2021年01月
2021年01月31日
五輪3連覇は夢ではない
ジャック・ギャラガーさんが書かれた1月4日付のこの記事は、もう読まれた方も多いかもしれませんが、私は今日偶然、初めて読んで、全く同感しましたのでシェアしたいと思います。
JACKFIGURE.COM
Japan Forward – Yuzuru Hanyu sets the path for his third Olympic gold medal
羽生結弦、五輪3連覇に向けて大きく前進する
翻訳者: ギャラガー美慧菜(ヴィエナ)
~~フィギュア史上最強の羽生結弦 ー 日本にとって誇り高い存在であり、彼の才能、そして彼が醸し出すその品格に見惚れた者は数え切れないほといるだろう~~
先月行われた全日本選手権で羽生は洗練されたハイレベルな演技を魅せ、五輪3連覇へとまた一歩近づいた。
2022年に開催される北京オリンピックの栄光へ向けて彼は今年もトレーニングを積み重ねる予定だ。
5度目の全日本優勝を試みた氷上のスーパースターは新フリープログラム(FP)、「天と地と」で観客を魅了した。2位フィニッシュとなった合計284.81点の宇野から35点もの差をつけ、319.36点で羽生は優勝を飾った。
長野ビッグハットでの羽生は最高のコンディションであり、観客を見事に惹きつけた。圧倒的な運動神経とその芸術性の調和が彼を最高峰のフィギュア選手にした鍵なのかもしれない。
3大会連続オリンピック金メダルを獲得した男性フィギュア選手はこれまででスウェーデン代表であったギリス・グラフストロームただ1人だけだ(1920年、1924年、1928年)。この偉業から92年もの月日が流れた今、新たなチャレンジャーに期待が高まっている。
2017-18、そして2018-19シーズンに怪我を負った後であった昨シーズンも羽生はGPファイナルと全日本選手権を除き、出場した全ての大会を制している(GPファイナルではアメリカ代表、ネイサン・チェンに続き2位、全日本選手権では宇野昌磨に続き2位フィニッシュ)。
羽生が優秀な選手であるからこそ彼のパフォーマンスへの期待が常に高く掲げ挙げられているといってもいいだろう。そんな彼は昨シーズンの自らの結果にがっかりしたという。
「昨シーズンの全日本とグランプリシリーズでは成長感がつかめず、試合での競争力を維持するための条件も整っていないように感じ始めました」と羽生は明かした。
年月が過ぎると共に一般的なフィギュア選手は体重が増え、ジャンプを飛ぶことが難しくなるが羽生はその例外だ。現在の彼の体格は10年前と比べてみると驚くほど変わっていない。
バートン氏、羽生の演技に肝を抜かれる
国際スケート連盟のジュニアグランプリ解説者であり、フィギュア界の第一人者でもあるテッド・バートンは羽生が非常に優れた選手であることを深く理解している。
「彼はおそらく史上最高の男性フィギュア選手です。だが人は歳をとり、衰えるにつれ様々なことが昔のようにできなくなります。一番観たいのは今から数年後の彼に昔のような演技を滑ってもらうことです。それができたらもう勝利ですね。それで獲得できるメダルが金、銀、銅、どれであっても」とバートンは語った。
今季の全日本で羽生は今までにないほど力強く、優美であった。
「2022年北京五輪は彼が勝てると思います。確実に優勝候補ですね」とバートンは話した。「ですが彼の他にもネイサン、そしてロシア代表のミハイル・コリヤダは羽生と大きく異なる選手ですね。彼が今シーズンに成し遂げたことに私は驚いています。一年後に彼はどれほど成長しているかが見どころですね。コリヤダは結弦と同じ系統の選手ではありませんが、実際に結弦と同じような選手はいないと思っています」
「結弦はどのような演技を見せてくれるか気になりますね。私たちには想像がつかないというところがまた素晴らしいことです」
復帰への道のり
羽生は昨シーズン韓国で開催された四大陸を制した後、全日本まで10ヶ月もの間大会などに出場しなかった。バートンはこの長期間の休みが羽生にとってはプラスだったのではないかと考えている。
「年上の選手たちにとってコロナの影響で得た休みは新しい元気や活力を取り込める期間となったのではないでしょうか」
「怪我からの回復はもちろん良いことですが、難しいプログラムなどに挑戦するにはまず丁寧な身体作りに時間をかけて集中することが大切ですね」とバートンは語った。
全日本を制覇した羽生は数ヶ月再会できていないカナダのコーチたちに敬意を表した。
「この状況で良い演技ができたのは本当に良かったなと思っています。そしてやはり、1人でやってきたとはいえ、ここまで支えてくださった方々がたくさんいらっしゃるのでその方々に感謝を申し上げたいです」と羽生は話した。
そして彼はコーチ不在での練習の難しさを明かしてくれた。
「やはり、これだけ長い期間1人でやるっていうのは相当迷いも悩みもすごく増えました。ただ1人でやっているとはいえ、どこかしらで、何かしらで繋がっているんだなっていうことを改めて1人で練習しているからこそ感じたので、今回も遠くから色んな力をもちろん文章とか言葉とかでアドバイスをいただいたり、そういった具体的なものばかりではなくて、すごく遠くから力を送ってくださった方々もたくさんいらっしゃると思うのでまずは、そこに感謝したいなという気持ちで一杯です」
これからの一年
羽生は今年の目標、そしてその想いを語った。
「今回1人で長い間トレーニングしてきて、ショートはもちろん課題はありましたし、はっきり言って完璧だったなとは言える演技ではないですけど、特に今日に関してはすごく自分自身も安心して、また、観ている方々も安心して観られるような自分本来の演技ができていると思ってます」
「またトレーニングしてきたやり方であったり、そういったことは間違い無かったなと思っています。今の体にあっているトレーニングの仕方だったり、成長の仕方ができていると思っているので、それをまたさらにブラッシアップして、またもっと難しいジャンプに挑みながら怪我もなく過ごしていけたら良いなと思います」
この世代のフィギュア選手は多くが限界まで頑張り、演技を披露しているがそれは同時に大きなリスクを伴うことでもあるとバートンは話した。
「様々な4回転を飛ぼうとすると危険は常につきまといますね。それは選手が若くても変わりありません。4回転は言うまでもなく、とても難しいジャンプの種類です」
12月に博報堂が発表したアスリートイメージ評価調査で羽生は日本国内のアスリートイメージ枠で1位を獲得した。また、最も「誠実」で「爽やかな」アスリートとしても選ばれている。
羽生の才能とその人柄は日本にとって誇り高い存在だ。
その偉大さは野球界のレジェンド、読売ジャイアンツの長嶋茂雄と比肩するものだ。
ベストセラー作家のロバート・ホワイティングは羽生の人気がピーク時の長嶋と同等であるか問われたとき、羽生の人気は他の選手とは比べ物にならないと話した。
「やはり近いです。ですが長嶋が活躍していた時代は現在ほど選べるスポーツ選手はいませんでした」
仲間から尊敬と厚い信頼を集めるスター
羽生は他の選手からも尊敬と信頼を集めるアスリートだ。これは熾烈な争いが繰り広げられるフィギュア界ではあまり聞かない話だ。
昨シーズン、全米選手権で銅メダルを獲得した樋渡知樹は羽生のフリー演技を観て、とても感動したという。
「動画を観ましたが、羽生選手の演技は素晴らしかったです!!!」と彼はコメントしている。
1980年以降に開催された全てのオリンピックを取材してきたベテランフィギュア記者、フィリップ・ハーシュは羽生の五輪3連覇を確信している。
「3年前、怪我の影響によりリンクで長期間演技をしていなかった結弦が2018年の五輪を制覇したことを考えると、2022年の金メダル候補に彼は外せませんね。彼は情熱的なアスリートであり、それと同時に自分の限界を越えるチャレンジャーです」とハーシュはコメントした。
バンクーバー五輪で4回転を含まないプログラムで金メダルを獲得したエヴァン・ライサチェクを例に挙げ、ハーシュはこの10年間でフィギュアを大きく変わったと話した。
「あの大会からフィギュアは確実に進化しています。特に2014年から羽生を中心としたスケーター達は4回転ルッツ、4回転フリップ、そして4回転ループを大きな要素として演技に加えてきたので」
また、今季までの長期の休みを通して、羽生は来年のオリンピックシーズンに向けて体調を整えることが出来たのではないか、とハーシュは考えている。
