2020年05月13日
渇望と勇気、そして確かな技術
ISUの採点基準の変更という地味なニュースなのに、今日の新聞には大きく取り上げられています。
4Loの評価が上がったのは、羽生選手が早くから熱心に取り組んできた結果という側面はありますね。
この点については、羽生選手もきっと喜んでいるのではないでしょうか。
見出しには、もう早々と「五輪3連覇へ」という言葉が謳われています。
羽生選手はまだ北京冬季五輪への意志を明らかにしていませんが、プレシーズンとなる2020-2021シーズンは現役続行するとなれば、北京以前の引退は考えられないということでしょうか。
ジャスト4分の1の回転不足にqがつき、基礎点は80%から100%に変更。
4分に1以下の回転不足は100%と評価された上で、GOEでの減点となることが、
4A挑戦の後押しになるというのは確かにそうだと思います。
でも、昨日の記事に書いたように、追い風になるかどうかは結局点数を入力するジャッジの指先ひとつに掛かっていることには違いはないわけです。
次の試合がいつになるのか分かりませんが、しばらく時間があるわけですから、その間、ジャッジの皆さまには新ルールをよ〜くお勉強しておいていただきたいと願います。
いずれにしても、全ての選手に同じように適用されなければ、ルールはルールとしての意味を持ちませんから。
1年ほど前の記事ですが、カート・ブラウニングさんが羽生選手の4Aチャレンジについて語っています。
カート・ブラウニングさんは、今から32年前の1988年3月にブダペストで開催された世界選手権で、史上初めて4回転トーループを跳んだ方です。
4回転ジャンプの戦いはここを起点として始まりました。
https://www.jiji.com/jc/v4?id=201903kurtbrowning0003
羽生のアクセル、美しい
国際スケート連盟(ISU)は5回転の基礎点をまだ定めておらず、クワッドアクセルが現状で最も基礎点の高いジャンプとなっている。その難関に挑む羽生について、ブラウニングさんは「もし誰かが決められるとしたら、また決めるにふさわしいのは彼(羽生)だろう」と語った。
渇望と勇気、そして確かな技術をそこに見ている。
「彼は私にも言ったが、クワッドアクセルを跳びたいと高らかに宣言した。それを恐れない。もしかしたら負傷するかもしれないが、それを分かっていても、いずれにしても挑むだろう。とても勇敢だ」と話し、その上で技術について語りだした。
羽生のトリプルアクセル(3回転半)を評して、「美しい。踏み切って跳躍し終えてから回り始める。回転が少し遅れて始まる。跳んで、空中に上がって、それから回る。多くのスケーター(のアクセル)は跳び上がるのとほぼ同時に回り始める。その方が速く回転できるが、それでは美しくない」。さらに1回転多いクワッドアクセルを跳ぶためには「高さと、前への推進力が必要。4回転半する時間を生み出すため、踏み切ってからの動作を早く終えなくてはならない」と語った。
ブラウニングさんも一度、クワッドアクセルに挑んだことがある。世界王者として君臨していた1990年代前半に1週間だけ練習したという。そのときに感じたことを「私もトライしたことがある。ずっと永遠に空中にいるような感覚だったよ」と羽生に伝えると、「あなたの言っていることは分かります」と返してきたという。技術を究めたスケーターにしか分からない感覚だろう。
かつて、羽生のエキシビションを振り付けた。2012~13年シーズンの「ハロー・アイ・ラブ・ユー」。そのときに感じて覚えているのは、羽生のカリスマとスケーティング。「氷に乗っている彼は、まるでロックスターを見ているようだった。滑りのスピードは静かに、そして気づかないうちに増していく」と振り返った。ジャンプの技術だけではない総合力を今でも感じている。(2019年3月29日配信)
4回転ジャンプの先駆者であり、自らも4Aの練習を試みたことがあるというカート。ブラウニングさんの言葉には説得力がありますね。
「渇望と勇気、確かな技術」
「カリスマとスケーティング」
羽生選手の特質を見事に表現した言葉です。
むしろ、ジャンプよりももっと特徴的な羽生選手の魅力の源泉を表していると思います。
羽生選手の4A成功が段々と現実味を帯びてくるのを感じます。
今日ももう一度、羽生選手の4Lo、4Lz、そして4Aトライアルのgif をご覧ください。
美しい4Lo
美しい4Lz
。
勇気ある4Aトライ
今日も元気でトーレーニングして、充実した日々を送れていますように。
いつかまた、Hello,I love you のようなカートさん振付のカッコよくて超絶技巧のプログラムが見たいな。
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