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2018年11月14日

一回性の演技


ロステレコムはもう目前。

今のうちに、少し前の記事ですがフィギュアスケートライフVol.15の中のトレーシー・ウィルソンさんのインタビューがとても印象的だったので、一部シェアさせていただきたいと思います。







ー羽生選手が直面している課題は?

「彼は自分のやりたいことや、この競技をどういった方向に持って行きたいか、自分は次に何に貢献できるのかを理解しています。もちろんこれまでもずっと技術面では確たる考えを持ってやってきた彼だから、私の役目は彼がスケートの刃の上に立つ時に冷静さと力強さ、そしてバランスをどこに見出すのかを手助けすることね。それができれば技術的な要素もすべて安定してくるでしょう」



試合の時もトレーシーコーチがいてくれることが羽生選手の精神的な支えになっているように感じられます。
彼女の包容力が緊張の中でも平常心を保ち、冷静と情熱のバランスを保つのを助けてくれるような気がします。



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ー4回転アクセルについては

「練習しているし、回転もできています。
(中略)彼が練習するのを見ていて本当に興味深いんだけど、時々彼の天才たるゆえんを目撃することがあるの。天性の才能、そして創造性。スケーティングにもそれが表れるし、彼が技術面で挑むことにも。
だから4回転アクセルに関しても、『え、今の見た?』ってなって、消化するのに時間がかかるんです。そしてブライアンと二人でよく目を合わせて『4回転アクセルを成功するとしたらユヅよね』って」


常に練習を見ていたら、その天賦の才能のひらめきを見ることがあるのでしょう。
ワクワクする瞬間でしょうね!


やはり4回転はできているようです。
でも羽生選手自身が言っているように、プログラムの完成が先で、4回転は全日本の後になるようですね。

怪我がないよう、くれぐれも慎重に進めてほしいです。
ゆっくりと、機が熟すのを待ちたいと思います。


181102 FS 公式練習 3



ー新プログラムのステップについて

「ステップはショートもフリーも大好き。私に言わせると、いつも彼の滑りの見どころはステップなんです。彼は難しいターンやエッジに正確に乗ることができるんだけど、それ以外にも音楽の複雑なニュアンスを探り当てることもできるんです。だから、彼のステップシークエンスは芸術面でも技術面でも予測不可能なところがあるの。その日によって、彼がどのような感情を込めるかによるから。常に新しいものを見つけることができるというか、二度と同じことをしないと言っていいくらい、ステップにおいて彼は創造的なアーティスト。
これはジャンプでは許されないことですよね。ジャンプは型にはめた安定性とメソッドが求められるから。でもステップシークエンスでは彼の ” 遊び ” の部分がはっきりと浮き彫りになるんです



ステップシークエンスに予測不可能なところがあるというのは分かります。羽生選手の演技は1回ごとに少しづつ振り付けや表情が違いますものね。

その時々の感情に違いがあるように、演技も二度と同じものはない一回性のものだから、同じプログラムを何回見ても飽きることがありません。
彼の”遊び”の部分が、観ている方を楽しくさせるのです。


181103 フィンランド SP 10  サンケイ 1




ーフリーの難しいところは?

「難しさについては、プログラムの中でいかに技術面と芸術面の力の配分をするか、という点が一番の課題だと思って注目しています。技術面のメソッドをしっかり守った上で、いかに自由に遊べる部分を保つのか。
そういう意味で彼にとって最も難しいのは、フリーの時間が短縮されたことかもしれないですね。彼のもう一つの強みでもある芸術性を見せる余裕が前ほどはなくなってしまいました。以前なら自由に解き放たれていた時間が削られちゃったから


やはりフリーが4分30秒から4分に短縮されたのは大きいことなのですね。
ジャンプが1本減っても10秒くらいなのに、実質残りの20秒はステップの部分を減らすことでつじつまを合わせなくてはいけなくなりました。
スケートで20秒あればたくさんのことが表現できますから、それがカットされたということは自由に表現できる部分が大きく減少したことになります。

プログラムがどこか慌ただしい感じになるのもそんなことが影響しているのでしょう。

女子はこれまでも4分だったのですから、男子も慣れてしまえばいいのでしょうけれど、今シーズンはルールが変わったばかりで、男子スケーターは全員それに対応するのに苦労しそうですね。

羽生選手が4分に制限された時間の中で、プログラムをどんな風にデザインしてくるのか、それもまた楽しみです。



18-11-4  behind  3_Fotor



もう明後日の木曜日からはロステレコムの公式練習が始まります。
そろそろ羽生選手もロシアに向かうのでしょうか。



昨年のロステレコムにはたくさんの思い出があります。

初めて試合で4回転ルッツに成功したこと、何気なくジャケットを脱いだだけなのに、”羽生脱ぎ”なんて言われて話題をさらったこと、ヴォロノフ少年とのエピソード、金色のリボンに絡まる羽生選手がなんとも美しくて素敵だったこと、フィナーレのリフト等々。


ロステレ ジャージ 1_Fotor_Collage


今年もまたたくさんのエピソードで彩られるロステレコムになりそうな予感!




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withgoldenwings at 02:22│羽生結弦 | フィギュアスケート雑誌
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