「羽生はその期間、体を休ませ、何年もの間に蓄積した大会からの疲労や怪我を治癒する時間を得られたのかもしれませんね」
2018年五輪から注目度が上がるチェン
現在21歳のアメリカ代表、ネイサン・チェンは平昌五輪の優勝候補だった中、痛ましいショートプログラム(SP)で5位フィニッシュとなったが、それからは負け知らずの3年間を送ってきている。彼と羽生の2人が最有力の優勝候補であるとハーシュは話した。
「羽生の最大のライバルはネイサンですね。2018年のオリンピック後、リーグの中でも彼ら2人が常に優勢でした。ネイサンによる演技中のミスは羽生を3連覇へと近づけます」
そして3連覇を成し遂げるために羽生に必要なシナリオをハーシュは具体的にあげた。
「もしネイサンが安定したSPとFPの演技をすれば、羽生はその上をいく演技に加え、技術点を多く獲得する滑りをしなければなりません。2015年のグランプリファイナルとNHK杯で優勝した時のようなシナリオですね」
最後にハーシュは簡潔に考えを述べた。
「3連覇を果たしたら、彼が史上最高の男性フィギュア選手ということが証明され、議論の余地も確実になくなります」。以前プルシェンコさんは、ユヅルが真剣に取り組めば、オリンピックで3回、いや4回でも金メダルを獲れる可能性もある、と言っていましたね。
さすがに5年後のことは想像がつきませんが、来年に迫った北京オリンピックでは、3回目の金メダルも大きな可能性を帯びていると言っても差し支えないでしょう。
全日本選手権を観た後では益々その感が強くなりました。
夢だと思っていたことが現実に近づいてきている気がするは、私だけではないと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2021年01月30日
「苦労」について
今日ポストに届いた「西北の風」
ニュースアーカイブ2020に羽生選手のスーパースラム達成が掲載されていました。
「本学卒業生」の羽生結弦選手となっています。
もし大学院に進学したら、「本学大学院生」の羽生結弦選手となりますね。
研究を続けてくれたら嬉しいな。
裏表紙の「大隈のことば」
「苦労」について
苦労することを恐れて安逸をむさぼりたいと
思うからこそ、少しのことに泣き言が
いいたくなるのである。
苦労を楽しいものと思ってみると、
苦痛さえ増せば却って働き甲斐があって
嬉しいいわけではないか。
ー大隈重信演説談話集よりー
難しければ難しいほど、苦しければくるしいほど、
それを乗り越えることは嬉しいことになる。
羽生選手も練習をこんな風に捉えているんじゃないのかな。
世界選手権開催されるようですが本当に大丈夫なのでしょうか。
国際スケート連盟(ISU)は29日、22年北京五輪シーズンのフィギュアスケート・グランプリ(GP)シリーズ日程を発表しました。#Figure365 #フィギュア365 #日刊スポーツhttps://t.co/hZsfSrB1yb
— 𝓕𝓲𝓰𝓾𝓻𝓮𝟹𝟼𝟻 (@figure365) January 29, 2021
GPシリーズの日程、場所は以下の通り。
◆第1戦スケートアメリカ(21年10月22~24日、開催都市未定)
◆第2戦スケートカナダ(10月29~31日、バンクーバー)
◆第3戦中国杯(11月5~7日、重慶)
◆第4戦NHK杯(11月12~14日、東京・国立代々木競技場)
◆第5戦フランス杯(11月19~21日、グルノーブル)
◆第6戦ロシア杯(11月26~28日、モスクワ)
◆GPファイナル(12月9~12日、大阪・東和薬品ラクタブドーム)
さらに、中止された北京冬季五輪のテスト大会は、アジアンオープントロフィーとして10月13~17日に北京で実施されます。
パンデミックはまだまだ収まらず、来シーズンのことは五里霧中といったところだけれど、
羽生選手はいつ大会があっても万全の状態で対応できるように準備しているんだろうな。
今日の宮城県の新規感染者23人、東京769人。
緊急事態宣言は3月7日まで延長されるようです。
どうか健康で過ごせていますように。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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2021年01月29日
フィギュアスケーターズとKISS & CRY
今朝一番でAmazonから届いたのは 『フィギュアスケーターズ Vol.21』
やはり大判だとインパクトがあります。
ドキドキしながらページを開けると、目次です。
羽生選手が単独で53ページ、日本代表の集合写真が2ページ、宇野選手2ページ、鍵山選手2ページ、
女子では、紀平選手10ページ、他の女子選手と女子の表彰式で12ページといった構成です。
ほぼ3分の2が羽生選手です。
写真は、公式練習、SP『LET ME ENTERTAIN YOU』、FS『天と地と』、表彰式、メダリスト・オン・アイスでの『春よ、来い』、プレカンと、時系列で並んでいて、どれも良い写真ばかりで大満足の1冊でした。
特に気に入ったのは、この1枚。
プーさんが羽生選手のお袖を掴んでいるかのようで、コーチ不在の中、プーさんが代わりに握手して励ましてくれているようで。
プレカンでの、演技の時とは違った等身大の26歳男性の素顔。
綺麗すぎるほどの肌と、はるか遠くを見つめているような眼差しに惹きつけられます。
まつ毛にピントを合わせたようなクローズアップも。
今号は特に魅力的な1冊になっていると思います。
迷っている方がいたら、是非お薦めしたいです。
そして今日発売のもう1冊は『KISS & CRY』
こちらは近所の書店に走って、
2冊しか残っていなかったうちの1冊を無事購入。
内容はこんな感じで、
74ページの内、NHK杯の7ページ以外は、全て羽生選手です。
最初の見開きページがすごく綺麗。
KISS & CRY は写真も綺麗だけれど記事やインタビューもあり、雑誌としてのバランスがいい感じです。
その中でも、今回はなんと言っても、
ハビのスペシャルインタビュー
『ユヅルは”戦士”で”絶対的なヒーロー”』を楽しみにしていました。
3ページのインタビュー記事ですが、一緒に長い時間を過ごしたハビならではの視点からの興味深いインタビューになっています。
ハビの言葉からほんの少しだけ。
ーリモートトレーニングについて。
「確かに、リモートでのトレーニングは難しいと思います。
でも、ユヅルは元々、自分の考えをしっかり持っていて、時には一人で練習することを好みました。
そしてユヅルはとてつもない才能の持ち主であると同時に、常にハードな練習を欠かさない努力家でもあります。なので、他のスケーターより問題は少なかったのではないかと思います」
ー4回転アクセルについて
「私は彼の性格をよく知っていますが、一言でいうと、”戦士”です。常に戦うことを止めない。
ですから、必ずユヅルは4回転アクセルを成功させると信じています。
実際に、最近の彼のジャンプを見ていると、もうすぐ実現しそうな印象を受けます」
羽生選手の性格、練習の仕方、ジャンプの跳び方を誰よりもよく知っているハビエルがこう言うのですから、4回転アクセルは近い未来にきっと成功するでしょうね。
最後まで読んで、本を閉じると裏表紙はプーさんとの語らいのシーンです。
結弦くんとプーさんって、どうしてこうも似合うのでしょうか。
この2冊で今週末の巣ごもりライフは乗り越えられそうです。
本と言えば、海音寺潮五郎作の「天と地と」がすごい売れ行きだそうですね。
これはまぎれもなく羽生選手の新プログラムのせいだと思いますが、なにしろ長編小説なので、文庫本でも500ページ近い厚さで、上・中・下と3巻あります。
私を含めて、今はちょっとこれだけの長さの小説を読む時間的余裕がないという方も多いことと思います。
そこで私は、やはり時代小説では定評のある吉川英治作の『上杉謙信』読んでいます。
複雑な人間関係の中での生い立ちや、兄との確執は描かれていませんが、武田信玄との戦いに焦点を当てているので、上杉謙信という人物像はつかめると思います。
330ページほどのボリュームですが、1冊にまとめられているので、これならすぐに読めると思いますので、お薦めです。
「信玄はあくまで物理的な重厚さと老練な常識を以て臨み、謙信はどこまでも、敵の常識の上に出て、学理や常識では想到し得ない高度な精神をふるい起して、この戦いをこれほどまでに善く戦ったということである。
