート連盟
記事全文はこちらから。
結果を見て、羽生選手と紀平選手のFSでの不調が特に目に付きます。
二人共SPではとても良い状態だったのに、FSまでの間にどんな事情があったのでしょう。
やはり気になってしまいます。
そしてフィギュアスケートマガジンでお馴染みの毛受カメラマンは、
毛受さん、楽しい方ですね。
結弦くんも同じもの食べたのかな。
それともAJINOMOTOさんからのお弁当が届いたのかな。
この写真見て、実は私も夕食、焼き魚にしてしまいました。
来週4月7日発売のフィギュアスケートマガジン、すごく楽しみにしています。田口さんが記事の中で、「この状況で競技を続けている選手たちの姿をきちんと残して、実際に見ることのできないファンの方々へその姿を写真で届けたいという想いからだ。取材するチャンスが少しでもあるなら、高い障害があっても向かわないわけにはいかないと思った。」と書いておられるように、カメラマンの皆さんのリスク覚悟での現地取材で、私たちに現地の情報や写真を届けていただき、感謝しかありません。
本当にありがとうございました。
今Amazonを見たら、本全体の売れ筋ランキングで、1位と2位が羽生選手関連でビックリ!
圧倒的な人気です。
結弦くん、今夜は安心してぐっすり眠れますように。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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withgoldenwings at 23:14│
羽生結弦 |
2021 世界選手権