世評は何といおうと、謙信自身にとっては、絶対的な道と二つなき戦法を以てしたことは快戦だったにちがいない」
―巻末解説よりー
しばらく謙信ブーム続きそうですね

最後までお読みいただきありがとうございました。
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2021年01月28日
佐藤駿くんと4回転ルッツ
昨日の朝日DIGITALに、佐藤駿くんの記事がありました。
私も、最近鍵山優真選手の活躍が目立っていた中で、駿くんはどんな思いでいるのかなと、気になっていました。
有料記事なので、要約してお伝えします。
「悔しいけど目標」 佐藤駿、ライバル鍵山優真への思い
ライバルに敗れたというのに、表情は意外なほど明るかった。フィギュアスケート男子の新鋭、16歳の佐藤駿(埼玉栄高校/フジ・コーポレーション)だ。
24日に幕を閉じた全国高校選手権(インターハイ)で2連覇を逃し、2位。
優勝をさらったのは、今季同時にシニアデビューを果たした同学年の盟友、鍵山優真(星槎高校横浜)だった。
それでも、「やっと自分のスケートを出し切れたと思う。かなり満足しています」。
敗北にも前向きになれる理由が、最大の武器である4回転ルッツにあった。
ショートプログラム3位からの巻き返しを狙ったフリーで、駿くんは4回転ルッツを綺麗に着氷しました。3,45点のGOEが付く綺麗なルッツでした。
4回転ルッツの成功は昨年1月の埼玉のローカル大会以来だったそうです。
駿くんは「ジャンプに最近かなり自信をなくしていたけど、すごく取り戻せた」と喜んでいたようです。
今季からシニアにあがったものの、4回転ルッツをなかなか決められず、NHK杯5位、全日本選手権も5位に終わり、思うような結果がなかなか出せずにいたのです。
駿くんは今回のインターハイではある工夫をしていました。
これまでは、集中力の高い演技冒頭に跳んでいたルッツだが、「体が動いていないというか、緊張している状態での4回転ルッツなので成功率が低いのかなと。だから今回から(別のジャンプで)体を温めてから跳んだ」ということです。
4回転ルッツの方が高難度ではあるが、あえて4回転トーループをまず跳び、緊張がほぐれ、体も温まったところで2本目に4回転ルッツを組み込むという型破りな作戦で成功につなげたのです。
駿くんは、「今季は、自分でもかなり苦しいシーズンかなと思う。もちろん1位を狙っていたんですけど、それより、どこかで今季の嫌なイメージを変えたかった。今回の試合で、変えられたのですごく良かったです」と語った。
一方で、佐藤駿くんのライバルと自他ともに認める鍵山優真選手は、ショート、フリー共に1位で、インターハイ初出場で優勝した。
駿くんと共にシニアにあがった今シーズンは、NHK杯優勝、全日本では2年連続の3位と、頭角を現してきた。
記者から「ライバルの鍵山は一歩先を行っている。複雑な思いがあるのでは?」
という質問を受けて、
駿くんは、「もちろん悔しさはちょっとあるんですけど、それよりも早く追いつきたいって気持ちがとても強いです。間近で見る機会もたくさんあって、目標にもしている。
やっぱり優真がいなかったらここまで絶対に来られていない。とても感謝しています」と答たそうです。
その優真くんは、別の取材の時にこんな風に話していたそうです。
「(佐藤駿くんが小学生の時)本当にもう勝てないわ、という感じの選手だった。駿が関東に引っ越してきて、同じ試合をすることが多くなって、そこで『自分も負けていられない』という気持ちが熱くなった。そこから(自分の)成長のスピードが早くなったと思います」。
互いにライバルと認めながらも、普段は高校生同士、親友でもあるという二人が、これからどのような成長を遂げていくかは楽しみですね。
私が試合での駿くんを初めて見たのは2019年トリノのジュニアGPFでした。
『ロミオとジュリエット』の冒頭の4回転ルッツを決めた時は、本当にワァーオ!と思い、いっぱい拍手しました。

羽生選手のニースのロミオを思い出して、胸が一杯になったことを思い出します。
今シーズンは怪我もあり、思うような結果ではなかったかもしれないけれど、
秘めたポテンシャルは、決して鍵山選手に劣るものではないと確信しています。
いえむしろ、ジャンプの才能という面からは鍵山選手の上をいっているのではないかとも思っています。
今回のインターハイで4回転ルッツを2本目に持ってきたことを知った時、直ぐに思い浮かんだのは、
同じくトリノGPFで、羽生選手が2本目にルッツを持ってきていたことでした。
最初の4回転ループに続いての4回転ルッツ、素晴らしかったです。

駿くんも現場で見ていたはずですから、もしかしたらその時のことを思い出していたのかな、なんて思いました。
昨日は冬季国体があり、鍵山選手は4回転抜きでもSPで95.12点となり、
自分でも「さすがに出過ぎかなと思いました」とコメントしたくらいですから、ジャッジがどれだけ甘い点数を付けたのか分かりますね。
鍵山優真4回転抜きでSP95.12「さすがに出過ぎ」 #鍵山優真 #figureskate #冬季国体 https://t.co/wtLPxHnX59
— 日刊スポーツ (@nikkansports) January 27, 2021
最近無理やり、鍵山選手を盛り立ててポスト羽生結弦に仕立てようとする気配がありありで、ちょっと白けてしまうこともあります。
鍵山選手のせいではありませんが、あまりそういうことをすると、結局は有能な選手をスポイルしてしまうことにもつながるような気がします。
一時期の後輩選手のように、勝手に期待を掛けられて、成績が出せなくなると次のターゲットを探し出すというのは、本当に選手にもファンにも迷惑以外の何物でもないような気がします。
日本スケート連盟には、無理やりスターを創り出そうとするよりも、公平、公正、正確なジャッジングのためには何が必要なのかを真剣に考えて下さいと言いたいです。
駿くん、羽生選手の後輩であることを誇りに、これからもがんばって!!
最後までお読みいただきありがとうございます。
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2021年01月27日
ジャンプで比べる結弦vsネイサン
昨日の記事 「もし二人が戦えば」で、羽生選手とネイサン・チェン選手が、今シーズン直接戦う場があった場合、つまり世界選手権があった場合、
点数の面から見て、どのような可能性があるのかを考えてみました。
今日は、両選手のジャンプを比較している動画で、二人の4回転ジャンプを見てみましょう。
同じエレメンツを取り出して比較することで、二人の選手の違いや特徴も分かり易いと思います。
4Lz、4Lo、4S、4Tの順番で、羽生結弦選手とネイサン・チェン選手のジャンプが比較できます。
いかがでしょうか。
私は、ネイサン・チェン選手のGOEが、羽生選手に比べて高く付けつけられているのが目に付きました。
明らかに羽生選手の方が正しく美しいジャンプでも、GOEは何故かネイサン選手の方が高くなるケースが多いのは何故でしょうか。
やはりジャッジのアメリカ忖度があるとしか思えません。
羽生選手は今、そんな忖度を凌駕するほどの、絶対的な強さと美しさで勝つことを目指して練習に励んでいるのだと思います。
それでは今度は羽生選手が現在跳んでいる4種類の4回転ジャンプ、4S、4Lo、4Lz、4Tを集めた動画を観てみましょう。
正しいエッジ、プレロテ無し、美しく流れる着氷、本当に美しいジャンプばかりで惚れ惚れします。
羽生選手も、ネイサン・チェン選手も、FSでは共に4種類の4回転を5回入れたプログラムになると思われますが、ジャンプの美しさでは、羽生選手に勝てる選手はいないと思っています。
素晴らしい2つの新プログラムを創り出した羽生選手が、健康で、体力、気力共に充実していれば、必ず勝利はその手で掴めるはずです。
photo: 小海途良幹
最近のお気に入りドリンクです。
伊藤園の「京ゆず」、一目惚れならぬ一口惚れ、というのも納得の美味しさです。
Youtubeや読書のお供に。
見つけたら是非お試し下さいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2021年01月26日
もしも二人が戦えば
The DIGESTに、こんなセンセーショナルなタイトルをつけた記事が上がっていました。
羽生結弦vsネイサン・チェン、世界選手権ではどちらが勝つ?
日米両王者を最新エレメンツで比較すると・・・
点数についての部分を一部抜粋しました。
国内選手権の点はISU非公認のため一概に比較できない。そこで両者のエレメンツを比べてみた。 ◆羽生 SPのエレメンツと基礎点(×は演技後半で1.1倍) 1:4S 9.70 2:4T+3T 13.70 3:FCSp3 2.80 4:3A 8.80× 5:CSSp 0 6:StSq4 3.90 7:CCoSp4 3.50 合計 42.40 ◆羽生 フリーのエレメンツと基礎点 1:4Lo 10.50 2:4S 9.70 3:3A+2T 9.30 4:3Lo 4.90 5:FCCoSp4 3.50 6:StSp3 3.30 7:4T+3T 15.07× 8:4T+1Eu+3S 15.73× 9:3A 8.80× 10:ChSp4 3.00 11:FCSSp4 3.00 12:CCoSp3V 2.25 合計 89.05 今回、羽生はSPのスピンが異例の「0点」とされた。大会後に発表された理由は、「足換え後に2回転連続した姿勢が成立していないから」ということだった。仮にこのエレメンツでレベル4を取っていれば基礎点は3.00。合計45.40点だった。
◆チェン SPのエレメンツと基礎点 1:4Lz 11.50 2:3A 8.00 3:CSSp4 3.00 4:FCSp4 3.20 5:4F+3T 16.72× 6:StSq4 3.90 7:CCoSp4 3.50 合計 49.82 ◆チェン フリーのエレメンツと基礎点 1:4Lz 11. 50 2:4F+3T 15.20 3:3Lz 5.90 4:4S 9.70 5:CCSp4 3.20 6:FCCoSp3V 2.25 7:StSq4 3.90 8:4T+1Eu+3F 16.83× 9:4T+3T 15.07× 10:3A 8.80× 11:ChSq1 3.00 12:CCoSp2V 1.88 合計 97.23 このようにエレメンツの基礎点ではチェンがリードしている。4回転ジャンプに長けているチェンの演技の醍醐味だ。しかし、演技構成点に目を向けると羽生の強さが光る。あくまで非公認だが、全日本選手権の羽生と全米選手権のチェンの演技構成点を比較すると、 羽生のSP 47.32 羽生のフリー 97.22 羽生の演技構成点の合計 144.54 チェンのSP 47.70 チェンのフリー 94.00 チェンの演技構成点の合計141.00 となるのだ。
*****
つまり、二人の基礎点と演技構成点の合計は
羽生選手:45.40(SP)+89.5(FS)+144.54(PCS)=278.99
チェン選手:49.82(SP)+97.23(FS)+141.00(PCS)=288.05
となり、チェン選手が9.06点リードする計算になっています。
しかしFSにおいて、羽生選手が4Lo、4S、4Tの3種類4本の4回転ジャンプで構成しているのに対して、
チェン選手は4Lz、4F、4S、4Tの4種類5本で構成しています。
羽生選手は今シーズン初戦となる全日本では、敢えて4種類の4回転を入れなかったのだと思いますが、当然のことながら、入れようと思えば美しい4Lzを跳べるわけですから、もし2019年GPFのように4Lzを入れた4種類5本の4回転ジャンプを跳べば、さらに点数は数点上がります。
そして、ここでは計算されていませんが、
羽生選手の全日本でのGOEの合計は、13.81(SP)+29.56(FS)=43.37点、
ネイサン・チェン選手の全米でのGOEの合計は、16.40(SP)+17.13(FS)=33.43点でした。
羽生選手の方が9.94点リードしているのです。
そう考えれば、もし両雄戦えばの推測は、
羽生選手の方に軍配は上がる、というのが、私の結論です。
記事の全文はこちらから。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2021年01月25日
冨田勲さんの音楽と矢野桂一さんの編曲と
羽生選手のフリーの新プログラム「天と地と」は、1969年のNHK大河ドラマ「天と地と」、
そして1972年のNHK大河ドラマ「新・平家物語」の音楽を編集したものになっています。
この2つのテーマ曲を作曲したのが冨田勲さんです。
これが冨田さんの曲だと知った時、私はちょっと意外な感じがしました。
冨田勲さんと言えば、私の中ではシンセサイザー音楽の作曲家というイメージがあったからです。
調べて驚いたのですが、冨田さんは大河ドラマの音楽を多数担当されていたのです。
NHK大河ドラマ
- 大河ドラマ第1作:花の生涯(1963年)
- 大河ドラマ第7作:天と地と(1969年)※ 初のカラー大河ドラマ
- 大河ドラマ第10作:新・平家物語(1972年)
- 大河ドラマ第12作:勝海舟(1974年)
- 大河ドラマ第21作:徳川家康(1983年)
その他にも、映画、ドラマ、アニメ、校歌、CMと、ありとあらゆるジャンルの、数えきれないほどの音楽を手掛けた多作の作曲家でした。
以下、ウィキペディアから経歴のほんの一部をご紹介します。
やがて古典的な「アコースティック楽器のオーケストラ」の音には飽きたらなくなり、当時新たに登場してきた電子機器と古典的楽器の音を融合させるなど、様々な音楽の可能性を追求するようになった。さらにその後1969年に電子楽器モーグ・シンセサイザーに出会ったことが転機となり、これ以降は古典的名曲を現代的な解釈を加えて編曲し、自宅スタジオでシンセサイザーを演奏・多重録音して作品を制作し世に発表することが活動の中心となった。その音楽や音響効果は「TOMITA SOUND トミタ・サウンド」と呼ばれ、「Isao TOMITA イサオ・トミタ」の名は広く世界に知られている。
1971年秋頃、モジュラー式のモーグ・シンセサイザー(モーグIII-P画像)を日本で初めて個人輸入した。非常に高額な楽器であり、金銭面で苦労したという。
1975年3月開催の第17回グラミー賞において日本人として初めてノミネートされた[11]。この快挙はNHKなど国内のマスコミによっても報じられ、米国RCAレーベルのレコードが国内に(『月の光 - ドビッシーによるメルヘンの世界』として)逆輸入されたことなどにより、その作品が知られるようになった。またNARM(National Association Of Record Merchandiserers 全米レコード販売者協会)の1974年最優秀クラシカル・レコードにも選ばれた。
1975年2月発表の『展覧会の絵』[12]は、1975年8月16日付けのビルボード・キャッシュボックスの全米クラシックチャートの第1位を獲得し、1975年NARM同部門最優秀レコード2年連続受賞、1975年度日本レコード大賞・企画賞を受賞した。
同年9月発表の『火の鳥』[13]は1976年3月20日付けのビルボード全米クラシックチャート第5位を記録した。
1976年12月20日発表の『惑星』[14]も1978年2月19日付けのビルボード全米クラシック部門で第1位にランキングされた[15]。『バミューダ・トライアングル』では発売翌年のグラミー賞で "Best Engineered Recording"に2回目のノミネートを受けた。1983年のアルバム『大峡谷』では3回目のグラミー賞のノミネートを受けた。以降『バッハ・ファンタジー』(1996年)まで、冨田勲のアルバムはいずれも世界的なヒットを記録している。
1979年に米コンテンポラリー・キーボード誌の読者投票により“ベスト・スタジオ・シンセシスト”に選ばれた。冨田のシンセサイザー作品群は、全ての音色作りはもちろん、全パートの演奏、録音、編集までを含めて冨田自身の一人の手による制作であり、現在のパーソナルスタジオによる音楽制作の先駆けであったといえる。
ここで教えを受けながら助手として働いた松武秀樹は、後にイエロー・マジック・オーケストラの第4のメンバーとしてシンセサイザー・マニピュレーターの役割に就いた。海外では、スティービー・ワンダーが、来日した際に最も尊敬している音楽家として冨田の名前を挙げている(後に長良川でのサウンドクラウドに登場している)。マイケル・ジャクソンも、来日(1987年9月24日)の際に冨田のスタジオを訪問した[16]。また『惑星』の立体音響に深く感銘したフランシス・フォード・コッポラ監督は、映画『地獄の黙示録』の音楽を冨田に要請したが、レコード会社との専属契約の関係で実現には至らなかったとされる。
1998年、日本の伝統楽器と西洋オーケストラとシンセサイザーによる『源氏物語幻想交響絵巻』を作曲。東京、ロサンゼルス、ロンドンで初演、自ら指揮棒を振った。1999年、メディア・アーティスト協会創設に参加。
2001年、東映50周年記念作品映画『千年の恋 ひかる源氏物語』の音楽を作曲し、日本アカデミー優秀音楽賞を受賞。また、東京ディズニーシー・アクアスフィアのための3面立体音響シンフォニーを手掛ける。
このように、日本の伝統楽器とオーケストラとシンセサイザーの組み合わせによる作曲を多く手掛け、世界的にも非常に高く評価された作曲家でした。
羽生選手が新プログラムに冨田勲さんの曲を使うことについては、和楽器を使った曲でありながら、世界にアピールできる現代性を備えた素晴らしい選択だなぁと敬服しました。
また1969年と言う、羽生選手が生まれる25年も前のNHK大河ドラマの曲をよく見つけてきたものだなぁというのも驚きでした。
これも上杉謙信公との縁が引き寄せためぐり合わせなのかもしれませんね。
Number1019号には、新プログラムの曲の編集を担当された矢野桂一 さんの記事が掲載されています。
琵琶の音色を付け加えたり、箏の音色にハープの音色を重ねたり、シンバルやチューブラーベルという楽器を使ったり、最後の部分は琵琶の音にエコーをかけて余韻を持たせるなど、音響デザイナーとして素晴らしい曲を作って下さいました。
私事になりますが、私の母は子供のころから筝を習っていて、父は趣味で尺八を吹いたりしていたのですが、ある時、なぜか突然、琵琶を買ってきたことがありました。
どこかで琵琶法師の音楽を聴いて、えらく気に入ったらしいのです。
そんなわけで、私も子供のころから筝、琵琶、尺八という和楽器は身近にあったので、今回の音楽は非常に気に入っています。
琵琶はリュートと、箏はハープと似ています。
楽器を通しても、世界の中の日本、日本の中の世界を感じたりします。
和楽器って、西洋の楽器とは音階が違うので、扱い方によっては現代音楽のようにも聞こえたり、ジャズ風な趣も感じられたりして。
羽生選手の『天と地と』をきっかけにして、世界にもっと和楽器の素晴らしさが広がって行ったらいいなと思っています。
結局、この曲を選んだ羽生選手の音楽的センスが素晴らしいということ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2021年01月24日
歴史に残る名演技
全日本選手権から今日でちょうど1か月が経ちますね。
でもまだその余韻から抜け出せずに、毎日のように動画を観てしまいます。
Number1019号では、羽生選手の圧巻の演技について、様々なジャンルの方々から取材して下さっていて非常に興味深いですが、
全日本選手権で解説を担当し、フィギュアスケート選手として第一線で活躍された経験を持つ本田武史さんは、実際に自分が体験したことに基づいて鋭い指摘をされています。
技術的に一番変わったのはジャンプの空中姿勢での肘だということです。
「昨季まではちょっと肘が上がった状態でしたが、今季は肘を締めているんです。
本人に『軸が細くなったね』という話をしたら、『独りで練習しているからそういう所(外から見た姿勢)は分からない部分だった』と納得した様子でした。
軸が細くなった分、回転に余裕ができている印象でした」

問題のシットスピンのノーカンについては、本田さんはこのように話しています。
「これは全体的に、姿勢を変えるタイミングが早かった印象でした。1つの姿勢で『1,2』」と2回転数える前に、次の姿勢にむけて動き始めているので、回転数が足りないと判断されたのですね。本人も『ちょっと盛り上がり過ぎた』って言っていましたし、スピンの後の『拍手の部分がいらなかった~』とも。
あと1秒あれば回転は足りていましたからね。スピンのレベルは試合数をこなしながら調整するものなので、初戦の難しさでしょう」
拍手の部分とはここのことですね。

羽生選手は、会場をもっと盛り上げようという気持ちでここで拍手を入れたのだと思います。
しかし、もしそこまで厳しくスピンをカウントするならば、全選手に同じ基準を適用しなければなければなりません。
本田さんはさらに、「スピンの部分で4~5点は上がりますし、このプログラム自体は110点を超えるという予想ができます。このままで十分、北京五輪で勝てるプログラムになると思います」と語っています。
そしてフリープログラムのジャンプについては、
「全体的に軸が細く、やはり脇を締めています。個人的には最後のトリプルアクセルが一番のハイライト。スパイラルやってほとんどスピードのない所で高さと余裕のあるアクセル。お見事でした」

「軸が細く回転速度が速くなった分、開くタイミングを早めた。
これは4回転アクセルを早めに開くとトリプルになるという延長線上の練習をしていると感じました」
そして、
「このフリーは絶対に北京五輪へと繋がっていくでしょう」と言い切っています。
羽生選手自身は、北京五輪への思いは自分に封印していると言っていましたが、
実際問題として、このプログラムを見せられた後で、羽生選手が北京五輪を念頭に置いていないと思う人はいないのではないでしょうか。
同じく現役時代に第一線で活躍した中野友加里さんは、さらに熱く熱く、羽生選手のフリープログラムについて語っています。
「『天と地と』という名作は、歴史に残る名演技と言えるくらいの演技」
「一つ一つのジャンプが決まるごとに、もう呆然としてしまって、いやーこの人凄いな、この選手凄いな、と思いながら観ていました」
「一人異次元の戦いをしているんじゃないかというぐらい、素晴らしい卓越したスケーティング、そして歴史に残る、全日本の歴史に残る名演技だったんじゃないかというぐらい、素晴らしい演技でした」
「今日観た羽生選手の演技は、もう誰もかなわないんじゃないかなと思うくらい、世界でもトップになれるくらいの演技だったと思うので、この先どうなるかはわからないのですが、北京オリンピックに繋がる演技だと思います」
中野さんの感想は、羽生結弦ファンはもちろんのこと、たとえほかの選手のファンであっても、フィギュアスケートファンであるならば誰もが感じた事ではなかったでしょうか。
まだ世界選手権さえ開けるかどうか分かりませんし、世界中に変異種が拡散している最中に開催は難しいのかなとも思います。
しかし、たとえ次に演技を観るのが北京オリンピックになったとしても、
今回の演技を観る限り、羽生選手の3回目の五輪金メダルは非現実的なものではないと考えるようになりました。
それまで羽生選手が健康で、怪我無くいてくれますように。
祈るのはただそれだけです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2021年01月23日
YUZUな一日
今回はスケートの話題からは離れますが、YUZUにまつわるプライベートなお話を少し。
今日は冷たい雨の中、少し前倒したバースデイランチに行ってきました。
都心でありながら静かな一軒家レストランは、となりのテーブルとの距離は2mほど離れて設置されていました。
検温、消毒もしっかりと。
いつもながらの美味しいお料理の最後を飾るデザートのメニュー
yuzuという文字に目がくぎ付けになりました。
マロンのミルフィーユに意外にもユズのアクセントがよく合って、とても美味しかった。
そして表面には金箔があしらわれていたのです!

ユズ+金箔ときたら、これはもしかしたら、シェフは結弦ファンか?
と思ってしまいました。
すっかり幸せな気分で、帰り道では柚子を使ったお菓子や食品の専門店「柚子の木」でユズゼリーを買って帰ってきました。
これもユズ味がしっかり効いていて、とても美味しいです。
つい最近になって、フッと思い出したのですが、小学校に上がる前の幼い頃、
柚木町(ゆずのきちょう)という名の町に住んでいたことがありました。
なぜ今まで気が付かなかったんだろうと、自分でも不思議になります。
でも、幼い頃からユズとご縁があったこと、なんだか嬉しい気持ちになります。
そして帰宅してたまたま点けたテレビでは、AJINOMOTOの勝ち飯の番組を放送中でした。
初めて見た番組なのですが、なんと仙台白菜の特集でした。
仙台白菜は仙台の伝統野菜の一つ。
鍋料理が美味しそうでした。
明日は雪も降るという天気予報で寒そう。
白菜と魚介の鍋料理にしようかな。
汁物が好きという結弦くんも仙台白菜の鍋料理食べているだろうな。
今日はYUZUとご縁のある一日で、幸せでした。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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アーティストが語る羽生結弦(2)
昨日の記事の続きです。
アーティストが語る羽生結弦 歴代プログラムの美
今日は『天と地のレクイエム』を作曲した松尾泰伸さん、
宝塚の人気男役スターだった美弥るりかさん、
英国ロイヤルバレエ団プリンシパルを務める高田茜さん、
そして羽生選手とは親友同士という指田フミヤさん、
4人のアーティストの語る羽生選手です。
興味を惹かれたところ、共感したところを抜粋させていただきました。
『天と地のレクイエム』
松尾泰伸 「全身全霊を込めた表現力」
「フィギュアスケートに詳しいわけではありませんが、1人1人の選手にキャラクターがあって個性、魅力があると感じます。そのうえで羽生選手を表すなら、『表現者としての天才』でしょうか。
アスリートとしての表現者であるだけでなく、ほかの人にない、アートとか芸術としての表現者という意味においてです。
私は舞踏や前衛演劇にも長くかかわってきたので、バレエダンサーのニジンスキーなどもよく知っています。そういう人に近いものを持っていると感じますし、そのジャンルの歴史を変える役割をきっと持っている。実際、羽生選手もそれを果たしてきたと思います」

『ロミオとジュリエット』
美弥るりか 「清冽な静と動のロミオ」
「音楽やダンスと言う面でも共通点がありますが、何より舞台に立っている人にとって、表現という意味で刺激を受けることがすごく多い。
美しさの陰で、そこに至るまで毎日休まず練習し続けてきた努力や情熱が見える。私自身も羽生選手や浅田真央選手の演技を見て感動したり、自分も頑張ろうという気持ちをたくさんいただきました」
「特に凄いのは常に同じコンディションではないということ。毎回会場の広さや氷の状態が違い、ジャンプで転倒することもあってカウントどうりに動けるわけではない。
羽生選手はたとえハプニングがあったとしても、次の音は必ず外さないですよね。それは肉体の強さであり、メンタリティの強さ。
さらに、羽生選手の後ろには何万人もの想いがある。
大きな期待を受けてそれに応え、かつ技術や表現に対して繊細に突き詰めていく心を持ち続けている。
そこに高い精神性も加わり、世界中の人を魅了する演技になるのでしょう」
『バラード第1番』
高田茜 「音楽と呼吸の同調性」
「バレエダンサーの視点で羽生選手が特に優れているなと感じるのが、上半身の動きの美しさです。立ち姿、身体の上下の動作なども素晴らしく、上半身は常にリラックスした状態で、動きも柔らかで滑らか。しっかりと身体がコントロールされている印象です。重心が体の正しい位置に入っていないと、余計な力を感じます。でも、羽生選手は(重心が)正しい位置に入っている。だから上半身を動かしやすいのかもしれません。腕のコーディネーションも素晴らしいです。」
「また、あえて1拍置いて動くこともありますよね。些細な動作であっても、意図的に1拍を吸ってから次の動作に移ることで動きの印象が穏やかになったり、次の動きに意味を持たせることができている。同じようなテンポでやるのではなく、ところどころアクセントを加えるような動きもいくつか見られます。そういったものが表現力の幅を広げているのでしょう。
音楽と共に呼吸しながら動くという同調性は私たちバレエダンサーにも通じるものがあります」

『花になれ』
指田フミヤ 「歌うように滑っている」
「こんなに大きな出会いになるとは思いませんでした。羽生選手と友人になれたことをあらためてそう思います」
「性格が似ているのも大きかった。二人共壁を作るタイプなんです。似ているからそれがお互いに分かると壁がなくなるのも早かったと思います」
羽生君の演技はいい意味で『崩れている』ように感じます。僕はリズムの中で好きなように歌うタイプですが、羽生君も決まりごとの中でも自分を入れて滑っている。
フリースタイルを好むミュージシャンに近い感じがする。だから人間の生々しさとかが伝わってくるんじゃないかと思います」
指田さんと羽生選手の出会いは、2012年のファンタジー・オン・アイスでの共演でした。
それ以来、羽生選手の数少ない(と思われる)友人としてのおつきあいが続いているのは、初対面でお互いに「似た者同士」と認め合ったからなんですね。
「壁を作るタイプで完璧主義者で自由を愛する」、私そういうの結構好きなタイプです。
Number1019号のBook in Bookは、様々なジャンルのアーティストの方が様々な視点から羽生選手を語るという、大変興味深い企画でした。
その他にも、本田武史さん、矢野桂一さん、松崎修造さん、それに卒論指導教授の西村先生など、まだまだ興味深い記事がいっぱいです。
1冊は読む用、もう1冊は保存用に、最低2冊は必要なNumber1019号だと思います。
現在Amazonランキングではスポーツ部門第1位
そして品切れ中です。
でも近くの書店にはまだありましたよ。
是非、お薦めです

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2021年01月22日
アーティストが語る羽生結弦(1)
昨日発売のNumber1019号、読みどころがいっぱいで嬉しい悲鳴!
まず最初のページを開いて目に付いたのは、ここ。
写真が田中さんと能登さんという2大巨匠が一緒に担当しているところ。
田中さん@tanaka_nobu_ph と同じ媒体に提供できる機会がなかったので、なんか新鮮です🙇🏻 pic.twitter.com/PpSvOCRDow
— 能登 直 (@sunao_noto) January 21, 2021
ひとつの企画にお二人が一緒に写真提供するのは本当に珍しい気がします。
初出と思われる写真もありました。
記事も、出版まで1か月という短い期間に、多岐にわたるジャンルの方々から集められていて、
集英社という大出版社の底力でしょうか。
どの記事も読みごたえがありすぎて、どこから書いていいのか迷いますが、
先ずは期待していたBooki in Book の記事から。
ジャンルの違う8人のアーティストの方々が羽生選手のプログラムについて語ります。
アーティストが語る羽生結弦 歴代プログラムの美
その中から、特に印象的なところ、共感したところを抜き書きさせていただきました。
今日は梅林茂さん、龍玄としさん、川井郁子さん、塩入俊哉さんです。
『SEIMEI』
梅林 茂 「内なる音に導かれて」
(映画『陰陽師』の音楽をプロデュースした作曲家)
「そこで羽生選手なのですが、なんとなくその拍子を捉えているのは凄いことです。言葉は悪いですが、この人はよくこの音楽のこのリズムなのに、ここで回転したり、跳んだり出来るものだなと。
どこでタイミングを合わせているのか。ビートの取り方と間の取り方。
ましてや下がスケート靴と氷なのだから、それはもう想像がつきません」
「今回こうして話をするにあたって、あらためて2015年と2018年の平昌五輪のふたつの演技を見ることになったのですが、音楽がどうとかの以前に、やはりこの人のスケートは凄い。他の曲を使ったとしても、同じような結果を残せたのではないでしょうか。
腰を低く氷上を撫でるように回るところなどは、誰が見ても感動するでしょうね。氷の肌を触っているような、大きな自分の地球を撫でているような……。
終盤、伸ばした足を広げTの字で何度も回転する。それが客席の壁の青い水平なラインと綺麗に水平になる。ただただ驚かされます。
また、体のフォルムが実に美しい。きっといい出会いをしているのでしょうね、氷と。
そういう気がします」

『オペラ座の怪人』
龍玄とし 「エンターティンメントの極意」
「羽生さんの『オペラ座の怪人』の演技で印象的なのは、前半の4回転トウループの着地と、象徴的な『ジャーン』の音とのタイミングが絶妙すぎる音ハメ。何度見ても思わず『うわーっ!』ってなります。
あの高度なジャンプをしながら、降りるタイミングを卓越したバランス感覚で瞬時に計算している。
イナバウアーのところの曲とのハマり具合も背筋がゾクゾクっとします。競技というよりも、”アイススケートバレエ”という新たな芸術作品を鑑賞しているような気持になります。
共演していても感じましたが、天性のものなのか、練習によって培われたものなのか、おそらくはその両方と思いますが、羽生さんのリズム感、リズムの刻みの感じ方は実に細かくて正確です。そのためにリズムに心身をはめ込む感覚に大きな余裕と自由さがあるので、音にぴたりとハマるのではないかと、勝手ながらですが推測しています。
またもうひとつ驚かされるのが、観衆を巻き込み、感動の渦を生み出す力です。
見て下さる方に対して何かを与えたい、伝えたい、力になりたい、メッセージを発したい、それが自分の喜びであり、ミッションなんだ、というような、羽生さんの生きる基本姿勢から発せられる力強いパワーが、それに共感する皆さんの思いと共に、エネルギーの渦となって増幅されて会場を満たす。
まさにエンターティンメントの極意を体現してくれるような、稀有なアーティストだと思っています。」
『ホワイト・レジェンド』
川井郁子 「祈りの舞は白鳥のよう」
「私が彼が優れた表現者だと思うのは、柔らかさと硬質なもの、熱いものとクールなものなど、両極を兼ね備えているところです。
ほとばしる情熱がありながらも常に冷静で、鋭さがありながらも優美さもある。
だからこそ音楽と深くマッチし、表現に奥深さが出ているのではないでしょうか。
それでも現状に満足せず、更に深い表現を模索し続ける姿は、クラシックの巨匠と言われる演奏家の精神性と通じるものがあると感じます」
「自分の曲をまったく異なる分野の方が表現することによって、化学反応が起きて昇華されるんです。
『ホワイト・レジェンド』は羽生選手によって翼を得て、高く高く飛翔したラッキーな楽曲でした」

『Hope & Legacy』
塩入俊哉 「2重力”さえ見せる演技」
「羽生選手の演技はこの和のタイム間を自然に表現している。一つ一つの動きに『重力』があるんです。たとえば冒頭、ピアノが16分音符を繰り返す音の中でスケーティングしながら腕を美しく動かしているのですが、ただ腕を出すだけでなく、タメを使い『重力』を表現している。そしてジャンプ、スピンといった動きのなかにも、内側から外側、外側から内側へと呼吸するような『エネルギーのやりとり』がある。吸っている息さえ、ひとつの音楽として表現されているのを感じます」
「この『Hope & Legacy』や『SEIMEI』といった和の音に対しては、自身のルーツである日本、アジアというものに向き合い、表現しようという気概を感じます。
2019年全日本選手権のエキシビションで演奏させていただきましたが、あの時の『SEIMEI』は神がかっていて、演奏していてゾクゾクしたほどでした。
実は前夜、プログラムを短くしたいということで急遽曲を編集したのですが、本番では全ての音に完璧に合わせていました」
4人の音楽家の方々全てが羽生選手の音に対する鋭い感性と理解の深さを語っています。
全てうなずけることばかりでした。
後半は次回の、アーティストが語る羽生結弦(2)に続きます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2021年01月21日
演技に酔う
集英社新書プラス
宇都宮直子 スケートを語る 第16回 唯一無二 より一部抜粋させていただきました。
さて、私の見た「全日本選手権での羽生結弦」だが、別の次元で生きている人のようだった。
羽生は、
「自分が出場したことで、ちょっとでも何かの活力になれば。なんかの気持ちの変わるきっかけになれば」
と語っているが、私は、あらためて彼が唯一無二の選手なのを感じる。
羽生の発するエネルギーは、独特だ。
人の心を束にして、一瞬で持って行く。人々はそれに抗えないのである。
私は一昨年、心臓に不調を抱え、試合に行けなかった。ために、羽生を見るのは久しぶりだった。
演技中は、何も思えなかった。過去、タチアナ・タラソワコーチが話していた状態だったのだと思う。
曰く、
「私は完全に、羽生に魅了されています。まるで麻酔をかけられたように、身動きが取れないのです。
食い入るように見つめるしかない。私にとって、彼はそんな存在です」
「天と地と」の演技後、私は隣席に座る編集者に言った。
「今日はとても幸せ」
ほんとうに、そんな気分だった。羽生結弦のいるリンクのなんと豪華なことか。
ビッグハットは、新型コロナ感染症の対策が成されていた。個人的には、NHK杯(大阪)よりもきちんとしていた気がする。消毒液が至る所に置かれていた。
会場は集客が抑えられていたが、雰囲気がよかった。優しかったと思う。
登場するすべての選手に、惜しみない拍手が贈られた。バナー掲出は許されていなかったが、客席のあらゆるところで静かに、思いを込めて振られていた。
ショートの6分間練習の際、羽生が何かを短く言うのが聞こえた。
普段耳にする、あの柔らかい声ではなくて、腹の底から出たとでも言うのだろうか。野太い声だった。
フリーの6分間練習のときもそうだ。
手を顔に近づけて、指先を見ながら小さく笑った。それから何かを言った。野太い声ではなく、普段の声で、である。
私には聞き取れなかったが、編集者によれば、
「『鼻血が出た』って言っていませんでした?」
ということだった。
確認は取れていないが、そういう場面がたしかにあった。
私は会場で、いつもと同じようにメモを取った。長い歳月、ずっとそうしてきた。でも今回、初めてのこともした。
ノートに、私はこう綴っている。少し乱れた字で、
「高山さん、あなたの愛した羽生はこんなにも綺麗です」。
高山さんがもし羽生選手の『天と地と』を観たら、どんなことを語ったでしょうか。
美しいものを愛した高山さんは、宇都宮さんの隣で、「僕もとても幸せ」と微笑んだ、或いは泣いたに違いないと思いました。
私は羽生選手の演技を観る時、馥郁たるかおりを放ちながら、淡い金色の液体の中に細かい泡がいつまでも立ち上がってくる、最高のシャンパンを飲んだ時のような心地よい酔いを感じます。
演技が終わった後もしばらく酔いから覚めることができません。
身動きができなくなるという意味では同じです。
羽生選手のプログラムは、『天と地のレクイエム』、『生命』でもあるという『SEIMEI』、そして今回の『天と地と』のように、天上と地上、あの世とこの世、彼岸と此岸、生と死、を暗示するものが多いような気がします。
考えてみれば、最初の世界選手権のときの『ロミオとジュリエット』も生と死のドラマでした。
それが時として、羽生選手の中に儚さや無常観を感じさせるのかもしれません。
また平家物語の冒頭を思い出します。
羽生選手も、戦い続けた長い年月を経て、同じことを感じているのでしょうか。
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 聖者必衰の理をあらはす
奢れる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし
猛きものも遂には滅びぬ ひとへに風の前の塵に同じ
今日は待ちわびていたNumber1019号の発売日です。
読むのが楽しみな記事が満載です。
ブック・イン・ブックも楽しみ!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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2021年01月20日
勝ちつつ価値のあるものにしたい
昨日の記事で書いた、消えた3.22点のことですが、
ちなみに、あの3.22点が無効とされていなかった場合、
羽生選手の全日本での総合得点は322.58点(319.36+3.22)となり、
ネイサンチェン選手の全米での総合得点322.28点を超えていたことを書き添えておきたいと思います。
羽生選手自身が代表会見で質問に答えた言葉の中にも、ネイサン・チェン選手への言及がありました。
Numberの野口さんから全選手への質問:
今シーズンそれぞれの国で活躍している選手の状況をふまえて、世界選手権で自分のライバルになりそうな選手、または気になる選手、最終的に自分の目指す順位っていうのを教えてください。
まあ一緒に戦って見ないと実際わからないっていうのが正直なところです。
もちろん基準も、まあある一定のフィギュアスケートのルールっていうのはある程度基準はありますけれども、実際戦ってみないと、その場の空気感とか、その場のリンク、または点数の出方、もちろん基準も違ったりもしてるんで、その場にいないとわからないところは実際単純に比較はできないとは思っています。
えーそういう意味で、たぶん全日本っていうのは公認記録になっていないわけだし、
で、今回グランプリシリーズ、スケートアメリカとか、カナダとか、いろいろ無くなってしまいましたけれども、でもそれでも、今回はグランプリシリーズの点数をISUは公認しないと言っているので、それは単純に比較するものでもないと思っていますし、
僕自身が出した318でしたっけ?、5でしたっけ?、8ぐらいか(319.36です)、も、やっぱり公認であるわけではないので、そこを単純に比較して、自分自身が今勝っているとか、自分自身がこの順位を目指したいとか、そういう気持ちは今、とりあえずは無いです。
ただ、もちろんネイサン選手の動向はもちろん気になってはいますし、ただ、僕自身がやること、僕自身がレベルアップしていきたいことはそれだけじゃなくて、
やっぱり4回転アクセルだったり、そもそもこういうプログラムを自体をどういうふうに進化させていくのか、深めていくのかっていうことが一番大事なのかなっていうふうに思っています。
しかし、会見の時の羽生選手って、試合の時の情感を込めた表現とは全く別の理知的な面が押し出されて、今言っておくべきことを的確に言う、そして行間を読めば何を言いたいのか想像がつくように、さりげなくアイロニーと共に反論を繰り出すという、相変わらず小気味よいトークでした。
その上ビジュアルと声が限りなくチャーミングという、マンガでも存在しないような、奇跡の人です。
ゆづマミさんが作って下さったプレカン集もとっても素敵です。
演技に見とれたり、会見に見とれたり、疲れる。
でも、それが結弦くんのファンであることの喜びと幸せ

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2021年01月19日
消えた3.22点
1月17日の記事『もしも羽生選手がアメリカ国籍だったら』に追記しようと思って、
SPの演技からキャプチャーしたのですが、思ったより画像がたくさんになってしまったので、こちらの記事にまとめました。
羽生選手の伏し目顔の美しさはフィギュアスケート界随一。
こんな衣装で舌ペロは違反です。
羽生選手を支えるプーさんとANAの組み合わせが頼もしいですね。
長野の全日本の会場ではよく上を見上げているシーンが見られました。
その先には五輪マークがあったのでしょうか。
演技開始のポーズをとって、
演技を始める寸前に、形の良い唇の端でフッと笑みを浮かべていませんか?
そんなところも大好きです。

突然ですが、ソチオリンピックの『パリ散』の時もそうでしたね。
「みんな楽しんで!」前向きな時間の始まりを告げる曲
『パリ散』のヘランジをアレンジして入れたのですね。
カウンターからの華麗なトリプルアクセル!
次が問題の足換えシットスピンです。
LIVE映像のテレビ画面では、このようにレベル2ではあるにしても、
基礎点2.30、出来栄え点0.92と、ずっと表示されていました。
加点さえ付いていたのです。
そしてフィニッシュ。
素敵な笑顔です。
観客の皆さんの方を向いてあいさつした時、ちょっと涙をこらえているように思えました。
やっと、みんなの前で滑れた喜びの涙だったのかもしれません。
テレビ観戦だった私も、ジーンとこみ上げるものがありました。
ところが、演技後リンクサイドに戻った時には、足換えシットスピンの3.22点は消えていたのです。
解説していた本田武史さんも、アナウンサーにそれが0点になっていることを指摘されるまで気が付かなかったようでした。
テクニカルコントローラーを務めた女性以外、おそらくそれが0点と思った人はいなかったと思います。
他のジャッジ諸氏がそのスピンが無効だと判断していたら、そもそも初めから点数が付かないはずです。
つまり、ジャッジは有効なスピンと考えて点数を付けたが、後からテクニカルコントローラーがそれを無効と決定したということになりますね。
エッジカバーを付けて、
今回はユズプーさんだけがお供のキス&クライ
結果は103.53点。
でも110点超すかな、と思っていた素人の私でさえ不可解な点だと思ったのですから
滑った本人はアレッ??みたいな顔にもなりますよね。
羽生選手は、翌日のFS終了後のインタビューでこんな風に語っていました。
初戦ということで、ちょっと力が入っていた部分もあったので
昨日それを感じられてよかったなと
それが今の率直な感想です。
結弦くん、これって、あのスピンに関してのことですよね。
不運も悪意も意地悪も、全て自分にとってプラスの方向に変換していくところ、
そして、必ずどこかで自分の率直な気持ちを述べてくれるところも、大好きです。
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2021年01月18日
圧倒的な存在感とシャルム
全米フィギュアスケート選手権終わりましたね。
なんと言っても、羽生選手のライバルとなるネイサン・チェン選手のFSが気になっていました。
フリーの曲は、アメリカの作曲家フィリップ・グラス氏の作品を組み合わせたもので、
インド音楽から大きな影響を受け、チベット仏教やチベット難民への関心も高い作曲家だということです。
あくまでも私の想像ですが、そんなとところにチェン選手の思い入れがあるのかもしれないなと思いました。
ネイサン・チェン選手 FS:Selection from Philip Glass
<ジャッジスコア>
技術点114.36、演技構成点94.00、合計208.36点でした。
選手全員のスコアはこちら。
これに対して、もう一度羽生選手の演技を見返してみましょう。
演技は7:20から始まります。
羽生結弦選手 全日本 FS:天と地と
<ジャッジスコア>
技術点118.61、演技構成点97.22、合計215.83点
今回の日米両国のナショナル大会フリースケーティングでは、羽生選手vsネイサン・チェン選手の戦いは、
羽生選手が技術点も演技構成点もチェン選手を上回り、羽生選手の完全勝利となりました。
勿論、基準も、点数の出方も違うわけですから、正確な比較にはならない訳ですが、
日本のマイナス方向のナショナルバイヤスと、
アメリカのプラス方向のナショナルバイヤスを考慮すれば、
羽生選手の方に軍配が上がったと言っても過言ではないように思います。
ネイサン・チェン選手も素晴らしい選手だと思うし、好感の持てる米国青年だなとも思います。
しかし、正確な技術力と優れた表現力、プログラムのテーマへの強い思い入れ、一音一音を大切にする音楽へのこだわり、オートクチュールレベルの華麗な衣装。
その全てを統合して魅せる羽生選手の圧倒的な存在感とシャルムを凌駕するのは、どんなフィギュアスケーターにとっても容易ではないことは確かです。
今回、日米2つのナショナルを続けて観て、それを強く感じました。
今シーズンの世界選手権が有っても無くても、もうこれで十分に満足している私です。
後は、
羽生選手が、もしスケートを続けていれば出場を考える、と過去に言っていた、
1年後の2022年北京冬季オリンピックまでにパンデミックが収まってくれるのを祈るのみです。
偶然ですが、フィニッシュポーズが同じです!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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